2011.12 沈鬱だった 2011 年ももう少し

わーくすてーしょんのあるくらし ( 226)

2011-12 大橋 克洋

昨夜来の北風で空中の塵が吹き飛ばされ とても気持ちよい日曜の朝

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◯ 今年の天候

ここ数年、天候が非常に不安定ですね。今年は春になってもなかなか気温が上がらず、いつもコートを脱ぎ捨てていた3月になっても末までコートが必要でした。これだけ冬が寒いと夏は逆にクソ暑いかなと思ったのですが、昨年ほどの猛暑でなかったのは幸いです。何せ震災の影響による電力不足で「電気予報」などという言葉も生まれる年でしたから、、

11 月末まで汗ばむような日もありましたが、さすがに 12 月に入るとそれほどの暑さはなさそうです。朝の外気温を見ると一昨日は下がって 8度だったのが、今朝は 4度でした。1月後半なみの寒さとか。先週までは 12度ほどあったのに、もう 4度さがれば氷点じゃないですか。私の観測によればここ数年の外気温、下がっても 0度以下になったのを見たことがありません。つまり 4度は 12月初旬としてはかなり寒いということ。外に出ると肌に触れるのはまさに「雪の明けた朝」の空気。雪の好きな私には、それはそれで懐かしい思いでした。

◯ 今年の脳トレ

あまり良い事のなかった年ですが、ソフトウエア開発の方はバリバリでした。それだけが唯一の生き甲斐ってなもんで、、

電子カルテ NOA、今年は表から余り見えない基本部分の整備が多かったかな。オープンソースにしてから数年、とにかく動くものを作ることに集中してきましたが、ここらで表向きの歩みはそこそこに停め、内部の整備に勢力を注いで行きたいと思っています。そのため先月からこのコラムの更新も大分滞ってしまいました。もっとも気になっていたのが「新規ユーザがもっと簡単にインストールできるようにしたい」ということ。

20数年来の私の信念「電子カルテのレイアウトや使い勝手は、ユーザごとにカスタマイズできるべき」に基づき、NOA のレイアウトは自由にカスタマイズできます。その仕組みをもう少しシンプルにしたい、ということでレイアウトのカスタマイズ・ツール NOADesigner の改良や、電子カルテのメニューバーの設定ツールの改良に努めました。このメニューバーは、ある単純なルール ( API ) に沿ってさえいれば、開発者以外が作った Web アプリケーションでも、ユーザの手で簡単に電子カルテ NOA へプラグインできる柔軟な仕組みです。

◯ 今年の歩術

4月以後は以前のように歩く頻度が減ってしまいましたが、その分、機会あるごとに歩くことにしています。8年近くになる歩術の研究により無駄な力を入れることがなくなったので、いきなり長距離を歩いてもさして脚や身体に負担がかかることはありません。風のように、水が静かに流れるように を心しつつ歩いています。

今年の集大成は先月も書いたように、足の裏をべったり地面につけ「大地の気を脚に感じながら歩く」です。YouTube で収集した八卦掌の歩きを見ていると、まさにその通りの歩きで舞っている老人の姿がありました。比較的派手な上体の動きだけに今まで気を取られていましたが、足の動きを追ってみると現在私が意念しているとまったく同じ。足の裏を柔らかくべったり地面につけ流れるように動き回っています。 このような身体の使い方を身につけると、どんな状況でも非常に安定して動くことができます。 西洋式に踵を浮かした歩き方では、腰をはじめ身体の力を抜く事ができません。そして「静」の安定をとることは難しく、どうしても「動」になって神経やエネルギーが分散してしまいます。

足の裏をべったり地面につけて両脚から大地の気を感じながら腰の力を抜く。上体は浮き草の上に乗ったような、雲に乗ったような感じ。これがしっかり身に付けば、いかなる時いかなる方向へも即座にミサイルを打ち出すことができるというわけ。両足の裏で大地を感ずる身のこなしのトレーニングをすることにより、腰の関節も大分柔らかくなってきたように思います。しかし、まだまだ、、

最近は異常者が増え、昨日も夜間の住宅街、帰宅途中を自宅間近で背後から背中を刺され亡くなった事件が報道されていました。数年前の秋葉原事件のようにダガーナイフを手に前方から襲ってくるのであれば、何とか避けられそうな自信がついてきましたが、後ろからいきなり襲われたのではたまらんなあと。八卦掌の達人「程 廷華」は夜道を歩いていて、後ろから大刀を振りかぶってきた暴漢をやすやすといなし「俺を襲うには百年早い」と言ったそうです。当然のことながら、私には死ぬまで頑張っても無理ですね。達人も言うように「逃げるのが一番」でしょう。

◯ 笑っちゃうほど似ている両方の業界

Cnet Japan の特集記事「理解されない本当の IT 業界 -- ここでの職業が持つ10の短所」を読みました。著者は「億万長者への近道と思って IT 業界を望む人達」を説得するため、この記事を使ってくれと書いています。私も IT に手を染めて30年以上になります「ふんふん、、」と思って読んでみました。こうして箇条書きにされたものを読むと、まさに医療の世界とウリ2つの世界に心の中で爆笑。

幸いなことに私は両分野とも個人の意志で行う自己責任の世界に属しています。組織から受ける大きな制約やプレッシャー少なく、楽しく仕事し泳ぎまわれているのは誠に幸いかなと、、 詳しくは このリンクから原文を読んで頂くとして、簡単にご紹介すると

    1. 労働時間が長い

    2. IT業界で働きたいのであれば、夜中や週末にも働くことを覚悟した方がいい。

    3. [医療] お産をやっていた頃は、陣痛微弱の産婦さんと一緒に夜明かししたことも。

    4. プライベートな時間に邪魔が入る

    5. 彼女と深夜のデートで映画鑑賞中に携帯が鳴り、システム障害に対応する羽目に。

    6. [医療] 結婚式に招待されフルコースを前にナイフとフォークを持った途端、お産のためポケットベルで呼び戻され、それを夢にまで見てしまいました。

    7. 怒り狂った人を相手にしなくてはならない

    8. 連絡してくる人のほとんど全員が問題を抱え仕事にならず動揺している。

    9. [医療] 現代の世の中は産科医に99%でなく100%を求め、結果が悪ければまず訴訟を覚悟

    10. 締め切りに追われることが多い

    11. IT関連の仕事の多くは、締め切りが決まっている。

    12. [医療] お産で突如の出血多量、1秒もおろそかにせず頭の中をクルクル回転させねば

    13. 知り合いが自宅のコンピュータを直せと言ってくる

    14. 私はできるだけ多くを助けようとしている。しかし、時には忙しすぎ手が回らない。

    15. [医療] 判るわかる、、出来る範囲でしか対応できないけれど、、

    16. 始終ウソをつかれる

    17. エンドユーザーはトラブル回避をしたいため、自分が引起こした問題を隠そうとする。

    18. [医療] 妊娠中期を過ぎお腹も大きくなっているのに妊娠を否定する患者さん、うーむ

    19. 常に新しい知識を得る必要がある

    20. 仕事をするために大量の情報を学ぶ必要があり、その情報はすぐに古くなってしまう。

    21. [医療] ちょっと油断していると知らない3文字学術用語が、、

    22. しばしばあり得ないことが起きる

    23. コンピュータシステムは複雑。最善を尽くしても本来あるべき形で動かないことあり。

    24. [医療] もっとも複雑なコンピュータ「人間」、本来あるべき形で動かないことはザラ

    25. 官僚主義に対応しなくてはならない

    26. エンロン事件のような企業スキャンダルのせいで数多くの規制へ対応が必要になった。

    27. [医療] そもそも医療では守秘義務を堅く守ってきたのに、個人情報保護法ができ大変

    28. 自分の仕事は自分を用なしにすることである

    29. 「すべてのことが完璧に動くようにすること」そうなれば自分の仕事は不要となる。

    30. [医療] 健康になれば医者は要らない。外来診療でいつもそのような話をしています。

考えてみれば IT 業界現場の多くは医療と同じ「病んだものを治す」仕事ですものね、、

◯ 違法駐車に悩まされる

大橋医院の玄関は武蔵小山商店街に面しています。商店街のはずれ、一部車道の三叉路で吹きだまりのような場所。 何年か前も書きましたが 医院入口を堂々と塞ぐ自転車群に悩まされています。最近の人達にはマナーのマの字もなく、診療中の医院入口を完全に塞いでしまう駐輪を平気でします。ベビーカーの妊婦さんや、車椅子のお年寄りもあるので、完全な営業妨害。今度はバイク。 仕方なく警察に電話をすると交番からやってきたのは、小柄ないかにも便りなさそうな婦警さん。最近は交番は婦警さんなんですかねえ。

医院の入り口を塞ぐように 2日にわたり横付け駐車されたバイク

見せしめのため ナンバープレートを Web でさらしものに

周囲にはご覧のように 狼藉者の駐輪群も、、

写真は診療終了してから撮影したので玄関のシャッターが閉まっていますが、 このバイクは前日の早朝から2日にわたり放置されています。警官はやってきたものの 警察ってまったく役に立たないのですね。「バイクの持ち主に連絡がとれない」「持ち主に連絡がつかなければ警察と云えども少しでも移動させることはできない」の一点張り。「じゃあ、貴方に見ていてもらって私がどけよう」と言うと「他人が少しでも動かした場合、動かした人が違法駐車に問われます」そんな馬鹿な、営業妨害の車をどけることもできないの?

車はすぐ持って行くのに何故バイクは駄目なの?と思いますよね。「バイクは警察では移動できないので、品川区に言ってください。持って行くかどうかは区の判断になります」だと。「違法な駐車をした人間を守って、営業妨害されている人は守らないわけ?」と食って掛かっても駄目。そんなのないですよね。私も頭にくる方なので「それなら嫌がらせで気に入らない店の前にバイクを停めても良いわけね?」などと畳み掛けると「駐車違反で取り締まります」だと。

2日にわたって入口前に違法駐車で放置されたバイクをめぐり警察とやりとりをしましたが、こんな感じでまったく要領を得ません。次の日もやってきたのは別の婦警さん。婦警さんだから要領を得ないのかなあ、男の警官ならもう少し具体的な動きもあるのかなあ、などとも思いました(昔ネズミ捕りに捕まり、まったく融通のきかなかった婦警さんを想い出したもんで)。

◯ 違法バイクその後

初日と2日目の婦警さんの応対は四角四面、まったく融通性がありません。3日目に荏原警察へ電話をすると「交番から警官を向かわせます」とのお定まりの返答。「来院する患者さんに非常に迷惑がかかっており困っているのに婦警さんは現実的対応をしてくれない。申し訳ないが男性の警官をよこして欲しい」と申し入れました。

やがてやってきた男性の警官に「2日にわたりお願いしているが、やってきた婦警さんは違法駐車といえども少しでも動かしてはいけない、困っている事情はわかるが決まりなので仕方がないの一点張り、もう少し現実的対応をして欲しい」と伝えると「わかりました。確かに違法駐車といえども動かしてはいけないのですが、これでは困ってしまいますよね。患者さんの出入りの邪魔にならないところへ動かしておきましょう」。やはり男性の方が臨機応変、現実的な対応をしてくれました。

そんなことで入口にかからないよう移動してもらったのですが、翌朝見ると再び入口側に移動されています。今度は真横に入口を塞ぐ形ではないので、まあまあなのですが。その後も朝になると少しずつ位置が変わっています。どうも夜の間に動かしているようですが、駐車違反の札は張りっぱなし ??です。警察の対応はこれまでと見切りを付け4日目に区役所に電話をして来てもらいました。大型バイクではないので区役所で撤去できるそうです。ただし区役所が警告の札を下げてから1週間を経ても置かれたままの場合。そしてその後もバイクは入口を占拠したまま1週間がたち、めでたく区役所が撤去してくれました。

このバイクよく見ると ヘッドライトやボディ側面が割れています。自損事故車で捨てて行ったことも考えられますが、朝になると位置が移動していたのは何なんでしょうか。それにしても1週間以上診療所の玄関前を占拠されたのには参りました。何人かの方から色々アドバイス頂きました。その御礼を兼ね以上ご報告まで、、

◯ 重かった1年

今年のイメージを一言で表現すれば「鉛色の雲が空一面どんよりたれ込めた世界」、社会的にも個人的にもそんな感じでした。最も大きかったのは誰もが認める 3.11 の東日本大震災とその2次災害としての福島原発事故。それに伴う電力不足、経済危機、そして社会不安。

個人的には、4月の東京都医師会の役員改選。まさかの1票差で会長が負け、私も理事を退任。私と数人の理事は両陣営から推薦されていたので(これが私の辞任した大きな理由ではありましたが)、会長が負けても立候補を取り下げなければ比較的高得票で理事として残っていたはず。しかし今までのチームで仕事をしたいという気持ちが強く、潔く立候補を取り下げました。その後の生活の何と「メリハリ」の無いことよ、、

決して理事に固執するのではなく、あと1期2年だけ理事を継続したいと思っていたのは、最後の仕事として会員の先生方が便利に使える「電子書庫」を何としても完成させたいためでした。しかし新執行部になりしばらくすると「電子書庫プロジェクトは凍結。他の会社で仕切り直し」という話が伝わってきました。まさに民主党政権による八ッ場ダム状態。聞く所によれば大手のベンダー数社から見積もりを取るとか、馬鹿らしいお金を払った挙げ句、しょうもないシロモノしかできないことは明白ですね。これで私の生活におけるモチベーションも大幅に下がってしまいました、あーあ、、

当院に20年近く勤めてくれたベテランの事務スタッフから、今年一杯で職を辞したいとの申し出が夏にありました。レセプト提出をはじめ、最近やたらややこしくなった公費検診など、受付事務を一手に仕切ってくれていた彼女が居なくなると、こりゃ大変だ、、ということで早速求人をかけたのですが、なかなかしっかり仕事をこなしてくれそうな人材が見つからずスタッフだけが増えてしまいました。時間は多少かかっても何とか育って欲しい、、

そして前々から覚悟してきたことではありますが、10月には Steve Jobs の死去、、

このように面白くない事ばかりが続いたとき、私が考えるのは「これだけ悪い事ばかり続いたのだから、今度何か起こるとすれば絶対に良い事のはず」「来年は絶対に明るい年になるぞー」と

◯ 今年たてた目標は?

今年の年頭にあたり以下のようなことを書きました。

    • 日本が前向きに立ち直るきっかけの年になって欲しい

    • 物欲に走るのはもうやめて心の豊かさを

    • 礼儀と節度、賢く根性を持った若者を育てなければ

以上3つは期せずして3月11日の東日本大震災をきっかけに、日本としてある程度起動されたように思えます。 そのために払われた犠牲は余りにも大きかったですが、その犠牲が無にならぬよう来年はさらに前向きに頑張れればと思います。

自分自身のためにたてた目標については、とりたてて目立つようなことはまったくありませんが 地道にその方向に向けて歩んでこられたかなと思っています。

ところで、タイトルとはまったく関係ない話ですが、この Google site、無償で Web site を公開できてとても有り難いのですが、HTML を理解していない人にとってはちょっと敷居が高いかも知れないなと ちょっと思いました。何かの拍子にレイアウトが崩れた時、HTML をいじれる人間なら HTML を直接編集することによりどうにでもなりますが、そうでないとちょっと手に負えないことがあるかも。もっとも、私は写真の貼付けなどで直接 HTML を編集する事がままあり、そこでレイアウトが崩れることが多いので、なまじ HTML をいじらなければ、それも余りないのかも知れません。

◯ 区立平塚小学校跡の工事

2F 部分の床が打たれました。一つの建物と思っていたのですが2棟のようです。

それにしてもシンプルな地形に、どうしてこのように非効率的形状の建物を建てるのでしょうか。どう見てもセンスの良い建物は期待できそうにもありませんね。

麻布テレビ朝日脇 クリスマスの電飾

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です