03_名護岳イボイモリ天国

今月は名護岳にいる、ちょっとすごい奴を紹介します。その名はイボイモリ。何がすごいのかというと、イボイモリはあの恐竜の先祖にあたる動物なんです。ミニ怪獣にも見える小さな生き物が、名護岳にはいっぱいというのが、今回の話題です。

暖かくなり始める3月頃から、名護岳周辺でイボイモリの姿を見ることができます。一番よく見つかるのは4月から5月です。東江から大浦にぬける林道の途中から、名護岳の裏手を通る山道があります。ここが、イボイモリを観察する絶好の場所です。ポイントは、山道のあちこちにある水溜まり。水溜まりがあったら、その周辺の草むらをさがします。谷側よりも山手の方の、落ち葉がたくさん積もっているところがいいです。静かに落ち葉をかきわけてみましょう。イボイモリが見つかります。

最盛期には、それこそ500mぐらいの間に24匹以上見つけることもあります。どうしてこんなにイボイモリが出てくるのでしょう。どうやら卵を産むために集まってくるようです。親をさがす要領で落ち葉をかきわけると、卵を見つけることもできます。卵はどんな場所にあるのでしょう、水からどのくらい離れているのでしょう、何個ぐらいあるのでしょう、大きさはどのくらい、いろいろ観察してみましょう。ひととおりの観察が終わったら、卵をもとの場所にもどし、また落ち葉をかけておきます。

私たちの身近には、不思議で面白い生き物がいっぱいです。家の近くの森や川は、自然が子供たちに与えた学校です。かつて私たちが持っていた「山学校」のこころ、自分の子供にも分けてみませんか。(千木良)