2013.06 iOS で使えないアプリは Mac でも使えない

わーくすてーしょんのあるくらし ( 244)

2013-6 大橋 克洋

私の好きな東福寺@京都の新緑

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◯ iOS で使えないアプリは Mac でも使えなくなった

以前も書いたように、最近は外出する時も MacBook でなく iPad を持ち歩くようになりました、コンピュータが目の前にない時は iPhone という具合。メールでも予定表でもメモでも。一方 Mac も相変わらず無くてはならないものですが、それは自分の書斎と診察室のみ。Mac を使うのは殆ど「画面が大きいから」という理由だけですね。キーボードがあるからというのもありますが、これは iOS との差別化にはなりません。iOS だって BlueTooth 接続のキーボードを使えば良い(Mac で使っているのも BlueTooth 接続のキーボード)。あ、それから「Mac でないとアプリ開発ができない」という大事な理由を忘れていました。

そうそう、余談ですが、先日の Seagaia meeting で聴いた話。私と親しい K さん、iOS をハックして BlueTooth のマウスを接続してみたのだそうですが、これがメッチャ快適だったそうです。彼は「おそらく Apple はそのうち iOS にマウスを接続できるようにするに違いない」と言っていました。大きな期待が膨らみますね。今月の WWDC の出し物の噂には載っていませんが、そんなサプライズがあると良いなと、、

で、話を戻して、、最近は殆どのものがデータを Claud や院内サーバ上で共有しているので、iPhone や iPad で使えないものは Mac でも使えなくなったというわけ。そういう人増えているんでしょうね。

ということで Apple の 「MacOS から iOS へのシフト」は目論見通りすすんでいるようです。天国の Jobs も「よし、よし」と思っていることでしょう、、

◯ WWDC への期待

毎年恒例の Apple 社の WWDC: Worldwide Developers Conference が今月10日から開催されます。Jobs のプレゼンのなくなった WWDC ちょっと魅力は落ちたものの、期待するところがないではありません。今回の大きな期待はデザインが大きく変わるという iOS。Jobs が Apple に返り咲いて以来、美しい作品を次々と創り出してきた Jobs お気に入りのデザイナー、ジョナサン・アイブがハードウエアだけでなくソフトウエア・デザインも兼任となった最初の成果のお披露目。

iOS の GUI が、平面的なデザインに一新されるということ。私は今までの立体的リアルな感じのデザインも大変好きですが、アイブの作品とあれば期待できますね。まさか Micorosoft のようなものは出さないはずと、、

しかし Apple の出す製品への「ドキドキする期待感」は Jobs の居ない今、ジョナサン・アイブの双肩にかかっています。彼が居なくなった Apple は想像したくありませんね。

◯ 蓋を開けた WWDC

日本時間12日の朝、期待に胸を膨らませ WWDC 速報を見ました。殆んど予想通りのものでしたが iOS7 については、噂通りアイブによる衣替えとともに新機能てんこ盛りですね。秋の正式リリースが待ち遠しい。

MacOS についてはようやくネコ科の名前が尽きたようで、Maverick だとか。「maverick って何?」と、辞書を引いてみると「他人と異なる考えや行動をとる人」「一匹狼」などとあります。何だ私のことじゃん、、でも Apple の見ている方向性がわかるような、、TV で西部劇真っ盛りの頃、マーベリックという題名だったかな?がありました。すると、あれは「一匹狼」のことだったんでしょうね。

ハードウエアに関してはバッテリーが12時間も保つようになった PowerBook Air の話題が大きかったようで、以前なら食指の動くところですが、最近は医師会関連の仕事も綺麗に無くなり、ノートブックを持ち歩く必要のなくなった私にとっては「ふうん、そうなの?」という程度の感想。プロ達から長いこと期待されてきた Mac Pro もゴミ缶スタイルで登場。賛否両論ありますが、私の感想は「まあ、いいんじゃない?」。しかし設置スペースの有効利用という面ではやはり四角い方が良いかも、、

それよりも仕事や電子カルテ開発に毎日 iMac の前に座る私としては iMac の話題ならかなり本気になるところですが、現在の進行具合から行くと iMac の画期的変貌はまだ1年以上先のことでしょう。それまでに貯金しとかなきゃ。

Jobs の居なくなった Apple をちょっと心配していましたが、CEO ティム・クックのキーノート・スピーチは Jobs を彷彿とさせる仕草もあったものの、彼なりに身についたスピーチでした。今回の発表内容も Apple ならではのワクワク感が沢山盛り込まれ「これなら Apple もしばらくは安泰」と安心させられたのは私だけではないことでしょう、、

◯ Mac pro の内容を知ってびっくり

ある方面からは長いこと期待されてきた新しい Mac Pro が遂に発表されました。WWDC でその特異な外見が披露されたものの、詳しいことは判りませんでした。最近 Apple の Web site に、より詳しい説明が載るようになり、ゴミ缶だとか火鉢だとか言われていた外観に意味のあることを知りました。外側の筒を上へ抜いて内部構造を見ると、基盤が3枚立っていて、上からみると三角形を形成しています。三角形の内部が空洞になっていて、底から吸い込んだ空気が上部の大型ファンで吸い上げられ上へ抜ける構造。非常に効率的な熱処理を考慮した結果の外観でした。

内部も非常に凝った作りのようですが、基盤から何から全てブラックで統一されているところは、かつての Jobs 以上のこだわりが見えます。HD の代わりに SSD を装備、DVD ドライブも持たないという本体はストイックに極限まで簡素化され、処理スピードもダントツ。このマシーンはちょっと面白そうですが、お値段の方はそう安くないんだろうなあ、、

いつも世の中になかったものを発明する Apple、きっとこのような発想の転換も他のメーカーに伝染するに違いない。

◯ タワー型になった AirMac Extreme

で、とりあえず価格的に手の届きやすい AirMac Extreme を AppleStore でポチりました。新たに発売されたタワー型のやつ。今まで使っていた弁当箱型の Extreme がとりあえず使えてはいるもののオレンジ・ランプが点灯(エラー表示)したままで、どうやってもグリーンになりません。どうにも気持ちが悪かったのです。今度のものはかなりスピードも上がり、接続距離も延びたようなことを読み購入したのですが、実感としては今までのものと「どう違ったの?」「で、筐体がでかくなったのは何?」という感じ。

自宅には書斎と居間と2台の AirMac がありますが、朝になってみると死んでいることがたまにあります。それがどういう理由か解りませんが、片方が死ぬと相方も必ず共倒れになっている、2台は親子関係でなく兄弟関係です。「新しいやつではそういうことは起こらないかな?」と期待していたのですが、あれ?今朝見るとタワーも死んでいる。いや半死にかな。エラーのオレンジランプが灯っていますが、通信はできているようです。相方の AirMac は完全に死んでいます。半分生きているところだけ新しいヤツの方が良くなったのかも、、

◯ カラスの攻撃

昨日の日曜、7時から早朝ウオーキングに出掛けました。今日はいつもと逆コースを歩いてみようということで、自宅マンション玄関を出て都道26号線を右手の方へ向かいました。前方から歩いてきた男性が大きく身をかがめるのが見えました。斜め後ろから飛んできたカラスを避けたようです。「随分大袈裟だなあ、、」と思ってすれ違ったのですが、そこは左側の街路樹と右側マンション前の鬱蒼とした植え込みとの間の舗道で、カラスの鳴き声が聴こえます。2羽いるようです。

すると後ろから急降下してきたカラスが後頭部をかすめていく羽音が聴こえました。更にもう一度。左手すぐ近く電信柱の金属ベルトにしがみついているカラスがいます。「こいつに突かれると顔のすぐ傍なので嫌だな」と思いつつ知らん顔をして歩いていると「こいつ、シラーッとしてケシカラン」と思ったのか、もう1羽のカラスが後ろから急降下し私の頭を両足でバサッとど突いて行きました。空を飛ぶ鳥とはいえ結構の重量感。帽子は被っていなかったのですが、頭髪に守られ怪我はないようです。そのまま歩いてゆくと4度目の攻撃。今度は叩き落としてやろうと、一瞬身をかがめ右手で頭のあたりを薙ぎ払ったのですが空振り。それで諦めたのか、私が植え込みを過ぎたからか、以後の攻撃はありませんでした。

夕食の時にその話をすると、娘が「あの辺りの茂みには針金のハンガーなどで作ったカラスの巣がある」とのこと。犬の散歩で近所をよく歩き、動物好きの彼女はそういうことには詳しいのです。子育て中で気が立っていたのかも知れません。今朝の朝風呂で頭を洗ってみると、痛みもなく気が付かなかったのですが頭髪の中に2箇所ほどカサブタがありました。やはり爪でやられたか。婦女子が襲われると危険かも。今朝も窓の外からカラスの鳴き声が聴こえてきます。きっとあのカラスの夫婦でしょう、、

その数日後、TV でカラスの襲撃の話題をやっていました。カラスが通行人を襲撃するのは卵が孵ってから僅かの期間なのだそうです。その頃には、カラスの巣の近くを通る人間を攻撃することがあるとか。あれから2週間後、私が攻撃された道を通りながら茂みを見上げてみましたが、カラスの巣らしきものを見つけることはできませんでした。余りにも襲撃被害が続いたので巣は取り壊されたのかも、、

◯ 今月の歩術

今年は珍しく6月末まで余り暑くならず爽やかで過ごしやすかったですね。歩きの方は昨年の今頃に比べるとやや低調かな。それでも週に3回程度は歩きに出るようにしていました。体重もそのためか昨年ほど快調には下がりませんが、夏に向かって脂肪を蓄積する必要がなくなったせいか少しずつ下がり、ほぼ目標近くまで下降してきました。

今月の意念は「重心が自分の足底より下(つまり床下)にあるように感じて歩く」。特に「電車の中でつかまらずに立つ」には結構有効のように感じています。数年前の内耳障害によるフラフラ感が時に強く出るのですが、この意念により安定して身体を移動することができます。サボリ気味の今月ですが、それでも時々は 10km 以上歩いてきました。

地元医師会の仲間と20年以上続いている呑み会があります。この幹事が春から1年間、私に回って来ました。その下見ということで入った居酒屋、魚も日本酒も美味しいことを確認しいざ帰ろうとしたところへ、たまたまカウンター隣に座った医療系の仕事をしていたという中年の女性と意気投合してしまい、つい飲み過ぎてしまいました。総量としてはそう呑んでいないはずなのですが、後でレシートを見ると最後のお銚子1本と焼酎が余計だったようです。翌日から1週間ほど体調不良。身体に気が入らず朝夕のトレーニングもウオーキングも2週間ほど中断してしまいました。これしきでこんな長期間体調不良なんて考えられないことですが、これも歳なんですかねえ、いやですねえ。しかしあの倦怠感は肝機能障害かな、気を付けなきゃね、、

◯ 今月の脳トレ

昨年暮れでしたか、電子カルテ NOA を大巾に書き換えました。その後、降りしきっていたバグ・レポートやリクエストもようやく収まり、またまた大巾に書き換えたくなってきました。かなり前ここにも書いたことがありますが、あるプログラマーの方に私が時々サラからアプリを書き直すことがあると話したところ「大橋先生、毎月書き換えた方が良いですよ」と言われ、ひっくり返りそうになったことがあります。ソフトウエアの大巾書き換えというのは改善面もあるものの、それが安定するまで山のようなバグが発生する可能性もあり覚悟を決めてやる大仕事、多くのユーザを抱えるアプリではやりたくないものです。

しかし、彼の助言は心することにしてきたので、今回果敢に書き換えにチャレンジしようというのには、そんな後押しもありました。今回の目的は、多くのリクエストに速攻で応えてきた結果継ぎ接ぎ・ハリボテになってしまったソフトウエアの内部構造を一度すっきりしたいということ。引越しをすると、家の中からガラクタがなくなりスッキリするのとまったく同じ理由ですね。で、サラからの書き直しをまたやっています。この機会に自作ライブラリーも改良しつつ進めていますが、多くのアルゴリズムは既存のものを再利用できるので、そういう意味では全面書き換えとは言えないのでしょう。

つぎはぎの結果、重たくなったシステムをサクサク動かすのも大きな目的ですが、今のところそちらの効果はでていないような、、

◯ 三浦雄一郎

先月23日、80歳で3度めのエベレスト登頂に成功。1932年生まれということで、私の丁度10歳上。NHKのクローズアップ現代で特集をしていました。三浦氏の脳をMRI で診ると年齡相応の萎縮がほとんど見られない。特に意欲を司る前頭葉の萎縮がない。その理由は、歳をとっても「はっきりした人生の目標を持って生きること」「よく歩くこと」だそうです。彼の場合「80歳でエベレストに登るぞう」ということ。

これに向けたトレーニングのスキーで大転倒、骨盤と大腿骨頭に致命的骨折を負っています。主治医によれば、このような大きなダメージでは最悪で寝たきりは当然。ところが三浦氏は入院中に常人を上回るリハビリに励み、とうとう克服してしまった。更には不整脈に悩まされ心臓の手術も。このようなシビアな状況を克服してのエベレスト登頂はまさに超人の域と云えるでしょう。

そしてもうひとつ、普通ならこのような状況でのエベレスト挑戦を家族としては「危ないからやめなさい」と云うところ。家族会議の結果、やりたいことをやらせてあげようということで、次男の豪太氏がサポートして登頂に成功。「危ないからやめなさい」というネガティブ・サポートではなく、ポジティブ・サポートの典型。これもいつも私が唱えているところ、本当に身を守るためには「危ないことはやらない」ではなく、周到な準備をした上で「あえて危険に挑戦」することが必要です。

私も「意欲」と「歩き」をもって、これからの人生を元気に踏破したいものです。

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これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です

私の母校「品川区立平塚小学校」跡にできた「スクエア荏原」から私の住むマンションを臨む(早朝なので暗い)。左下に教育委員会による「平塚国民学校跡」の歴史を書いた碑文、内容がちょっと間違っている。昭和20年5月の東京大空襲で全焼とあるが、私が疎開から帰ってきた頃ここには古い木造校舎があり、区役所として使われていたが、昭和24年頃に失火で全焼した。あの晩、目の前で起きた火事はよく覚えている。翌日、区役所の書類の燒け残りが風でうちの庭に沢山飛んできていた。それからしばらく焼け跡のコンクリートの基礎に溜まった雨水が池になり、そこでゴム動力の模型の船を走らせ遊んだっけ、、