わーくすてーしょんのあるくらし ( 364 )

大橋 克洋

katsuhiro.ohashi@gmail.com

2023.09 エンジニアが心すべきは KISS

○ エンジニアが心すべき重要なものは KISS

エンジニアが覚え込む略語のなかで最も重要なものがKISS、「KISS の原則」と呼ばれるもので「Keep It Simple, Stupid(とにかくシンプルに)」の略。これは Apple 創設者で CEO を務めた Steve Jobs が2005年スタンフォード大学卒業式に招かれ、そのスピーチの最後に遺した有名な言葉「Stay Hungry. Stay Foolish」にも繋がるもの。「お利口さんになるな。いつも前進気勢を持ち、自然体、あるがままに」ということですね、、

その前から私がもっとも好きで大事にしていた言葉、座右の銘が「Simple is best」、Jobs の言葉は私の心に深く刺さりました。

ちなみに Jobs はこの時、すでに膵臓がんで余命残り少ないことを感じており、大学未卒業の身で最高学府スタンフォード大学卒業式でスピーチしたのでした。そう言えば、私も1994年に日本 NeXT ユーザ会代表として米西海岸での NeXT expo を訪れ、当時 NeXT 社 CEO だった Steve Jobs と握手したことがありますが、あの時たまたま訪れたスタンフォード大学の美しいキャンパスが目に浮かびます。

○ 今月の歩術

8月は月間歩行距離68キロと、7月の70キロに達することができませんでした。今までもそれを下回ることはありましたが、痛風による足指の腫れや目眩など体調不良が続いたため。この7月、8月についてそのようなことはなく、年齢に伴う筋肉減少のためと思われます。それに加え猛暑日が20日以上も連続し、早朝といえども熱帯夜の影響が残ったこともあります。

富山から殆ど不眠不休に近い状態で北・中央・南アルプスを越え静岡の大浜海岸にいたる「トランスジャパンアルプスレース」番組を観ました。過去4連覇のレジェンドを含む栄光の選手達が再びこの激しいレースに臨むものの、心意気はあっても身体が思うように動かず呻吟する姿。それでも過酷な環境のなか、動かぬ身体に鞭打って挑もうとする姿には心打たれる。「若く力強かった頃の気持ちはあっても、思うように動いてくれない身体のもどかしさ・悔しさ」これ、とても良くわかります。でも、挑戦することにこそ意味がある、、

話を元に戻し、先月は1日4キロが良いとこで調子の悪い日は1,2キロにショートカットし帰ってくることもよくありました。それでも時々「今日は少し調子が良いかな」と思う時はあり、身体をいたわりながら5キロちょっとまで距離を延ばす日もありました。本日はそんな日で、1,2ヶ月ぶりに環七を通るコース7キロちょっと歩くことができました。1ヶ月ほど晴天ばかり続きましたが、今朝は曇天だったこともあります。でも湿気が多く超蒸し暑かった。帰宅すると顔から滝の汗、、

○ WRC に、もしかすると嬉しい知らせ

WRC:世界ラリー選手権に「もしかするとスバルの復帰がかなうかも」という嬉しいうわさ。1990年代から2000年代にかけ WRC では日本のスバルが目覚ましい活躍をしてきました。しかしリーマンショックをきっかけに、2008年スバルはWRCから撤退、現在に至るまでその勇姿をみることができていません。

WRC 参加はシトロエン撤退により、トヨタ・ヒョンデ・英フォードの3社のみとなってしまっています。これでは余りにも寂しい。WRC をつかさどる FIA は、もう1社の参加を望んでいますが、ここでスバルの復帰がうわさされているということです。その仲立ちをするのがトヨタ会長の豊田章男氏、豊田氏はモリゾウの名前で自分でもレースに参加する大のクルマ好き。他社を差別することもなく、先日も運転する姿に「その車は何ですか」と質問され、ずばり「ホンダです」と明快に答える様子が SNS でバズっていました。

豊田氏のことですから、かつて WRC で大活躍したスバルに対するリスペクトは大きいでしょうし、現在トヨタはスバルの株を保有するということです。是非、スバルの WRC 復活を実現させて欲しい。「そうなったら嬉しいな」ですが、もし実現するとしてもそれは WRC のレギュレーション変更が予定されている2027年以降になりそうということで、私は果たしてWRCでスバルの勇姿を見ることができるのでしょうか(その時 私は85歳、ちょっと自信がない)。

もし夢が叶うなら、私としては昔から大好きなホンダのWRC参戦ですが、ホンダはレースには熱心なものの、どういうわけかラリーには熱心でないようなので、これは無理な望みかも、、

○ 私的には「なんだかなあ」と思うこと

現在 TV 各局は、バスケットボール・ワールドカップで日本チームがアジア最上位となりパリ五輪出場権獲得で湧き、今度はラグビー・ワールドカップが始まるということで大いに湧いています。

ワールドカップといえば、先日開催されたクライミング・ワールドカップで日本男子:安楽宙斗(そらと)がリードとボルダリングの2種目で優勝し、ともに年間総合優勝。安楽は今季初めての世界参戦でこの快挙。これは凄いことなのですが、TV の扱いはバスケやラグビーとは比べものにならず低い。世界のスペシャリスト達が苦労し途中落下するなか、安楽の登りはまるで別のコースを登っているかのように易易と軽やかでした。一方、女子でも小学生のように小柄な森秋彩(あい)が、昨年は世界のスーパースター絶対女王であるヤンヤ・ガンブレットを2度も下す奇跡の結果を示し、今シーズンもヤンヤと大接戦僅差で2位の成績。これも凄いことなのですが、マスコミの扱いは安楽と同様余り見向きされず。不公平に憤る私としては、何てこった、、

先月末に行われたクライミング世界ユース選手権で日本は、金6銀7銅7で合計20個のメダルを獲得とダントツの成績を残しています。国別メダルランキングで、1位日本20個、2位中国7個、3位韓国4個、4位米国4個と日本は世界的に圧倒的な強さを示しましたが、この嬉しい成果もニュースで見かけたことはありません。頼もしい彼ら、もうじきシニアとして登場するはずですから、とても楽しみ。

WRC でトヨタの毎回ダントツの活躍なども余り報道されません。こちらはメーカーがらみということがありますが、それにしても、、

○ 明治神宮外苑から緑の木々を伐採して、高層ビル数棟を建設

ゆったり広い空間と緑で癒やす公園として指定されていた明治神宮外苑の一部が公園指定から外され、そこにあった多くの古木を含む緑が伐採されて高層ビル数棟が建つ計画が東京都により進められつつあります。これに関し地元はじめ多くの反対意見があり、亡くなる直前の坂本龍一も都知事へ異議を唱えていました。これを受けサザンオールスターズの桑田佳祐は、彼の遺志を歌詞に込めた新曲を発表しています。

この再開発プロジェクトに関しては、複雑な事情があるようです。ここにある野球場など施設の老朽化の問題、外苑を管理する明治神宮の維持管理費が破綻しつつある問題、高層ビル建設を含む再開発をめぐる企業群の営利的問題、それをめぐる政治家などの問題、計画を事前に周知し広く都民の意見を聴くことを積極的にしなかったことなど、色々あるようです。

私の意見としては、「都内には(都民の癒やしや、温暖化対策として)もっともっと緑を増やすべし」、「これから急速に高齢化しつつある状況で、すでに飽和状態の高層ビルを更に増やすのか?」「一旦高層ビルが建ってしまったら最後、そこを緑の公園に戻すことは事実上不可能に近い」「この状況下で高層ビルを建てて得をするのは誰? その利益って何時まで持続?」

「目先しか見ようとしない人類、自分で自分を破壊しつつある」現代の状況をまざまざと指し示しています。地球史から人類そろそろフェードアウトの兆候に見えてしまうのは私だけ?

林試の森:西門