2014.08 暑さもまあまあで夏もはじまり

わーくすてーしょんのあるくらし ( 258)

2014-8 大橋 克洋

蝉しぐれを浴びつつ早朝散歩:荏原神社へ向け目黒川にかかる橋

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◯ 今月の歩術

7月も過ぎると、さすがに汗腺も全開のようです。汗腺が開くと体調は絶好調になりますね。今年もそろそろ猛暑日や熱帯夜が増えつつありますが、身体は非常に快調。

早朝の歩きでも両頬をつつーっと汗が流れてゆきます。最近は朝6時前に歩きに出ます。朝日が当たると暑いですが、早朝とあって日はまだ低いので全行程のほとんどが日陰なのはとても有難い。今年の7月は暑い日もありましたが、比較的しのぎやすかったですね。激しい雷雨も何度かありましたけれど、、

月初めに、そのように書きましたが、今日は8月15日の終戦記念日。今朝も5時半から歩きに出ました。今年の夏はめちゃ暑いことがないので、比較的凌ぎやすいです。外へ出ると空気はモワっとして湿気と暑さをやや感じますが、時々吹き抜ける朝風が汗を蒸発させ心地よい。例の池波正太郎の文字が刻まれたお稲荷さんの前で、道に水撒きをしているお爺さんに すれ違いざま「お早うございます」と挨拶をされました。8月に入っても頑張って週3,4日は歩いており、体調は絶好調。

それから5日ほど後、同じ所を歩いていると左の路地からバックで出てくる乗用車があるなあと思いつつ通り過ぎました。後ろから「大橋先生、、」の声、仲の良い栗原先生、これからゴルフだそうです。そうか、今日は木曜日で休診の先生が多いんだな。それから1時間ほどグルっと歩いて林試の森の入口に向かうところで、中年のご夫婦とすれ違いざま、また「大橋先生」と呼ばれました。その辺りに住んでいる慈恵産婦人科で後輩の伊藤先生ご夫妻、林試の森でラジオ体操の帰りだそうです。武蔵小山商店街でも同じマンション管理組合の理事長さんとすれ違う。本当に今日は知った人に会う日だなあ、、

しかし、若い頃にはあり得なかった便秘傾向とか、夜中に1,2度はトイレに起きるとか、経年変化は確実に忍び寄ってきます。中国武術の練功も以前のようには快調にできなくなってきました。幸いなことにプログラミングはバリバリに行けています。でも、集中力がやや落ちたかな。年齢の節目・節目に色々と考えてしまいます、、が、「齢をとったからこそ夢を持て」「最善のものは未来にあり」ということで前に進みましょう、、

◯ トラック・パッドにも慣れてきた

この秋リリース予定の MacOS YOSEMITE バージョンは iOS との親和性が高まるとの話で、書斎の Mac ではマウスの代わりに先月からトラック・パッドを使い始めました。トラック・パッドは大分前に手に入れたものの、ちょっと使ってみたところ指先がヒリヒリしてきて使い勝手も悪くあきらめていたものです。

しかし1ヶ月以上使ううち、大分馴れてきました。指先がヒリヒリしたのは力を入れすぎていたため。指先を優しく触れるように使わねばならないことを会得し、余り違和感もなくなってきました。ただ、ひとつ不便なのは Mac のマウスだと表面を二本指で右へスワイプすることで、別のデスクトップ画面へ移動できたのですが、トラック・パッドのソフトウエアにはその動作がありません。代わりに4本指で上へスワイプすると mission control が開き、そこから別の操作スペースへ移動できます。これでは二動作になってしまい、どうも使い勝手が良くないのです。

で、マウスとトラック・パッドとどちらが良いかと云われると、今までの Mac の GUI ではやはりマウスの方が使いやすいかな。さて YOSEMITE ではどうなんでしょう、、

◯ 今月の脳トレ

電子カルテ NOA の開発作業に相変わらず勤しんでいます。内容は主に NOA の改良作業。Web アプリの特徴を活かし、文章中に画像などの添付ができるようになっているのですが、表に見えない HTML で実現しているため、カルテを書き足したり編集したりすると、意図せぬ結果になることのあるのが悩みでした。今回はこれにしつこく取り組み、ようやくまあまあの安定性を得たかなと思っています。

かねてから懸案だった「カルテ文章中の文字に色をつけたり、強調文字にしたりする」ことも実現できました。直接 HTML で書けば至極 簡単に実現できるのですが、一般ユーザが HTML を意識せず操作できるようにするのがなかなか難しかったのです。特に色や強調文字など文字属性の部分を再編集したりすると、表には見えないでも裏には HTML のゴミが山のように残ってしまうのが気に入りません。それには javascript での文字の取扱いについて、更に深く勉強する必要があります。Web の海を探しまくって色々な技を見つけ、ようやく満足行くものに仕上がったのではないかと思います。

今から20年ほど前 NeXT のプログラミング独学にあたり、最も障壁となったのはそれに関する資料がまったく見つからないことでした。NeXT ユーザ会を立ち上げるなどして、ようやく色々な情報を手に入れるなど、大変苦労しました。しかし、今はどうでしょう。Javascript プログラミングに関する書籍も山のようにありますが、そのようなものを購入しなくても Web の海を探せば書籍よりずっと生の声で、居ながらにして情報を手に入れることができるようになりました。何て良い時代になったんだ、、

◯ Pinterest

今まで Tumblr:タンブラーというサービスを愛用してきましたが、これは色々な人がネット上に公開した写真やイラストなどを自由に貼った自分専用のスクラップ・ブックのようなものを作れるサービス。「自分用の楽しいものを集めた絵本」と言っても良いでしょう。

これと似たもので Pinterest というサービスをみつけました。これも同様でネット上に公開された色々な写真やイラストなどを、自分のボードにピン・アップして行けます。ボードは種別ごとに作れるので、私は「建築」「デザイン」「イラスト」などのボード、私の大好きな映画俳優「Steve MacQueen」や好きな車「Mini cooper」「Volks Wagen」などのボードを作ってみました。次々と連想的に同じようなものを辿りつつ、好きなものを見つければすぐピン・アップできるので、とても楽しいです。

Tumblr とどこがどう違うと説明しにくいのですが、Tumblr は自分の興味のあるものを発信する人をフォローしておくと、フォローされた内容が自動的に増えてゆく形式に対し、Pinterest は自分の興味のあるものを次々と連想的に辿りながら、自分で好みのものをピン・アップしてゆく形式なので、より濃い内容にできるということでしょうかね。似たようなものでありながら、ちょっとした使い勝手で結果が違ってくるというのは面白い。

そう言えば、感動する面白いものや美しいものが、最近 Tumblr ではあまり見かけられなくなった。Pinterest の方では沢山みつけられるのだが。多くの人が Tumblr から Pinterest へ移行したのだろうか。Tumblr にも良さはあるので、こちらも永続して欲しいのだが、、

この web site 左側メニュー下の方「私の別サイト」に Pinterest へのリンクを追加しました。覗いてみてください。単に私が良いなあと思ったものや、好きな蒐集品をならべた玩具箱のようなものですが、、

◯ 女子バレー ワールド・グランプリ2014

今年も女子バレー国際大会の季節がやってきました。ロンドンオリンピックで銅メダルの日本チームは世界ランク3位。2年後のオリンピックを目指すにあたり、身長で世界に大きく差をつけられた日本、このままでは金メダルは難しいということで、眞鍋監督が考えたのがセッターとリベロを除く全員がスパイカーという「ハイブリッド6」なる新戦術。

東京オリンピックで優勝した東洋の魔女では、大松監督が回転レシーブという新しいわざを開発しました。今回は、セッターを中心にどのメンバーからスパイクが飛ぶかわからない、これにより相手に体勢準備のゆとりを与えず、木村沙織などエース・スパイカーに負担が偏ることもなくなる。

予選開始とともに日本は5連敗。監督の「新戦術がうまく動き始めるためには仕方がないという」言葉もありましたが、その通りだったようで以後は3連勝。ようやくエンジンに潤滑油が回り始め機能しはじめたようです。

・いつも述べる「速射砲」のような強力なスパイカー

中国へスパイクを叩き込む長岡望悠

そして舞台を海外から東京有明に移してのファイナル・ラウンド。第1日目、強豪ロシアに3対1の勝利。2日目、優勝候補のブラジルを破ったトルコを相手に破竹の進撃でストレート勝ち。このあたりになると、まさに眞鍋監督の新戦術は完全に機能しはじめていました。キャプテンの木村沙織だけでなく、長岡望悠、新鍋理沙、石井優希などが左・右・中央からスパイクを叩き込む。監督の要望で再復帰したリベロ佐野優子の世界に誇る絶妙なレシーブ、木村沙織・石田瑞穂らのサービス・エースが決まります。そうなると選手の士気も上がり相手のスパイクに対するブロックも決まるなど、行け行けどんどんの試合展開。

続く3日目は、予選ラウンドで2度当たることになり1勝1敗の強豪中国と対戦。この時点で日本は勝ち点でブラジルを抜き、出場チーム中第1位。しぶとい中国とあって、どうなることかと思いましたが、ほとんど相手に勝ちを譲ることなく3セット獲って、これもストレート勝ち。昨日のトルコ戦同様、日本の新戦術が充分に機能。スパイクのヒット率もエースに偏ることなく、ほぼ均等に分散。まさに目標どおりの成果を上げました。セッター宮下瑶もセッターにとどまらず、ブロック・レシーブなど幅広い仕事をしていましたが、ハイブリッド6ではスパイカーも慣れない役割をこなす必要があり大変なのだそうです。山口舞の意表をつく技も時々見られました。往年の杉山の「猫パンチ」のような小技を引き継ぐ彼女も好きな選手のひとりです。

第4日目ベルギー戦。今回の試合でベルギーは負けの方が多かったのですが、破竹の進撃といえども決してあなどってはいけないぞと。案の定、ベルギーはかなり善戦し、はらはらさせられましたが、日本はこれにもストレート勝ち。これで明日のブラジル戦を迎え、かなり有利な点数を獲得。そして最終のブラジル戦。いままでの流れから日本はかなりの勢いで行けるかなとも思ったのですが、いやいや、そう甘くはないぞとも。誠に残念ながらその考えが当たってしまいました。日本チームと同様、巧者揃いのブラジル、巧みにスパイク、ブロックを決め、長岡のスパイクも今までのような切れ味がだせません。惜しいところまでは行ったのですが1セットも穫れずストレート負けで、金はブラジルへ。それでも、日本は数十年ぶりの銀メダルに輝くことができました。

◯ 傾向と対策

日本の新戦術があまりにも効果を発揮しているので、ちょっと心配にもなってきました。オリンピックまではあと2年、それまでに必ず世界は日本の新戦術を取り入れたり、対応策を編みだしてくるはず、日本のアドバンテージをそれまで維持できるのだろうかと、、

今回の試合には、私のイチオシ迫田さおりの姿がまったく見えませんでした。メンバー表には載っているのですが故障でもしたのでしょうか。ここに迫田の後ろから走りこみ跳躍、スピードと体重を載せた強烈なバックアタック(スコーピオンと命名されました)が加われば、日本艦隊の威力はさらに高まったはずですが。

一時は木村沙織とならんで巧妙なスパイクをかませていた江畑幸子も、今回はコートに余り呼ばれませんでした。少し不調だったのでしょうか。それにかわりサウスポーの長岡望悠が絶好調、迫田同様の体重とスピードを載せたスパイクを叩き込んでいました。

「終わりよければすべて良し」とは反対の結果になってしまいましたが、2年後のオリンピックでの金をめざすには丁度良い過程なのかも知れません。ロンドンオリンピックの銅に続く銀。ここで素人から見た反省と対策を。かなり好調の試合ぶりで反省点は余り多くありませんが、考えるところを述べてみたいと思います。

・選手交代をもう少し取り入れても良かったのではないか

最終戦でも江畑や初出場でなかなか良い味を見せた内瀬戸などを起用してみては。

相手チームとの相性を見極める意味でも、特に苦境の時は違う選手を使ってみる。

・外国チームはフェイントも結構拾うが、日本は相変わらずフェイントに弱い

状況によりなかなか難しいのでしょうが、ぽかっと穴の開く状況を作らぬよう努力。

・サイドからの強烈なスパイクを受ける技を

男子のレシーブを見ていると、とてつもなく強力なスパイクを二の腕あたりで受け、プリズムが光を屈折させるように天井高くはじき、それを打ち返す。

・「ツー」などの意表をつく技

小柄な竹下が時々使ったツーの技。外国選手はしばしば使っていましたが、日本ももっと上手に取り入れても良いのでは。

長岡や、今回はコートに立てなかった迫田などのスパイクを見ていると、日本もかなり良い線いってきているように思えます。それでもブラジルのシェイラなどの「撃てば必ず落とす」スパイクが欲しいですね。

ブラジル戦は残念な結果に終わりましたが、日本のサーブは良かったですね。定評ある木村沙織のサーブは勿論、石田瑞穂や高田ありさのサーブもなかなかの切れ味をみせていました。今回破竹の進撃を見せた日本チームですが、オリンピックに向け、それをブラジル並みの強固なものに鍛えていって欲しいと思います。

◯ スパイカー達の故障

姿が見えなかった迫田のことが心配でネット上を検索してみました。私と同様、迫田の姿が見えないことを心配した質問の答えによると、迫田はロンドンオリンピック以後、右肩に痛みがでて一進一退を繰り返しており、今回は出られなかった。ハイブリッド6では、江畑・迫田・長岡のスパイカーをそろえ攻撃するはずだったが、そろわなかったよし。

かつて私が期待していたメグ・カナ・コンビの栗原恵・大山加奈の両名が、とうとう長年の故障から復帰することができずリタイアになった経緯もあり、とても心配(そういえば今回はメグ・カナがコメンテータとして姿を見せていたのは、ちょっと嬉しかったですね)。

メグ・カナに比べ、迫田の柔らかいフォームは故障に繋がりにくいと見ていたのですが、そうではなかったようです。そうなると、現在の強力なスパイカー長岡や石井などが故障を起こさないよう祈るものです。特に長岡などは、本当に力一杯のスパイクを叩き込んでいますので、肩には大きな負担がかかっているはず。このようなところに西洋的な筋力ではなく、中国武術における勁力を使えるようになれば、より強く、よりスピーディーに打てるようになり、故障の心配もなくなるのだが、、

このような中で、現在もっとも息の長い木村沙織の場合、さらに柔らかい彼女の身体とフォームがこのような故障を防いでいるのかなと思います。このコラム 2004-09 の表紙を飾った日本チーム・メンバー右端に写っていますが、当時から残っているのは木村紗織だけ。この時が初出場で10年間も現役を続けてきたのは凄いこと。「故障がない」ということは、選手にとって非常に重要なことですね。これは車とか道具とか、色々なものについて言えること。「無事これ名馬」という言葉もあります。ブラジルのシェーラなども、おそらく故障知らずなのかなと、、

このように書いたところで、昨年11月の迫田の活躍ぶりを読み返してみると「迫田のバックアタックが余りにも頻繁に炸裂するのを見ると、故障を起こさねばよいがと心配になってきました。身体能力を極限まで使っての迫田の技を長年持続させることは難しいでしょうから」と書いてありました。うーん、いやな予感が当ってしまったな、、何とか完全復帰を祈っています。そうなると長岡の撃ち方も要注意だなあ、短期間で使い捨ては余りにも可愛そうですものね。

◯ しのぎやすかった今年の夏

8月も最後の週になると、朝の気温も25度を切ることが多くなり、日中もさほど暑くなりません。小雨の降る日が多い週でしたが、傘をささないでも何とか歩けるほどの雨。小雨がわずかに肩を濡らす程度の中を、2度ほど近所を早朝散歩してきました。

30日朝の外気温は19度、もうちょっと下がると本当に肌寒くなる気温となりました。ここ数年酷暑の続く夏が多かったのですが、今年は冷夏とまではいきませんが、予報通りの気候だったようです。いつも書く「夜になってもフライパンの底状態」のような暑さはありませんでした。

そして31日の早朝散歩、10km 少々歩いてきました。外気は9月から10月にかけての空気でとても清々しく歩けましたが、それでも歩くうちちょっと汗ばんできます。最近はウイークデイも週3日ほど歩いているので、歩度(馬術用語で歩く速度)も最後まで落ちなくなってきました。これを1年ほど続けられれば、この春途中でリタイアして2日に分けることになった中原街道制覇も、もう少し伸ばせるかなと、、

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大橋医院前 夜の武蔵小山商店街を上から望む

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です