2015.08 使い手こそが最高の作り手

わーくすてーしょんのあるくらし ( 270)

2015-8 大橋 克洋

◯ 誰一人とっても頼もしい全日本チーム

ここまでの試合、食い下がって惜敗したロシア戦を除き、全日本チームはどの試合も堂々の勝利をあげています。これには今回の誰ひとりとっても粒ぞろいの頼もしいメンバーによるものが大きい。

日本チームには珍しく身長 175cm と上背のあるセッター宮下、上背を活かしたブロックとともに巧みな配球をこなしています。もう一人のセッター古藤は今回の日本チームでは一番年上ですが、眞鍋監督はその老練な技を大きく買っているようです。身長 170cm と全チームの中でも背の低いスパイカー内瀬戸真実、背は低くてもなかなか鋭いスパイクを打っています。アテネ・オリンピックの頃、小柄ながら強烈なスパイクを決め、エース的存在だった高橋みゆきを想い出させます。あの高橋の「相手の高いブロックの腕に当ててボールを外に出す」得意技、古賀が身につけています。島村春世もスパイク・ブロック・サーブと力強く点

を稼いでくれました。座安・佐藤二人のリベロも小さな身長ながら、頑張りました。

さて、かねてから私のイチオシ迫田さおり、肩を痛めての出場のようでなかなかコートにお呼びがかかりません。後ろから走りこんで撃つ強烈なバックアタックには「スコーピオン」というあだ名もつけられています。眞鍋監督も今回「迫田が復調してくれないと、日本の勝利はない」とまで期待しているそうです。ようやく一般にも認められたのか、迫田がコートに呼ばれると会場からは一段大きな声援が送られるようになりました。しかし、今のところコートに呼ばれても、いまいちパンチに欠け成績を残せないのが可愛そうです。あの強烈なバックアタックを見ていて「肩を痛めなければ良いが」と思っていましたが、やはりそこへ負担がきましたか。長岡などの肩も心配しています。そこへ行くと木村沙織は上手に肩を温存してきました。あの硬軟自在の撃ち方が良いのでしょうか。

それにしても、日本にも若い新しいエースをとの願いがかなったのは嬉しいですね。今後が楽しみです。さて、これから中盤に入り、日本はどのような展開を見せてくれるのでしょうか。今のところ日本は4勝1敗で総合2位をキープしています。1年前のワールド・グランプリでの破竹の進撃を是非また見たいものです。

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これって「戦争に行きたくない」という声と同じなのでは?

どのような場合でも、強制されなくても自発的に「少しでも皆のために努力しよう」という人は居るのです。過去の大戦を振り返っても、残る家族のため皆のためにと自己犠牲を払った本当に勇気ある人々が少なくありませんでした。そのような人々の多くは、普段はとても優しい父親だったり上司だったりしたのです。

「戦争を回避するためには最大限の努力をしよう」と連呼することはあっても、単に戦争に行くのは嫌だというのはどうなんでしょう。行くのが嫌なら、戦争回避のため努力をすべきでは、と私は思います。場合によって、それは戦争に行くより大変な苦労なのかも知れませんが。危険を覚悟で働いてくれる警察官や消防官がいてくれなければ、社会はどうなると思うのでしょう。

◯ 今月の脳トレ

診療所の電子カルテ NOA、ある日突然、紹介状アプリから印刷ができなくなりました。紹介状を PDF 形式へ変換・表示できなくなったのです。昨日までは問題なくできていたのに。考えてみると、その直前に行った MacOS のアップデートによるものと思われます。

仕方がないので、とりあえず当日の紹介状はワープロで作成して凌ぎましたが、毎回これではかないません。診療の合間をみて早速原因追求にかかりました。実はこの症状、数日前に自宅の開発マシーンでも発生していました。原因を追求してみたところ、簡単には行きそうもなく、診療所マシーンでは問題なく印刷できていたので追求の手を緩めていたのです。この時は、よくある Chrome のアップデートによるものかと思っていました。Safari では問題なく印刷できていましたし。

で、今回、根性入れていろいろとやってみたところ原因がわかりました。javascript 側から PHP の PDF 変換サーバへ送付するデータが JSON 形式なのですが、ここでコケているようです。試しに私のオリジナル NOA フォーマットで送ってみるとうまく PDF が表示されるようになりました。つまり MacOS のアップデートにより JSON の扱いが変わったようです。とにかく印刷できるようになったのを良しとして、それ以上深く突っ込んではいません。

それにしても、やはり自分の仕事で使うとなると、根性入るものですね。何が何でも動かなければ困るわけですから、、

◯ 今月の歩術

8月も半ばを過ぎると予想通り暑さも峠を越したようです。暑いので、なるべく朝6時ころまでに家をでるようにしたのですが、それでも歩いているうち顔の横を汗がツツツーっと流れてきます。湿度が高いということもありますね。若い頃は頭や顔に汗をかくことは余りなかったのですが、還暦あたりを境に汗をかくようになりました。

暑さに多少めげながらも、相変わらず週に5日近く歩いています。最近の意念としては「腰から歩く」ですが、以前の腰から歩くとは多少違って、腰をコンパスの要めのように思い描きながらなるべくコンパスを開くよう意念しています。しかし、これも余り無理をすると身体を壊すのを経験しているので、ほどほどに気をつけながら。

最近は同じマンションの人のウオーキングとよくめぐりあいます。やはり皆さん健康のため歩いているんですね。この辺りで大きな緑地である「林試の森」、早朝は多くのお年寄りが思い思いに歩いています。以前は目黒川沿いの遊歩道を歩くことが多かったのですが、最近は思いつくまま家を中心に色々な方向へ足を延ばしています。最近は、目黒本町方面を巡ってくることが多いですね。

そして20日を過ぎると急に涼しくなりました。就寝時の扇風機が不要になるどころか、薄い夏掛けでもややうすら寒さを感ずるほど。そういうことで今年の夏の終わりは例年になく早くやってきました。さて9月に入ってからの残暑はどうなんでしょうか、、

◯ 女子バレー ワールド・カップ2015

私の好きな女子バレーの季節がやってきました。7月に行われたワールド・グランプリは放送をみられなかったのですが、成績は余り振るわなかったようなので、8月からのワールド・カップも余り多くは期待していませんでした。12カ国総当りで、上位2位にまでに入ればリオ・オリンピックの出場権が得られるという大事な試合。

今回、日本チームの顔ぶれがあまりにも大きく変わったのに驚きました。キャプテンの木村沙織、迫田さおり、山口舞ら、ロンドン・オリンピックメンバー3人の姿は見られますが、昨年まで大活躍していた江畑幸子、新鍋理沙、高田ありさ、荒木絵里香などはメンバーに入っていません。どうしたのでしょう。聴いたところでは、荒木絵里香は出産、江畑はアキレス腱を痛めたとか。オリンピック後に加わったメンバー、宮下遥、長岡望悠、石井優希、大竹里歩、座安琴希。今年からの新しい顔ぶれとして、この春 高校を卒業したばかりの古賀紗理那、内瀬戸真実、鍋谷友理枝、島村春世、古藤千鶴、佐藤澪などが加わりました。

こんなに若いメンバーばかりになってしまって、最初は大丈夫なのかと思いましたが、見ていくうち、どうしてどうして。特に古賀紗理那は評判通り。スパイクよし、バックアタックよし、ブロックよし、レシーブよしと万能ですし、スパイクも相手の高いブロックの腕に当てて外に出したり、硬軟自在に打ち分けるなど、木村沙織と同等かそれ以上のテクニックを身につけています。これは頼もしい選手がでてきたものです。その他のメンバー誰ひとりとっても、それぞれに技を持つ素晴らしいチームが出来上がっています。

初戦アルゼンチン。木村・山口・長岡などベテランとともに、古賀らの活躍により、危なげなくストレート勝ち。古賀のパワーあふれる技に感心するとともに、人一倍のトレーニングで復活したキャプテン木村のパワーあふれるキレのある技が光りました。

第2戦は高さとパワーの強豪ロシア。第1セットを良い感じでとったものの、第2、3セットをとられ、第4セットかなり接戦で迫ったものの本当に惜しいところで敗退。

第3戦キューバにストレート勝ち。この試合では木村の入らないメンバーで戦い、新鋭古賀と長岡のスパイクの他に多彩なメンバーの多彩な技でみごと3セット奪取。完全に木村の役割を肩代わりできる古賀は素晴らしい。

第4戦ケニヤには、危なげなくストレート勝ち。オリンピック出場経験のある父親を持つ大竹の力強い技も良かった。忍者のアダ名を持つ山口のブロード攻撃。大竹も山口のようにトリッキーな技だけでなくブロック、スパイクと木村や長岡に続く点数を稼ぎました。

第5戦は侮れないドミニカ共和国。初戦でキレを見せた木村、そして古賀もパワー全開でそろそろ疲れが見えたのか鋭いキレが見えなくなってきた。しかし石井や復活した長岡がキレを見せ、何度か小気味良いスパイクを相手コートに叩きつける。第1セットをとったものの、第2、第3セットをとられた日本、フルセットにもつれ込み最終的に粘り勝ち。

この後、会場を東京代々木競技場から仙台へ移します。

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◯ 使い手こそが最高の作り手

これはある家具職人の言葉。彼は自分が使って心地よい家具を作ることをポリシーにしていますが、彼の作った家具は丈夫で使いやすいとの評価の高いものです。

今年4月にホンダから発表された小型スポーツカー S660 は、発売後4日間で5200台の受注という人気ですが、この車は極めて若手の技術者にプロジェクトが任され「自分が欲しい車を造る」というコンセプトで生み出されたものだそうです。

スティーブ・ジョブズは「大衆の希望を聴いても意味が無い。彼らは自分の欲しいものがわかっていない」という考えで、消費者へのリサーチにはまったく関心がなかった。これはまったく同感です。最近ある会で、全会員を対象によくアンケート調査をやるようになりましたが、このようなものを参考に重要な案件を決めようなどというのはまったく無意味と思います。出てくる意見の殆どが思いつきのような、まったく無責任な意見ばかり。そのアンケート結果の、たったひとりの思いつきのような意見を元に検討する姿を見て「あ〜あ」と思ってしまいます。

「使い手」ではあっても大衆の意見の殆どは建設的なものではありません。しかし本当にモノを愛する「使い手」からは、時に素晴らしいアイデアが生まれるのだと思います。ジョブズやホンダのプロジェクト・リーダーがその良い例でしょう。

◯ やはりこの方向性で良かったようだ

Google の chrome OS を載せた chromebook の話を読みました。まだ個人向けには販売されておらず、企業向け販売だけのようです。仕組みは要するに Web アプリですべてを行おうというもの。データはすべてクラウド上に保持するため、セキュリティーの問題や個々のシステム管理が極めて容易なので、企業に向いているということのようです。

Web アプリのプログラミングがすっかり身についてしまったもので、最近、私が作るアプリはすべて Web アプリになっています。財務管理とか自分の健康管理、趣味の建築設計の図面作りなど Web アプリにする必然性のないものまで、全て Web アプリで制作し使っています。考えてみれば、これは chrome OS の方向性とまったく同じ。期せずして10年ほど前から向かってきた私の方向性は間違っていなかったのだなと再確認。

◯ 何だかなあと思うこと

最近のニュースとして、安保法案の可決にからんだ話があります。「戦争に行きたくないというのは利己主義だ」「戦争に行きたくないのは利己主義でも何でもない。まったくの自然な感情」という真っ向勝負の議論も。この議論、なんだかおかしい。そこへ至る背景やそれによる副作用全体を考えていない。狭い視野での話でしかない、と思うのは私だけ?

私の住むマンション、管理会社による管理だったのですが、どんどん上昇する月額管理費に危機感を抱き、20年近く前に自主管理としました。回り持ちの理事が全ての管理を行うため理事の負担は増えましたが、お陰で20年間一度も管理費を値上げすることなく、その後2度の大規模補修を経ても補修積立金は余裕を残しています。

しかし近年、住民の老齢化に伴い「管理組合の理事は引き受けたくない」という方が多くなり、仕方なく一部の方に理事を引受ける頻度が高くなりました。これに不公平の声も。無理やり誰にでも公平にお引き受け頂くのは如何とは思うものの、それなりの心というか気持ちというかあって欲しい。役員を引き受けない方に限って、理事への文句や反論を唱える。

ついに再び管理会社を選定し、管理を任せることに。しかし理事会をなくすわけにはいかず、理事数を減らし運営しています。理事の負担は減っても「理事になりたくない」という人はいるのだろうと思っています。しかし、誰かがやらなければならないのは自明のこと。

慈恵医大馬術部 OB/OG 会

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です