2010.07 携帯を換えました iPhone4

わーくすてーしょんのあるくらし ( 209 )

2010-7 大橋 克洋

iPhone4 は横から見ると真っ四角になりました。このため机の上に自立してくれます。 セルフタイマーを仕掛けた集合写真や動画撮影が 三脚なしで簡便に行えてしまいます、、 おっとっと、セルフタイマーはないんでした、動画だけですね。うーむ、 そのうちセルフタイマーのアプリも出てきそうな、、 と思いつつ「もしかして」と探してみました。

必ず世の中には同じことを考える人がいるもの、 iPhone にセルフタイマー機能を付加するアプリが「ありました」。 いくつかあるうちの Genius という iPhone アプリを download しました。 これはセルフタイマーの他にも「手ぶれ防止」とか「サウンド撮影」と言って 「声でシャッターを切る」機能など多彩な機能をもつ優れものです。

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Windows でも奇麗な画面で見るには Windows 版 Safari をお使いください

○ 思いがけず iPhone4 をゲット

前月号で書いたように iPhone4 は Apple 社はじまって以来の大ヒット。 SoftBank ショップや AppleStore での予約をあきらめ、 近所の普通の携帯ショップで予約しました。正式リリースは先月24日ですが、 私の手に入るのは7月半ば過ぎだろうなあ、と諦めていました。

しかし、何事もほどほどに諦めるのがよろしい、、 正式予約した人達でさえ当日 iPhone4 を手にできない人がいたそうですが、正式リリースから4日しか経っていない夕方、 携帯ショップから「お客様の iPhone4 が入荷しました。どうしましょうか」との電話。 これは即効で行くしかないでしょう。 歩いて6,7分の携帯ショップへ足を運びました。 店での引渡しに、いつもより長い20分以上の時間がかかったでしょうか。 「登録のためのパソコンがダウン。お待たせして済みません」とのこと 「今でも回線が混んでいるんですか」と尋ねると「そうなんですよ~」店員さん苦笑い。 この店でも私が予約した翌日、予約がクローズされてしまったとのこと。 私の予約は SoftBank や AppleStore での予約開始の翌日でした。

今まで使っていた iPhone3GS も OS を iOS4 に上げた後だったので、 iPhone4 が来ても目立って目新しい印象がなかったのは ちょっと残念。その前に iPad もありましたしね。 今回の新製品ラッシュは Apple 社の今までにないこと。 もうちょっと間を置いてくれた方が夫々の楽しみを じっくり味わえたのにね。で、 とりあえずのファースト・インプレッション、、

薄くなったのはワイシャツ・ポケット派の私には嬉しいですが、 以前よりちょっと重くなったのかな? バッテリーが大きくなったからでしょうね。 iPhone4 の分解写真を見ると、半分ほどバッテリーが占めています。 その分、バッテリーのもちは良くなったようですね。

もてはやされる一方でバッシングされているのは 「持ち方により携帯電波のつかみが悪くなる」問題。色々な握り方をしてみました。 確かに下の方をしっかり手で覆ってしまうと、表示されるアンテナの数が減ってきます。 まあ、自分で注意すればよいのかなと、、

iPhone4 では周囲がスクエアになりました。最初は「前の方が良かったかなあ」 との思いもないではありませんでしたが、慣れてきました。 このスタイルになって良いことがあります。iPhone が自立することです。 ある会議の様子を動画に収めてみました。机の上に自立してくれるので、 とても楽。発言者が換わるごと ちょっと向きを変えてやるだけ。 撮れた動画をみてみると、さすがハイビジョンとても美しい、凄いですね。 もうデジカメは不要ということで、デジカメが壊れてしまった家内へ進呈しました。

○ 今月の脳トレ

iPad を初めて手にした時、iPad では出来ないものとして この Web サイトの編集を挙げました。あれから外へ持ち歩くのは iPad のみとなっていますが、やはり iPad でこの Web サイトの編集が出来ないのは何ともシャクになって来ました。 そこで一念発起、「わーくすてーしょんのあるくらし」を編集する Web アプリを作ることにしました。 一筋縄ではいかないところもあり、ちょっと苦労しましたが 「苦労がある」ということは「出来上がった時の満足感もある」ということで、このページは早速そのアプリで出先からリモートで書いています。 やっつけ仕事でとりあえず使えるだけの機能を実装するつもりでしたが、 完成するまで2週間ほどかかってしまいました。 まだ少し不具合もありますが、他人様に使っていただくツールではないので、そこはボチボチなおせば良いかなと。

これでひとまず、このコラムをリモートから編集できるようになったのですが、どうもイマイチ気に入りません。 各ブロックごとに入力フィールドを設け、いかにも編集画面という作りにしたのですが、そうではなく Web ページで見えている「自然の文章の中で必要な部分をクリックし、 その部分だけ編集するようにしたい」「各チャプターのタイトルだけをリストアップし」 「その順序を変更、好きなところに挿入、削除」などを「自然文の中でやりたい」などの欲求が高まりました。

そこで折角できたアプリを捨て去り、 またスクラッチから作り直しました。必要なパーツができており大体の仕組みを把握できているので、 8日間ほどでとりあえず使えるツールに仕上げることができました。 コラムの中で修正したい文章をクリックすると、その塊だけを編集できるので、 とても自然で見やすいものとなりました。今後の電子カルテの改良にも生かすことができそうです。 今月のコラムの更新が後半滞ったのは、このアプリ開発に集中していたためです。 そんなことで、今月のコラムはそのツールを使って書いた 私にとって画期的なものとなりました。 言ってみれば、これもクラウドで提供するアプリケーション SaaS: Software as a Service となりました。今のところ自分専用ですけどね。

○ あれ? Google マップの挙動が変

ある委員会の off line meeting へ遅れて参加ということで、 目的の店の住所を Web で調べ Google マップを見ながら歩いていました。 現在位置を知ろうと GPS ボタンを押しましたが、 いつまで経ってもグルグルが終了しません。 Google マップを一旦終了し、立ち上げなおしても駄目。

呑み会の帰りに試してみました。やはり状況は変わりません 「もしかして Google のサーバのトラブル?」とも思いましたが、 帰宅してから色々とやってみました。GPS は何度やってもグルグルのままです。 トラブル解決の最後の手段、iPhone4 自体の電源を一旦落とし再起動してみました 「おー、今度はオッケー」。

iPhone 側の原因か Google 側の原因かはわかりませんが、 恐らく iOS4 の新機能マルチタスクに関連するトラブルだろうと思います。 初めて搭載した機能ですから、このようなことも起こりうるのでしょうね。 マルチタスクに関しては、まだトラブルが起こりそうな気がしないでもありません、、

、、と思っていたら数日後、胸のポケットに入れた iPhone が、やけに熱を持っていて冷めません。何が動いているんだろうな、とマルチタスクで動いているいくつかのアプリをシャットダウンして見ましたが、一向に熱は下がりません。やむなくまたも奥の手、電源を一旦落とす事によりようやく解熱。まあ、この様な現象は iPhone3GS の頃にもあったような気はしますが、、

○ iPad あれこれ

このコラムの編集や Web 版電子カルテなどでは、ソースを変更した後、結果を表示させても変更が反映されていないことがよくあります。閲覧のレスポンスを向上させるため、キャッシュが古いソースをつかんでいるからです。 このコラムを書いていても iPad のブラウザーにはキャッシュをクリアする機能が無いので、これはちょっと不便に感じています。

手書き文字 Graffiti

Android アプリとして Palm OS の graffiti と云う手書き文字認識が 再現されたそうです。現在 graffiti の権利を持つ ACCESS から出されたとか。ぜひ iPad や iPhone アプリとしても再現して欲しいところですが、おそらく企業間の政治的理由などで無理なんでしょうね。私も SONY の CLIE では大変愛用していました。Graffiti 自体は無理でも、日本語手書き文字認識は是非 載せて欲しいと思います。現在 iPhone では SpeedText などの手書きメモを使っていますが、このメモに手書き文字認識機能がつくと最高かと、、

○ 米国における iPad 意識調査

USA での iPad に関するアンケート調査では 「very expensive toy」とする回答が 55% あったようです。 食わず嫌いの回答が入っているのかなあと思います。 確かに「オモチャのように楽しい」ということは多分にありますが、 同時に「実戦に即した強力な武器」という まったく侮れない能力を存分に備えています。

「ノートブックを置き換えるだろう」という回答が25%あったのは まさにこのことを言い表しており、私も iPad を使い込むほどに実感しているところです。iPad の用途としては、書籍リーダ49% ゲーム機38% ノートブック32% で、スマートフォンとして22%という回答が得られています。スマートフォンが入っているところから、あれ? iPhone の回答と間違えたかなと読み返して見ました。 間違いなくiPad への回答でした。そんなに skype 使う人が多いんですかねえ。私としてはゲームを最下位にして、動画ビューアをスマートフォンの前あたりに入れたいところです。

その後のニュースでは、今期 Apple 社は最高益を出したとか。iPhone さらに iPad が収益の大部分を占めるのはわかるとして MacBook も 30% の伸びとか、これは凄いですね。iPhone/iPad で Apple の素晴らしさを初めて知った人達が、それではということで MacBook にも手を染めたということなのでしょう。私のように Apple 創世記の頃からのユーザにとって「Apple の独創性・素晴らしいセンスは最初からのもの、何をいまさら」という感もないではありませんが、世の中の現実はそのようなものなのでしょう。

この流れは Apple computer から Apple へと社名を改めたことに完全に同期しています。「良いものは必ず売れる」と考えていた Jobs も、年を経て「良いものをわかってもらう努力が必要」ということに目覚めたためか、いや、彼のたゆまぬ努力とゆるがぬ信念が長い年月を経て iPhone 効果などと相まって「良いものを世の中に知らしめる」効果がでてきたということなのでしょう。

○ MacBook は変貌するか

iPad や iPhone4 を使っていて、ふと思いました 「iPad がこれだけ快適な仕上がりになると MacBook もガラリと変貌する可能性がかなり高い」。 特に MacBook Air の存在価値は iPad の出現により無くなったのかも知れません。 ただ現状で大きく違うのは OS です。iOS4 は MacOSX から派生したとは言え MacOSX とは厳然たる違いがあります。MacBook にできて iPad にできないことは山のようにあります(もちろん逆も真なりですが)。

、、で、これからの MacBook を予測してみましょう。 おそらく色々なコネクター類や DVD ドライブ搭載のため iPad を少し厚くしたようなものかな、、 ん? もしかすると その頃には DVD もまったく別のメディアに換わり DVD ドライブのように大きな体積を必要としなくなるかも。 MacBook も現在の折り畳み式ではなく一枚の平板で タッチパネル操作が主。必要なら bluetooth のようなもので 接続したコードレスのキーボードやマウスを使うということでしょう。

さて、いつ頃 Apple 社のノートブックがこのような変貌をしてくるのでしょうか。 案外、早いかもね、、

○ Appleの時価総額は約2220億ドルとIT企業で世界一

5月の記事になりますが、ついに Apple は Microsoft を抜いて世界一になってしまいました。そのようなこともあり得ないことでは無いが、まだまだ遥か彼方と思っていました。このコラムにも時々書いてきましたが、これは決して手放しで喜べることではありません。Apple にはそこそこマイナーで留まっておいて欲しかった。妥協のない素晴らしい製品を生み出し続けるために。

ネットワークの世界が黎明期のころ、そこは創造とやる気に溢れた性善説の理想郷でした。しかし彼等の努力と創造の結果、インターネットが社会に広まるとともに、性悪説の世界へと変貌してしまいました。これと同じことが Apple にも起こることが非常に心配です。私にとっての「地上の楽園」が失われることが、、

人間、いや生物全体ですかね「山がそこにあるから登るんだ」と云う話がありましたが、それらには常に上を目指す習性があります。原子爆弾を研究していた人達は、その結果がどうなるかを知っていながら前へ進まないわけには行きませんでした。これからコンピュータやロボットの能力が上がるとともに映画「ターミネーター」の世界が現実となることも否定できないと思っています。常に人類の脳裏に原爆の脅威があった事が、今日まで原爆行使を抑えてきました。世代が変わってもそうあって欲しいと願うものです。

一方、自分については「足るを知る」の境地に入るべく努力し、大分近づいてきたかなと、、iPad などの IT 機器などについてはまだ抑止力に欠けますし、ソフトウエア製作など創造面では死ぬまで意欲を燃やしたいと考えていますが、、

○ 今月の歩術

テレビ「ためしてガッテン」で「疲れない山登り」をやっていました。これにより登頂前より登頂後の方が疲労度が減少するとのこと。歩きに関しては長年の試行錯誤から習得したノウハウがあるので、興味深かく視聴しました。まず、私の意見とは異なる点から。「上り道で膝を曲げる角度は110度」とのことですが、私はもっと鋭角に登っているように思えます。もっとも私の場合、駅や建物内の階段をイメージしているからかも知れません。ガッテンでは、膝を強く曲げないで済むような経路を選んで登るよう推奨していました。

次に意見の一致した点。「演歌を歌いながら登ると疲労度がむしろ減少する」「速筋でなく遅筋を使う」「地下足袋のように地面の凹凸を直接感じる効果」「最近はやりの両手にストックはむしろ足に負担をかける」。

私なら演歌も良いですが、むしろ軍歌でしょうね。そもそもがそんな目的で作られた歌でしょうし。「速筋でなく遅筋を使う」につけ加えたいのは、太腿やふくらはぎの筋肉より「骨盤内部の筋肉を使うことを意識して登る」こと。「足底の感覚を大切にする」ということは「電車の中で捉まらないで立つ」のトレーニングはもちろん、歩きにおいても重要事項と考えています。ストックを使うことは、私がもっとも重要視する「自然に身体のバランスをとる感覚」を失わせてしまいます。

○ エアコンが壊れた

書斎のエアコンが突然、逝ってしまいました。何度かリブートしてみても、熱風が吹き出すだけ。 室外機のある屋上へ上がって見ると、冷却パイプのエルボー部分の断熱材が一部カラスに食い破られていますが、ごく一部なのでこれが原因とは思えません。それよりも、現在快調に動いている居間の室外機の断熱材の方がカラスによる被害甚大です。家内と二人で露出してしまった部分を梱包用プチプチシートで覆い、ガムテープでグルグル巻きにしました。 ところがその後、快調に効いていた居間の空調がさっぱり効かなくなりました。「そういえば以前プチプチシートで覆っては駄目と言われた事があるような気がする」と家内。早速屋上へ上がって覆ったものを剥がすと空調復活。な~るほどねえ、鬱熱してしまうんですかね。

で、書斎の方ですが、40年以上も前の扇風機を引っ張り出し、数日のあいだ油汗をかきながら頑張って見ました。「昔の夏はこうだったんだぞ、」と意地を張りつつ「それにしても今のビル間の鬱熱より、昔の方が少しましだったんでは」と。何せ気温自体が35度近くあり湿度も高いので、扇風機が送ってくるのは熱風でしかありません。筑波山のガマの油汗のような姿、とうとう家内が見かねて修理を頼む事にしました。 修理にきてもらった結果、原因は予想外の基板が壊れたのだそうです「ほ〜、なるほどね。確かにそう云う選択肢もあったか」と。基板交換の費用も馬鹿にならないようですし、もう10年ほど使った機械。リプレースすることにしました。

それから数日後、何となく胴体の脂肪が減少したような気がするので 体重を量ってみました。やはり減少しています。なかなか減らないお腹の脂肪もすこし薄くなっています。 しっかり汗をかくことは体内水分の減少だけでなく、 脂肪を減らす効果もあるようです。つまりは夏やせということですね。 7月に入っての暑さで怠かった身体も、汗腺がしっかり開いたことにより とても調子がよくなりました。先日、脳梗塞らしき症状を起こしたばかりの身とて、 脱水には気をつけなければいけませんが、、

○ 人生経験のある野生動物

上野動物園の園長を務められたこともある増井光子さんが先週、 旅行先のイギリスで亡くなられたそうです。享年73歳。 現地での馬術競技で落馬し亡くなられたとか。73歳の女性の出場する馬術競技といえば、 馬術をやっている者の常識では馬場競技 (体操でいえば床運動、フィギュアスケートなら規定演技のようなもの)ですが、過去の競技歴をみると恐らくもっとも過酷な総合馬術の野外騎乗ではなかったかと想像されます、凄いなあ、と、、

産経新聞の記事、 その増井さんから聞いたという「動物たちの治療に対する反応の違い」の話。注射を受けるチンパンジーの、自分から腕を出してガマンするものもいれば、暴れまくるもの。利口な象は爪を削ってやるにも自分から足を出すが、そうでないと麻酔が必要になる。総じて野生からきた動物の方がのみこみが早い。生存競争による「人生経験」豊富で、周りとうまくやって行くすべを知っているからだ。これに対し動物園育ちは、ちょっとした変化を大事と考え大騒ぎしてしまう。

ほおー、面白いですね。最近、極めて我がままな人達が増えてきた理由がちょっとわかった様な気がします。つまり野生の人間が減ってしまい、親の過保護の下に飼われざるを得なかった人間がふえたということですね。やはり、子供の頃は家へ帰ったらランドセルを放り投げて近所の子供達と遊びまくり、夕飯のころ擦傷、泥だらけになって帰ってくる位の方が、ずっと知能も人間としてのたしなみも豊富になるという事ではないかと思います。

現代における「こども手当」のようなものは、子供でなく親を駄目にする、つまり自助努力を殺す悪政と思います。お金を投下するなら、真面目に生きようとする親の努力に報いるものであるべき。それも報償のようなものでなく、託児所の完備など実質的なもの。ハナから選挙の票数獲得だけが目当ての浅はかな政策、ようやく国民も気がつき始めたようですが、、

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真夏の昼下がり 神保町から東京都医師会への通勤路

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です