コノハチョウ

コノハチョウ

種別:天然記念物

指定年月日:昭和44年8月26日/県指定

所在地:地域を定めず

コノハチョウは、タテハチョウ科に属する中型種で、7亜種に細分されているうちの沖縄の固有亜種です。日ざしの比較的多い川沿いの樹林内やその周辺に多くみられます。翅(つばさ)の裏面の紋様が枯れ葉にそっくりなことからこの名がつけられ、擬態(ぎたい)の典型的なものとされます。緑葉や樹幹に止まる時は、頭を下にして翅を閉じます。樹液や落果に集まり、花にはとまりません。オキナワスズムシソウ、セイタカスズムシソウなどが食草で、成熟幼虫は、体長60mm内外、体は黒色で頭部に2本の長いトゲ状の突起があります。また、胴部の各節にもトゲ状物があるので一見グロテスクで気味悪くみえます。 コノハチョウは東洋熱帯に広く分布し、わが国では沖縄本島と八重山に生息し、沖縄本島北部が分布の北限となっています。名護市では、嘉津宇岳、安和岳、八重岳自然保護区に多く見られ、名護岳の鳥獣保護区や市内河川の上流で観察されます。昭和48年には、「市民の蝶」としても指定されました。