クンジー(紺地)

クンジー(紺地)

着物の名称の一つ。首里方言では「紺の地の布・着物」をいう(『沖縄語辞典』)。琉球王国時代、被服は位階制に従って定められていた。無系の庶民階級は芭蕉布や麻、木綿などに限られ、色柄や模様にも制限があり、絣の柄の大きなクンジーは着ることはできなかった。明治の琉球処分以降その制度が崩れ、クンジーは町方だけでなく地方でも一種のステータスとして着ることができるようになっていった。町方や辻の女性たちの、あるいは舞台役者の衣装として、地方の女性たちの憧れの被服だった。しかし戦後、服飾の西洋化に従ってそれも失せ、現在では、ウシデークや村芝居、琉球舞踊の際にしか着られることがない。

出典:「芸能