02_羽地内海の自然観察

羽地内海は、天然の良港として台風避難に利用されたり、波静かなために休日ともなると、釣り人等でにぎわう名所です。ここはまた、国設の特別鳥獣保護区が1,050ha、鳥獣保護区が3,680haにわたって指定されている地域でもあります。その根底になっているのは、内海に広がる広大な干潟に季節ごとに訪れる鳥類の多さによるもので、特に冬期には遠く北の国から渡来してくるシギ、チドリの仲間やサギ、ガンカモ類の仲間などの姿を見ることができます。

1988年12月から1989年の1月にかけて全国一斉のシギ、チドリの生息調査が行われました。羽地内海では、ダイゼンやムナグロ等の大型のチドリ類、ハマシギやイソシギなどのシギの仲間が一日に400羽以上も活動し、マガモやヒドリガモ、ヨシガモなどのカモ類も渡来していることがわかりました。

羽地内海の鳥類を観察する場所としては、屋我地中学校の裏手の干潟あたりが良好なポイントです。鳥類図鑑と双眼鏡(軽い方がよい)、千潟の遠くまで観察できるフィールドスコープ(20倍程度)などを持参すれば、たやすく観察できます。もちろん屋我地島の農耕地や森にも、シジュウカラやメジロなどが生息し、小さな池にもカモの仲間やクイナの仲間も観察できます。 (嵩原)