久志の組踊り台本

久志の組踊り台本

有形文化財(古文書) 指定候補

久志区の事務所に、明治10~20年代を中心に7冊の「組踊り台本」(写本)が保存されています。先年発見された宜野座村松田の台本とともに貴重な芸能資料です。

まず、「久志の若按司」は、土地がら村芝居の中で大切に上演、保存されたもので、明治20年頃の筆写と思われます。「義臣物語」は3本あり、最も古いものは書写年代が不明で、また保存状態はよくありません。中に「長寿の大主前」の詞章がついています。次に古い明治24年7月に書写したものは、書体も美しく、保存状態のよい台本です。3本目は戦後に仕立てたものでしょう。「手水の縁」は、表紙題せんに「波平山戸物語」とあり、明治20年頃の書写と思われ、ないように独自なものがあり貴重なものです。「森川の子」は光緒4年(明治11)の筆写で、この種のものでは最も古いものの1つです。「伏山敵討」は明治26年の書写。平成元年久志区独自で台本の修復を行い保存にとりくんでいます。

その他、久志には、昭和17、18、23年の村芝居のプログラムが残っており、出演者の名前がみえ、これも貴重な資料です。

出典:「名護市の文化財第2集」