仲尾次の高砂

仲尾次の高砂(なかおしのたかさご)

(無形民俗文化財 未指定)

仲尾次の豊年踊りは、百年余の歴史を有し、先輩から後輩へと受け継がれてきた伝統芸能である。毎年旧暦の9月9日をはさんで3日間行なわれる。9月9日は正日といい、仲尾次の守護神5カ所の神前に菊酒を供え祈願をする。その日は、区民をはじめ県内の仲尾次出身者が公民館に集まり、健康と幸福発展を祈り豊年を祝い、豊年踊りが催される。

高砂は、約80年前くがにやま玉城氏によって始めて仲尾次の豊年踊りにのみ教えてもらったものである。他部落では見られないものであり、原則として、豊年踊りの時にだけおどられる。

1 翁媼出羽

ところは高砂やをのえの松よりくるや

この下陰に松葉なまでなをいきの松

2 鶴亀出羽

これも久しき名所かなこれも久しき

これも久しき名所かなドカヌドカヌドカヌド

千年経る松の緑葉の下に

亀が唄えばツルハ舞うるドカヌドカヌドカヌド

3 坂原口説

今日の座敷は祝の座敷亀が歌えば鶴は舞うる

君は百歳わしゃ九十九まで共に白髪のはえるまで

4 そんばれ節

今年から始まる下原の踊

二才はかいしだいして踊らし舞うらし

前結びもかたひさ舞い美らさ

鶴と亀とのゆわいや千年万年

わぬん年くらびて幾世までも

子孫さももていさかい

5 伊集早作田節

ことぶきや千代の春に糸かけて

くりかえしがえし松のみどり

出典:「名護市の文化財第2集」