大湿帯のオキナワウラジロガシ

大湿帯のオキナワウラジロガシ

種別:天然記念物

指定年月日:昭和58年3月23日/市指定

所在地:源河2534-1

(説明)

源河部落から東村有銘に抜ける道の途中に、大湿帯という部落があります。その部落に至る2つ手前の橋の左側、川を上流へ数十分さかのぼると、一帯の林はしばらく前まで薪炭用の材を伐り出したのでしょうか、小径木の木が成立します。その頃の名残か、小さい山道が川沿いにはしり、ちょうどこの山道のほどよい広さのところに、周囲の木の大主であるかのように立ち、奇妙な板根をもったカジギ-に出会います。板根とは、根が地上で板状になったもので熱帯多雨林に多くみられる現象です。この木は、樹高約15m、板根上部の幹径約1m、樹齢180年ぐらい。厚さ数㎝の板根5枚が四方にたこの足状に伸びています。大径木で、しかも空洞化しているため薪炭用に適さなかったのでしょう。あるいは木こりたちの胸中に、いつしか神聖化していたかもしれません。

オキナワウラジロガシ(Quercus miyagii koidz.)は、西表島から奄美大島に分布する琉球列島の固有の樹木です。この木の板根は、山にくわしい古老の話によると、昔は時折見られたようです。材は剛硬で多用途に供し、板根は、マヌチャ-(まな板)に使われたいたそうです。