2012.11 自分の身体は楽をさせず鍛えなければならない

わーくすてーしょんのあるくらし ( 237)

2012-11 大橋 克洋

自宅から原宿まで歩く途中で通過する渋谷駅前交差点

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◯ 自分の身体は楽をさせず鍛えなければならない

これは「生涯現役の知的生活術」という本で、裏千家家元の千玄室氏の言葉。「日本人は畳の生活から離れ、足腰が弱ってしまいました。皆さん、痛い痛いが先に立って正座をなさらない。むしろ今では外国人の方がきちんと正座ができるかもしれません」「やはり自分の体は楽にさせず鍛えなければいけない。なぜなら、それが内面に、心に通じてくるからです。身体を鍛えないから心が汚くなり弱くなる。そうすると悪い方へ悪い方へと心が、知恵が向いてくるわけです」

◯ 今月の歩術

午後の診療を終える午後5時過ぎから歩きに出ていたのですが、5時には日が落ちるようになりました。それとともに「歩き」にとっては涼しくなったので、夜学のデザイン学校のある原宿まで 7km ちょっと散歩代わりに歩くことにしました。授業がはじまるのは午後7時、余裕で行ける時間です。今までもそうしたかったのですが、20代の女性受講生の多い教室に汗びっしょりで入るのはちょっとなあ、ということで遠慮していました。

しかし、もう汗びっしょりの心配もない気温。歩いて行くことにしました。もうひとつの理由として、この時間帯は目黒から渋谷までの JR 区間がラッシュなみの混み方なのです。ラッシュの電車に乗るくらいなら、歩くほうがずっと楽だし、ということ(私は歩くことは苦にならないため、風邪で熱があって身体がだるい時、渋谷からホテル・オークラまで「電車を乗り継いでゆくのは辛いなあ」「それなら歩いた方が楽だ」と云うことで歩いて行ったことがあります)。初めて原宿まで歩いて行った時は、出発が少し遅れ焦って行ったのでちょっと大変でしたが、2度めからは少し余裕をみて家を出るようにしたため、ゆったり授業に参加することができました。元々、普段の散歩で 6km から 7km 歩いてきましたし。

散歩ではなるべく排気ガスの多い幹線道路は避けて歩いているのですが、時間の関係で環状6号線を一部歩かねばならないところがあるものの、夜景を眺めながらの歩きもなかなか良いものです。現在通っている「Web デザイン実践クラス」は、今月半ばで終了。次は来春からの「グラフィック・デザイン科」を受講しようと思っています。早寝早起きの私、授業も9時頃になると目がシバシバして、やたら眠くなるのがちょっと困りもの。

◯ 第8世代電子カルテ NOA をリリースして

普段の診療に大変快適に使っている NOA、診療現場で十分熟成させ何度かインストールのテストもしてからリリースした第8世代ですが、リリースしてみるとユーザの方から怒涛のレポート。あそこが動かない、ここが動かない。その多くはヘルプなどで説明しておいたことなのですが、2,3修正を必要とするバグもあったりして対応におおわらわ。

なるべく速攻で修正をかけ打ち返すようにしていますが、安定するまではしばし大変。しかし、これも私にとっては張り合いのあること。不具合のレポートで、自分も配布サイトからダウンロードし、新規インストールしてみると何も問題ない部分が多いのですが、それでも動かないとのレポート。設定環境などの違いによるようです。手元にあれば、いくらでも修正のしようがあるのですが、原因がわからないのでどうにも困ります。

やりとりをしているうち、自分では予想もしなかったような状況もあることもわかりました。まあ医療機関が変われば当然あり得ることなのですが、そのような状況にも対応できるよう早速改良を加えています。そのようなやり取り、どう解決しようかと頭をひねる中から、今まで思いつかなかった新たな機能が生まれます。使ってみるとこれがなかなか快適。安定した第7世代の状況では とても発想できなかった幾つもの成果がありました。「リクエストやクレームの嵐は大歓迎」「乱の中からこそ新たなアイデアが生まれる」ですね。

おっ、毎月このコラムのタイトルを考えるのに悩み、最近はマンネリ化したタイトルしか思いつかず、これも悩みだったのですが、このフレーズは頂きかな。

「リクエストやクレームの嵐は大歓迎」というスタンスは「自分の身体は楽をさせず鍛えなければならない」にもつながります。

◯ 今月の脳トレ

Web デザイン実践クラスも今月をもって終了しました。最後の4週間は課題提出のための自習時間のようなもの。自由課題なので何をテーマにしようかと迷ったのですが、今回利用した SOURCEFORGE の web site が初めてのものにとっては判りにくい部分も多かったので、「自分がそのようなサイトを作ったらどうなるか」というのをテーマにしてみました。最終日、村山先生から「新しいことを探求するのが好きそうな大橋さんらしい作品」という評価とともに「ちょっと色気が少ない。もう少しグラフィックを入れたり文字部分に背景色をつけたらどうか」というような講評を頂きました。他の学生さんの作品も夫々になかなかセンスの感じられるものが多く見られました。今回の皆の提出課題は、東京デザイン専門学校のサンプル作品として使われるそうです。

デザイン学校の受講は期待通り電子カルテ NOA 開発にとってプラスの面は結構あったように思います。早速 NOA の GUI のブラッシュアップにかかりましたが、今まで見過ごしてきた些細なサイズの不揃いなどが目についてきて、これを綺麗に調整するのは結構大変そうです。まあ、楽しい作業ではありますが。電子カルテを新世代にするとともに、ユーザさんからの質問やうまく動かない部分があるとの問い合わせの山。これらを速攻で打ち返そうと作業に明け暮れ、今月はこのコラムの更新もかなり滞りました。開発の方はバリバリ快調に進んでいます。古稀を越え、この調子でどの位まで行けるんですかね。

夜学の終了と日が短くなり明るいうちに散歩ができなくなったことなどで、ちょっと散歩をさぼっていたら、折角落とした体重がどんどん増加傾向に転じました。寒さに向かい多少は脂肪をつけても良いとは思うものの「こりゃ、まずいぞ」と。今夜行われる各科医会の年末懇親会、原宿まで歩いて行こうと考えています。

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で、夜道を原宿まで 7km ほど歩いて行きました。例年のように11月末までは薄手の夏スーツ。歩き始めは冷気でお腹がスースーするものの、2km を過ぎるあたりから冷たい夜気が気持よくなってきます。さて、会場の南国酒家へ到着すると宴会案内板に「各科医会」がありません。あれ? フロントで尋ねてみました。なんと日にちが違っていました。最初に決まった日程を Google Calendar に記入した後、日程変更があったようです。私はこのようなポカを時々やります。今回のように日程変更に気づかず会場へ行ってしまったことは何度かありますが、後輩の開院式に1週間前に行ってしまい工事中の新クリニックで「折角来て頂いたので引出物だけでも持って帰ってください」とお土産をもらって帰ったこともあります。

家には食事をしてくることになっているので、自宅近くまで電車で帰り台湾料理店でかた焼きそばとビールを注文。うへ、大皿に山盛りのかた焼きそばが出てきましたが、美味しく頂きました「減量しようと歩いたのに、これじゃあ減らないなあ」と思いつつ。翌朝布団の中で目が覚めると、じんわり軽い汗。布団の外に手を出してみると外はかなりの冷気。「おー、高カロリー食べたので、しっかり燃焼してる」。私は真冬でも、やや厚めの毛布1枚に夏掛け1枚しか掛けませんが、その分、身体が発熱してくれるというわけ。朝風呂の前に体重を測ってみると、それでも 0.8kg ほどは減っていました。

◯ noa-project の SOURCEFORGE.JP でのランクアップ

SOURCEFORGE というのはオープンソース配布を支援するための無料サイトです。私も今回の利用が初めて。「電子カルテ」で検索してみると意外な数ヒットするのにびっくり「えっ、オープンソースの電子カルテってこんなにあるの?」。しかし更によく中を見てみるとその多くが海外のオープンソースらしきものをただ載せただけのもののようで、その後のフォローもなさそう。真っ当に配布活動をしているのは NOA を含め3つくらいのプロジェクトのようです。その一つに Seagaia meeting の仲間で顔見知り M さん開発の iDolphin がありました。今は彼の手を離れ、他の人の手に委ねられているようです。

電子カルテ NOA をここに置いた時、活発度70位くらいだったのですが、ジリジリと順位を上げています。今日見るとついに49位に上がり、ランクのトップ・ページに載るようになりました。電子カルテ限定でなく、全てのオープンソースを含めての順位です。こういう順位付けがあると、ますます頑張ろうという意欲が湧いてしまいますね、、

しかし新世代をリリースして2,3週間、降りしきるように届いていたリクエストやバグ・レポートの嵐が、ここ数日ぱったり止まっています。それぞれのユーザさんのところでようやく安定して動き始めたのかなと思いつつ、心なしか心配にもなります。まあ楽天的な私、「便りのないのは良い知らせ」と思うことにしよう、、

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それから数日後、70位から始まりジリジリと50位を切るところまで登ってきたのに、あれ?100位に急降下。確かにユーザさんからリクエストの嵐が収まってここ数日改訂版をリリースしていなかったのですが、それにしても極端ですね。どういう要素でランク付けしてるんですかね。ランクのためだけに やたらリリースを増やすのも本末転倒だし、まあ、いいかと、、

◯ 人生の色は何色?

漫画家水木しげるの「ねぼけ人生」と言う伝記本を大変面白く読みました。朝ドラ「ゲゲゲの女房」で見た内容も多かったのですが、その破天荒な人柄や人生が面白く描かれています。爆撃で片腕を失ったラバウルでの軍隊生活、そこでジャングルの原住民たちとの交流。戦後だいぶ経てからも彼らののんびりした生活に憧れ、暖かい南方の生活に憧れていたのが、彼の地にもやがて西洋文明が入り込み、彼らの食料もバナナやタロイモから肉や缶詰に変わって生活のため働かざるをえなくなり、のんびりした風情もなくなって南方移住計画も途絶してしまったところで伝記は終わっていました。

私もそんな生活に憧れを感じる方ですが、水木氏は「西洋の偉い文豪たちは自分の晩年は灰色だと書いているが、自分はそんなことはない。貧乏生活が続いた若い頃よりこれからのほうがずっと楽しい」と言うようなことも書いています。

これにも私は全く同感です。そこで「人生は何色?」と考えてみました。若い頃好きだった色はイエロー。ちなみに夕日の黄色ではなく、昼間の明るい太陽光の黄色。そして現在も黄色は好きですが、もっと好きな色はグリーン。青々とした植物の緑、命の色です。貴方の人生は何色?

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区立平塚小学校跡工事:最終工程に入ってきたようです

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です