1913年01月09日

名護青年会総会状況 大2・1・9琉新

去月三十日午後一時より名護尋常高等小学校に於て、第二回名護村青年会総会を開催せり。来会者三百余名。岸本司監の開会の辞、戊申証書捧読〔ぼしんしょうしょほうどく〕、武田会長の式辞、阪本名護警察署長の訓辞にて式を終り、次に本県図書館長伊波文学士、専売所本田属の講話あり。伊波文学士は名護の長所短所を指摘して一時間余に亘り懇篤痛切に説述し、本会員に非常なる感動を与へたり。右終りて議事に移る。本会提出協議題左の如し。

一、茶樹植栽の件

可決

会長より、向後十ケ年を期し本村民ことごとぼう悉く自家製の茶を用ひ、輸入茶を防遇せんとする方針並に種子配布方法につき説明あり。本年廿日(ママ)限り各支会より植植(ママ)すべき人名並に種子の数量、取寄方法等を本会に報告することとし、可決す。

一、阿旦葉の増植保護に関する件

可決

各支会より委員を選出し、村内共通の規程を作ることに決す。

一、貯金奨励の件

会長より、金額の多少を主とせず、寧会員各自悉く若干の貯金を為し、以て貯蓄の美風習慣を馴致せしめんとするが提出の趣旨なることを説明し、今回は本会員の輿論に於て是と認めたる程度に於て可決す。

時既に薄暮となりたるを以て、各支会より提出せし諸題の討議及び各会員の演説はこれを見合はせ、討議題は各支会に於て更に審議をなし、支会選出の委員は其支会の意見を齎らし、委員会に於て議定するに決し、夫より茶話会にうつり、午後六時閉会。各支会提出の議題左の如し。

一、夜学会設立の件

一、春秋原山勝負差別式に青年会を附帯して開会するの件、

一、郡青年会運動会に於て優勝旗を得たる青年の賞与方法に関する件(この案に限り至急賞与するに決す)

一、他字の内規を犯したるものの処分方法に関する件、

一、毛遊取締方法に関する件(以上東江支会提出)

一、農作物保護取締り方法に関する件

一、風俗取締に関する件(以上大兼久支会)

一、農家は必ず水肥桶簑笠を備付すべきの件、

一、各字に青年会集会所を設け、各自適宜の夜業を営ましむの件、

一、農家は必ず肥料小屋を設け、肥料の製造を奨励する件

一、名護村青年会大会の定期日を好時期に変更する件

一、未丁年者の禁酒禁煙を厳に取締るの件(以上城支会提出)

一、紀念林設置の件

一、農道改修の件(以上数久田支会提出)

名護市史編さん「戦前新聞集成2」より