2002.01 MacOS X 10.1 にバージョンアップ

わーくすてーしょんのあるくらし (49)

2002-01 大橋克洋

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もう私の生活は4月から完全に MacOS X の世界ですが、MacOS X も 10.0 から 10.1 にバージョンが上がりました。OS X が初めて 正式リリースになってから、約半年でのマイナーバージョンアップ です。見かけ上大きな変化はありませんが、レスポンスもさらに快 適になっているようです。

そろそろ私のようにこだわりの人間でなくても、Classic の世界 から MacOS X の世界をメインにする人も出てきはじめる頃かなと思 っています。私の場合、この環境で不自由を感ずるのはこの後に書 く一点だけで、あとは何不自由なく快適に仕事に使っています。

○ MacOS X 10.1 に移行してみて

今回のバージョンアップで嬉しいことのひとつは DVD プレイヤー がようやくOS X で動くようにになったことです。今までこれは Cl asic 環境でしか動かなかったので、MacOS 9 を立ち上げねばなりま せんでした。

それと引き替えに、Classic 環境をもってしても使えなくなって しまったものがあります。それは PHS card への対応です。MacOS X はまだ周辺機器のドライバーに未対応のものが少なくないのです が、モバイルする場合とりあえず Classic 環境で立ち上げればPHS Card が使えるので、これでインターネットへ接続して使っていま した。

ところが MacOS が 9.2 に上がったとたん、これが接続できなく なってしまいました。以前のドライバーが動作しなくなったためで しょう。特にノートブックでは通信カードは必須の機器ですので、 是非早急に対応して欲しいところです。最悪 OS 9.2 でもよいです が、是非 MacOS X で動いて欲しいところです。

これはむしろ以前より不便になった点で、困る人が多いだろうと 思います。ノートブックでは今やネットワークに接続できないと 持っている意味がないという時代ですから本来であれば OS をリリ ースする前に何とかすべき問題だったと思います。 ノートブック環境についてはこの点だけが不満ですが、それ以外 は満足しています。

○ iBook に触れてみて

ハードウエアの方も早くも iBook や PowerBook の新しい型がで ましたね。どちらも CPU 能力がアップしたのが嬉しいです。 先日 iBook を数日借りて使う機会がありました。この春に出た方 のiBook ですが。使い慣れた PowerBook G4 と比べると画面が小さ いので文字も緻密な感じです。私はこれで良いと思っていますが、 細かい文字が苦手な人から多少文句がでるのかなとも思いました。

iBook の白く透き通るようなすべすべした外面は、私はとても気 に入りました。片手に持って歩いてみましたが、なかなか具合がよ さそうです。女の子の化粧道具みたいでイヤだという声も有るよう ですが、私はこれを持って電車に乗っても全然気にならないと思い ます。初代 iBook を持って歩くのはイヤでしたが。 今度の新しい iBook は CPU も早くなりましたし結構快適と思い ます。PowerBook G4 がありながら、持って歩くには iBook も良い ななどと思いつつ、いやいや我慢我慢と自分をなだめているところ です。

以前も書きましたが、PowerBookG4 で私が不具合と思っていた点 が iBookではいくつか改められています。そのひとつが、PBG4を開い たとき両端にある小さなゴムの突起です。これは蓋を閉じた時にわ ずかな隙間を残すためのスペーサーですが、両手がいつも当たる位 置にあるので、心配した通り溶けてなくなりそうです。iBook では このゴムの突起は蓋の側についているので、手が当たって気にする 必要もありません。iBook には、このような小さな工夫や改善がい くつかなされているようです。

PowerBook のようなカードスロットがないのだけはちょっと不便 かも知れませんが、これからは USB 接続の周辺機器が増えてくるの でしょうかね。

○ 秋葉原で new iBook を

私が役員を務める東京産婦人科医会の事務局の Mac が急に不調に なったと事務局から相談がありました。この機械はもう大分古い型 で、経年変化による不調のようです。いずれソフトウエアも対応し なくなる不安もあり、修理にお金を使うよりはとリプレースするこ とになりました。

次年度予算がとれたら一台は入れ替える心づもりだったのですが 、思いがけず早いダウンでちょっと困りました。厳しい財政状況で 予算はとってなかったのですが、iBook なら何とかなりそうです。 事務局ではこれが動かないと仕事にならないよし。一日も早く欲 しいとのことで、新製品発売の2日後でしたが秋葉原へ直接買いに 行きました。発売直後ということで持ち帰りは無理だろうと半分覚 悟していましたが。

秋葉原の駅を降りると、目の前に LAOX Mac 館の看板が目に入り ました。おや、大通りの向こうにあったはずなのに、いつの間にか 駅のすぐそばへ移ったんですね。Mac もメジャーになってきたとい うことでしょう。 店に入ると以前とは違い若い女性の店員が増えているのが目につ きます。訊いてみると新しい iBook は持ち帰りできるとのこと、お お Apple も頑張りましたね。この春からめちゃ売れしている iBook ですから、さすがにApple も予想を立てて準備したのでしょう。

意気揚々と箱をさげて事務局へ急ぎました。たまたま担当の事務 局女性は休みでしたが、翌日感激した声でお礼の電話がかかってき ました。やはりあの白いすべすべした可愛い筐体は女性に喜ばれ るということでしょう。

○ デザインの変わった電源アダプター

そうそう、あの不評だったヨーヨー型の電源アダプターは、おそ ろいの白いすべすべした四角い箱状のものに変わりましたね。延長 用の電源ケーブルを省略して、よりかさばらずに持ち歩けるとか、 2カ所の爪を起こすとケーブルを巻き付けられるなどの工夫がされ います。

私としては以前のようなヨーカン型の方がノートブックと一緒に 持ち歩くのにかさばらなくて良いのにと思います。しかしサードパ ーテイーから、かなり軽くコンパクトなヨーカン型が出ています。 私も使っており快適なので、これはこれで良しとしましょう。

○ メデイアは変遷する

ここ2,3年まったくフロッピーを使わなくなりました。私の周 りからフロッピーを使える機種がどんどん消えていったのです。現 在ではファイルを誰かに渡す時は、ネットワーク渡しが主で、場合 によって USB や FireWire 接続の小さな HD を使う位です。MO も 使わなくなりました。HD が安く容量も大きくなったので、ほとんど それで用が足りてしまうようになったからです。

現在ファイルサーバに使っているタワー型の PowerMac G3 にはHD を3台内蔵しましたので、何でも放り込んでおけます。画像イメ ージや音声などを溜め込むととても足りなくなるのでしょうが、私 の場合は殆どが文字データやソフトウエアのソース類ですので、こ れでしばらくは大丈夫そうです。夜中の間に自動的にバックアップ ファイルを作るようにしてありますので、保存の面でのフロッピー も必要なくなったのです。

長年の間に蓄積された山のようなフロッピーがありますが、もう OS も変わりましたし保存すべき内容もなくなったので、先日もば っさりとまとめて捨てました。 現在でも時々、原稿とともに画像をフロッピーで送ってください という依頼があります。そういう時は圧縮した画像イメージを e-m ailに貼り付けて送るか、私の Web に置いておいて勝手に持ってい ってもらうようにしています。

○ 最近の WINE

2001年はじめから WINE は MacOS X 環境で動くようになりま した。Public beta で動いていた3月頃までは、以前のWINE とはま ったく異なる書き直しバージョンで、いわば実験段階。Public beta だったのでソフトウエアのパフォーマンスも極めて悪く、レス ポンスの悪いのをじっと我慢して使っていました。

MacOS X が正式リリースした春以後、それまでの実験結果を元に 大改造をほどこし、本来の WINE の機能をほぼ満たしてはきたので すが、突然アプリが落ちるという原因不明の現象に約半年悩まされ ました。問題がデータベースへ書き込みに行く時に発生することが あるというのは掴めたのですが、さらに詳しい原因がどうしても掴 めず、手を変え品を変えの対策も功を奏しませんでした。

その後、データベースへのアクセス周りのフレームワークも、思 い切って書き直すを決意しました。今までは高橋版WINEとの互換性 を念頭に、データベース周りのフレームワークの共通性にこだわっ てきたのですが、データベース構造さえ共通なら、かえってフレー ムワークを完全に分けてしまった方が、逆に両者の機能を混在させ て使うのに都合がよいことに気がついたのです。

独自のもので良いということで昔のものへの縛りもなくなったの を機会に、このフレームワークをずっとシンプルに書き直すことを 決意しました。それができあがって動き始めてみると、半年悩んで きた突然落ちる問題は遂に解決しました。プログラムが比較的シン プルなので、今後のメンテナンスも楽になるはずです。Simple is Best がようやく実力を発揮した場面でした。

長いことかかりっきりになっていた問題が解決したので、本来の WINE の機能アップへ勢力を注ぐことができます。WINE 自体の動き は OS の機能向上もあって、サクサクと極めて快適な速度で動いて います。 余裕ができたので、早速電子カルテならではの面白い機能を二つ ほど追加しました。日常診療に使ってみるとこれは便利です。これ らについては、また改めて、、、

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