勝山の文化遺産

勝山の背後にせまる嘉津宇岳・安和岳.八重岳などの山々は、自然保護区として、昭和47年3月に県の天然記念物に指定されている。石灰岩地特有のカルスト地形を示すこの地区には、地質や地形の違いによって特徴ある植生が見られ、分布上注目される植物が自生する。沖縄島固有種としてヒナカンアオイ・オナガサイシン・リュウキュウハナイカダなどがある。また、県指定の天然記念物である。コノハチョウやフタオチョウも生息する(名護市の文化財第二集)。

勝山の集落の中には、推定樹齢70年、樹高11mの大きなターローサー(ホルトノキ)があり、市民の名木として紹介された(名護市の名木)。

昔から山羊の産地とじて知られた勝山には、山羊の魂を弔う「羊魂碑」が建つ。山羊汁が何より好きな人たちの「山羊を賞味しているが、山羊の魂を弔うことを忘れている」という話をきっかけに碑の建立となったそうだ。建立委員長は照屋医院の照屋規太郎氏であった。また、これも山羊好きの牧志朝三郎氏が詠んだ「三昧を 知りて 迷へり 山羊路」という句を刻んだ碑も同時に建立され、現在、その二つの碑は公民館前に並んで建っている(岸本喜順:名護碑文記所収)。その他に、「村学校跡の碑」「御大典紀念道路碑」「運動場開設記念之碑」など、勝山の歴史を刻む碑もある。

また、昭和53年には『勝山誌』(A5版、339頁)が出版され、当区の沿革・産業経済・教育・文化・自然。逸話・文芸などが集大成された。岸本喜順氏を委員長に当区出身者が力を合わせて編集した労作で、後世に残る貴重な文化遺産である。

勝山に伝わる伝説の中から、特に勝山に関わりの深い二つの話を紹介する。

勝山には、地元で作詞された「勝山小唄」がある。勝山のことをよく歌っているので、ここに紹介する。

出典:「わがまちわがむら