親川グシク遺跡

親川グシク遺跡[おやかわぐしく・いせき]

(グスク時代)

名護市親川

親川公民館の北にある標高50mの丘陵の頂上に立地している。ここは、親川・田井等・振慶名の集落から羽地内海沿いの仲尾付近まで続く、標高35~50mの丘陵地帯のほぼ中央に位置している。丘陵の頂上には連続する三か所の石垣囲いがあるが、石垣の石は取り去られて根石部分しか残っておらず、当時の状況を知ることは難しい。石垣は野面積みで、直径30cmほどの石が多く使われている。一番高いところにある石垣囲い周辺には二か所の遺物包含層が確認されている。

遺物はグスク土器、青磁、青花、南蛮陶器などが採集されているが、グスク土器はほかの遺物に比べて非常に数が少量である。沖縄製の陶器など近世~近代の遺物も採集されているが、遺跡との直接の関係はよくわかっていない。

伝承によると、親川グシクは羽地按司が親グシク(字川上に所在)から移ってきて築かせたものであるということである。

(名護市文化課文化財係)