狩人と牛盗人

狩人と牛盗人 (天仁屋の伝説・昔話)

天仁屋の部落がまだなく、そこがうっそうとした森林だった頃、海岸の洞窟を住処にしている3,4人の盗賊がいた。盗賊たちは近くの村から牛を盗み、村人たちを困らせていた。

ある日、嘉陽の狩人が犬を連れ、狩りをしていたが道に迷っているうちに天仁屋の海岸に出た。見ると海岸の洞窟で盗賊たちが牛鍋を前にして酒を飲んでいるのが見えた。村人を困らせている盗賊はこいつらだと思った狩人は、犬をつかって盗賊たちを捕らえた。その時、狩人は辺りの地形のよさや水利のよさを見て、いい所だと思い、村に帰ってそのことを話した。それから天仁屋の開墾が始まり、今の部落が始まったという。(久志村誌より)

出典:「わがまちわがむら