カラスバト

カラスバト

名称:カラスバト

種別:天然記念物

指定年月日:昭和45年11月12日/国指定

所在地:地域を定めず

カラスバトは、常緑広葉樹の密林中に生息する緑色の金属光沢を帯びた全身黒色の野鳩で、わが国の南西地方の島嶼に分布するほか、一部琉球諸島、中国の山東省等にも分布している。 かつては、東京湾横須賀沖の猿島にも多数生息していたほどであったが、近年、生息地である常緑広葉樹林の減少と密猟により著しく減少した。

カラスバトはその名のとおり羽の色が黒いハトです。光の具合によって紅紫色、頚部・胸・背等は緑色の金属光沢を放ちます。くちばしは暗灰青色、脚は赤桃色、全長約40cmで、キジバトより大きく、翼を曲げかげんに飛びます。鳴き声は「ウッ、ウ-、ウッ、ウ-」と牛に似た鳴き声や「グルグル」と鳴くので鳴き声で居場所が確認できます。方言で「ウシボ-トゥ」と呼ばれるのは、その鳴き声に由来します。

県内各地の常緑広葉樹林中に生息しており、密林のなか、地上1~7mくらいの樹枝上、あるいは、岩上に巣をつくります。巣は枯れ枝を組み合わせて作られ、1巣の卵数は1個といわれています。

名護市では、名護岳(343m)や嘉津宇岳(448m)などで、カラスバトの独特な鳴き声がよく聞かれます。また、名護市動植物総合調査では、名護市のほぼ全域に生息していることがわかりました。