2009.08 何ごとにも 水やりと下草刈りが大切

わーくすてーしょんのあるくらし ( 198 )

2009-8 大橋克洋

観葉植物が鉢からあふれそうになり、3つの鉢に根分けをしました。 ところどころ黄色くなる葉が目立つと こまめに取り除いたり、水やりをしたり。 手をかけるうち根もしっかり張り、 以前のようなツヤツヤとした緑の葉の生い茂る状態を期待しています。

電子カルテ NOA オープンソース化に伴い、 細かいところを見直し奇麗に整理しています。 日常診療に使いながら20年間やってきたことですが 「まさにこれも水やりと下草刈り」だなと思いました。 ソフトウエアもこのように絶え間なく手入れをしてやることにより、 みずみずしく生き生きとした状態を保つことができます。 「愛情をもって手をかける」ということ、、

世の中の色々なことがそうなんでしょうね。 水も与えられず、雑草が生え放題、 使い物にならなくなって醜態をさらすのは とても可哀想なこと。

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○ 科学技術の進化は 人間を退化させるか

これは、なかなか悩ましい命題です。 先月の加山雄三の「私の履歴書」を読んでいて、ふと思いました。 関与したホテルの倒産で莫大な借金を抱え、俳優としても陰りが見え始めた加山雄三が 債権者やマスコミ攻勢から逃れ渡米。やがて人恋しくなり、 松本めぐみに国際電話をかけてみると、 彼に振られたと思い込んでいた彼女は、傷心旅行でローマへ行くとのこと。 「ローマの凱旋門で会おう」と電話を切った彼はすぐローマへ飛びます。 ところがローマには凱旋門がいくつもあり、 探しまわったあげく たどりついた時には約束の時刻を3時間も過ぎていました。 彼女の姿を 8mm 映写機で撮りながら近づいて行くと、 泣きそうな顔で待っていた彼女が走り寄ってきて、、

これを読んで「そうかあ、現代は3時間も待つことなく携帯で相手の動向がわかる時代。 ということは、これからの人は、 このように忍耐強く待つ、相手を信じて待つ、というような力も育たないのだろうなあ」 「情報機器で相手と直結するということは、 結果的に相手との心の関係は疎遠になってしまうこと なのかも知れない」 と思ったのでした。 人と心で接する力「コミュニケーション能力」のない 若者が増えてきたことに、日本の先行き不安を感ずるものです。

「文明の利器を上手に利用するとともに、 太古の昔から人間が身につけてきたものも忘れてはならない」、 古稀を3年後にしながらガンガンにプログラムを書き、 エスカレータに延々と並ぶ若者を尻目に長い階段をあがる。 筋トレと脳トレ。右手と左手をなるべく均等に使う。 このように一見 両極端に思えるものをバランスよく使うことこそが、 大切と思います。明治の文明開化の頃に特徴的であったように、 日本人はそもそも そのようなことが得意な民族のはずです。

○ 盛夏の「火の国」熊本

2004年7月 COMINES のシンポジストとして行った 夏真っ盛りの熊本を以前書きました。あれから5年。 8月1日・2日に有床診療所連絡協議会で熊本出張となりました。 熊本はこれで4回目でしょうか。宿泊した熊本ホテルキャッスルは熊本城の真正面。 熊本市内を大分歩いたことはあるのですが、熊本城へ行ったことがありません。 会議中に抜け出すのも はばかられ、朝7時過ぎホテルを出て散策してきました。 いつも旅行にはデジカメを持参するのですが、 今回は iPhone のみ。記録にはこれで結構 用が足りますね。

熊本城は、加藤清正が歴戦の経験を生かし築城した名城。 この石垣の特徴的で美しい曲線を「武者返し」と呼ぶのだそうです。 装飾の一切無い黒ずんだ板張りが目立つ いかにも質実剛健。私好みのもの。 明治維新、西南戦争では政府軍の重要拠点となり、 よく攻撃に耐え ついに撃退したとか。 武者返しが大いに役立ち、 熊本城を甘く見ていた西郷軍は、誰一人進入できなかったそうです。

城内には「加藤清正神社」がありました。 写真左手に神社の「加藤清正公」のノボリが映っています。 残念ながら 本丸の見学は08:30からということで 中へは入れませんでしたが、城内を歩いてくることができました。 城の中はもの凄い「蝉しぐれ」で耳が痛いほどです。 早朝とはいえ、すでに日はあがっていて結構暑く、朝早く来て良かった。

同行の都医理事と、熊本へ行ったら馬刺を食べようということで、 初日夜の懇親会を早めに抜け出し、タクシーの運ちゃんに教わった「菅乃屋」へ。 ここは馬刺専門の店とあって、さすがにどの肉も柔らかく絶品でした。 私は馬を愛する馬術部ですが、「食べてやることで成仏する」と思っています。

以前も書いたように、自然の中に暮らす人々が「自分の食べる分だけ」 を穫って「根絶やしを避けてきた」のに対し、現代では 「海の底を根こそぎさらった魚がスーパーに並び」 あげくの果てに「売れ残ったり、食べ残された魚は大量に捨てられる」 というバチ当たりです。

本来、自然界には「弱肉強食」の中に「食物連鎖」があり、 「食べられたものも食べたものの血となり肉となって生きて行く」 ということだと思います。無駄に殺されたのでは、決して成仏できませんよね、、

○ ガイドライン

最近、私の身の周りでガイドライン造りが流行っていますが、 その流れに非常に首を傾げるものです。 あくまでも「指針を示す」という 本来の意味であれば何の異論もありません。しかし、 どうも日本人の特性は「それに縛られてしまう」 というか「それに縛られようとする」自虐的なところがあるようです。 さらには「この印籠が目に入らぬか」になり、 造った本人が、その印籠に従わなかったばかりに、 自分で自分の首を絞めることにもなります。

日本人の「マニュアル人間化」を何度も嘆いてきました。 つまり「マニュアルがあるばかりに、 まったく自分の頭を働かせない人間が増えている」ことにです。 ガイドラインもまったく同じ構図です。 最初はガイドラインが新鮮で「勉強になった」と思っていても、 その時期を過ぎると必ず自分の頭を使わなくなります。 何も考えずガイドラインに従えば良いのですから。 つまり日本人の信奉するマニュアルには「頭の中をフリーズする」 霊験あらたかな効果があるのです。

歴史を振り返ってみると、 江戸時代以前にもそのようなものはありました。 ただ、それらの多くは「要点のみ」を記述したもので、 箸の上げ下ろしを事細かに記述するものではありません。 「心構えを書いたから、あとは自分で考えろ」です。 ガイドラインというものは、そうでなければならないと思っています。

マニュアルは「自助努力をするためのヒント集」 として活用すべきですが、わが国では「脳みそを凍結」 「思考力を封印」する役目を果たしているのではないでしょうか。 「自己責任のもと、あくまで自由でありたい」 私の生き方にはどうしてもそぐわない使われ方です。

○ ネットワーク・トラブルがやってきた

久方ぶりに、ネットワーク・トラブルの周期がめぐってきました。 家内から「インターネットに繋がらないんだけど」。 住まいには無線 LAN を2基置いているのですが、 何と そろって討ち死しています。 電源再投入で復活したものの、 数日を置かず またも仲良く討ち死。 20数年のネットワーク生活でも 初めての経験「さあーてねえー、どうしてだろう」。 DHCP 担当マシーンが劣化し、 そのロレツの回らぬ命令に従おうとしているうち、 自分の方が気が狂ってしまったのだろうか とか、 OS のマイナー・バージョン・アップのためか とか、、

様子を見ていたところが 昨日、 インターネットに繋げようとすると クルクルとカーソルが回ったまま一向に接続しません。 「ありゃ、何かおかしいな」、外部に ping を打ってみると応答なし。 ファイアーウオールを疑い 電源再投入でも改善せず。 Bフレッツ終端装置は元気に生きていそうです。 そこからファイアーウオールを仲介する ブロードバンド・ルータに触ってみると冷たい。 「ややっ、こいつか?」電源を何度再投入しても パワー・インジケータは消えたまま 息を吹き返しません。あー、ついにルータが逝ってしまいました。 このルータは 2003年12月に回線を Bフレッツにした時からですから、 5年半の寿命ということで、まあ仕方がないか。 それでも経験したネットワーク機器の寿命としては、 短い方に入ると思います。

おそらく無線LANの討ち死は、 息も絶え絶えのルータにつきあったものでしょう。 久々に「陸の孤島」状態、 早速 代わりのブロードバンド・ルータを注文したいところですが、 肝心のネット注文が出来ません。 幸い昔と違って今は iPhone があります。 しかし、その狭い画面で 色々なルータを調査し品定めするのは ちょっと辛いものがあり、安全を期して 今まで使っていた Web Caster の最新機種 V110 を Amazon で注文しました。さて、何日くらいで届くのでしょうか。

○ ネットワーク復活す

Amazon に注文していたルータがようやく届きました。実は iPhone で注文したつもりだったのが5日目になっても届きません。 東京都医師会へ行ったおり MacBook をネットにつないで Amazon の注文履歴を見てみました。 ブロードバンド・ルータの注文履歴がありません「あれ? おかしいな」。 どうも注文の最後の手順のどこかで ヘマをしたようです。 ということで再度注文を掛け、翌日届いたというわけ。

早速ルータの設定に とりかかります。午前中の診療の合間にちょっとやってみたのですが、 予想通り一発では行きません。午後になってから腰を落ち着け再挑戦。 同じメーカーのルータとはいえ5年を経ているせいか、 同じことを言うにも微妙に言い回しが違ったりして、 その意味を正確に把握しかね 何度か試行錯誤。 コンピュータ関連、特にネットワーク関連の設定には、 いつもこのようなことで泣かされます。 そして1時間たらずで、接続に成功。 コンソールに打った ping が勢い良く流れ始めました。 いつもの感激の瞬間です。 バンザ~イ !!

こうして一旦 動いてしまうと、 まったく手をわずらわすことがなく数年を経て、 また設定の詳細を忘れてしまうということになります。 早速すべての設定画面のスクリーンショットを撮り 保存しました。 OCEAN が死んでいるということで、 何人かの方から iPhone へメールを頂きました。 どうもご心配、ご迷惑をお掛けしました、、 ということで、言い訳けと顛末のレポートでした。

○ 電子カルテ・プロジェクト進捗状況

オープン・ソース化をめざし改良を続けている 電子カルテ NOA です。オープンに先駆け 数人の方には事前の準備状況をお目にかけているのですが、 8月に入って進展が外から見えません。 決して動きが止まっているのではなく、 開発に油が乗り切っているためです。 いくつかの要望へ対応する大改装で、 なかなか小康状態に至りません。

1つ目は、ユーザインタフェース・ロジック・データベース の3階層に分ける作業。Cocoa 版 NOA の頃、 これはとても奇麗な3階層に分かれていたのですが、Web 版では PHP と javascript の勉強がてら 試行錯誤で作ってきた経緯もあって、奇麗な3階層になっていません。 まだイマイチというところはあるのですが、論理的には分離でき、 開発上の使い勝手が一段上がりました。

2つ目は、周辺ツールとのパラメータのやりとり。 NOA フォーマットと称する、 シンプルで軽いフォーマットを使ってきましたが、 処方箋ツールでは HL7 R.2 フォーマットで やりとりできるようにしました。 これにより HL7 を喋れる電子処方箋であれば、 他の処方箋とも接続できるようになりました 、、、が、やはり NOA フォーマットの方が ずっと簡潔で、軽く、バグが入りにくいですね。 そんなことで、ソースのパラメータ1個の変更だけで、 NOA / HL7 どちらにでもスイッチできるようにしました。 処方箋側は、電子カルテから送られるパラメータが NOA か HL7 かを判断し、自動対応します。

3つ目、これが結構ややこしい作業になりました。 今までの NOA も「カルテ記録を修正すると修正履歴が残る」 ことを考慮した作りになっていたのですが、 実際には私の診療所で、私しか使わないため、 完全な機能として作り込んでいませんでした。 色々と難しい問題が発生し、 ほぼ完成から再度作り直しなどを経て、ようやく これなら満足できるかな、というところへ昨日 到達できました。

これから数日 動作チェックを行い、 暫定的お知らせメンバーにはダウンロードして頂けるように するつもりです。しばしお待ちください。今月末には、 本格的なオープンをアナウンスしたいと思っています。 予定より1ヶ月ほど遅れてしまいました。 ひと様に使って頂けるようにするには、 自分専用の何倍もの手間ひまが かかるものです。

○ MacOSX 10.6 : Snow Leopard がやってきた

Apple は予定より前倒し 28日に MacOSX 10.6 をリリースというニュース。速攻で AppleStore へ発注したことは言うまでもありません。 そして几帳面にリリースの28日午前中、宅急便で MacOSX 10.6 を送り届けてきました。 最近の Apple からの贈り物は、笑ってしまうほどコンパクトなんですよね。 届いた段ボール箱は そこそこの大きさですが、予想に反する軽さ。 中はプチプチ梱包に包まれ 雪豹の顔写真が印刷された 音楽 CD サイズの「ちっぽけなシュリンクパック」が たった1つ。

さあインストール、まず MacBook から。 前評判では、インストール時間も短いという話ですが40 分ほど、そう短くもないですね。 クリーン・インストールでなく上書きインストールなので、 立ち上がった画面も従来とほとんど変わりません。 default の背景、紫色のオーロラ画面も変わっていないようです。 もっと明るいものにして欲しかったなあ。

ああ、案の定というか、いつものお約束というか、 WindowShadeX が機能しなくなりました。OS が変わる度に経験することです。 このユティリテーは長年愛用していますが、 いつもしばらく不便になります。また、サポートされるのを気長に待ちますか。 気になる電子カルテの方は大丈夫のようです。 今回は新機能を搭載するというより、 OS の安定性や効率アップが主体と聞いていますので, 期待はしていませんでしたが、今のところ余り変わった景色は お目にかかれません。

紹介記事によると、外見は Leopard とほとんど変わらないが、 中身は新しく作り直したようなものとのこと。 少しずつ、違いがわかってくるのかな。「羊の皮を着た狼」を期待しましょう。 開発環境 Xcode もほとんど変わっていないように見えて、 ちょこっとしたところが結構使い易くなっていました。 こんな感じで、少しずつ良くなっているのかも。 こんなアップグレードもあるんですね。 開発者にとっても「やったぜ!」という快感は少ないでしょうが、 価値ある一歩なのかも知れません、、

○ Mail アドレスを変えます

長年、自前のメール・サーバを運用してきました。 しかし、サーバへ外からアクセスできなくなる状況が 数年に1回は起こります。もうお祭り騒ぎになってしまった 「恒例のネットワーク・トラブルがやってきた」です。 その間、皆さんにご迷惑を掛けまくり、 自分自身も不便をしのいできたのですが、 そろそろ考え方を変えることにしました。 「自由に使え、安定した外部メール・サーバが 世の中に幾つもある時代、もう自前にこだわることはないだろう」 ということです。 もうひとつの理由は MacOSX 10.6 に上げたら、 ocean のメールサーバへの接続が何か不安定。 他のサーバへの接続はまったく問題ないのですが。

Web サーバだけは まだ自前の方が便利なことも多いので、 当分 自前を貫くつもりですが、 メールの方は外のサーバを利用することにしました。 ちょっとメールサーバのお守りに疲れてしまった というのも本音。 プライベートには Apple の MobileMe も使っていますが、 公式の方は Gmail を使うことにしました。 最初「Gmail は Web ブラウザーからしか使えないのでは」 という固定観念があったのですが、 今まで通り MacOSX 標準のメール・アプリからも 使えることを確認しました。

Gmail は以前から たまに使っており、 そのアドレス取得に際し ohashi の入ったアドレス をいくつか試してみましたが、 どれも既に誰かにとられてしまっていて、 やむを得ず何だかわからない名前にしていました。 しかし、今回本腰を入れて使うには 匿名的アドレスでなく、 明示的アドレスにしたいところです。 試行錯誤の末、駄目モトでフルスペルを入れてみたところ、 「おー、大丈夫じゃん」ということで、 katsuhiro.ohashi のメール・アドレスが取得できました。 今後このアドレスで gmail.com を使うことにします。 私へのメールは今後こちらへ切り替えて頂くようお願いします。

アドレスを変えると「転居のお知らせ」が大変ですね。色々な ML については 管理人の方にメールを出せば済むのですが、 それ意外はちょっと無理そうです。 しばらくの間 ocean のメールサーバを生かしておき、 そちらに届いたメールへ「転居案内」を差し上げるということで 対処するしかないかなと。そうか、名刺も刷り直さなきゃ、、

○ 今月の歩術

今月は、ちょっと新しい試みをしています。 八極拳の特徴である震脚の練巧をやりたいのですが、 渾身の力を込めドシンと地面を踏みしめる動作とあって、 マンション住まいでは真似事もできません。たまに誰もいない 1F の診察室で ちょっと試みる程度。それでも かなり響きそうで、頻繁にはできません。 中国少林寺本山に、頑丈な石の床が大きく凹んでいる所がありますが、 あれは長年の震脚によるものだそうです。 その震脚に代ることができそうな練巧法をみつけました。

古武道の甲野善樹氏の言う 「(両足の裏を水平にしたまま)垂直離陸」 というものがあります。これを試みるうち 「上半身の垂直下降」を練習してみようと思いました。 この動作が本当にできると、 突然 相手の目の前から居なくなったようになります。 ボクシングで 相手のパンチを交わすため左右に身を屈めますね。 十分脱力し地球の引力を十二分に利用して、 もっと素早く、もっと大きな動作となります。

この動作をちょっと行ってみました。初めて行った時は、 たった4、5回程度なのに、1日中 大腿部がしこったような感じ。 体重の急激な下降と加速度を受け止め、 大腿部にかなり大きな力がかかることがわかりました。 その後こつを会得し、大腿部へのダメージは減少してきました。 懸念された膝への負担も大丈夫のようです。 膝や大腿部など局所に負担を集中することなく、 全身に負担を分散させるようになったためと思われます。 これこそが中国武術の真骨頂です。

ここで思いがけぬ効果に気がつきました。 階段昇降の強化はもちろん、めざす「猫歩き」にも意外な効果がありそうです。 「そうかあ、この動作は下半身を効果的に強化。 猫歩きには下半身の強化が必須なんだ」と理解したわけです。 ということで「八極拳の震脚」とも似たような効果があると想像されます。

○ 女子バレーの季節

オリンピック終了に伴い柳本ジャパンの解散を風の噂に聞き、 しばらく女子バレーを見る機会がありませんでした。 ところがワールドグランプリが開かれていることを知り、 昨日は久々に TV で観戦を堪能しました。

アテネ五輪以来の柳本監督は退き、新しい真鍋政義監督の下、 新生ジャパン・チームのロシアとの戦い。 栗原恵・木村沙織・荒木絵里香の若い長身のエース、 小柄な天才セッター竹下佳江・リベロ佐野優子も健在でしたが、 かつて元気印で登場した高橋みゆき や杉山祥子の姿は 残念ながら見られませんでした。 まだまだ実力はあるはずですが、すくすくと若い世代が育ってきたので半舷上陸、 世代代わりというところでしょうか。

Web 検索してみると、この春の企業対抗戦では高橋みゆきも活躍していたようですし、 私の好きな業師、杉山祥子や、 故障を心配していた大山加奈も元気な姿をみせていました。残念ながら、 今回のジャパン・チームには選考されなかったようです。 ロンドン・オリンピックを見据えてということでしょうか。

昨夜の試合、こちらも新々とは言え伝統ある強豪ロシアを相手に、 素晴らしい動き。最初のセットを落としたものの、 後は危なげない連携プレーでロシアを押し切り勝利。 長身で動きのよい日本チームの今後は とても期待されます。 小柄な竹下がロシアのスパイクをブロック、 予想外のパフォーマンスも見せてくれました。 小柄でマークからはずれているのを逆手にとって、 時々このような思いもよらぬ技を見せてくれます。 かつての小さな関取「舞の海」のよう。

中学時代からジャパン・チームに在籍したものの、 1度も本番に呼ばれたことの無かった 狩野舞子の頼もしい登場。 長身でバランスのとれた狩野はこれから数年、 栗原・木村・荒木らとともに戦って技術を継承し、 彼女らに代わるエースとして次代を支えてくれることを期待します。 日本には「大砲」や「速射砲」がいないので、 そのような才能を発揮してもらえると嬉しいです、、

決勝戦に進出した新生ジャパン・チーム、よく戦い、 優勝候補と目されていたオランダを ストレートで押し切りました。しかし最終結果は どれも惜しい負け方で、通算1勝4敗の6位。 狩野の他にも今後が大いに期待されるのは 強力なスパイカー坂下麻衣子、彼女はスパイクだけでなく 揺れて落ちてゆくようなサービス・エースで何度も点を稼ぎました。 井上香織は今回のメンバー唯一の夫帯者ですが、 サイドからの素晴らしいブロード攻撃は、 あの杉山祥子を彷彿とさせるものです。 栗原もエースとして副キャプテンとして よく働きましたが、 チームには栗原・木村級の新人が大勢加わり、 今後が楽しみです。

今回のワールド・グランプリで感じたこと。 日本チームは、相手サービスをレシーブし、セッターへ、 セッターがトス、それを待ち受けスパイカーがスパイク、 という同じリズムの繰り返しが多い。 いつも同じリズムでは完全に相手に読まれてしまいます。 時々は、このリズムを崩し突如のクイックやフェイントが 欲しいですね。もう一つ、柳本監督はメンバーチェンジを余りせず、 うずうずすることが多かったのですが、 真鍋監督になって このあたりのストレスは大分解消されました。 しかし最終ブラジル戦では、 どうしてベンチで待つ強力な坂下を起用しなかったのか、 このあたりが判りません。「この試合は狩野を出す、 こちらは坂下」とか、事前の決めごとでもあるのでしょうか。

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これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です