愛楽園のアダン群落

愛楽園のアダン群落

種別:天然記念物

指定年月日:指定候補

所在地:済井出

(説明)

アダン(Pandamus odoratissimus L.f.)は、沖縄広域に分布している植物で、タコノキ科に属します。主に海岸近くに生育している亜高木で、葉は硬い革質状で、長さ1~1.5mくらいになり先の方はしだいにとがります。辺縁と下面(中肋上)に鋭い刺す歯があり、線状被針形をしています。雄と雌の木は別々の木で、雄花は葉のわきからいくつも重なってたれ下がり淡黄色をしています。雌の花は、短い柄のある球形の集合花で、実も球形またはだ円形状の集合果で、熟すると黄赤色となり、芳香があります。支柱根は、幹の下部や、下方の太い枝から気根を出し、その太い気根は地中に斜め下方にもぐりこんでたくましくなります。そのため、防風林・防潮林・防砂林として広く利用されています。アダンの葉は民具や帽子、敷物の材料、また、花序は追込み用の漁具などに利用されています。

愛楽園北側の海岸には、約300mにわたってみごとなアダン群落が残っています。近年、海岸線が人口の堤防などに変わりつつある中、自然の海岸線の風景を残す貴重な場所といえます。