2003.07 携帯電話をメガピクセルへ機種交換

わーくすてーしょんのあるくらし (70) 

2003-07 大橋克洋

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今月はじめの新聞1面に「政府、人事・給与システムにリナックス 採用」の記事がありました。世界的にこのような Linux へシフトの 動きがあることに危機感を覚えた Microsoft 社が Windows を(限 定)オープンにする動きもあったようですが。 Linux 採用の動きは、従来基幹システムとして使われてきた大型 電算機が、もっとコストのかからず Windows のようにブラックボ ックスでなく、安全かつ軽快なシステムへと変遷しつつあることを 示します。

今から20年近く前の医療情報学会で「これからは UNIX で動くワ ークステーションが水平に繋がり、大型電算機はその中で専門分野 を担う周辺機器となる」と述べたところ、フロアーの電算機屋さん たちから散々反論を受け悔しい思いをしたことを想い出します。 この分野でまったく名前も知られていない一開業医の言葉ですか ら重みのないことは確かですが、背景に大学とか企業を背負った人 間の言葉しか信用しない日本の体質への怒りは今も続いています。 仕事の内容そのものを評価できず、ノーベル賞をとったとたんにチ ヤホヤするような体質にです。逆に言えばそれが私のエンジンにく べる燃料ともなっています。

その数年後、医療情報学会の演題に UNIX 導入のタイトルが溢れ ることがあり、ざまあみろと思ったものです。今回の記事を読んで 、いよいよ本格的に私が予想した時代に入りつつあることを再度実 感した次第です。

○ 携帯電話をメガピクセルへ機種交換

携帯電話はどんどん改良されるので、1,2年くらいで機種交換し た方が快適に使えるようです。この春からメガピクセルの携帯が出 たのを機会に、機種交換することにしました。で、どれにするかで 悩みました。とりあえずはカタログをもらってきてスペックの比較 です。 条件としてはまず「軽薄短小」、次に「なるべくカメラの解像度 が高いこと」です。前回の機種交換では、折り畳み式、画面の大き さや表示される字数などにこだわりましたが、結局最近は携帯でメ ールを読むことは殆どなくなったので、この条件は除外しました。 そういえば、最近は折り畳み式以外のものはほとんど姿を消しまし たね。

カタログスペックは SONY の SO505i が良さそうなのですが、実 物を見ると余りにも重く厚いのでやめました。しかしアンテナの出 っ張りがないのはズボンのポケットに入れるにはグーです。SONY は昔から軽薄短小をウリにしてきたのですが、どうしたのでしょうか。 ソニー・エリクソンの製品なので重厚なのはエリクソンのためかな。 三菱の D505i もアンテナがないので次候補ですが、これもSONYほ どではありませんが余り薄くも軽くもなさそうなのが悩みどころで した。

富士通の F505i はかなり薄く軽いのと、指紋認証を初めて搭載し ているのがちょっと魅力的です。ただこの時点でこの機種は未発売 だったので、その発売を待って決めることにしました。 やがて発売された F5050i を手に取ってみました。重さや厚さが 目に見えて変わるようではないのと、むしろアンテナの出っ張りが 邪魔そう。指紋認証もうまく認識されないとかえってイライラの原 因となるかな、ということで結局 D505i に決定。そうそうもう一つ の決定打は、D505i はメモリーステイックが使えることでした。最 近は CLIE など SONY 製品を使うことが多いので。

○ 携帯電話のスタイル

前回の機種交換で選んだNECの携帯は黒い機種がなく、淡いブルー メタリックでしたが、今度は黒にしました。最近はバッグから何か ら、なるべくブラックで統一しています。NeXT 時代の美しいブラッ クへの憧れを引きづっているのかも知れません。 いやいや、そうでもないかな。私が大学馬術部のキャプテン時代 に決めた練習着のポロシャツも黒でした。黒シャツでそろえると試 合の時に相手を威嚇する効果もあったようです。現在黒を選ぶ理由 は、白や黒のような無彩色は他の色と合わせやすいこと、何となく 精悍な感じがするからでしょうか。

D505i のアンテナ無しの形状は、やはりズボンのポケットには具 合がよいです。ベルトに止める携帯入れやネックストラップなど色 々試してきましたが、どれもいまいちです。上着かズボンのポケッ トに入れておくのが一番手軽ですね。以前携帯をズボンのポケット に入れて落としたことが2度ありました。折りたたみ式になってから 、そのような心配もあまりなさそうです。 ワイシャツのポケットに定期入れと一緒に入れられるほど薄いと 申し分ありませんが、そうなるのはまだ何年も先のことでしょう。

○ メガピクセル D505i の使い心地

買ってきてすぐ試したのは、やはりカメラです。メガピクセルが どの程度使い物になるのかに興味がありました。しかし、期待して いたほどのきめ細かい写真ではないなあと思いました。 しかし、数日後わかりました。デフォルトでは解像度が低い設定 になっていたのでした。解像度を最大にして撮影してみると、きめ 細かい奇麗な写真が撮れます。ただし手ぶれには要注意です。

ソフトウエア全体の能力もかなり上がったのもとても嬉しいこと です。以前の機種ではメールを打つのも結構面倒で実用にはなりま せんでしたが、今度は以前の漢字候補を覚えていて表示してくれた りして、なかなか実用的です。 さらに嬉しいのは、乗り換え案内や地図なども十分実用的な使い 勝手になったことです。特に地図はかなり精細で上下左右にスクロ ールするので、出先で見るにも大変具合がよいです。地図画面を記 憶しておいて、随時呼び出して参照できるのも快適です。

こんなことで、出先で乗り換え案内や地図を大分便利に使ってい ますが、電話の請求がどのくらいになるのかがちょっと心配です。 スケジュール帳などもついていますが、結局パソコンのものと同 期できないと2度手間になってしまいます。Mac のスケジュールやア ドレス帳と同期できれば言うことなしなんですが。 カメラ機能をメモ替わりに使ったり、会合の時のスナップなどと ても便利です。メモリーステイックに記憶した写真を Mac に取り込 む周辺機器も数千円の安いものでドライバーも不要とあってとても 便利しています。

これで色々なものが Mac と手軽に Sync できると PDA は殆ど不 要になりそうですが、PDA の大きな画面の奇麗な画像を見るとこち らも捨てがたいところがありますし、とても悩ましいところです。

○ 念願の 20 inch Cinema Display

かなり長いこと愛用してきた Panasonic 製液晶デイスプレイがと うとう壊れてしまったので、長年欲しいと思っていた Apple 社の 20 inch Cinema Display を購入しました。価格的にはちょっと高い のですが、こういう機会にエイヤっと買ってしまうしかないという ことで。

もちろん、その上の 23 inch Cinema HD Display はさらに素晴ら しいのですが、お値段もそれなりに豪華なので今回は手がでません 。今回購入した Cinema Display も数年前にはとても高価でずっと 指をくわえて眺めてきたものです。 購入前ちょっと心配していたのは、置き場所がデスクの端ですの で、ちょっとすべるとデイスプレイがデスクから足を踏み外し転落 するのではないかということです。しかし結構どっしりと鎮座して いるので、まあ大丈夫かなという感じです。

20 inch デイスプレイは、考えてみると今から17年前に購入した Sun-3 workstation 以来です。あの頃はモノクロで、白いバックグ ラウンドにやや大きめの奇麗なアウトラインフォントが美しかった のが印象的でした。そして今はフルカラーの実に美しい画面です。 今回の第一印象は「デスクトップが広いなあ」です。広々と仕事 ができます。23 inch はもっと快適なんでしょうね。現在使ってい る PowerMac G4 dual では、キーボードから電源 on/offができなく なりましたが、デイスプレイの電源キーでできるようになりました。

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