2019.06 Seagaia meeting 2019

わーくすてーしょんのあるくらし ( 316)

2019-6 大橋 克洋

Seagaia meeting セッション終了後 恒例の宴会:前列左から4人目が私

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◯ Seagaia meeting 2019 in MIYAZAKI

毎年恒例の Seagaia meeting が5月31日から2日間の日程で行われました。これは電子カルテ研究会として発足し、宮崎のリゾート地シーガイアで開催されたことから Seagaia meeting という名前になって続いてきました。今年で24年目となります。

5月31日(金)プログラマーズキャンプ

13:00〜17:00(受付12:30〜)

6月1日(土)Seagaia meeting 2019

9:00〜17:00(受付8:30〜)

12:00〜14:00

13:45〜13:55

昼休み

MedXML総会(MedXML会員の方は会場にお集まりください)

  • 18時〜懇談会(コテージヒムカ1F)

◯ Seagaia meeting あれこれ

Seagaia meeting は宮崎のリゾート地シーガイアのコテージ・ヒムカという西洋離れの大部屋に宿泊するのが習い。今年の同室メンバーは吉原先生・高橋キワム先生・サイバーラボの加藤さん・茂原クリニックの鈴木君・富士通の阿曽沼さんその他の非常に濃いメンバー。

初日はプログラマーズ・キャンプと銘打ったミーティングですが、最近は本来の MML の仕様についてディスカッションする目的は薄くなり翌日のセッションと中身はあまり変わらなくなっています。2日目午後の電子カルテ3演題の座長を仰せつかりましたが、ここでは珍しく私が心を動かされた電子カルテがありました。そうかあ WebSocket ってやつがあるのか。いきなり自分の電子カルテに組み込む根性はまだないが、テスト・プログラムを作って遊んでみよう。これがうまく動いて NOA に組み込めれば、懸案のパフォーマンスもかなり上がるはず。

2日目の朝は4時頃一人ベッドから抜け出し洗顔後、早朝散歩にでかけました。ホテル裏の松林の中のアンツーカーの遊歩道、以前は4キロ以上先まで行って海岸へでて往復してきたのですが、前夜の懇親会でシコタマ呑んだためもあり2キロほどで海岸へ出て、しばらく公園のベンチで二日酔いの身体に海風を当てて帰ってきました。その翌朝も散歩に出るつもりでしたが、外はしっかり雨で断念。宮崎は梅雨入りだそうです。

最近はプログラミングからもちょっと離れ、モチベーションが下がっていたのですが、やはり Seagaia の仲間と夜の飲み会で盛り上がるうち、内心ふつふつとやる気が湧き上がって帰ってきました。これがこの会の最大のメリットなんですよね、、

◯ WWDC

最近は Apple の開発者会議 WWDC も余り面白くなくなっていたのですが、今年の WWDC は予想に反し久しぶりにちょっとワクワクするような内容でした。iPad が Mac の外部ディスプレイとして使えるとか、iPadOS が独立し同じアプリで2画面を並列表示できるとか、iPad に USBメモリーなど外部記憶装置がつながるようになったとか、Mac pro と高性能ディスプレイの発表とか。

今度の Mac pro は火鉢型から取っ手のついた四角い金属ボックス型に戻り、拡張性やカスタマイズ性が上がりました。無数の空気穴が穿かれたデザインは早速、大根おろしとかチーズおろしなどの仇名がついたようです。性能がダントツなのに伴い、価格もディスプレイと一緒に購入すると100万円以上、電力もやたら食うようです。でも昔の Sun ワークステーションや NeXT の価格に比べればまだずっと安い。そう思っていたら、現在の HP や DELL の同クラスのワークステーションはもっと高価なのだそうです。

iOS が iPhone 用の iOS と iPad 用の iPadOS に分かれたのは iPad の大きな進化のためとの好意的解釈と同時に、いやいやまたもや Jobs なきあとの Apple による細分化・複雑混沌化のひとつであって決して良いことではないという解釈もあります。はてさて、、

Apple の site から WWDC の動画を観ました。舞台一杯横長の大スクリーンに映し出された美しい映像を背景にダークなシャツとパンツに身を包んだクックCEO や担当者たちが舞台を歩き回り会場を盛り上げるライブ映像は Jobs が作り上げたスタイル。黒いスニーカーの靴底部分のホワイトが印象的でした。私も 1993年、1994年と米国西海岸で開催された NeXT Expo へ日本 NeXT ユーザ会の仲間たちとツアーを組んで参加、朝イチで会場のドア前に並んで入り、最前席で Jobs のプレゼンを食い入るように観たのを思い出します。

今度の macOS の愛称は Catalina、新しい iOS や iPadOS とともに今秋の登場が楽しみです。その頃には新しい iPhone も発表になるのでしょうね。

余談ですが、カタリナというと私が思い出すのは第2次大戦当時、米軍が運用していたほっそりと大型の飛行艇。索敵救難機として用いられていました。海上に墜落した米軍機の飛行士を救援していたのも、潜水艦やカタリナでした。日本には二式大艇という終戦後のテストで米軍も称賛した飛行艇がありました。こっちはカタリナのようなホッソリ型でなく豪快な感じの名機。海上自衛隊で対潜哨戒などに運用されていた PS-1、そして現在の海難救助飛行艇 US-2 はその子孫で外観も祖先 二式大艇によく似ています。

◯ テクノロジーの急速な社会実装

最近、中国やシンガポールで決済の電子化などが急速に普及していますが、この流れの原因に対するある意見を読んでなるほどと思ったのでご紹介します。

シンガポールや中国でテクノロジーが急速に社会実装されたのは、民主主義的でない体制だからだと思う。これらの国では一般人からのコンセンサスをとる必要がない。テクノロジーの進化の歴史は、必ずしも民主的ではなかったんだ。インターネットを動かしているのは一部の少数の人たちで、こうした人々は国民による選挙に当選して選ばれたわけではない。Linuxのリーナス・トーヴァルズは優しい終身独裁者だよね。テクノロジーの歴史上、優しい独裁者が多かったのは幸運なことだと思う。

と、このような意見です。なるほど、そういうことでしたか。中国で現金決済がなくなり殆どが電子的決済になってしまったのを知り「え、いつの間に?」と思ったものですが、言われてみれば確かに共産党が独裁する現代中国においては、国が「やれ」と言えば有無を言わさず即座に広く実行されるということなんですね。一方、民主主義の日本は良い面が多いものの何か決めようとすると、ああでもない、こうでもない、と屁理屈のようなイチャモンをつける人がいて結局なかなか決まらない、というイライラする経験を何度もしています。

◯ 化粧は仮装ではない

ネット記事のタイトルに思わず反応してしまった言葉「化粧は仮装ではない」。現代の日本では世間から猛烈なバッシングを受ける可能性がありますが、実際思っていることを書いてしまいます。最近は「メークしないと外へ出られない」という女性が多いようです。花粉の季節でもなく人混みでもないのに大きなマスクをしている女性、ノーメークを隠すためのマスクなのだそうです。「何か変」と思ってしまうのは私だけ?私が変?

美しい女性というのは外側の造作ではなく、内側から滲みでるものと私は思います。しかし人間の心理としてなかなかそう割り切れないのでしょう。どうしても外側にこだわってしまう。厚く塗り込めた顔にどぎついアイメーク、不自然に染められた髪、どう繕っても男性から見れば引いてしまうことはあっても美しいと思うことはありません。せめてナチュラル・メークにして欲しいなあ。

美形でもなく厚化粧でもないが何ともチャーミングな女性、これが良いですね。メークは比較的簡単にできても、内側から滲み出る美しさは一長一短にできるものではありません。だからこそ価値があるとも言えるのですが。

男性側から女性のことばかり書きましたが、これは男性についても言えること。他人の振り見て我が振り直せ、年を経て内側から魅力が滲み出る男になりたいものです。

◯ インターネット時代の幕開け

ケーブルテレビのナショナルジオグラフィックの新しいシリーズ「シリコンバレー狂騒曲」の「第一話:インターネット時代の幕開け」を期待して見ましたが、私には余り面白くなく、ちょっとガッカリ。あの頃、実際に経験したようなドキドキ・ワクワクの場面なし。

番組冒頭の web の幕開けでネットスケープの登場に触れ「当時、ネットスケープは他にはないものでネットに欠かせないものだった」と盛んに言っていましたが、web 登場以前からインターネットの曙に関わってきた経験から言うと「君たち、あの頃を知らない世代だよね」。現在の web はティム・バーナーズ=リーにより考案され NeXT マシーンの上で初めてのブラウザー WorldWideWeb が動き始めました。当時世の中で僅かな人しか使っていなかった NeXT マシーンのユーザであった私は、世に先駆け web を使う機会に恵まれ、その素晴らしさと、これは世界を変えるに違いないという感動を得たことを覚えています。

それから2年ほどして Mosaic というブラウザーが一世を風靡、その後に現れたのが NetScape でした。私の印象から言うと、world wide web システムが発明されると同時に色々な試行錯誤的ブラウザーが現れ、その中に NetScape があったという印象です。ただ、インターネットの一般化と NetScape の登場がほぼ一致していた、そういう意味では確かに「NetScape が現れたことにより web システムが一般に普及しやすくなった」ということは言えると思います。

web が現れる数年前、日本の水面下で実験的に行われていた e-mail を日常使える環境に恵まれました。その時代から e-mail が一般に普及するまで、しばらく年数を要しました。そこで自分たちは web についても、まだまだ当分アドバンテージを保てると思っていたのに、発明から2,3年もたたず爆発的に一般に普及してしまったのは驚きでした。

このあたりの事情は、このコラム 1987.3 頃を読んでいただくとわかると思います。もうあれから30年以上になるんですね。昨日のことのように思い出されます。

◯ Apple にまた心配

Steve Jobs が NeXT から Apple に返り咲いた時、Jobs の右腕となって Apple の復興を大きく支えたジョニイ・アイブが Apple を去るというニュース。アイブは Apple を離れ LoveFrom というデザイン会社を立ち上げるが、その後も Apple を最初の顧客とするなど Apple との関わりはなくさないということです。それにしても Apple からアイブが居なくなるということは、また Apple から Jobs の息吹が消えていくということは確か。

この他の不安材料として、トランプ大統領によりますます加熱する米中貿易戦争は、中国で製造される Apple 製品、特に iPhone にかかる関税の増加により、ただでさえ高い iPhone の価格がさらに上昇するという大きなマイナス要素が加わります。

私見ですが、iPhone 価格の高さは多くの熱烈な Apple ユーザをもってしても iPhone 買い替えサイクルを遠のかせていますが、これをさらに加速する。今や Apple 収益の大きな割合を占める iPhone にこの流れはどうみても Apple に不利。このように Apple 凋落の兆候は絶え間なく続いているように思えます。Apple 創立以来の熱烈な Apple ファンである私なのに、このようなことを書くのはとても悲しい、、

◯ 呑み仲間

以前も書いたように、定例の呑み会が3つあります。

もっとも古いのは、30年以上続いている地元医師会の元理事仲間の呑み会。11人のメンバーで、イレブン会と呼んできましたが、その後亡くなったメンバーが2名、脱会したメンバーが2名と減ってゆき、現在7名のメンバーで隔月に呑み会をやっています。

もう一つが、9年前から続いている東京都医師会の元理事仲間の呑み会。最初は9名ほどで始まりましたが、その後、配偶者・友人・その他が加わって、12名ほどのメンバーになり、毎月欠かすことなく続いています。

さらにもう一つは、5年前近所の路地で子供の頃の遊び仲間と久しぶりにすれ違い「一度一緒に呑もうよ」と声をかけたのがきっかけで始まった呑み会。彼は小学校で私の1学年下、中学・高校も一緒でした。すぐ近所に住んでいたのですが、小学校卒業後は一緒に遊ぶこともなく、顔を合わせることもありませんでした。これが60年ぶりくらいに顔を合わせ、2人で毎月定例の呑み会をやるようになりました。近所で呑んだ後、彼は必ずカラオケに行こうということで、それが定番となってきました。今月も最初の日曜に電話がかかってきて呑み会を26日にやることを約束しました。

月半ば彼の奥様から電話あり、一瞬いやな予感が頭をよぎったのですが「一昨日、主人が突然亡くなりました」。奥様が気がついた時には別室で嘔吐した状態で亡くなっているのがみつかったとか。吐物による窒息と思われます。この年齢になるとこんなこともあるよなあと。たいした持病もなく元気だったのに、あっけなく逝ってしまった彼、私から見ればうらやましい消え方でした。

奥様から「故人は先生との会をいつも楽しみにしていました」とのお言葉。こうして私の楽しみにしていた呑み会が一つ消えてしまいました。カラオケ楽しみだったのになあ、、

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これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です