わーくすてーしょんのあるくらし ( 364 )

大橋 克洋

katsuhiro.ohashi@gmail.com

2023.08 根性ものが好き

○ わたしは根性ものが大好き

スポーツ競技はすべて根性ものと言って良いと思いますが、例えば女子バレーボールを大好きになったきっかけは、私が学生の頃1964年開催の東京オリンピックで「東洋の魔女」と呼ばれた日本チームの優勝でした。ここに至るまで鬼の大松監督による極めてハードなトレーニングを経た涙ぐましい経緯を知っていただけに優勝の瞬間の感激は激しく、私としては珍しく涙を禁じえませんでした。現代であれば大松監督の超ハードなトレーニングは、マスコミから間違いなく女性虐待と叩かれるでしょうし、それでも泣きながら食らい付いていくような根性の選手達は現代の日本には余りいないかも知れません。時代はまったく変わってしまいましたね。ハングリーだった頃の日本が今より良かったのかどうかは、私にもわかりません、、

厳寒あるいは酷暑の山岳地を昼夜ぶっ通しで走り競うトレイルランは見るからに過酷なもの。「うわあー、あんなことやってみたいけど、若い頃でもちょっと無理だったろうなあ」と思いつつ手に汗握って観戦しています。トライアスロンも超人でなければできない競技ですが、必要な根性と体力はトレイルランに比べるべくもないのではないかと思ってしまいます。

スポーツに限りません。映画やドラマなどでも根性ものは大好き。瞬発的なものでなく、一生かけ粘り強く取り組むようなものも好きです。その他にも例えば、大分前「尊敬する人」として挙げていたのが野球の江川卓選手と田中角栄元首相、その理由は「あれだけマスコミや世間から叩かれ続けても、めげないのは凄いなあ」と感心したから。私は自分にできないことをできる人は素直に尊敬してしまいます。

○ シルバー川柳

ネットで拾ったシルバー川柳。クスっとしたり、身に覚えのあるもの、、

寝て練った良い句だったが朝忘れ

「先寝るぞ」「安らかにね」と返す妻

欲しかった自由と時間持て余す

お迎えは何時でも良いが今日は嫌

金貯めて使う頃には寝たっきり

欲しい物今じゃ優しさだけになり

骨が減り知人も減るが口減らず

症状を言えば言うほど薬増え

本性が出るというからボケられぬ

ひ孫の名読めない書けない聴き取れない

耳遠くオレオレ詐欺も困り果て

子は巣立ち夫は旅立ち今青春

年賀状出さずにいたら死亡説

検査あと妻の優しさ気にかかり

期限切れ犬にやらずオレに出す

暑いのでリモコン入れるとテレビつく

○ 今月の歩術・経年変化

毎朝歩いているにもかかわらず足腰が弱くなりつつあることを、屡々書くようになりました。

暑くなりはじめるとともに早朝散歩の距離がてきめんに減り始めています。歩き始めはまあまあと思っていたのに、1キロもいかないうち大腿部の倦怠感のようなものが顕著になってきてコースをショートカット、2キロ程度で帰ってきてしまうことがしばしばあります。以前も大腿部倦怠感のあった時期はありましたが、その後回復していました。

最近は、これが2ヶ月も続くうち「ああ、これが他人事と思っていたサルコペニア:老人性筋肉減少かあ、」と思うようになっています(「サルコペニア」を調べると「20代から筋肉量の減少は始まり、年齢とともに進行する」とあります)。いつの間にか、大腿がめっきり細くなっているのに気がつきました。こりゃあ、トレーニング必要だよね。

歳をとっても筋肉量は鍛えることにより復活すると聞いていましたし実感もしてきました。しかし最近はなかなか思うようにはいかない。振り返ってみると、60代では筋トレの効果は目に見えてありました。70代になると、その効果がすぐには見えづらくなっていき、80代になると容易には回復しません。

考えるに、筋トレによる筋肉量の増加速度より、年齢的な筋肉量減少速度の方が早くなっているような気がします。ということで筋トレ頑張らなきゃと思うのですが、根性の方も年齢とともに低下してくるので、なかなか大変そうです。

そんなことと暑さにより、早朝散歩の月間距離は67キロに留まりました。先々月までは100キロを切ることはなかったのに、、

○ 「クソっ」の精神

「『クソっ、クソっ、クソォ!』と声に出すことででメンタルの強さが4割増しになる」という記事がありました。ある実験ではこのような汚い言葉を繰り返すことにより、男女問わず我慢強くなる結果がでているそうです。これはとても合点の行くこと。

戦争で死線を乗り越えてきた私の尊敬する父は、よく「大変なことがあっても『なにをクソっ』、それが大変なほど『面白い、やってやろうじゃないの』と思った」と話していました。幸い、この精神そのまま私も受け継いでいます。

大学馬術部に入部した頃、よく私の面倒をみてくれた5年上で広島出身の毛利先輩、見かけはバリバリのリーゼントのあんちゃんでしたが、見かけとは裏腹に優しい性格。彼もよく「クソッタレえ!」と唱えていましたっけ、、この先輩よく可愛い女の子を馬場に連れてきましたが、その度に違うどれも可愛い女の子。「M先輩イケメンでもないのに、どうしてあんな可愛い子とすぐ仲良くなるんだろう」と思っていましたが、優しいからですね。そういえば、練習帰り M 先輩に初めて連れて行ってもらった縄暖簾、隣に座った知らない鳶職のお兄さんにも親しげに声をかけてましたっけ、、すみません、脱線しました。

話を元に戻せば、要するに「難関に当たってもメゲルのではなく、クソっとアドレナリン出した方が、ずっと乗り越えられる」ということ。

Z世代と戦争

終戦記念日の15日に放映されたNHKスペシャル「Z世代と戦争」、Z世代とよばれる16才くらいから20代末くらいまでの若者が戦争をどう捉えているのか非常に興味をもって視聴しました。

マスコミの伝える現代の日本人一般についても言えることですが、多くの意見は「戦争はだめ」「まず話し合いで解決」「もし戦争になっても戦う気はない」「家族の人間が戦争に行って死んじゃうのはいや」「戦争になったら自分は逃げちゃう」、それらの意見は「現実に自分の身の周りをめぐる脅威」としては捉えられておらず、あくまで「抽象的・観念的な戦争は絶対だめ論」に思えます。

Z 世代の意見のなかには「戦争は絶対だめ」「まず話し合いで解決することが先」などの意見が多く聴かれました。これがいかに現実的イメージではないかというと、それでは、最近多発する 「SNS で集められた連中による強盗」「突発的な通り魔による殺傷」などが話し合いで解決できるものか。親兄弟その他、身近な人との口争いも戦争と考えた時、本当に「戦争は絶対だめ」を実践しているのか。

意外だったのは Z 世代へのアンケート結果、「10年以内に日本でも戦争が起こる」が半数を越えていたこと。私としては中国による日本領域侵略の危険性は感じていても、10年以内に日本が戦争に巻き込まれるまでの感覚はありませんでした(本物の戦争って大変なんだぞ〜)。

○ Z世代と戦争:考察

もし日本がロシアや中国に占領された時、自分たちの生活がどうなるかについて現実的イメージがまったくない。現実にそれらの国で起こっていること「国や独裁者の意向で否応無しに縛られ」「国民の自由意志が奪われる」「相互密告の恐怖」などの現実が、自分のこととして想像できていない。かつてソ連は日本の正式な降伏後にもかかわらず、満州から日本の兵・女性を含む民間人57万人余をシベリアに連れ去り極寒劣悪な環境で重労働に数年間従事(過酷な環境で1割死亡)させたり、終戦になってから日本の北方領土に攻め込み奪取するなど、そのルール無視や残虐性は数えきれない。中国もしかり。

「戦争はだめ」は「戦争を仕掛けるのはだめ」だけなのか「戦争を仕掛けられても戦うのはだめ」なのかの問に、若者たちが即答できないでいたのも「やはり観念的だなあ」と思わせるものでした。私の意見はあくまで「戦争を仕掛けるのは絶対駄目だが、話し合いに応じず戦争を仕掛けられたなら戦うっきゃない」「それにはそれなりの準備が必要」。

やはり私からみると「現代の日本人は平和ぼけが過ぎる」と思えてしまうのです。彼らの意見に、ウクライナから日本へ避難してきた女性は「では、眼の前であなたの家族がレイプされたり殺されたら、どうしますか?」と問うていました。この言葉に私は内に秘めた彼女なりの憤りが感じられました。だからウクライナは「死んでも戦う」なのです。かつての米進駐軍による扱いが余りにも日本にとってラッキーだったことも、日本人の平和ぼけの源となっているかも知れません。もし北海道がソ連の進駐軍に占拠されていたら、、考えるだけでもおぞましい、、

○ Z世代と戦争:SNS 上の意見から

8月になるとよく聞かれる「戦争はぜったいにいけない」のフレーズ、不毛に感じませんか?

という SNS 上の問に対し、以下のような回答が返されていました。私と同じような考えの方も居られるんだなあと、、これがしごく真っ当な意見と思うのは私だけ?

私もそれ、不毛に感じます。毎年毎年「戦争は悲惨だー、我々はあの悲劇を繰り返してはならない」と叫び、涙流して平和の歌を合唱してオシマイじゃないですか。単なる自己陶酔自己満足に過ぎませんよ。

そりゃ私だって死ぬのは怖いし、戦争は反対ですよ。

だからこそ、戦闘を勃発させないための方法を議論すべきなのです。

だからこそ、侵略者に降伏した場合の悲惨さを認識すべきなのです。

だからこそ、第二次世界大戦の真の原因を解析し、回避する手法を論じ合うべきなのです。

だからこそ、各国の正体を見極め、どこと付き合うのが得策か判断すべきなのです。

嫌なモノは見ないフリすれば過ごせるなんて、日本の村社会でしか通用しない手法です。

なにも竹ヤリ持って突撃しろと言ってる訳じゃないんだから、せめて国防を真剣に考える人のジャマしないでくれ!

○ 今月を振り返って

地球温暖化は滞まることなく、東京は気温35度以上の真夏日が23日続くという記録を作りました。全国的にも今月の暑さは気象観測史上最高の記録となったそうです。

連発式に台風が発生した夏でもありました。今夏は太平洋上に大きく張り出し居座った高気圧が防壁となり、関東を含む東日本を台風が襲うことはありませんでした。沖縄地方は何度も襲われ、折悪しくお盆休みに長く居座った台風により旅行者が何日も足止めをくい帰れない事態となりました。また九州地方も連続降水帯による豪雨や長雨に何度か襲われ、大きな被害がありました。

東京は連日の暑さで熱中症患者が多発、亡くなる方もでたようです。8月末の10日間、我が家は浴室のリフォームで職人さんの出入りで家を空けられなかったこともあって、私は冷房を緩くかけた部屋に籠もり外の暑さに当てられることはありませんでした。

○ 浴室リフォーム

このマンションも築41年目とあって、我が家の浴室もタイルのヒビ割れやホーロー引きの浴槽外壁の劣化などが目立ってきました。専門業者に以前みてもらったところ、この様子では階下への漏水などの心配などはないと聞いていたのですが、やはり次第に劣化してゆく浴室は気になっていました。先月からマンション・エントランス天井から水漏れあり、階上の住人の協力が得にくくなかなか原因箇所が特定できなず長引いているということで、管理組合理事会でも延々議論の的になったところ。そんなこともあり、とても気になっていました。

浴室リフォームはかなり費用のかかることであり長年の懸案だったのですが、施工に踏み切りました。タイル張りだった浴室内壁を剥がしユニットバスを入れたのですが、新しく綺麗になった一方東京タワー方面を眺められる浴室窓が無くなってしまったのは、とても残念。床タイルを剥がしてみると老朽化した給水管からの漏水により、タイルと防水層の間に水が溜まっているのがみつかりました。このマンションも築40年を越えたとあって、このように見えない場所で配管が劣化している箇所が他にもあるかも知れません。エントランス天井の漏水も同様の原因かも、、

うちの場合、幸い浴室床下の防水層がしっかりしていたため、階下へ漏水がなかったのには胸をなでおろしました。危ういところでした。思い切ってリフォームして良かった。

夕焼けを背に渋谷方面