2018.09 酒は健康のバロメータ

わーくすてーしょんのあるくらし ( 307)

2018-9 大橋 克洋

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◯ 酒は健康のバロメータ

この言葉の本当に意味するところは「酒は百薬の長ではなく、健康だと酒が旨い」ということですが、一方で「健康に問題があると酒を止めなければいけない」ということも言えます。

先月中頃から右足母指の爪の下から発生した炎症がなかなか治まりません。知らない間に足先をぶつけたらしく、気がつくと母指爪の付根の下に大きな内出血。爪の成長とともに先端に移動し数ヶ月で血豆は消失したのですが、内出血が爪の付根に発症したため以後の爪の発育がねじくれ凸凹の爪となっていました。これもいずれ爪の成長とともに消えていくはずと余り気にもとめなかったのですが、ある日気がつくとその爪周囲に炎症。ねじくれた爪が原因と思われます。

これが1週間を過ぎても治まらず抗生剤を服用。小康状態で抗生剤を中止したのがまずかったようで再び炎症が進み、やや歩行にも支障。「こりゃ、やはり外科か」ということで、近所の呑み仲間、外科のK先生を受診。出掛けに家内から「きっと切られることになるから、靴が履けなかったら電話頂戴。サンダル持って行くから」と言われました。

昨日に比べ炎症もややひいており「切開せず抗生剤で様子を見る」を期待していたのですが、流石に外科の先生、見るなり「ああ、こりゃ切らなきゃ駄目ですね」。ベッドに横になり親指に局所麻酔、爪の一部を切除してもらいました。覚悟していましたが局所麻酔の針の最初の一撃の痛いこと、戦闘機紫電改の菅野直大尉が傷を縫合してもらうのに「麻酔などいらない。そのまま縫ってくれ」と歯を食いしばって耐えた姿を思い浮かべながら我慢。最初の一撃が終わればあとは麻酔の効いたところから麻酔範囲を広げていくので何ともなし。景気よく爪が切断されるのを感じる。消毒し包帯を巻いて終わり。何とか靴を履いて帰れました。その後は、やはり嘘のように楽になりましたね。

処置を終え、呑み仲間のK先生「しばらくお酒は控えてください。無理かな?」とニヤリ。いやいや、私は患者としてはお手本的に素直。普段晩酌は欠かさないのですが、1週間ほど断酒することにしました。前置きがやたら長くなりましたが、このように身体に支障があって酒を呑むか飲まないかも健康のバロメータ。

それはそれとして「お酒が美味しいなあ」と感ずる時は、体調が非常によろしいということ、この気持はたまらんですね、、

◯ 今月の脳トレ

先月は久しぶりのコンピュータがらみのトラブルを書きました。これで一件落着と思っていたら、思いがけず今月に入っても、、

先月直した帳簿アプリを快適に使っていたのですが、月が9月に変わり新たに9月のページを開こうとすると、あれ?何度やっても開きません。まだ先月の DB 仕様が変わったことによる問題があったようです。ちょっと原因を調べてみましたが、簡単には行き当たりません。その日は深追いせずやめてしまったのですが、翌日本腰を入れて原因を調査。

ようやく解ったこと。やはり DB の仕様が変わったのが原因でした。DB にデータを挿入する時、今までは当面必要のないフィールドは無視してよかったのですが、今度は不要なフィールドであっても無視せず、例えば空白とか NULL などを明示的に挿入しないとエラーでコケてしまうのでした。仕様がアップグレードするに伴い、扱いが厳密になるというのはよくあることですが、ここは今までの仕様でも良かったと思うんだがなあ、、

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診療所は閉院しても C 会員として医師会にとどまっています。情報システム委員会では、今期リプレースする医師会の経理システムや文書管理システムの業者選定をやってきました。昨今、当地医師会が IT 関連にかけている経費は私が担当副会長をやっていた頃とは比較にならないほど高額。私が担当していた頃、医師会財政が逼迫していたこともありますが、知恵を絞って最小限コンパクトかつ実用的なシステムの予算を提示しても「それは高い」と一蹴されていたのですが、現在はそれを遥かに上回っていても誰も問題視しません。今回の委員会ではこれら無駄な経費を大きく削減すべく、何度か提言を行ったのですが理解されなかったようです。いつもながら、自分自身の「説得力のなさ」にはホトホト嫌になります。最終的に自説を強引に通すことはしませんでしたが、内心つぶやいたのはガリレオの「それでも地球は回っている」。それが理解されるのは私が居なくなってからでしょう。

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さて、話は変わって、、高校時代から大好きな趣味、住宅設計を続けています。何ヶ月も推敲を繰り返し仕様が固まると、割箸建築で模型を作製し色々な角度から眺めるのを楽しみにしていますが、数年前使っていた Google 提供のアプリ SketchUp を使ってみたくなりました。こいつは非常に優れもので、綺麗な3Dの立体図形を作ることができます。通常このような CAD アプリはやたら高額なのですが、SketchUp には無償版があります。

数年ぶりに SketchUp アプリをダウンロードしてみました。使い方を忘れてしまっているところも多かったのですが、しばらくするうち使えるようになってきました。使い方は比較的容易とは言っても、詳細な3D立体図を作ろうとすると結構根気が要ります。それでも、こういう作業って本当に楽しいなあ、、

◯ 今月の歩術

家内は娘とともに毎日午後や夜間、犬の散歩にでているのですが、最近急いで歩いて股関節を痛めてからは、娘の歩度についていけないので散歩に出ないと言います。私は家内たちと一緒では歩度が違い過ぎかえって疲れてしまうので、早朝一人で散歩にでていたのですが、家内が足腰を使わないのは絶対に良くないとの考えから、朝家内を誘って一緒に散歩に出るようになりました。

家内の下肢を傷めぬよう家内のペースに合わせて歩いています。二人だと色々と話しをしながら歩くので、比較的ゆっくりのペースでもいつの間にか距離を歩けます。ただ、自分としてはこれだけでは物足りないので、家内との散歩の前、早朝ゴミ袋をマンション前に出すついでに自分のペースで軽く一歩きしてくるようになりました。

しかし散歩の後はずっと書斎に座って TV などを見ている時間が長く、運動不足は否めません。身体も強張ってしまいます。そこで、極力軽いストレッチをしたり、八卦掌で書斎の中をグルグル歩き回るよう努めています。

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運動とは逆の話ですが、歳のせいか睡眠時間が短くても朝定時になると目が覚めてしまいます。そうなると眠ろうとしても駄目で、そのまま早朝起き出し日課通りに過ごすのですが、好きな番組なのに観ているうちどうしようもなく眠くなり、TV を観ながらいつの間にか眠り落ちていたり。そのような時は無理せず30分ほど書斎カーペットの上に横になって仮眠することにしました。これも健康法のひとつ。

日本産婦人科医会の幹事をしていた頃、北海道の開業の先生を訪ねた時、この先生は妊婦水泳プール施設を持ったり精力的な方だったのですが、夕方近くになると診療をしていても患者さんと話をしながら眠ってしまうことがあるとおっしゃっていました。まだ40歳代だった私は「へえー、そういうこともあるのかな」と思っていましたが、今では納得の話です。何度も書きますが、自分の歳を認めるというのは(内心)本当にイヤですねえ、、

◯ クライミング

私はへそ曲がりなので、多くの人が好きなスポーツには余り興味がありません。ゴルフ・野球・サッカーなどなど。高校時代は体操(競技)にハマっていました。体操も東京オリンピックで小野選手や遠藤選手が活躍してからは日本選手が強くなり多くの人に認知されるようになりましたが、私が高校の頃にはマスコミの話題になることもまったくなく、もっと体操の情報が得られるようになると良いなと思っていました。そして大学では馬術部に入り、馬術にハマりました。

最近ではこのコラムにも度々取り上げてきたように、バレーボール、ラリーなどにハマっています。来年、WRC:世界ラリー選手権の競技の場として日本も入るようですから、そうなるとラリーの認知度も上がるかも知れません。

これら私の好きなスポーツに最近加わったのがクライミング。登る壁面は垂直でなく、上の方が手前にオーバーハングしているので、指先を主体とした全身の強靭な筋力と持続力が必要になります。中でも指先や爪先がやっとかかるほどの壁面の小さな突起を頼りに登っていくボルダリング競技は、数年前から日本選手が活躍していますが、再来年の東京オリンピックに正式採用になったクライミングは、これにスピードとリードの2種目が加わるそうです。ボルダリングは地上4、5メートルのゴールを目指し、床に柔らかなマットを敷き詰め落下しても安全なところで行うフリー・クライミングですが、リード・クライミングでは山岳地帯の絶壁を登るように壁面の要所要所に設置されたカラビナに腰のザイルを通しながら、地上12メートル以上のゴールを目指し登ります。スピード・クライミングでは地上15メートルにゴールがあり、頂上から吊るされたザイルを腰に結び、いかに短時間でゴールまで登り切るかを競う競技です。そしてこれら3種目の総合結果を争うのがコンバインドという競技、水泳競技のメドレーのようなものですね。

クライミングの国際競技では男女とも日本選手たちが上位を占め、放映を楽しみに観ています。高校時代は体操の鉄棒が得意で、手さえ掛かればどこにでも登れるのが自慢でした。あの頃クライミング競技があれば、きっとハマっていたに違いありません。今はどのスポーツも鑑賞するだけ(ウオーキングと中国武術:八卦掌だけは実技を主としています)。

◯ 天変地異

今月初め、その脅威をあらかじめ予報されていた台風21号が四国から上陸し中国地方を舐め関西地区に至り、風水害の甚大な被害をもたらしました。予報は大きな風水害を予想させるものでしたが「事前にこのような報道があるにもかかわらず、避難が遅れたり避難しないための甚大な被害が出るのではないか」危惧していました。不幸にもそれが的中。台風はさらに日本海を通過し北海道に至る頃、風速は減衰していたようですが雨量はさほど衰えていなかったようです。

関西地区における死傷者・行方不明者や家屋の損壊などがマスメディアを賑わす中、21号の去った直後の深夜、北海道を強い地震が襲いました。震度7という北海道にとっては過去数十年経験したことのない地震で多くの家屋の損壊はもちろん、各地で斜面の地崩れが頻発。被災地の映像を見ると、雪崩が起こりやすいとは思えぬ緩い傾斜面なのに裾野遠くまで土砂が流れ落ちています。震源地周辺はもともと火山灰の降り積もった滑りやすい土地だそうで、雨台風で十分水を含んだこの地面を強い地震が数十秒揺さぶったため、山の斜面を覆う木々もろとも流れ落ちたようです。いわゆる表層雪崩に相当するもの。液状化現象により多数の建物が大きく傾いたり、地面に沈み込んだ地域もみられました。

震源地近くの原子力発電所が北海道全域の電力網のメインを司っており、地震によりこれが自動停止したため、他の原発の電力供給もこれに引っ張られて停止。これにより北海道全域が停電、すなわちブラック・アウトという未曾有の現象が発生しました。こういうこともあるんですね、今後への大きな教訓となることでしょう。

それから間もなく、今度は米国で強大なハリケーン「フローレンス」が米国南部に向かっているとの予報。このハリケーンは太平洋の21号よりさらに強大で、人工衛星から見てもカメラを広角にしなければ全容が収まらないほどの大きさ。上陸予想地区では、窓に大きな合板を打ち付けて塞いだり住民の遠隔地への避難がされたようです。ハリケーンは上陸後に風速は衰えていったようですが、ハリケーンの陰圧により吸い上げられた海面の水位が上がり高波の被害で水没した街の様子が報道されました。上陸地では強い風速により、考えられないような巨木が根本近くでポッキリ折れ住宅に倒れかかって、母親と乳児が亡くなったとの報道もありました。

かつてなかったような天変地異が地球上を襲っています。これらは地球温暖化の影響で、その元はと言えば人類による CO2 排出量の急速な増加と言われています。これには反論もあるようですが、まったく影響なしとは言えないでしょう。幸か不幸か私自身はその更に大きな影響を経験する前にこの世からフェードアウトしているはずですが、子孫たちがそれに耐えていけるのかどうか心痛めるところです。

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武蔵小山駅前に建設中のタワーマンション

今月は31階まで成長し 大分遠方からも望めるようになりました。

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です