2014.07 進まざる者は退き、退かざる者は進む

わーくすてーしょんのあるくらし ( 257)

2014-7 大橋 克洋

ようやくカメラにおさまってくれた愛犬まい

<2014.06 歩々是道場 | 2014.08 暑さもまあまあで夏もはじまり >

◯ 進まざる者は退き、退かざる者は進む(福沢諭吉)

現在が良い状態にあると思っていても、何もしなければ事態は次第に悪い方へ推移してゆくのが世の習い。いつも努力を怠らないように心がけねば、ずるずると沈んでゆく。「勝って兜の緒を締めよ」という言葉もありますね、厳密にはちょっとニュアンス違いますけど。これは何にでも言えますが、健康もそう。ある年齢を過ぎると、自分は健康だと思っていても常に努力を怠らぬようにしないと、いつの間にか身体のどこかが錆びてくる。

ということで身体の方も頭の方も、少しずつでも使うよう努力しているのですが、何かこの頃、身体が怠い。プログラミングに集中しようと思っても、眠気が襲ってきて集中できなかったりする。汗腺が開いて季節に順応したと思っていたのはまだ甘かったのか、もう少し順応する必要がありそう。ということで今朝も 5km ほど歩いてきました。早起きするせいで朝は眠さがとれないし、夜は夜で晩酌のせいもあり早くから眠くなる。何とかこの状態を乗り越えねば、ということで7月が始まりました。

◯ 今月の歩き

week day も診療前の早朝、歩きにでることにし隔日に歩くつもりだったのですが、実際には週に2回ほどになることが多いようです。雨でない限り日曜は必ず歩いています。まだ身体が完全には夏に順応していないようですが、幸い今年の夏の始まりは気温がそれほどは上がらない日が多く、少しずつ順応してきているのではないでしょうか。

マスコミが大騒ぎで取り上げたサッカー W 杯、日本は立ち上がりのところで萎んでしまいました。サッカーにそれほど興味のない私もちょっと残念。それにしても開催国でサッカー王国でもあるブラジルに、まさかの7ゴールを決め優勝したドイツは凄いですね。ラテン系とゲルマン系のぶつかり。馬術では、ゲルマン系より身体の柔らかいラテン系の方が適していると云われましたが、強い意志と身体を持つゲルマン系も捨てたものではないなと、

ある理学療法士の方がプロの立場から「本田圭佑はなぜキレを失ったか」と書いていました。これは最近、私が感心をもっていることなので面白く読みました。まず本田の「上体を起こした走りは非常に良い。上体を前傾するとそれだけ視野も狭くなる」のだそうです。次に問題としているのは「本田はもう充分な躯幹の強さを持つので、これ以上の躯幹のトレーニングは必要ない」「問題は腰や背骨の柔軟性。これが柔軟でないため、ゴール近くでチャンスボールを確実にキックすることができない」。

私が最近関心を持ち、進化しようと務めている「腰の柔軟性」。やはりこれは間違っていなかったと確信しました。が、これ、簡単に獲得できるものではなさそうです、当然のことですが。昨日もビッグサイト近くから自宅まで11Kmほど歩いて帰宅する際、腰を柔軟にと意識しながら歩いたのですが、今朝、脚は何ともないのですが、腰を捻じろうとすると腸腰筋のあたりがちょっと痛みます。朝の散歩で11kmくらはいつも軽く歩いているのですが、ちょっと気追い込んでしまったのか、昨日はいつもより少し飛ばしすぎました。「腰をもっと柔軟に、ネコ科の歩きを獲得」が目標、、

◯ 電子カルテ NOA のサーバ・マシーンをリプレース

先月末頃、診療中に時々電子カルテのサーバが止まることがありました。サーバは 13F の自宅書斎にあるので、1F の外来から自宅に帰ってリブートしなければなりません(13階マンションの1階に診療所、13階に自宅がありますが、13階すべて所有しているわけではありません)。クラアントから ping を打ってみると返事は返ってくるのでサーバ・マシーンの OS は生きているようですが、スクリーン・セーバは叩き起こしても眠りから覚めません。クライアントからアクセスできないので、データ・ベースも機能していないようです。仕方なく電源オフの荒業で再立ち上げすると問題なく動くようになりました。

NOA のサーバは Mac mini にやらせていますが、パフォーマンスも容量もこれで十分。これをネットワーク・ファイル・サーバへ MacOS の TimeMachine 機能を使って自動バックアップしています。今回の不具合、どうもハード的な気がします。このマシーンは購入してからまだ4年足らず、ちょっとヘタるには早すぎますが、このような症状が3、4度発生。「電子カルテ・サーバに、これはマズイぞ」と。仕事に使うデータ・ベース・サーバを担うマシーンなので、安全を期してリプレースすることにしました。

Mac mini も、1年位のうちにそろそろ新機種が出てきそうなので、もう少し待ちたいところですが仕方がありません。AppleStore で一番安い Mac mini を注文しました。Apple の製品ですので、一番安い機種と云っても決してちゃちいものではなく品質もしっかりしたものです。価格は6万円台で今まで使っていた Mac mini の購入価と余り変わりませんが、HD は 300GB から 500GB へ、メモリーも 2GB から 4GB へ上がっています。年を経るごとに価格が下がり性能が上がる良い時代です。2日後、新しい Mac mini が届きました。外見は以前のものと殆ど変わりませんが、CD/DVD の内蔵ドライブがなくなりました。

◯ 新しい NOA サーバを立ち上げる

届いた新しい Mac mini に早速、灯を入れます。インストールの途中で「別の Mac からデータをコピーしますか」と訊いてくるので「TimeMacine からコピー」を選びました。立ち上がってみると、当然のことながら以前のサーバ・マシーンと同じ固定 IP が振られています。元のマシーンもしばらくは LAN 上で動かしておくつもりなので、そちらの IP を別のものに変更。データ・ベースを動かし、外部のクライアントからアクセスしてみると、問題なく NOA は動きます「よし、よし」。

この後で失敗。では TimeMachine でのバックアップ設定をしようとしたところ、うまく行きません。今となっては、はっきりした原因が解らなくなってしまいましたが、 IP やマシーン名などをあーでもない、こーでもないといじったのが原因と思います。どうしても TimeMachine へのバックアップができなくなりました。日曜半日潰して格闘したのですが駄目。仕方なく NAS 上のバックアップ・データを一旦削除することにしました。

最初は単純に NAS 上のフォルダーを削除しようとしたのですが、どうしても削除できません。そう言えば NAS に付属してきた専用アプリがあったのを思い出し、そいつを探しだして動かしてみました。ここでも色々と試行錯誤。単純なファイル削除機能はなさそうですが、全体の初期化機能があります。ここに保存されているのは 2台のマシーンの TimeMachine データですが一旦削除しても、すぐに2台ともバックアップすれば良いかと初期化することにしました。4TB の NAS なので初期化に1日近くかかりました。

無事初期化できたので、おそるおそる TimeMachine の設定。最初は NAS を認識してくれないという問題がありましたが、NAS 上に自分のアカウントを作ることで、認識するようになり、めでたく TimeMachine がバックアップを始めてくれました。やれやれ、マシーン設定に久しぶりの格闘でした。

◯ 格闘戦はさらにつづく

新しいマシーンの NOA サーバに接続して、電子カルテ NOA が問題なく動くことを確認し、勇んで月曜の外来に臨みました。ところが、、

診療中に突然クルクルが回りだしました。「サーバがバックアップ作業などで、えらく忙しいのかなあ」などと思っていたのですが、いつまで経っても電子カルテの画面が再表示されません。色々調べてみると、どうもサーバの DB が死んでいるようです。外来の途中で 13F まで行ってサーバ・マシーンをリブート。クライアント・マシーンでうまく電子カルテが動くことを確認して外来へ降りる。

しばらく使っているうちに再び音信不通状態。うーむ、午前中の復旧は諦め、紙で凌ぐことにしました。復旧後のデータ入力に備え、カルテのコピーをとったり、メモ書きを作成したり。電子カルテを使って25年、完全に電子カルテが止まったことは殆どありません。こういう時に限って、この日はスタッフの数が少ない。まさにマーフィーの法則ですね。

昼休み、自宅へ戻りサーバを点検。省エネ・モードで、一定時間アクセスがないと HD まで停止する設定になっているのが原因かな。アクセスがなくても HD は無停止、念のためスクリーン・セーバも動かさない設定にしました。これが功を奏したのか、以後は問題なく動いています。HD が止まってもネットワーク アクセスがあれば HD は動く設定にしていたのですがダメでしたねえ、、

これを書いていて、ふと思ったのですが、もしかして以前のマシーンも同じ原因だったのでは、OS のアップグレードに伴い省エネモードの動作が変わり、ネットワーク・アクセスがあっても HD が目を覚まさないバグ? とも思いました。今度テストしてみよう、、

その他にも、新マシーンのファイルが他のマシーンから見えないなどの問題があり、対応をすっかり忘れてしまっていて格闘の末、「初期設定」「共有」「ファイル共有」で、共有フォルダーとユーザを設定することにより解決。ふうー、、

10年ほど前までは、しょっちゅうこのような格闘戦をやっていましたが、久々にシステムとの格闘で、ちょっとお疲れ。

◯ iMac を他マシーンの外部ディスプレーとして使う

書斎のメインマシーン 27inchi iMac の隣には安物のディスプレーがあり、普段はこれで TV を見ていますが、NOA サーバ・マシーンの画面へ切り替えることもできます。しかし、今回の騒ぎで新しく購入した Mac mini の画面を iMac へ出してみました。

前にもそのような使い方をしたことはあったのですが、iMac の画面をどのように切り替えるのか忘れてしまいました。Web で調べてみると、command + F2 で切り替わるんですね。隣の安物ディスプレーより、27inch iMac の方が画面も大きく綺麗。これからはこのような使い方をすることにしましょう。

このコラムに書きましたが、何年か前 iMac が初めて今のようなプレート型になった頃の話。白いプラスチック筐体の iMac が買って2,3年で壊れました。問い合わせると、基盤交換になりそうで修理費は新品を買うのと、そう大きくは変わらないということで、新品にリプレースしました。しかしこの壊れた iMac、真っ白な筐体は真新しく、ディスプレーも綺麗に映るのに。何とかこれを外部ディスプレーとして使えないか資料を探しまわった結果、やはり使えないことが判明。 iMac が他のマシーンの外部ディスプレーとして使えるようにして欲しいと Apple への要望をここに書きました。

Apple がこのコラムを見てくれたかどうか判りませんが、後継機種のアルミ筐体のマシーンでは、ちゃんと外部ディスプレーとして使えるようになりました・・・できるできないは考えず、これが欲しいぞと叫んでみよう。神は必ず授けてくださるでしょう。

◯ 最近の Apple 製品をみていて

ネタのない月は なかなか書くことがないのですが、今月はポロポロと思いつきますね。Jobs 亡き後の Apple 社、今のところ心配していた衰退傾向もないようですが、ちょっと心配していることがあります。それは最近やたら製品の種類が増えつつあること。

かつての Apple 社から創業者 Jobs が去った後、やたら製品数が増え、どれもこれもどうしようもない製品ばかりになって潰れる寸前を Jobs 復活により救われたという経緯があります。Jobs が帰り咲いた時、それまでの製品をすべて切り捨て「田の字」で象徴されるプロ用 Mac、プロ用ノート、一般用 Mac、一般用ノートの4種類に絞りこみました。これが色々な意味で大成功し、現在の Apple の隆盛を築いたと云ってよいでしょう。あの時、携帯端末ニュートンだけは残して欲しいと思ったのですが、Jobs は「こんなゴミ」という感じでバッサリ切り捨てました。今になって考えれば、それが良かった。iPhone を産みましたからね。

しかし Jobs 亡き後の最近では、iPhone も S と C、iPad と iPad mini など、年を追うごとに製品の種類が増えているのが気になります。もうちょっと製品を絞っても良いんじゃないか、、と言いつつ、iMac の 21.5inch と 27inch の他に、以前の 24inch が欲しいなあと思ったりしています。外来では旧 24inch を使っていますが、これが調度良いサイズ。外来の端末として使うには 21.5 や 27 は「帯に短し襷に長し」なのです。というようなユーザの声に流されてしまうから製品の種類が増えるんですよね。Jobs のように断固としたポリシーを堅持して欲しいが、将来を正しく見据え先見の明を持つ人はなかなか居ないんだろうなあ、、

◯ 営業妨害の自転車公害

何年か前にも書いたことがありますが、相変わらず診療所前は盛大な自転車置場状態。ひどい時は患者さんも診療所に入れないほど。診療所の玄関は Y 字型の道路分岐点に面しており、Y字の片方が武蔵小山商店街入り口、診療所の向かい側がスーパーとあって、診療所前に自転車を乗り捨てて行く人が多く吹き溜まり状態。始末の悪いことに、相手は不特定多数とあって、追っても追ってもたかってくるハエのようなもの、どうしようもありません。

警察に言っても「自転車は警察の取締まり対象ではない」と取付く島もない。商店街事務所に言うと道路整理用のゼブラ・バーとコーンを貸してくれましたが、それでも駄目。自転車の取り締まりは品川区ということで、区役所に電話すると「区で処理する自転車は駅の近辺などに限られる」とのこと。では何処が自転車を取り締まれるのでしょうか?もしかして「自転車は無法地帯?」現実にはどうもそのようです。仕方なく区議さんにお願いすると、早速品川区がやってきて、やはりゼブラ・バーとコーンを置いていってくれました。

先日、診療所受付に婦人警官がやってきて「診療所入り口のコーンは誰が置いたのでしょうか」。「警察では取り締まれないとのことで、ほとほと困って、商店街や品川区に泣きついたところ、そちらで置いていってくれたもの」と云うと「大橋医院前のコーンは道路を専有しており無許可ではないか、取り締まって欲しい」との苦情が警察へ来たとのこと。「コーンは自転車公害にほとほと困って置いてあるもの。ベビーカーを押した妊婦さんや車椅子の患者さんなどは入れなかったりする。診療所前に自転車が沢山停まっているのを見て大橋医院は休みだと思いましたという患者さんもあり、完全な営業妨害。道路を専有し交通の妨害をしているのは自転車であって、コーンはそれを防止するもの」「コーンを取り締まるなら、その原因となる自転車を取り締まって欲しい」と云うと、かの婦人警官は「自転車は警察で取り締まれません。苦情があったコーンを道路から退けて欲しい」の一点張り。

今までにも何度か経験しましたが、少なくとも私が接した婦人警官はすべてこの類。規則一辺倒の四角四面。規則が何のためにあるのかを知りません。そこへ行くと男性警官は、ちゃんと現実に則した柔軟な対応をしてくれるのですが、、困った。困った。

<2014.06 歩々是道場 | 2014.08 暑さもまあまあで夏もはじまり >

ビッグサイトから歩いて帰るレインボー・ブリッジの上から

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です