我部の文化遺産

我部にはまだ指定文化財はないが、立派な名木がある。まず、「我部旧道の松並木」は、稜線に沿った幅3mほどの旧道に老松が14本並んでいる(推定樹齢130年)。高さ7~17m、胸高直径55~101cmの見事な老松群である。ここは羽地内海を眼下におさめる眺めのいい所で、大正の頃まで三月毛遊びや月見会の場として利用されたという。今は人通りも稀だ。前垣バス停近くのリュウキュウマツも見事である(推定樹齢120年)。これも旧道の松並木の名残りである(名護市の名木)。

現在の我部運動公園の広場には「平松之趾」の歌碑が建つ。

「朝凪と夕凪 やがぢ漕じ渡て 我部の平松に 想い残ち」と詠まれるこの歌は、往時の若者たちのモーアシビの風情を伝える。

我部には注目される地域史料がいくつかある。「我部阿さけ美神三人之内門口者□前跡役前川筑親雲上女子ま加新居之時入目割符帳」は、嘉慶16年(1811)神役交替の時の諸費用を割当てた帳簿で、名護市内では古い民俗史料である。他に、嶺井家史料の諸仕次や与儀家の家譜など、これまで我部では27点の地域史料が確認されている。前垣を中心に寄留士族の多いところであり、今後さらに史料が発掘されるものと期待される。

我部の伝説・昔話

出典:「わがまちわがむら