久志の人形踊り

久志の人形踊り

種別:無形民俗文化財

指定年月日:指定候補

所在地:久志

(説明)

久志の村踊りの芸能の1つに、人形(ミンジョウ)踊りがあります。この踊りの由来については定かではありませんが、村の古老や、代々それを管理している久志の旧家の一つである松浜屋の比嘉行善さんの話によれば、おおよそ次のとおりいい伝えられています。

昔、松浜屋から公務として唐旅に随行された人がいました。一行は道中で「道ジュネー」を見る機会に恵まれました。その中にひときわ美人で、踊りの上手な女性がいて、その女性の頭部を型どり持ち帰ったのが人形踊りの始まりだといわれています。なお、唐から持ち帰ったのは火事で焼失し、現在のは二代目だそうです。

この踊りは、他の踊りとちがい所作が極端に少なく歩きが主です。出羽は「高離節」で、人形加那志が二人の若者に舞台中央に導かれ、中踊りは「仲村渠節」で踊られます。入羽は出羽と同じ高離節で、二人の若者に導かれて幕内にはいります。

人形は「ミンジョウガナシー」と呼ばれ、旧7月の豊年踊りに村の踊り神として舞台の上部にすえられ、プログラムの最後の一つ前に踊られます。ミンジョウガナシーは代々松浜屋が保管するが、豊年踊りにはウグヮンをして村屋(公民館)にウンチュケーされます。

《仲村渠の歌詞》

思いある仲や 人繁さあむぬ

袖に顔かくち 忍でいもり