2014.11 母国語と外国語

わーくすてーしょんのあるくらし ( 261)

2014-11 大橋 克洋

<2014.10 人生の節目となる瞬間 | 2014.12 さらさらと時は流れて>

◯ 母国語と外国語

私は英会話がからっきし駄目です(一昔まで医学はドイツ語だったんですが、勿論そちらも駄目)。医学進学過程に入学すると、いきなり英語・ドイツ語・フランス語・ラテン語の授業がありました。エービーシーは判るとしても、アーベーツェーだかアーベーセーだかごちゃごちゃになった覚えがあります。そして今に至るまで語学はものになりませんでした。

一方でコンピュータ言語はと云うと、BASIC に始まり Pascal、C、HyperTalk、Objective−C、PHP、Javascript と色々使いこなしてきました。「Computer language ならバリバリだが human language はからっきし駄目」と答えることにしています。コンピュータ言語はまったくの独学ですが、まさに「好きこそものの上手なれ」。

そういうことで外国語しか喋れない患者さんがみえると閉口するのですが、幸いなことに本当に日本語をまったく喋れない患者さんの場合必ず通訳をしてくれる人がついてきてくれました。ところが先日、完全に英語しか喋れない患者さんが一人で見えたのです。診察室脇の受付での応対を聽いていると、まったく日本語を喋れない患者さんのようなのに、こちらも英語を喋れない受付事務が何とか問診をしながらコミュニケーションしています「あれ?やはり通訳をしてくれる人がついてきているのかな」とも思う一方で、どうも独りのようにも思えます。診療にあたり「そうだ Google 翻訳を使ってみよう」と思いつき、電子カルテの脇にウインドーを開き Google translate を呼び出してスタンバイ。

やがてカルテが出来上がり、その患者さんを診察室へお呼びしました。やはりご本人一人だけです。ちょっと込み入った内容のやりとりをしなければならない状況だったのですが、患者さんと私の脇にある端末で Google 翻訳に日本語を入力すると、タイプし終わらないうちに翻訳された英語がどんどん表示されます。しかも結構まっとうな、ちゃんとした英文。お陰で込み入った内容もスムースに意思疎通し、あとは私のたどたどしい英語で診療を終わることが出来ました。Google 翻訳、凄い。自動翻訳というと以前は変な英文だったりしたのですが、かなりまっとうな英文を速攻で打ち返してくれます。これは診療の座右のツールだなということで、電子カルテ NOA にツールの一つとして登録しました。これからはボタン一発で翻訳ツールを呼び出せるようになります。

診療が終わってから「いやあ〜、翻訳ソフトって凄いな」という話をしつつ、受付事務に「英語しか喋れない患者さんと、よくコミュニケーションとれてたね」と云うと、受付では患者さんがスマートフォンの翻訳ソフトを呼び出し意思疎通してくれたのだそうです。便利な時代になりました。ますます英会話の勉強しなくても済んでしまうなあ、、

◯ 言葉がなくても通ずるもの

このように外国語にまったく自信がなくても、最近は地球規模の交流を体験できるようになりました。それは8月にも書いた Pinterest 。自分の好きな写真や絵・動画などをジャンルごとにピンアップするウエブ・サービス。自分と同じような感性で写真を収集している人をフォローすると、自分のフォローした人々の収集品が自分のピンしたものとは別に表示されるようになります(ここは Tumblr と同じ)。これらの中から好きなものをピンすることができるので、とても効率的に好きなものを集められる。Tumblr ではフォローした人々のものが否応なしに全部表示されますが、Pinterest ではその中から自分の好きなものだけピンアップできるのが大きな違い。今月の表紙は私がピンアップしたものの一部です。

結局、私をフォローしてくれた人(ということは、私の収集品のどれかを気に入ってくれた人)を、私もフォローするようになります。言葉を交わすことはありませんが、自分の収集品を見せたり相手の収集品を見せてもらうというようなコミュニケーションを繰り返すうち、何か親しみを感ずるようになります。つまり、自分と同じような感性を持つ人と交流を持てたという自己満足のようなもの。

、、と思っていたら、先日私のピンアップした写真に対し米国の方からメッセージが届きました。早速 Google 翻訳を使って返答、、

Pinterest を始めてまだ3ヶ月ほどですが、収集品は3000点を超え、ジャンルも50を超えました。無闇やたらピンすると、この数倍になりますが、自分の気に入ったものを厳選しています。それでも遠からず収集品1万点を超えるかも。美しいものが好きな人にとってはとても面白いサービスです。facebook も悪くありませんが、pinterest にハマっています。

、、と書いてまだ1ヶ月もしないうち、収集品は6000点を越え、ジャンルは100を越えてしまいました。

◯ 基本的に男性より女性の方が強そう

Discovery channel で NAKED という番組をやっています。一糸まとわぬ初対面の男女がジャングルや絶海の孤島で3週間生き残りに挑戦するというもの。NAKED に期待してもだめ。当然ながら映像にはしっかりモザイクがかかっています。しかし、見ていると面白いのはそんなことではない。

二人はそれぞれ一つだけ道具を持ってゆくことが許されます。何を選ぶかが興味あるところ。山刀、鍋、火付け石(鉄?)などですが、ジャングルで山刀は必須のようですね。蔦や灌木を切り開いたり、薪を割るのにサバイバル・ナイフではまったく非力、役に立ちません。ジャングルで生き残るには、身体を温めたり料理をするため火は非常に重要ですが、ベテランでも現地調達した木で火を起こすには半日以上かかったりする。何組かのペアーがやられたのは食中毒によるひどい下痢。喉の渇きに抗しがたく川の水をそのまま呑んでしまったり、何日ぶりかでやっとみつけた亀を焚き火で焼いて食べたものの、おそらく半煮えだったのでしょう、その後でひどい下痢に苦しんだり。鍋を選んだのには「え、鍋?」と思ったりしましたが、水を飲むには煮沸が必要ということで重要性がよく判りました。

この番組には、サバイバルの経験・技術・精神力について一定の評価を獲得できた男女しか出場できません。見ていると、このような能力に長けた人達には、個人主義の傾向がかなり強く見られるようです。相方が苦しんだり苦労していても、かなりクールな態度。しかし何日も二人で空腹・渇き・寒く暗い夜などを共にしていくうち、次第に仲間意識は強くなって行くようです。心理学者の研究材料としては非常に面白い対象でしょうね。

米国陸軍特殊部隊あがりのごついお兄さんとガールスカウトのようなお姉さんのカップルなど、全身日焼け・食中毒などで最初に男性がへたばり数日間使い物にならなくなります。その間、女性が食物を調達したり(ほとんどの場合、調達できるのは何日に1回か、それもほんの微量)、屋根を葺いたり作業をこなしていました。女性が苦労を重ね食物を調達してきても「何だ小さいな」とか、つい心ない言葉を発して女性をムカッとさせるのは男性。

こうして見ていると、腕力・瞬発力などで確かに男性は強いのですが、柔軟性をもった持久力ということから見ると女性。そして生き残るため必要なのは結局後者のようです。

まったく別の話ですが、facebook で米国版「サスケ」が紹介されていました。ここに登場する女性、スラっとしたアスリート系の美人。最近みかける筋肉モリモリの女性ではなく、腕などもすっきりしています。ところが、ところが、見ているうちにサスケ特有の腕の筋肉をバリバリに使う懸垂で移動するところとか、密林の猿のようにバーからバーへ飛び移るところなども確実にこなして最後の高いゲートをよじ登り、ゴールボタンを叩いて空高く蒸気を吹き上げる。凄い!! いずれ日本の元祖「サスケ」への登場を期待。

◯ MacOS 10.10 Yosemite その後

Yosemite になってから使えなくなったアプリは私にとって唯一 TotalFinder です。これはMacOS 標準の Finder を拡張したもので、便利にしていたのは Finder を自分で設定したキーで開閉できること。もうひとつは Finder を左右二つの画面に分け、左画面のファイルを右画面へ drag and drop でコピー・ペーストできることでした。

ところが Yosemite になってから TotalFinder が使えなくなってしまい、しばらく不自由していましたが、「そろそろ対応したかな?」と調べてみると早くも Yosemite 対応版がダウンロードできるようになっています。偉い!!

まだベータ版のようですが、早速ダウンロードして使ってみたところ、今のところ問題なく動いています。これで便利になりました。

その他には Yosemite になって変わったところは見当たらないのですが、心なしか最近 OS が重くなったような感じも。主な原因は電子カルテが Web アプリなもので、ブラウザーで沢山のタブを開きっぱなしにして使っているためと思うのですが、それにしても以前より重くなったのではないかな?

OS アップグレードに伴いよくある変化、メモリーを前より贅沢に使うようになったのかも。そろそろ診察室の iMac のメモリーも 4GB から 8GB に上げなくちゃ駄目かな、、

ということで、早速メモリーを8GBにアップグレードすることにしました。Amazon で探すと8GBで1万4千円弱、メモリーも随分安くなって助かります。やがてメモリー到着、早速入れ替えました。iMac のメモリー交換は極めて簡単。画面底面のネジ1本を外すだけでメモリー・スロットが現れるので、古いのを抜いて入れ替えるだけ。

その効果は如何に。再立ち上げしてみると、画面切り替えなど以前よりずっとスムースに動作します。再立ち上げ直後はまだメモリーをガンガン使う状態ではないので、これでちょっと様子を見てみましょう。ああ〜 Pinterest でどんどんページめくりをしてゆくと、スクロールがトロくなりますね。ということは、これって沢山の写真をメモリー上に記憶しながら処理しているんだろうなあ、、

あとで「シマッタ」と思ったこと。「もしかして 8GB 2枚という手も、、」と調べてみると、値段はそう大きく変わりません。それなら 16GB にしとけばよかった。

今月は Pinterest と録画参照にハマって、コラムの書込みが少なくなりました。

<2014.10 人生の節目となる瞬間 | 2014.12 さらさらと時は流れて>

早朝の散歩道 林試の森を抜ける:iPhone 6 になって写真の画質に趣がでたようです

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です