2011.01 トップクラスはチャーミング

わーくすてーしょんのあるくらし ( 215)

2011-1 大橋 克洋

初日の出が 隣に建ったビルで拝めなくなり

反対側のビルに反射する初日の出を拝むことになりました

左のほうに雪をかぶった富士山も拝めます

< 2010.12 五感六力 | 2011.02 使わないと錆びる>

◯ 年の初めにあたって

昨年のゆく年くる年とカブリますが、年頭にあたって考えることを書き留めておきます

・日本が前向きに立ち直るきっかけの年になって欲しい

宇宙の果てから苦難を乗り越え無事帰還、厳しい任務を果たし美しく燃え尽きた「はやぶさ」こそが日本の心意気

・物欲に走るのはもうやめて心の豊かさを

刹那的ではなく長い目でみた自分を含め周囲の環境向上を

・礼儀と節度、賢く根性を持った若者を育てなければ

発泡スチロールの人形ではなく、素朴な竹や木でできた細工ものへ

自分自身については

・心身の健康維持がまず第一

これがあってこそ次へ進めますからね

・自分にとっても周囲にとっても生き甲斐ある生き方を

生き甲斐なくちゃテンション上がらないでしょ

・少しでも周囲の役に立つよう

目指すのがただの爺ちゃんじゃ面白くありませんからね

これからも毎年同じようなことを願ってゆくのでしょう

◯ トップクラスの人はみなチャーミング

昨年あの「兼高かおる世界の旅」の兼高さんが言っていました。 ケネディ大統領やダリなど超有名な人達にインタビューしてみて 共通するのは「チャーミングなこと」だったそうです。「その地位についたからチャーミングになったのか、 チャーミングだから地位についたのはわからないけど」とか。地位は要りませんがチャーミングは目指してもよいかもね。それは中身から滲み出るものでしょうが、どうすればチャーミングになれるんでしょうか、、

ところで兼高かおるさんのお顔を見るのは本当に何十年ぶりかでした。「兼高かおる世界の旅」は 1959年12月13日から1990年9月30日にかけて30年間 TBS で放映され、 毎週日曜の朝これを見るのが楽しみでした。 当時としてはとてつもない冒険旅行や奇妙な食べ物への挑戦などを とても楽しくこなしていました。そのセンスや品の良さは、現代のお笑い芸人によるものとは比べものになりません。 81歳とあってさすがに見かけは年をとられましたが、話をされるととってもお元気で昔と変わりません。 彼女こそ最高にチャーミングな女性と思います。

◯ 今月の脳トレ

電子カルテユーザから頂いていた周辺ツールの改良リクエストが難問で、ずっと懸案事項になっていましたが、暮れから正月にかけてのまとまった休み じっくり腰を落ち着けて取り組むことにより遂に解決することができました。

懸案事項の一つ、画像ツールの問題解決は比較的スムースでしたが、紹介状ツールの改良はなかなか難問でした。解決の方向性を探るうち、そもそもこのアプリケーションの作りに関わる問題であることが解り、作り直しに近い大改装。匠がリクエストに応え古い家の大改装に取り組む TV 番組があります。見ているとほとんどの場合、柱と屋根の骨組みのみ残し、あとは全て作り直しというのが多いのですが、今回の紹介状ツールの改装はまさにそれ。ちょっと解決難しいなあと思っていたのですが、やってみれば何とかなるものですね。完成まで数日かかりましたが大変勉強になりました「フーム、Web アプリケーションって何でもできるんだ」と今さらながら感心。

「電子カルテは、画面や使い勝手がユーザごとに特化できなければ仕事のツールとして使えない」「特定のハードやソフトに依存すべきではない」というのは、25年前に初めて電子カルテ開発を思い立った頃から一貫した考えです。さらに「ログインすると、ユーザごとに専用のレイアウト画面が現れるべき」という考えに至り「その実現には Web アプリが近道」と考えて10年前から Web アプリへの移行に取り組んできましたが、当時はまだ Web 技術が非力で実験的意味合いを抜けられませんでした。

しかし現在の Web アプリ構築技術(私は javascript と PHP を使っています)は凄いですね。デスクトップアプリに近づくどころか、ある分野ではデスクトップアプリを超えるものがあります。「10年前の私の選択は間違っていなかった」と確信を強めるものです。

◯ これからは動画の時代

先月「加山雄三とザ・ヤンチャーズの曲を iTunes からダウンロードしたが動画でないと価値が半減」と書きました。「どんな豪華メンバーがどんなノリで歌っているのか動画を観て初めて判る」と云うこと、動画のメリットとして「言葉や図だけではなかなか伝えられないものが動画なら短時間で一発で判る」という事があります ( 昨年暮れ紅白の加山雄三、この豪華メンバーで登場を期待していましたが、残念ながら叶いませんでした)。

一方で動画は文字情報に比べ「やたらかさ張る」と云うことがあり、以前は安易にコンピュータ内に収納できませんでした。しかし、ディスク容量もメモリー容量も、そして処理速度も比較にならないほど向上し、これからはちょっとした事も音声付きの動画で保存し活用する時代に入って来ると思います。なにせちっぽけな iPhone で非常に美しいハイビジョン映像を簡単に撮れる時代ですからね。

そんな事で、電子カルテのマニュアルなども動画にすると非常に理解が進むと思のですが、そうは言いつつやはりかなりかさ張る事と、その作成に要する結構な手間などを考えるとまだ一歩踏み出せずにいます。どうせ作るならダラダラ長い映像ではなく「要所要所に適切なタイミングで簡潔明快な映像を提供したい」と思うものですから。

◯ やはり USB がおかしい

昨年暮れに電子カルテサーバのバックアップディスクやプリンターが未接続になる事件がありました。どちらも USB 機器によるものでした。今回は別のマシーンでマウス動作不良の症状が現れました。マウスカーソルは移動するのですが、マウスボタンが効かないと云う症状。これも結構困った症状で、マウスボタンが効かないとマシーンをシャットダウンやリブートもできません。電源ボタンで強制終了すると壊れるものが走っている状態で、それもはばかられます。

幸い隣にある別マシーンで画面共有ができたので、そちらからシャットダウンしました。こちらではマウスもちゃんと動作します。再立ち上げしてもやはりマウスは同じ症状。さーて、いろいろ試行錯誤しながら悩みました。こんな症状は30年にわたるコンピュータ歴でも初めての経験です。 結局突き止めたのは、またもや USB 接続のバックアップディスク、先日のとは別のディスクです。こいつの接続を外したらマウスが正常に動作するようになりました(最近の外付け HD はネットワーク接続以外は殆ど USB 接続なんですねえ) 。

ふーむ、USB 絡みのこの様な症状群が続くのは初めてのこと、しかも複数のマシーンにわたって。 プリンターの件は USB ケーブル自体の不良によるものでしたが、HD 関連はそうではありません。 と云うことは、怪しいのは OS と云うことになります。恐らく最近あった OS のアップグレードがバグっているのではないかなと、、この様に結構重大なバグが OS に紛れ込むのは Apple には極めて珍しいことです。最近は戦力が iPhone iPad に移り PC 方面が手薄になっているのでしょうか、、

◯ 今月の iPhone

Apple 恒例の1月のイベント、今年は噂も聞こえてこずちょっとがっかり。 次期 iPad 開発の進行具合で遅らせるのか、6月の WWDC まで引っ張るということでしょうか。今度の iPad にカメラが付くことはほぼ確定のようですし、さらに薄く軽くなるという噂もあり楽しみにしています。iPad そのものではありませんが色々な所で WiFi 利用環境が上がって、WiFi タイプの iPad をどこへ持って行っても快適に使えるようになると嬉しいなと、、

さて先の楽しみはとっておくことにして、現状の話。私としては iPhone や iPad で一番使うのはカレンダーです。東京都医師会の仕事その他でしょっちゅうスケジュールを追加したり、確認したりしなければなりません。これまでも色々なアプリを試してきました。Apple の iCal は多数のマシーンを使っていると同期がおかしくなることを何度か経験し使っていません。GUI はなかなか魅力なんですが、もう「同期をとる」のではなく「クラウドを使う」時代。似たようなことでも、プログラム的に iCal は前者の仕組みなのだろうと思います。 最近は母艦を Google calendar とし、パソコンで使う時は Web ブラウザーですが、モバイル端末つまり iPhone や iPade で使う時はブラウザーより使いやすい専用アプリを使っています。

Calendars、SnapCal、さいすけ、超・整理手帳などを使ってみました。超・整理手帳はとても綺麗なデザインなのですが、Google calendar との同期が遅い(不安定?)、イベント記述の使い勝手がまだまだこなれていないなど「ただ眺めるだけなら素晴らしい美人なんだけどねえ」という塩梅。世話女房のように痒いところに手が届いてくれるのは「さいすけ」です。

これに匹敵する CalenGoo というのを見つけました。もちろん Google calendar と快適に同期してくれ、私のこだわるイベントや場所の履歴もちゃんと再利用できます。アプリのアイコンがもう一息というところはありますが、使い勝手はなかなかグー。上に挙げたアプリの中には iPad でしか使えないもの、iPhone でしか使えないものがありますが、CalenGoo はどちらでも使えます。「さいすけ」以外を使いたい人には、なかなかのお薦め、、

◯ Google Calendar 早急に修正して欲しい点

Google Calendar は私にとってなくてはならないツールになっています。しかし Google には珍しい問題点を見つけてしまいました「日本語での検索が効かない」のです。 使い始めた最初の頃、検索できていたような気がするのですが、 これはアルファベットをキーにした検索だったのかも。 日本語で検索をかけると、ずらずらーっと検索キーに関係なく全イベントがリストアップされてしまいます。 これではまったく検索の役に立ちません。試しにアルファベットをキーにした検索を行ってみると、 しっかりキーにマッチしたものだけをリストアップしてくれます。 うーむ、「検索こそ命」の Google が何で? と不思議なのですが、 こりゃー不便だなあ。早く改善して欲しい。

長年使ってきた自作 Web アプリのカレンダーを昨年秋から Google Calendar に換えたのですが、 自作アプリでは何年にもまたがって検索キーにひっかかったイベントをリストアップしてくれました。 こうなると、やはり Gooble Calendar のデータを自作アプリに吸い上げる機能を作らにゃいかんかなあ、、

と書いたところで「ん?」と思って、「さいすけ」や「CalenGoo」など iPhone のビューアを使ってみました。おー、こちらではちゃんと日本語で検索できる。日本語検索はこちらでやれば良いか、、でも本体の方も改善して欲しいですよね。

早速 Google Calender からエキスポートしたデータを、自作 Web アプリのカレンダーにインポートする機能を2日ほどかけて追加しました。これで Google Calendar と同期がとれるようになったので、普段は Google を使い、特殊な用途には自作を使うことができます。 自作カレンダーには1989年からのデータが記憶されていますので、 20年以上にわたるスパンの中から必要なイベントを瞬時に見つけ出すことができます。自分の歴史を Google だけに置いておくのはちょっと気がかりだったのですが、これで心配もなくなりました。

◯ Jobs またも休職

膵臓がんから奇跡的に復活を遂げ、その後、肝臓移植を受けたという Apple の CEO Steve Jobs が、 再び療養のためしばらく仕事から離れるそうです。 かなりやせ細ってしまったものの、最近のプレゼンを見ていると活力も戻っているようで 安心していたのですが、今度はちょっと心配しています。

例年1月にあるイベントが今年は無かったのも、そういうことだったんですかねえ、、Jobs 抜きでできないことはないでしょうが、やはり企画を立てる段階で Jobs 抜きという訳にはいかなかったのかも、、

アナリストの話では Apple 社の勢いには素晴らしいものがあり、ここ3年くらい Jobs が居なくても勢いは変わらないだろうとのことですが、創業者の居ない会社がどうなるかは HONDA、SONY などを見れば歴然。 Bill Gates の退いた Microsoft も似たようなものでしょう。その後は Google へシフトして行くのかなあと、、 でも私よりかなり若い Jobs もう少し頑張って欲しいなあ、と切に願うものです。

◯ 今月の歩術

昨年の夏は記録的暑さでしたが、この冬は結構寒いようです。 15年ほど続けている私の記録によれば、ここ数日の気温を下回ったのは過去では雪が降った時くらい。 最近の東京で雪はめったに見られなくなりましたが、日本海側は例年にない降雪で大変のようです。鳥取の漁港では係留していた漁船数百隻が、降雪の重みに耐えかねて沈没という聞いたこともないニュースも。

今週は起床時の外気温3度という日が続いています。今朝は少し暖かいかなと思ったのですが、 起床し外気温を見るとやはり3度。一昨日からの北風が止み、やや暖かく感ずるのかも。 一昨日の夕べ、御茶ノ水から錦糸町まで 5km ほど北風の中を歩きました。 靖国通りは両国橋を渡ると、京葉道路に名前が変わるんですね。 この通りは両国の国技館をはじめ、ところどころ江戸情緒が残っており面白く歩きました。 国技館近くでは寒空の中、浴衣一枚の関取3人とすれ違いました。 本所松坂町、「吉良邸まで100メートル」という標識を発見。 四十七士は吉良を討ちとった後、吉良の首を提げて高輪泉岳寺まで雪の中を行進したんですね。 夜風の中、鼻水をぬぐいながら四十七士に思いを馳せました。 Google map で調べると 10km ほどの行程。現在の舗装路なら私の足で2時間程度ですが、 当時の道路・天候や大勢で歩いたことなど考えると3時間近くかかったのかなと、、

さて、歩術の話。(自称)歩術に少し進化がありました。普通は かなり大股に歩いているつもりでも、 骨盤は余り動いていないもの。歩きの中に「骨盤や上体を柔らかく」を求めた結果、 2本の脚が前後するとともに骨盤もヨーイングするような歩きを意識しています。 2本の脚の前後巾に骨盤の揺れ巾が僅かに加わり、歩巾が広がるため歩行速度も上がります。 「草原を走るチータ」の腰の動きを想像すると良いでしょう。全身を使った動きを目指して行こうと思っています。以前書いた「猫歩き」にも通ずるもの。

かねてから懸案の「階段を降りる」もなかなか思うようには行かないのですが 「骨盤を柔らかくローリングさせることにより脚を降ろす」ことにより、 かなり柔らかく速やかに降りられるようです。 骨盤の動きは まだ緒についたところ、今後更に試行錯誤を重ねて行きましょう。

◯ 上体を柔らかく

朝練で八卦掌の「歩き」をやっていますが、最近は「上体を柔らかく」を意識するようにしています。すると面白いですね、角でのターン速度がかなり上がります。上物との接続が緩くなるため、下半身の駆動部分のターンを上物の慣性が邪魔しなくなるからではないかと思います。直線歩行においても歩行速度が上がります。これも似たような原理かも知れません。車輪と躯体がリジッドにくっついた古い荷馬車のような構造より、エアークッションなど備えた近代の車両の方が速度が上がるということなんでしょう。以前から「後ろから追いついてくる足音が聞こえたら、なるべく全身の力を抜くことにより振り切れる」と書いてきましたが、ようやくどんな原理か解ってきました。

しかし「言うは易く行うは難し」、本当にこれを実現するには何年ものトレーニングが必要と思います。数年前に強く心打たれた「ベリーダンスの動き」にも、ここでそろそろ繋がってきますかね。「上体を柔らかく保ちながら歩く」は、チータのような全身を使った歩行にも繋がりますし、姿勢が良くなるという副作用があります。 軍隊式「気を付け」の姿勢は 余程訓練を積まないとサマになりませんが 「上体を柔らかく」すると自然に上体の姿勢が良くなります。 「姿勢を良くしないとバランスがとれない」からで、意識せず自然に姿勢が良くなります。 これこそが本当に「姿勢が良い」ということなのでしょう。

「上体の力を抜き柔らかくする」は俊敏な動作にも繋がってくるはず、「上体の慣性が動作を邪魔する」ことがなくなりますから。こうして、ひとつの事に常に思いを至らせていると、「突然の閃き」というか「天の啓示」を受けて「また階段を一段上がれる」楽しみがあります。

◯ 今月の建築

またメニューがひとつ増えました。このエッセイにも時々登場してきた建築設計です。建築設計は中学時代から大好きなもののひとつで、医者の長男に生まれなければ建築家かグラフィック・デザイナーになっていたはず。

ものをデザインする時は、厳しく制限された中で知恵を絞った方が良いものができるのですが、空想で設計する家では実際の土地がある訳でもなく制限がなくなってしまいます。なお、図はダブルクリックすると拡大されます。

今回は「なるべくコンパクトで機能的」という条件のもとに考えてみました。 自分としては Simple is best を貫いたつもりですが、人によってものに対する重要度や思い入れは違いますので、違う人が考えればまた違うデザインになるのでしょう。 「里山のひっそりした庵」のようなものにしたかったのですが、CAD を使ったので現代的なものになってしまいました。 「晴耕雨読」のシンプルな生活が憧れですが「コンピュータとネットワークは捨てられないなあ」などと考えてしまうようでは、結局シンプル・ライフは無理なのかなとも。

ところで、 上の平面図は OmniGraffle を使いましたが、その上2枚のパースは Google の SketchUp です。こいつはなかなかの優れもの。こんな綺麗なパースが簡単にできてしまいます。以前は無償でダウンロードできたのですが、久し振りにアクセスしてみると結構なお値段の有償アプリになっていました。それでも通常の CAD に比べれば全然安いですけどね。

◯ 今月の区立平塚小学校跡

今月はこんな感じ。左上隅の保育園もいずれ取り壊すため、手前にプレハブの仮保育園ができています。 屋根の上にあるのはプールのようですが、何故屋根に上げたんでしょうかねえ、地上にもスペースはありそうに思えるのですが。工事中どうせワン・シーズンでしょうからプール無しでも良さそうにも思えます。

仮保育園の前には工事用の塀で囲った 以前より広い園庭ができています。 仮保育園の方が以前より建物も庭も広くて快適そう。 私が小学校の頃に利用したプールは影も形もなくなり、ようやく基礎工事が始まりそう。 現在基礎部分を掘ってはいますが、このかなり浅い不規則な掘り方、何なんでしょう。 基礎調査?まるで遺跡発掘のような、、

< 2010.12 五感六力 | 2011.02 使わないと錆びる>

新年会で訪れた雅叙園

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です