久志間切番所ガー

久志間切番所ガー

種別:史跡

指定年月日:平成23年3月18日

所在地:瀬嵩173番地2

久志間切番所ガーは、琉球石灰岩を加工した石積みで造られた掘り抜き井戸であり、瀬嵩に久志間切番所が設置されていたことを示す唯一の遺構である。

全体の大きさは間口3.35m、奥行き4.4m。両袖部分は幅0.5mから0.55m、高さ0.36mをなし、後部が少し高く0.51mとなる。井戸の部分は、直径が0.68m、深さ約3.8m、水面までの深さ1.9m。井戸壁面も円弧状に加工された石積みにより成形される。

1673年に久志間切が新設された後、番所は1687年に久志村から瀬嵩村に移転される。1908(明治41)年、島嶼町村制の施行により間切が廃止されるまでの間、瀬嵩村に久志間切番所が存在し、その後も行政機関の中心地として発展してきた瀬嵩区・久志地域の歴史を物語る遺構である。

また、沖縄戦当時を通じ人々の生活用水として利用されたのみならず、戦後の瀬嵩収容所時代には石積みの一部がカマド石として利用されたなど、戦後の生活誌を語るうえでも貴重な史跡である。