オキナワトゲネズミ

トゲネズミ

種別:天然記念物

指定年月日:昭和47年年5月15日/国指定

所在地:地域を定めず

トゲネズミ属に属する唯一の種で奄美大島および沖縄本島にのみ産する。針状毛を有する特徴のあるネズミで、アマミトゲネズミとオキナワトゲネズミの2亜種にわかれる。アマミトゲネズミは奄美大島湯湾周辺で少数が認められるのみで、オキナワトゲネズミも沖縄本島北部の原生林地域で認められるに過ぎない。 わが国特産の属は、ほとんどないが、本種はわが国の特産の一属一種の哺乳動物で動物地理学上その他学術上の価値はきわめて高い。

背中に一面にかたいトゲのような毛を持つ、風変わりな野ネズミです。体の大きさは約15cm、しっぽの長さは13cmぐらいです。山地の森林内で暮らしています。大きな木の根元などに巣穴を堀り、昼間はその中に隠れています。夜になると巣穴から出てきて、林の中に落ちている木の実や落ち葉の中の小動物を食べます。

沖縄島にすんでいるのはオキナワトゲネズミと呼ばれ、兄弟にあたる種類が奄美大島と徳之島にすむアマミトゲネズミです。また、親戚にあたるトゲネズミは、セレベス島にすんでいます。これらのネズミの分布は、それぞれの島の歴史と関係があります。トゲネズミのように離ればなれにすんでいる動物について調べると、琉球列島の歴史を知ることもできます。