2008.08 携帯を換えました iPhone

わーくすてーしょんのあるくらし ( 186 )

2008-8 大橋克洋

全国有床診療所連絡協議会の開催された青森市で「ねぶた祭り」を初めて見てきました

折悪しく降り出した雨で ぐっしょりになりながら赤ちゃんから大人まで交えた大勢の町の人達と

観光客との交流の中での物凄い熱気に圧倒され

学生時代経験した秋田「角館」の祭を思い出させられました

ハネトと呼ばれ、浴衣姿でかけ声をあげながらぴょんぴょん跳ぶ姿

男の子より圧倒的に女の子の方が元気に見えました

< 2008.07 亀の歩みは馬鹿にできない | 2008.09 個人戦と団体戦 >

海の向こうで発売され1年越し、ようやく手にした iPhone。 手にするまで紆余曲折のあった iPhone です。 このコラムでも1、2年に一度は「携帯を換えました」 のメッセージを載せてきました。 しかし、これで当分落ち着く(はず?)と思います。 iPhone から new iPhone へ換えることはあるかも知れませんが

昨年からしばらく使ってきた携帯 W-ZERO3 [es] は 「Windows を携帯に載せてみました」というだけ。 携帯としての使い勝手なぞ まったく考えていない代物でした。 あまりの使い勝手の悪さにとうとう悲鳴をあげ 古い携帯に戻してしまった経緯は3月号に書きました。

iPhone 入手し、今まで使っていた携帯の解約に WILLCOM へ行きました。 解約理由を答えるついでに「昨年 Windows 携帯に機種交換したが、 余りの使いにくさに、この春 再びこの携帯に戻した」話をすると、 「そういうお客さん、結構あるんですよ」とか。

予想にたがわず Jobs の出したものは全然違います。 「携帯としての使い勝手を、いかに良くするか」 に創意工夫が傾注されています。

○ 電話に必要なアドレスブック

W-ZERO3 では、細かく見にくい電話帳を 爪の先でコントロールしていました。最悪の代物。 iPhone の電話帳は、Mac のアドレスブックを基本とし 「あいうえお」やアルファベットを指でなぞってゆくと、 見やすい大きな文字でページが表示されます。 頻繁に使う連絡先は「よく使う項目」として まとめておけます。 「大きくはっきりした文字で見やすく」 「指先の自然な感覚で操作」というポリシーが貫かれています。 とても快適でストレスが少ないものです。 iPhone を使うには iTunes でパソコンに接続する必要がありますが、 この時にパソコンのアドレスブックと同期されます。

ちょっとストレスなところもありました。 「3 掛ける 3」のマトリックスで表示される日本語変換ですが、 やたら反応が重くなることがあります。 裏で何か非常に重いものが走ることがあるようです。 iPod touch では、日本語入力に まったく問題なかったのですが。 いずれ改善されることを願っています。 iPhone に批判的ユーザからは、かなりクレームが来そうな。

○ アドレスブックにちょっとバグが、、

もうひとつ、不思議なことが、、 どういうわけか何度やっても同期されない アドレス・データがあります。2つあったのですが、どちらも 東京都医師会という文字が入った項目。 日本語コードの一部が悪さをしているんでしょうか、 いずれにせよ これもバグと思いますので、修正に期待します。

そこで試行錯誤してみました。 姓名や会社名のところに東京都の文字があると、 悪さをするようです。もちろん住所のところでは問題ありません。 東京と都の文字を離すことで、無事 iPhone に同期できました。 完全にバグですね。最大のベータテスターである Jobs CEO も、 日本語のチェックまではできませんからね。

○ バッテリーの持ち

バッテリーの持ちがちょっと心配です。 夜寝る前は8割方あったのに、朝起きてみると4割以下になっていました。 以前のモトローラのスマートフォンも購入直後、 朝起きたら完全にバッテリーが上がっていたことがあります。 無線 LAN の待ち受けが原因で、 LAN を切ったらそのようなことはなくなりました。

iPod touch では無線 LAN でバッテリー浪費の症状は経験していないので、 それはないと思います。いずれにせよ、 何かを常に探し続けているとかだろうと思うのですが、GPS ?

と思って、LAN、GPS、Bluetooth を切って寝てみました。 やはり翌朝、起きてみるとバッテリーの減りは余り変わらないようです。 現在の状況ですと、ほぼ毎日充電が必要。 1週間に1度ほどの充電で済んだ 携帯に慣れてしまっていると、 これはちょっと辛いものがあるかも。 特に出先では不安です。

○ バッテリーの充電

早速 iPhone を持って青森へ行く機会があり、 外部バッテリー装置 PowerBank をネット購入しました。 iPhone より一回りほど小さなサイズのバッテリーです。 しかし、うっかりこれを持たず 会議の会場で Google Maps を使い青森市内を探検していたところ、 えらい勢いでバッテリーが減ったのに気付き、冷や冷や。

ホテルに帰ってから iPhone 標準添付の充電アダプターで充電してみました。 パソコン経由せずこれで直接充電すると、結構 短時間で充電してくれます。 これを接続したまま Google Maps や YouTube、音楽をかけっ放しにすると、 バッテリーの消耗を気にしないで済むので気が楽です。 いずれは充電ケーブルなしで、このように気楽に iPhone を使い倒したいところです。

これまでは iPod で音楽を聴くにはイヤホンが必須でしたが、 iPhone には比較的音質の良いスピーカーがついているので、 就寝前に音楽を聞いたりするには便利です。 ただしバッテリーのことがあるので、 充電ケーブルをつなげたままだと気が楽。

○ バッテリー問題、大幅に改善?

そのような思いをしていたのですが、旅行から帰ってきた日の夕方頃 「あれ? バッテリーがほとんど減っていない」。 ホテルでパソコン経由でなく、充電アダプターで一晩 直接充電したのがバッテリー性能に好影響したのかな? とも思ったのですが、 嬉しいことに その翌朝になっても iPhone のバッテリーがほとんど減っていません。

その前日ネットワーク越しに iTunes のアップグレードがあったことを思い出しました。あるいは、 これでバッテリー関連のチューンアップが行われたのかも、、 無線関連など、どこか無駄なループやリークが起っていたのが、 このアップグレードで断ち切られたのかな、などとも思ったのですが、 そうではなく以下のことのようです。

それから数日使ってみて、 バッテリー消耗原因のひとつ らしきものが判明しました。 いつも寝る前に iPod の音楽や、中国武術の動画などを見ていました。 音楽や動画が停止していても、iPod 機能が起動していると電気を食うようです。 寝る前にトップ画面(メニューアイコンの並んだ画面)に戻しておくと、 翌朝になってもバッテリーは殆ど消耗しないことがわかりました。 これもバグのひとつなんですかね。

○ カメラ機能

カメラはかなりグーです。大きな液晶画面に画像を追従させるため、 撮影時は画面がかなりゆらゆらします。しかし撮影された画像は奇麗で 実用になりそうです。

夜の室内では手振れに注意。 かなり解像度は高いのですが、 メモ代わりに使うため もっと接写できると便利です。 これは贅沢な要望かな。

○ マップ機能

au の Talby までは良かったのですが、それ以後使っていた携帯のマップ機能は、 どれも快適に使えるものではありませんでした。 GPSを利用できる Google Maps には 今後お世話になりそうです。 バッテリー消耗の原因になりそうなので、 GPS は必要時だけオンにすることにしました。

路線案内 Google transit も、 すぐ使えるよう設定しました。 Web 画面を表示しておいて 「プラス」キーから「ホーム画面に追加」をクリックすると、 ホーム画面にアイコンとして表示されるので、 次からはこれをクリックすれば Web が立ち上がり、 すぐ路線検索ができます。

○ その他

iPod touch で愛用してきた、メモ機能、 中国武術のトレーニング用の沢山の動画、iPod ミュージック、 写真の類、これらは今までと変わらず。 iPod touch に入れていたデータが iTunes を介し そのまま移行されるのは有り難いです。

日本でよく聞かれる「ストラップの穴が欲しい」。 私もそう思っていたのですが、これは習慣なんでしょうね。 なくても良いかと思うようになりました。 革やシリコーンなどのケースもありますが、 コンパクトさを生かしたいので iPod touch の頃から何も着せていません。 屈んだ時、何度かワイシャツのポケットからすべり落ちる事があり、 屈む時は胸を抑える習慣がつきました。

飛行機搭乗の際は「機内モード」があるので便利。 搭乗したら、これをオンにしておきます。 Apple 製品の常として、持っていることに非常に満足感があります。 そして最後に、肝心の電話としての機能、 これはもうバッチリ。言う事なしです。

○ 惜しかったなあ SONY の CLIE

iPod touch 出現の頃に思ったこと、iPhone を手にして更に思うことは、 かつて SONY が発売していた CLIE は、 まさに iPhone の姉妹と言ってよいほど似たところがあります。

CLIE と iPhone は瓜ふたつ

このコラムで何度も叫んできたこと「SONY さん CLIE に携帯機能を載せて!!」 が叶えられていれば、SONY は Apple より 5年以上前に iPhone を実現していたはずです。 このコラムで叫んだ最初は 2003年1月のことでしたから。 walkman の二の舞のようなことでしょうか。 返す返すも残念ではありますが、まあ、一方で 私が切望していた「携帯機能付きの CLIE」が、 Apple から実現したのですから、良かった、良かった、、 というのも実感です。

文字入力に関しては iPhone のアルファベットやテンキーによる入力方式より、 CLIE の Graffiti 方式の方が優れていました(こちらはスタイラス・ペンが必要ですが、 iPhone も指先で細かいキーボードを打つのはちょっと神経を使います。 スタイラスを使った方が正解でしょうね)。 ホームで電車を待ちながら メモしたりすると、両者の差がよくわかります。本当に惜しかったな、と思います、、 でも、 iPhone も買ってしまったことでしょう。

○ Google ストリートビュー、サービス開始

話題の Google ストリートビューが日本でも使えることになった との記事を読んで、早速見に行ってみました。 「おー、本当だ。Google Maps にストリートビューのボタンが増えている」。 自分の住んでいる地域を見てみました。 自宅のマンション前を通過、見慣れたマンション玄関の景色(当たり前か)、 裏側の武蔵小山商店街に廻ってみました。大橋産婦人科のロゴマークもばっちり 見えます。撮影は午後なのでしょう、診療所のシャッターが降りています。 午後は東京都医師会で公務のため、診療は午前中だけなのです。

診療所前に自転車がずらっと停めてあります。 これはまだ少ない方ですね。午前中の診療中でも、ひどい時はこれより 沢山の自転車がぎっしり停まり、患者さんが入れないこともあります。 営業妨害にはホトホト困っています。 営業中の店頭に自転車を駐輪するなどしないのが 今までは常識だったのですが、どうしてこれほどまでモラルが低下してしまったのでしょうか。 あれ、あれ、ストリートビューの感想が、 自転車公害への憤懣になってしまいました。 兎に角、ストリートビューは面白いですね。 これで色んな所を探検できそうです。

ストリートビュー公開により、 プライバシー問題などで「けしからん」的意見も多いのは、 私としては意外でした。公道を歩いている自分の写真や、 自宅の写真が映っているのがけしからんということです。 きっとそのような人から石が飛んでくるのでしょうが、 素直な心で言えば「それならアラブの人のように覆面して歩いたら?」。 公道は堂々と歩けば良いじゃないですか。

○ そう言えば、同じような意見が他でも

ストリートビュー公開に先立つ数ヶ月前、 同じような感想を持ったことを思い出しました。 最近おかしな事件が多発するため、マンション管理組合の理事会で 「そろそろこのマンションにも防犯カメラを設置しては」と アンケート調査をしました。

ほとんどの方は「賛成」だったのですが、 「エレベータの中の映像は誰が管理するのか」とか 疑義を唱える意見もありました。 余程、見られては困ることをしているんですかね。 私には不可解なこと。 防犯カメラの映像を日がな一日眺めているような 暇な人も居ないだろうに。 防犯カメラは、「犯罪の抑止力」と「何かあった時の状況把握」のためで、 単に一定期間撮りためておくだけのもの。

たった一度の人生「あるがままに生きたい」 「駄目な自分や格好悪い自分、これも真実」 「それが嫌なら、もうちょっと頑張ろう」と考える私には、 感覚的に よくわからない最近のプライバシーを巡る意見でした。

○ 今月の歩術

7月下旬にはいり、いつの間にか梅雨明け。 8月上旬ともなれば、ガンガンに暑くなってきました。 湿度と気温が高く体感は「オーブンの中」状態。 同じ東京でも激しい雷雨に見舞われるところもあれば、 殆ど降らないところもあり、落雷で数時間電車が停まる事態が頻発、 集中豪雨の鉄砲水で下水工事の作業員が何人も亡くなりました。 異常気象はさらに顕著となりつつあります。

汗腺も開き、充分な汗が出るようになりました。 東京都医師会も今年からクール・ビズ。ノーネク OK となったのですが、 スーツにノーネクタイというのは どうもサマになりません。 意地でもスーツにネクタイで出勤しています。 沖縄のお役所のように アロハやスポーツシャツにするとか、 開襟シャツとか、せめて半袖ワイシャツにネクタイの方が、 ずっとエコでサマになると思うのですが。 昔の白い開襟シャツは、夏のフォーマル・ウエアとして リーズナブルだったなあと思います。

さてさて、酷暑の中の「歩き」もなかな良いものです。 さすがに炎天下に長距離を歩くことは健康上あまり感心しませんが、 先日も熱帯夜の中 10km ほど歩いて帰りました。 歩いている時はさ程でもありませんが、帰宅すると滝のような汗、 サウナのように爽やかです。 今月の歩きは「八極拳の突き」と「八卦掌」の歩きを意念したもの。 上半身を十分脱力し、腰の上へしっかり乗せるのがコツです。 普通の歩きは上半身が安定しておらず、 上体に必ずアンバランスな力が入ってしまうものです。 中国武術の基本である足腰を十分鍛えておかないと、この歩きは困難です。

6月頃からでしょうか、 朝起床してベッドを抜け出すとともに、 上腕主体の運動を軽く行っています。 歩くのは別として下肢の運動をほとんどやっていないので、 下肢の運動も加えることにしました。 最初は目覚ましのつもりだったのですが、 就寝で固まった身体をほぐしてくれます。

○ 北京オリンピック

前回アテネでは、柔道はじめ日本の金メダル・ラッシュ でした。今回はアテネほどの金メダルは期待されていない印象でしたが、 開幕してみると まあまあのようです。

楽しみにしていたものの ひとつが女子レスリングです。 結果はアテネと同じでしたが、100連勝以上を飾ってきた吉田沙保里が 今年1月思いがけぬ「返し技」に敗退を期し自信を失っていたのが、 見事優勝し大感激でした。 オリンピック2連覇、平泳ぎの北島は大きく報道されました。 しかし同じく前回の金メダル後、 大きな浮き沈みを経て金メダル2連覇の 吉田はさほど大きく報道されませんでした。 必要以上にもてはやされるより 吉田にとって良かったのかも知れませんが、 私としては「ちょっとそれは不公平じゃないかい?」と、言いたいところです。

期待の「柔ちゃん」こと田村は 残念ながら「ママでも金」は成りませんでした。 それでもしっかりと、メダルは穫って帰りました。 今回、日本の柔道は金もある程度あったものの、 全般的に低調に終わりました。 理由は、世界の潮流が日本本来の「一本勝ち」でなく、 セコく判定で細かい点数を穫り逃げ切ったり、 タックルのような「レスリング技」が多くなり、 日本選手が対応できなかったことのようです。

武士として「潔い勝ち方」を尊ぶ日本と、 「勝ちさえすれば良い」という大陸系との、 生活感の違いが現れてきたのでしょう。 前者は、長い鎖国の中、単一民族での暗黙のルールに則るもの。 後者は、多民族、常に侵略の脅威を受け手段を選ばず勝つという。 このような流れになってくると 「柔道もレスリングも一緒にしてしまえ」という 暴挙も?

世界ランキング1位の中国に 思いがけず競り勝った女子バドミントン末綱・前田組の その後の活躍が期待されましたが、 残念ながらメダルには至りませんでした。 しかし中国の報道によると、中国側の落胆度は極めて大きかったようです。

私はまったくと言ってよいほど野球に興味がないのですが、 オリンピックだけは別です。女子ソフトボールの決勝戦、 米国を相手にした痛快な勝利にはやはり感激です。男子、 星野ジャパンは期待が大きすぎたのか残念でした(こちらは 時間帯の関係もあり ほとんど見ませんでした)。

いずれにせよ、冒頭の「ねぶた」の印象と同様、 現代の日本は「女性の強い時代」ですね。 男としては、ちょっぴり残念でもありますが、 これは「世の中が平和な証拠」と思います。良いことです。 戦争の時代には、どうしても男性が強くなりますから。

○ 女子バレー

最も期待していた女子バレー、 残念ながら今回も5位に留まり、メダルに至りませんでした。 最終戦、日本チームの多士済々なメンバーが いつもの精彩を欠いているように感じられました。疲れより 「気」の問題でしょう。 技術的にも世界に劣るところはないと思うのですが。 この最終戦で頑張って得点をゲットしていたのが、 (私が結構好きな)杉山でした。 彼女の一見ニヒルなマスクは、やはり 周囲の「気」に惑わされない しっかりした「自分」というものを表しているのかなあ、 などと感じました。

どんなラリーになっても粘って拾い勝つ(東京オリンピックで金メダルの 鬼の大松監督が最もこだわったところです)、 相手が対応できない強烈なスパイク、 これを養うことが今後の大きな課題でしょう。 男子バレーの米国とロシアの最終戦を見ました。 各セットとも五分五分の接戦でしたが、米国の勝ちとなったのは、 上に挙げた2点でした。 「日本チームにも強力な大砲が必要」と強く思いました。 故障が治らず代表チームに復帰できなかった大山加奈に、 それを期待していたのですが。残念。

もうひとつ前々から感じていたことがあります。 外国チームでは、試合中にどんどんメンバーを交代してきます。 柳本監督は余り代えません。選手を適材適所に使う、 選手のエネルギー保持、「気」の流れを変えるため、 もっと上手にメンバー交代をすべきと感じたのは、 私の素人考えなのでしょうか。 チームの「気」の流れを維持するため、 あえてメンバー交代をしないという考えもあるかも知れませんが。

4年前のアテネ大会も、 このコラムに書きました。読み返してみるとメンバーも大分変わっています。 あの頃、若く怖さも厳しさも知らなかったためでしょう、 負けても明るくのびのびと輝いていた彼女達。 元気印の高橋も栗原も、 最初からニコリともしない厳しい表情になっています。 勝負師になったということなのでしょうが、 あの頃の彼女達が懐かしい思いもします。

さて4年後のロンドン大会ではどうなるのでしょう。 栗原や木村あたりは続投と思いますが、 多くは新しい若いメンバーと入れ替わるはずです。 勝負師の根性を持った 若い溌剌としたチームに育ってくれることを期待します。 4年後を楽しみに、、

○ オリンピック馬術競技

馬場馬術に67才で出場した法華津寛選手が話題になっていました。 会場に設置された大型スクリーンに驚き(馬術用語では「モノをみる」という)、横っ飛びに逃げ大減点を食らいました。 馬場馬術の会場に馬がモノを見るようなものを置くこと事態、 馬術を知るものにとって常識外のことです。 馬術関係者はチェックしなかったのでしょうか。中国当局(あるいはスポンサー)に無理矢理押し切られたのでしょうか。

他の選手も同じ条件と言えばそれまでですが、 (これはないと思いますが)意図的に特定の選手を陥れようと、 馬が画面の方を向いているタイミングで 派手な画面展開などを行ったらどうなるのでしょう。 中国当局には、 金メダルを穫った女子体操選手の年齢詐称疑惑など色々あるので、 そのような疑いを持たれても仕方がありません。

法華津さんは東京オリンピックにも出場、 私が大学馬術部現役の時でした。 当時、もの凄く高そうな外国産馬ばかり乗っているという印象でした。 私よりずっと年上と思っていたのですが、1つしか違わなかったんですね。 今回、試合後のインタビューで「今後も馬術は続ける」というコメントが 大きく載っていました。 馬術をやる人間にとってこれは当たり前のことで、 馬術に年齢や性別はありません(中国武術も)。 同じ馬場馬術に出場した八木三枝子選手(57)は、 私の家内の高校の同級生であることがわかりました。

「東京で皮膚科を開業する平馬秀彦(88)さんが 車いすで香港に駆けつける」という記事がありました。 法華津さん東京オリンピック出場時の乗馬は、 平馬先生の自馬ラロでした。 ラロはニュージーランドの障害馬術チームが来日した時、 そのまま日本へ置いて行ったものです。 黒光りする素晴らしくエネルギッシュな馬でした。 平馬先生の車いすも、あの頃ラロから落馬した時の故障が原因と思います。 平馬先生は東京医大の熱心な OB として、 私が学生の頃からよく存じ上げています。後に 私の高校の先輩であることもわかりました。 今回のオリンピック馬術には偶然、 そのような縁故のある方が多かったのでした。

○ 今月の脳トレ

5月に始動した Web 版電子カルテ NOA も、 私にとって通常必要な機能はすべて搭載されました。 快適に日常診療に使っています。 私としては余り使わないが通常の電子カルテとして備えるべき機能、 画像の取扱い、その他について今後 機能追加して行きたいと思っています。 先月まで唸りを上げていた開発エンジンも、 ちょっとここのところ小康状態。 今後追加すべき これらのものについては、 ゆっくりとアイデアを熟成させて行くことにしましょう。

そんなことで「なんでも溜め込みシステム」の細かいチューンナップなどを ちょこちょこと行っている状態です。 誰も同じようなことを考えるようで、 iPhone アプリにも同じようなものがありますね。 私の作ったものは通常の Web ブラウザーで使うことを想定したため iPhone だと画面が細かく ちょっと使いにくいです。 いずれ iPhone アプリ化にも取り組んでみたいと思っています。

新しい電子カルテが日常診療で完全に使いものになり、 目標を失ったような状態。軽い燃え尽き症候群かも知れません。 しかし、これでは面白くないので 新しく何かに取り組みたいと思うようになりました。 本当は電子カルテのツール類を 新しい発想でシェイプアップするのが良いのですが、 現在のところ突飛なアイデアも浮かびません。

そこで 新たに「周産期管理」プロジェクトを 立ち上げることにしました。 そのネーミングから想像されるほど 大げさなものではありません。 毎日行っている妊婦健診に特化したアプリケーション を作ってみようということです。 1985年、電子カルテ開発をはじめる前、 それらしきアプリケーションを作り使っていましたが、 それ以来のことです。

○ 金属疲労を起こしたタイガー

ぱらぱらとめくっていた雑誌。 こんなタイトルが目に入りページを戻ってみました。 MacOSX 10.4 Tiger ではなく、ゴルフのタイガー・ウッズの話です。 米国ゴルフ関係者の間では「車椅子とまで言わないが、 将来タイガー・ウッズが杖をついて歩く姿が見える」という深刻な情報が 交わされているとか。ゴルフにまったく興味ない私も、ちょっと読んでみました。

「テークバックからトップ・オブ・スイングまでの運動でパワーを蓄積」 「それをダウン・スイングで更に加速することで、 飛距離を伸ばすゴルフというスポーツ」 その一連の動きで、数十キロの巨大な力を受け止める左膝。 若いウッズわずか32歳の人生で、左膝に4たび手術を受けた。 かつて、アーノルド・パーマーが「この若者は、 私とジャック(ニクラウス)の優勝回数を合計した以上のグリーンジャケットを着るはずだ」 と予測したそうですが、これが急に困難になったということです。

「若い年齢で頂点に立つと、ピークを過ぎるのも早いことが多い」とか。 柔軟でパワーにあふれた身体へ、過酷な運動を連続して負荷することで、 無理がたたるのでしょうね。オリンピックの女子体操などでは、 ある時期から年齢層が急速に若くなりました。 しかし輝いていた彼女達の姿が見られたのは、考えてみると そう長い期間ではなかったようです。 アイススケートの浅田真央ちゃんなども、ちょっと心配です。

○ 地球環境の悪化にも似たようなことが

これらのことは、 西洋スポーツの「一部偏重な身体の使い方」によるものが大きいと思います。 そして、森林や石油資源を食いつぶし自然を破壊し、 深刻な地球環境の悪化を招いている現状にも繋がります。 かつて、赤道直下の森に住む人々、北極圏に住む人々は 「自分に必要なだけの食料を穫る」ことにより、 決して植物や動物を根絶やしにすることはありませんでした。

近代化された漁業では、巨大な網で根こそぎさらってしまうため、 将来に繋がる幼魚も居なくなってしまうとか。 そのように穫られたものがどうなるかというと 「大量にスーパーなどで売られ」 「売れ残ったり、期限の過ぎたものを、大量に廃棄」 ということになります。 まさに、人類は地球環境を食い潰しています。 いや、本当に「食う」のなら良いのですが、 「無駄にしている」のが大きな問題です。

幼い時期を戦争で ひもじい思いをした私の世代は、 「弁当箱を開けると、まず弁当箱の蓋についた米粒から食べる」 習性があります。 このようなことは、やはり体験を通じてでないと 継承できないのでしょうかねえ。 都会に無制限に林立してゆく高層ビル群を見ても 同様の思いです。 これからは「少しでも空き地があれば、木を植えるべき」。 この灼熱の都会でも、木陰に入ればスッと涼しくなります。

健康についても、 全身を万遍なく使い、自然と融和してゆくことの重要性を強く感じます。 別の雑誌に著名な解剖学者が、古武術で有名な甲野善紀氏の身体を見て 「全身の筋肉が、大きい筋肉は大きい筋肉なりに、 小さい筋肉は小さい筋肉なりに見事に発達している。 解剖の見本のようなもの。全身を使った運動がこのような身体発達をさせた」 と述べています。中国武術もこれに通じます。 「自然に優しく」「トータルバランスを考える」 これが大切と思います。

○ 壊れつつある日本

6月に書いた運動会ネタ関連です。 メモを書こうと裏紙を探していたら、 「運動会に際してのお願い」というビラが出てきました。 「さて、本校では来る5月31日に運動会を開催する予定です。 近隣の皆様には早朝よりお騒がせすることになるかと思います。 できる限り音量を絞るように努めて参りますので、 よろしくご理解くださいますようお願い申し上げます、、」とありました。

以前は日曜の朝早く、大きなスピーカーから 「ウイリアム・テル」の音楽や、子供達の大きな声援が聞こえたものでした。 いつも徒競走ビリで運動会大嫌いだった私も 「ああ、運動会やってるんだな」と微笑ましく思ったものです。 現代人はこれを騒音と感じ、小学校へ怒鳴り込むんでしょうね。 風鈴の音を「うるさい」と、マンション隣家から怒鳴り込まれたという 話も聞いたことがあります。 そういう人に限って営業中の店の前に平然と自転車を停め、 注意されると「公道に停めて何が悪い」と逆ギレするのでしょう (公道だからこそ停めてはいけないのにね)。 無代なクレームを入れる人に限って、 まず自分は(他人のために)何もしません。

ああ今後、日本人はますます、風情も感じることのない、礼儀も 本能も消失した、おばかになってしまうのでしょうか。 それを助長する大きな動力が、 おばかな番組しか売りものにできない、 自分はさて置き 他人の落ち度をこれでもかとこき下ろすだけの、 おばかなマスコミです。 歴史を大切にし、古い家や街並を大切に生きているヨーロッパの 情景などを TV で見るにつけ情けない思いがします。もちろん、 それらの地でも実際には色々あるのでしょうが。

○ 叔父の急逝

私と同業、産婦人科の叔父が一昨日急逝しました。 数年前に腹部大動脈瘤破裂で一命を取り留めたものの、 血管がかなり傷んでいるということで心配されていたものでした。 この3月一杯で診療をリタイアし余生をマイペースで、の矢先でした。 昼に TV を見ながら亡くなっているのを、家族が発見したとのこと。 胸部大動脈瘤の破裂で、おそらく即死状態だったろうと思われます。

丁度2年前に叔父の連れ合い、叔母がこれも、 職員達と昼食を共にしている時、持病の喘息発作。 いつも身近に置いている吸入器を、その時に限って自宅へ置いてきてしまっていたとのこと。 見る見るうちに状態悪化し亡くなりました。

80歳を過ぎた叔父夫妻は比較的元気で、二人仲良く船旅を楽しむなど、 とてもうらやましいカップルでした。 若い頃のお二人は日本人ばなれしたマスクで、洋画の美男・美女そのまま。 あちらの世界で2年間待った叔母とともに、 また仲睦まじく今生で やり残した多くのことを楽しむのでしょう。

叔父の同級生で、これまた産婦人科で私も大変可愛がって頂き、 兄貴のように思っていた K 先生も数年前に急逝されました。 大好きな趣味のコレクションを床に広げ眺めた状態のまま、 こと切れているのを奥様に発見されました。 人により色々な思いはあるでしょうが、 私にとって これらは理想のエンディングです。 先月から このような話題が続いてしまいましたね。 ご冥福を心よりお祈りします。

< 2008.07 亀の歩みは馬鹿にできない | 2008.09 個人戦と団体戦 >

ドーム・ホテルから見おろした東京ドーム、宇宙船みたいですね

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です