ノグチゲラ

ノグチゲラ

種別:特別天然記念物

指定年月日:昭和52年3月15日/国指定

所在地:地域を定めず

昭和47年5月15日天然記念物として指定されたノグチゲラは、キツツキ科のノグチゲラ属に属する一属一種の鳥類でわが国固有の種であるとともに、沖縄本島北部の伊湯岳から西銘岳にかけての亜熱帯広葉樹林帯にのみ生息する世界的にも珍稀な野鳥です。

体長は約30センチの中型のキツツキで、体色は全体がほぼすすけた褐色をしています。オスは額から後頭部にかけて暗紅色ですが、メスは黒い。翼は黒く風切羽は外弁に三条の白い横斑があり、飛翔時には白い縞のようにみえます。

密林の幹をめぐって生活し、樹幹や林床の昆虫や、ハゼノキ・タブノキなどの果実を餌にします。地上におり、両足をそろえて跳びまわりながら餌をあさることもあります。「クィッ、クィッ」または、「フィッ、フィッ」と鋭い声で鳴きます。

巣は他のキツツキと同じように木に穴を掘って造りますが、ノグチゲラはシイやタブの老齢木を選び穴を掘る場合が多いといいます。4月ごろ、半死木や枯死木の幹の地上3~10mぐらいのところに直径7㎝、深さ60cmくらいの巣穴を作り、その中に1~3個の純白の卵を産みます。また、繁殖期はオスメス一番(つがい)でほぼ20ヘクタールのテリトリーを形成することなど、その生態はしだいに明らかになりつつあり、また生息数も100から200羽程度と推定されています。

S47-5-186ノグチゲラ.txt:

沖縄本島北部山地の原生林地帯のみに生息する一属一種のキツツキで、湯河山から与那覇岳、辺野喜岳にかけてシイ、カシ林等に生息し、その個体数もきわめて少ない。 1939年の蜂須賀氏の調査によると当時の総数で100羽をこえないとされていたが、その後の原生林の伐採を考えると、絶滅の危険がきわめて高く、その保護は緊急を要するものである。