2018.02 東京にも雪

わーくすてーしょんのあるくらし ( 300 )

2018-2 大橋 克洋

昨年から予想していたことですが「今年の冬は寒くなるだろう。雪もしっかり降るに違いない」と。案の定、1月にはしっかり雪が降り積もりましたが、2月に入ると早々に再び雪の予報。1月ほどではなさそうですが、午前中降り続くとのこと。朝の出勤時間帯を直撃するので通勤の方は大変。都心では積雪 5cm の予想ですが、これでもニュースでは「都心も大雪の予想」。5cm で大雪かあ、九州でしっかり降雪があっても東京だけは降らないことが多く、本州で一番降雪の少ない東京、かなりヤワですね。

1日の昼頃から振り始めた小雨は夕方にはチラチラとミゾレになってきました。夜半から雪になり2日の昼頃まで少しずつ降り続くという予報。2日の朝には雪の中の散歩ができるかなと期待していたのですが、夜が明けてみると地面にまったく積雪なし。フード付きダウン・ジャケットとトレッキング・シューズの完全装備で早朝散歩に出てみました。歩き始めの頃はわずかに雨のような感じでしたが、途中から小雪がちらつき武蔵小山駅のあたりの舗道はうっすら白い雪化粧。しかし殆どの所では降った小雪も溶けて路面を濡らすだけ。交通障害などの心配はまったくなさそう。完全装備の必要はありませんでしたが、でも装備は暖かかった。

ちなみに、上の写真は1月の降雪。これでも東京には珍しい雪景色。正面の富士山は雲に覆われています。

< 2018.1 いつまでも青春 | 2018.03 人生はポジティブ思考で >

◯ このコラムも記念すべき300回

このコラムも記念すべき300回となりました「継続は力なり」という言葉があります。コラム開始から数えれば31年1ヶ月なので、毎月几帳面に書いていれば370回以上になるはずなのですが、初期の頃は月刊誌へ掲載しており、掲載誌が次々と廃刊になったりを繰り返したこともあって最初はしばしば空白の月があったためです。

しかし2003年からは雑誌でなく Web で公開するようになりました。まだ blog のなかった頃の blog でした。雑誌掲載の頃は編集部からの締切に間に合わせなければいけないということで、強迫観念に迫られながら書いていたのですが、Web になってからはあくまで自分の自由意志となり幾らでもサボることができるため、自分で自分の尻を引っ叩く必要がでてきました。そうして書いているうち、毎月書くことにプレッシャーより楽しみを感ずるようになり、こうして続いています。ということで、毎月休まず書き続けるようになってからは15年目ということになります。

この辺は面白いですね。毎日ほとんど欠かさず続けている早朝散歩も同じです。最初は義務感もあってやっていたのですが、そのうち毎朝歩くのが楽しみになってきました。今月は平昌で、楽しみにしていた冬季オリンピックが開催されています。私の原稿書きや早朝散歩に比べると、オリンピックのアスリートなどの環境は比較にならぬほど過酷なはず。しかし彼らもそのような生活を続けているうち、自然とそれが身体に馴染んできて続けることに楽しみを感じてくるのかも知れません。それでこそ「継続は力なり」という言葉の意味と合致することになるのでしょう。なるほど、、

◯ ふたたび 幸せとは

以前にも「幸せとは」について書いたことがあります。この命題は人生において大切なことなので、繰り返しになりますが再び載せることにしましょう。今回は「Quora」というサイトで「自分らしく生きることと、人間らしく生きることのあなたの考えを教えてください」という問いに対し ある方からの回答 です。

人の一生のあるべき本質は、その利潤や名誉ではなく、一生健康に育ち、学び、働いて、自己の可能性を尽くし、社会のために可能性を使い果たして、果てる事である。

3年暮したブータンの幸福感の基本は、自給自足と地域コミュニティの共同体(助け合い)の尊重である。この条件において、日本人の考えるような「貧困」の概念は存在しない。首都からバスで3日かかる、標高2400mの第4行政区役所から、標高1800mの間借りしている農家まで3年間、毎日通う途中、野良仕事をしている農夫に、目の前の野菜を「売ってくれ」と頼んで、一度としてお金を受け取ってもらえなかった(それどころか食事に招かれた事も度々)。

相手に喜んでもらう事が真の報酬なのだ(拝金主義化した今の日本人には理解できなくなったようだが)。

この回答に私はまったく同感です。別の角度から言えば「足ることを知る」「自分に相応しい最小限のものに囲まれて生きること・少しでも他人の役に立つよう心がけること」こそが「幸せに生きるためのコツ」だろうと思っています。しかし若い頃にはなかなかこのような考えには至りません「もっと自分の可能性を試したい」「もっと外の世界を見たり経験したい」という欲求が高いからです。それはそれで良いのでしょう。そのように色々探検や冒険、挑戦をしてみた上で、ある年齢に達したら本当の幸せについて考えるのが現実的かなと思います。で、「ある年齢って何歳から?」という問に対して、一昔前なら30から40代くらいかなと思いますが、寿命の延びた現在では50代あたりからでしょうか。

◯ 今月の歩術

2月も下旬に入ると、日の出がだいぶ早まってきました。これまで6時ちょっと過ぎになってようやく東の空がほのかに明るくなっていたのが、6時にはもう完全に東の空が白んでいます。今年の冬は例年より気温が低く、歩いていても涙と鼻水がでてきてかないません。ポケットティッシュでは何枚も必要になるので、最近はペーパータオルの畳んだものをポケットに入れていますが、これでも多い時は2枚使ってしまうほど。

昨年までは冬場でも軽く袖をまくった厚手スポーツシャツにダウン・ベストで通したのですが、今年は暮れのうちからダウンのジャンパーになっています。これは今年の気温の低さだけでなく、耐寒能力が落ちたということもありそう。年齢的なものの他、昨年6月で診療をやめ半袖白衣の生活から長袖にカーディガン姿になったこと、そして動き回ることが少なくなったことなどによるのだろうと思います。

歩きの方はというと、月に2,3日ほど寝坊をして早朝散歩をさぼってしまうこともありますが、ほぼ毎日歩きに出ています。同じコースを歩いてもつまらないので、昨日は東、今日は西と、その日の気分で自宅を中心とした色々な方向へ歩きに出ます。歩き始めの1キロほどスネ前面に緊張感が出ることが最近多いのですが、何か歩き方に問題があるのかなと思っています。先日TVで誰かが「歩きに出る時は両足の親指を強く意識すること」と言っていましたが、私はそのまったく逆「いかに足底を脱力するか」「足の指の力を脱力し踵だけで歩く気持ち」、別の例えをするなら「あやつり人形のように足に力を入れない歩き」を目指しています。

五輪女子フィギュア、メドベージェワの演技を観ていると身体の動きが非常に滑らか。飛び跳ねても着地のショックがまったく感じられない。歩術にもあの身のこなしを取り入れ、もっと柔らかにを目指そう。

◯ WRC スゥエーデン

WRC:世界ラリー選手権、今月はスゥエーデンで年間唯一のスノー・セッション。これはトヨタ・チームがもっとも得意とするところ、昨年はトヨタのラトバラが優勝しています。先月のモンテカルロで見せたパフォーマンスからすればトヨタの圧勝も期待されました。ところがところが大外れ。必ず上位にいるはずのタナックもずっと下の方、ラトバラも同様。ラッピは一時上位につけていました。先月上位を占めたフォード勢もまったく振るわず、あの王者オジェでさえもトヨタ勢より下位。そして先月まったく振るわなかったヒュンダイが圧倒的な成績で一時は1位から3位までを占めました。次につづくのが最近ふるわなかったシトロエン勢。

すなわち先月のモンテカルロの勢力地図がきれいに逆さまになったわけです。その理由は明快。現在のルールでは出走順が前回もっとも成績の良かったものからとなっているのですが、20年ぶりの降雪と言われる今年のスゥエーデン、最初から数人の走者は深い雪を掻きながら走ることになります。従って俊足を誇るオジェやタナックも、今回はまったく成績を残せない。そしてモンテカルロで不運にも成績の延びなかったヌービルやミケルセン達は、早い走行順の車が除雪してくれた道を思いっきりかっ飛ぶことができたと言う訳。

私イチ押しのトヨタのラッピの追い上げはめざましかったのですが、最終的に4位と表彰台を逃しました。第2日目に雪の側壁に突っ込んだタイムロスさえなければ、表彰台間違いないところだったでしょう。それにしても大分路面から雪の少なくなった最終日、スペシャル・ステージではトヨタのラッピ・タナック・ラトバラが上位を占めました。発走順の問題さえなければトヨタが期待通りの成績を収めたはず。次回以後に期待しましょう。十分期待に応えてくれるはずです。

◯ 平昌オリンピック

楽しみにしていた冬季オリンピックが韓国の平昌(ぴょんちゃん)で始まりました。フィギュア団体の初戦で宇野昌磨が1位と幸先良いスタートでしたが、その後が思うように続かず前回五輪と同じ5位だったのはちょっと残念。フィギュア部門得意な日本ですが、ペアについてはまだ始めたばかりに近い日本ですから、ある程度やむを得ないのかなと。日本もペア競技人口がもっと増えてくると良いですね。楽しみにしましょう。

屋根のない開会式会場は寒さ対策が大変とのことでしたが、幸い当日は雪や強風もなかったようです。開会式自体も IT 機器を使いこなし、なかなかセンスよく構成されていました。終盤、美しい宮廷衣装(でしょうか)を着たオペラ歌手(でしょうか)の歌も素晴らしかった。という具合にとても好印象の開会式だったのですが「こんなにセンスの良い開会式を構成できる韓国、その国民性(特に国際的な面)もセンスの良いものだったら素晴らしいのにな」とつくづく思ったものでした(日本との間に交わした国際的約束を平気で反故にしたり、自国がベトナム戦争で行った証拠歴然の酷い行為などはまったく認めないのに、日本に対しては確たる証拠もないのに誇大に喧伝した事柄をもとに執拗に金銭をせびるなど、見下げ果てた国際センス)。

日本勢、モーグルやスノーボード、ノルディック複合、女子ジャンプなどで少しずつメダルを獲得していますが、残念ながらまだ金はありません。女子スピードスケート1500m で高木美帆が銀を獲得したのに続いて、1000m では小平奈緒・高木美帆の二人が銀・銅を獲得、二人で日の丸を背負ったウイニングラン、やはりいいですねえ、、日の丸は美しい。それにしてもオランダ勢、特にスピード・スケート部門ではめちゃめちゃ強く表彰台をオランダ勢だけで独占することも。国を挙げてスケートに力を入れた成果なんでしょうね。

日本国民期待の男子フィギュア、足の大怪我を克服しての羽生結弦、その前に滑走した米国や中国の選手がかなり高い得点を叩き出したので、金をとるには一つでもコケたらおしまいだとハラハラ。しかし、羽生選手ちょっとハラハラさせるところはあったものの、期待に違わぬ素晴らしい動きで2位以下をぶっちぎりの高得点。そして最終演技者は宇野昌磨、一発目の4回転でコケたものの以後はほぼスムースにこなす。果たして得点はと固唾をのむ。出た得点は何と羽生に続く2位。これで日本は羽生、宇野がワンツーで金銀をゲット。日本人の誰もが最も期待していた結果になりました。3位は羽生と同じコーチの下、兄弟弟子のフェルナンデス。喜び合う羽生とフェルナンデスの隣で、銀の昌磨君なにか置いて行かれたようでちょっと可愛そうな場面もありました。プログラムの技術面では、宇野昌磨がパーフェクトに演ずれば金の可能性もあったようです。実際、技術点では宇野が羽生を上回っていました。しかし何と言っても羽生の出来栄え点はダントツに高く、これが勝敗を分けたようでした。4年後の昌磨君にはぜひ金を摂って欲しいなあ、、

表彰式会場に翻る2枚の日の丸と国家を楽しみにしていたのに、その場面は放映ではカットされていました。自国の国旗・国家の晴舞台での栄誉を楽しみにしていた人は多いはずですが、これって意図的なものだとしたら、それはどういう意図?

さて、これも期待の女子スピード・スケート、高木美帆と小平奈緒が複数種目で金銀を幾つも獲りました。やはり日の丸を背負ったウイニングランに感激するとともに、白地に真っ赤の日本の国旗、つくづくシンプルで美しいデザインだなーと感激ひとしお。小平が病院に勤めていることにも親近感が湧きました。

そして女子団体パシュート、予想外のトラブルなく順当に行けば日本優勝が期待されます。結果は期待に違わず日本チーム快走、オリンピック新記録で強豪オランダを破り堂々の優勝、金メダルをゲットしました。出場は高木美帆・菜那姉妹と菊地彩花、佐藤綾乃。高木美帆はこれで金銀銅の三メダルをゲット、素晴らしい。

フィギュア女子の第1日目ショート・プログラム。宮原知子・坂本花織ともに自己ベストを記録するパーフェクトな演技をしましたが、予想通りロシアのメドベージェワがひとつ飛び抜けた演技、続くロシアのザギトアがさらに高い得点、続いてカナダのオズモンド。残念ながら宮原・坂本は4位・5位。

第2日目フリー、宮原がパーフェクトな演技で自己最高記録を更新、坂本もほぼパーフェクトに近い演技でそれに続く。ザギトアは予想通りまったく危なげない演技でダントツの高得点。ここで日本中が固唾を呑んだであろうことは、カナダのオズモンドの得点。これにより宮原が銅メダル獲得かどうかが決まる。オズモンドに小さな失敗はあったものの素晴らしい演技、残念ながら僅差で宮原を越える。次の関心は最後の演技者メドベージェワの得点がザギトワを越えるかどうか。メドベージェワの演技、期待に違わぬ素晴らしいものでしたが僅差で届かず。ザギトアが金、メドベージェワが銀、オズモンドが銅。宮原4位、コストナー5位、坂本6位という結果でした。

女王メドベージェワも素晴らしかったですが、それを僅差で抜いたザギトアの姿はどう見ても15才の中学生には見えませんでした。ザギトア、メドベージェワの演技ともに何度見ても見飽きない演技なのは凄い。繰り返し二人の演技を見て思ったこと、メドベージェワの個性的で柔らかな演技を観ていて実際には彼女の方が上手と思いました。ザギトアが全てのジャンプを高い得点の取れる後半にまとめてきたのに対し、メドベージェワは前半にもジャンプを入れてしまったことがメドベージェワの主な敗因ではないでしょうか。

またコストナーは30歳を越え、ザギトワの倍以上生きてきて往年の完璧さは難しくなっていますが、それでも平均年齢19才の中で世界ベスト5の実力を保っているのは凄いですね。

上位3人は夫々の世界を演出していました。安定感と正確さでは抜群だった宮原が勝てなかったのはそこのところでしょう。浅田真央を思い出してみると、彼女は観客を「真央の世界」に引き込んでいました。今後もやるき満々の坂本には「会場を花織の世界に引き込む身のこなし」を是非身につけて欲しいと思います。高橋大輔もその点においては世界一級でしたね。

女子マス・スタート、初めて見るスピード・スケート種目です。高木姉妹の姉、高木菜那がオランダ選手をマークしぴったり着くという作戦、ゴール直前でオランダを交わして先行し金メダルをゲット。高木をぴったりマークしていた韓国はラストスパートで高木を抜けず銀。オランダは銅でした。金の高木と銅のオランダが表彰台で笑顔だったのに、銀の韓国にはまったく笑顔なく うつむき気味だったのが対照的でした。

< 2018.1 いつまでも青春 | 2018.03 人生はポジティブ思考で >

女子団体パシュートで金

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です