わーくすてーしょんのあるくらし ( 369 )

大橋 克洋

katsuhiro.ohashi@gmail.com

2024.02 あり得ないほど素敵なことって

2月5日、東京にも大雪警報。それほどは積もらなかったけど、、

○ あり得ないほど素敵な出来事って結局あり得ないのよ


この言葉は、富豪ドディ・アルファイドが婚約者アニー・カルドーネ゙からダイアナ元妃に鞍替えした時、アニーがダイアナに言いたかったこと。

私の人生においても「これは、まるで天国のような、、」という思いをしたことが2度ほどありました。しかし、こんな生活が長続きすることはまずありません。いずれも、思いがけぬことから儚く消え去り、元の生活に戻ってしまいました。「とても素敵な夢をみた」と思うことにしています。でも、実体験としてそのような時間を送れたことは良かったと、、

現在も夢は追っています。私の大好きな建築家の夢を追って住宅設計を楽しみ、割箸建築として形あるものにしているのもそのひとつ。世の中には嫌なことや辛いこと、憤りたいことはいくらもあります。しかし1度しかない人生、できるなら楽しいことに眼をやりましょうや、、

○ 今月の割箸建築

左棟:上部はリビング・ダイニング、中部はキッチンとその左がパントリー、下部の緑は植栽

左棟と右棟を繋ぐ部分:上部は植栽、中部は廊下・玄関

右棟:上部は個室3室、中部は廊下の下に家族用玄関、トイレ、ランドリールーム・洗面、浴室、下部の緑は植栽

今まで設計してきた住宅の中でもかなり気に入った設計ですが、リビング・ダイニングが3方ガラス張りなので暖房効率を上げるにはコストがかかりそうなのが難点。周りに緑の多い環境であれば癒やしの眺め、気候の良い頃にはガラス戸を開放でき、かなり気持ちよさそうなのだが、、

○ 今月の歩術


昨年暮れの白内障手術に伴う2週間の運動禁止の影響がまだとれません。若い頃ならどうってことないんでしょうが、80歳を過ぎるとちょっと身体を動かさなかっただけで確実に筋力低下が進み、その回復には多くの努力と時間を要するようになります。

そんなことで、2月になってもまだ体力は回復せず、早朝散歩も多いときで4キロ少々。今日はちょっと距離を延ばすぞと思って家を出たのに、1キロも歩かないうちエンジンとサスペンションの能力が落ちてきて経路をショートカット、2キロ弱で帰ってきてしまうこともしばしば、、

このコラムを読み返してみると、数年前にも「脚力が低下していたが、それも回復してきて6キロ歩いても物足りなくなってきた」と書いているので、年齢的に以前ほどまではいかなくとも、ある程度は回復可能と思っています。

少しでも足腰を回復させようと、時々自室でスクワットを行ったりしていますが、絶好調の頃のように「やる気満々」とはいかないのが、、困ったもんだ。

○ 今月のあれこれ


進む異常気象の影響で、2月というのに5月 GW の陽気があったかと思えば、あっという間に気候は急降下して強い北風の吹きすさぶ真冬の天候。昨日も街はめっちゃ寒かった。私は今のところ花粉症はありませんが、花粉に悩まされる人も少なくないようです。現在、日本人の2人に1人は花粉症だとか。昭和末期まで花粉症なんて言葉もなかったのに、どうしてこうなってしまったんですかね。

ロシアのウクライナ侵攻、昨年夏ごろから反転攻勢でウクライナは一部地域を奪還しましたが、大統領選を控えた米国でウクライナ支援の追加予算が止まる状況となり武器弾薬の欠乏から今度はロシアによる一部地域の奪還がありました。もしプーチンがウクライナを手の内にすることになれば、「常識外れのならず者国家」が世界に公認されることになってしまいます。今後の動向が心配。一方でイスラエルによるガザ侵攻もそろそろ終盤かと思われますが、一般市民を死傷させることのないようにとの世界の声に耳を傾けることなく、貧しく苦しい生活を送っているガザ市民を無慈悲に虐げつつ戦況は進んでいます。

米国やロシアの大統領選が近づいてきました。プーチンの再選はほぼ確実のようですが、問題は米国。現在、有力候補は共和党からトランプ、民主党からバイデン。バイデン氏は私と同い齢ですが、ここのところ老化現象が目立ち支持者であっても不安を抱く状況。一方、多くの裁判を抱え常識的にはどう見ても大統領に相応しくないはずのトランプ氏が強引に進みつつある。現在は「もしかしたらトランプ」が「ほぼ確実にトランプ」に変わりつつあるという意見も。そうなればウクライナ支援が完全にオフになるだけでなく、米国だけでなく世界は色々な面で悪い方向へ進むに違いない。

その他にも、中国の習近平だとか北朝鮮の金正恩だとか、現在の世界には問題児の勢揃い、うわー、どうなっちゃうのかなー

同い齢といえば、女優の山本陽子さんが熱海の自宅で亡くなりました。数時間前まで知人と普通に過ごし、原因は急性心不全とか。彼女の誕生日は私の生まれる6日前で全くの同年代。元気に生涯を過ごしフェードアウトするのは私の理想だなあ、、

中国の貧民撲滅政策


ウイグル自治区の広い草原で羊の群れを飼いながら生活をしている遊牧民のドキュメンタリーを観ました。夫婦と娘さんの3人で羊を飼いながら生活してきました。暮らしはとても裕福とは程遠いものですが「ここには美しい自然、綺麗な空気、必要最小限 生活に必要なものがある。幸せ」と言っていました。衣服以外ほとんどのものは自給自足しているのだと思います。ところが、この生活も今年限りなのだそうです。国のお達しにより来年から遊牧は禁止。「娘はこれから都会の大学へ入ることになるが、教育のない自分たちはこれからどうやって生計を立てていけば良いか」と不安で一杯の様子。観光客を誘致するため、一部の地域にホテルや飲食店など大きな遊興施設をつくるのだそうですが、私にはなぜ遊牧生活が駄目なのかわかりません。習近平は中国を一流国とするため貧困撲滅政策をとっており、貧しく見えるものを中国から一掃しようという一環なのでしょう。

以前あった衝撃的なできごと。中国ご自慢の新幹線が高架から脱線墜落する大事故がありました。ニュースを見ていると事件現場後方に動めく重機の姿。何をやっているんだろうと思っていましたが、後日知ったのはあろうことか重機で大きな穴を掘り事故を起こした新幹線を埋めてしまったとか。詳細に事故原因を調査することなく「無かったことにしよう」これが中国お偉いさんの発想のようです。怖いですねえ、、

他の番組、人里離れた山岳地帯で弓矢で狩猟をする少数民族が「国の政策で麓の町の集合住宅へ移住させられることになった」と仲間と最後の狩猟の旅へ出る様子を追っていました。その数カ月後そこを訪れると彼らの貧しい小屋は取り壊され、彼らはその建材を業者に売って引越費用に当てようとしていましたが、業者から散々買い叩かれていました。本当に気の毒なことです。彼らに当時の感想を聴くと「ここでは何でも自分でそろえることができ、とても幸せな生活だった。これからどうやって食っていけばよいのか」。結局、習近平のやっていることは貧困から救うことではなく、幸せな生活を送っていた人民をそこから無理やり引き剥がし不安な生活に叩き込むことでしかない。結局目的は人民ではなく、自分の立場をよくしようということが明白。

観光客にとって非日常な遊牧生活こそ、観光の目玉でしょうに。貧困とは外見上の貧しさではなく心の中。このような政策を進めるものこそ、いかに心が貧しいか。幸せとは、他人が外見で判断できるものではない。身の回りの生活は乏しくとも日々幸せに暮らしていたのに、文明と称するものが持ち込まれたゆえ消え去っていった幸せな生活は世界にどれだけあったことか、、世界でもっとも幸せ度の高い国といわれたブータンも、経済発展なるものが持ち込まれた現在、その幸せ度は決して高くはないそうです。

林試の森の河津桜、月末やや葉桜ながら まだ綺麗に咲き誇っていました