瀬嵩さんたち原のハル石

瀬嵩さんたち原のハル石

種別:史跡

指定年月日:昭和58年3月23日/市指定

所在地:瀬嵩403

(説明)

ハル石(印部土手石)は、今から約250年前の蔡温時代に行った元文検地(1737~1752年)の際、土地測量に使った図根点です。これまで県内で約150個、名護市内では30個余ハル石が発見されています。もともとは、径1時間程の根石をもつ土塚の上に建てられていたのですが、土手を残すのは県内でも少なく、市内ではこのハル石をふくめて数カ所に土手が残っています。とくにこの三立原のハル石は良く保存されています。ハル石の表面には、「さんたち原 ね」というように、その原名と仮名文字が刻まれています。ひら仮名とカタ仮名の2種類があって、その使い分けはよくわかっていません。この「ね」は、いろは順で20番目にあたり、近辺になお多くのハル石があったと思われます。

ハル石によって、まず250年前に存在した田畑の位置と状態を知ることができます。そして、竿入帳などの記録とあわせると、当時の測量技法が理解でき、刻まれた原石と現在の異同を調べることにより地名の変遷を知る手掛かりにもなります。農村の地方史料が少ない名護・沖縄にあって、当時の田畑の作り方や農業の仕方の一面をハル石を介して見ることも可能なのです。地域の歴史史料・文化財として貴重であり、今後も発見が続くと予想されますので、皆さんの発見報告をお願いします。