イボイモリ

イボイモリ

種別:天然記念物

指定年月日:昭和48年10月30日/市指定→昭和53年11月9日/県指定

所在地:地域を定めず

沖縄に生育するイモリの仲間には、現在シリケンイモリとイボイモリの2種が知られています。イボイモリは、本種は、背・腹ともに黒褐色で、僅かに肛門周辺・手足の裏・尾の下面がオレンジ色であること、また背面には大きな肋骨の隆起が広がっており、背中に木の葉を乗せたような形態をしていること等の点で、シリケンイモリとは容易に区別できます。シリケンイモリは腹部全体がオレンジ色で、背中も滑らかです。

イボイモリは、イモリの仲間でも最も原始的なグループに属し、近縁種はヒマラヤ東部から中国広東省にかけて、5種が知られています。このような原始的な生物が、大陸から遠く離れた琉球列島にだけ生育しているという例は、他の動物(イリオモテヤマネコ、アサヒナキマダラセセリ)でも知れており、これらの例も含めて、沖縄の島々が古くは大陸と陸続きであったとことの証拠として、貴重な生物です。イボイモリが「生きた化石」といわれる所以は、そこにあります。イボイモリの生態については若干の研究報告もありますが、まだ不明な点も多く残されています。