フタオチョウ

フタオチョウ

種別:天然記念物

指定年月日:昭和44年8月26日/県指定

所在地:地域を定めず

大型で頑丈(がんじょう)なタテハチョウ科に属し、10亜種に細分されている内の沖縄固有の亜種で、清そな美しい蝶です。翅(つばさ)の地色は黄白色を呈し、前翅(ぜんし)の基部はやや幅広く白色で、前翅外半部から後翅(こうし)の後の縁にかけては黒色で、後翅の前の縁はほとんど白色で、後方には2本の尾状突起があります。フタオチョウ(二尾蝶)という名は、この尾状突起にもとずくものです。

裏面は白色、樹液や発酵したパイナップルに好んで集まりますが、花に集まることはありません。通常は樹木高く飛び回るので、なかなか目につきません。幼虫は頭部が大きく4本の角を有していて、その頭部を斜め上方に向けていることが多いようです。また卵は球の上部を裁断したような特異な形で、さかさまに生みつくしたようにみえます。

フタオチョウは、台湾からマレ-半島、ヒマラヤ西部にかけて分布し、わが国では沖縄北部にだけ生息して分布の北限となっています。