扇子(せんす)

扇子(せんす)

舞踊や組踊などで用いられる採り物の一つ。琉球語ではオージ(扇)という。古琉球以来、日本から交易品として入ったものである。近世期の家譜などに王からの下賜の品としてその名がみえているように、士族男子、それも仕官している身分の日常的な持ち物であったが、久高島の有名な祭祀イザイホーにみられるように、神女を象徴するものとしても使われた。琉球芸能では表面が金、裏面が銀などの豪華な扇子が用いられている。また、民俗芸能の場面では扇面の中央部に日の丸を書いた「日の丸」扇子も多く用いられている。

出典:「芸能