わーくすてーしょんのあるくらし ( 349 )

大橋 克洋

katsuhiro.ohashi@gmail.com

2022.03 80歳になっちまった

2月から咲き始めた林試の森公園の河津桜

○ 80歳になっちまった

「80歳なんてスッゲエ爺じい」と思い、比較的早逝した父とその兄弟2人を見ていただけに、自分が到達することは想像もしていませんでしたが何となく到達してしまいました。

こうして実際到達してみると「何だ、今までと大して変わらないじゃない」と思う一方、よく考えてみると身体稼働能力が落ちてきているのは確か、コロナによる stay home のためもあってか最近は頭の働きもパッパと動いていないことのあるのに気がついたりします。

一昔前と違って、最近の日本人の寿命は延び「人生百年時代」という言葉も聴かれます。しかし自分が90歳を過ぎることは想像できませんし、そうなればもっと身体が思うように動かなくなっているはずと思うと、なりたいとも思いません。56歳の若さで脳卒中に倒れ10年間寝たきりで亡くなった父やそれを介護した母をみてきただけに、自分は「人生は元気でなくちゃね」と思います。と考えると、残り時間はもう10年も無いことになる。まあ、それも良いでしょう、、良寛さんの「災難にあう時節には災難にあうがよく候。死ぬる時節には死ぬるがよく候。是はこれ、災難をのがるる妙法にて候」という句に非常に共感します。

「傘寿」なんてお祝いの言葉もありますが、「お祝いも冥土の旅への一里塚、目出度くもあり目出度くもなし」ってな心境ですな。皆に元気な姿の印象を残したまま、いつの間にかフェードアウトしたいと願うものです。なんちゃって、こんなことを書く歳になったってこと、、

今月の歩術

昨年の今頃は1ヶ月で240キロほど歩いたのですが、今年はまったく距離が延びません。昨年手を骨折した家内のその後のフォローの通院が朝イチだったりして早朝散歩を省略することもあるのですが、その他にも雨天で歩きに出ない日もありました。

しかしそれは言い訳に過ぎず、やはり脚力は明らかに落ちています。ここのところ体重が最近の私としてはマキシマムの69キロに達したことも原因のひとつと言えるかも知れません。しかし逆に、歩きなど運動量が落ちているため代謝が落ちて体重が増えているという相互関係もありそうです。なるべく食事には気をつけているつもりですが、余り食事を減らしすぎても益々筋肉が落ちるということもあり、悩ましいところです。

ここはやはり、しっかり食べてしっかり運動するにつきるのだと思いますが、わかっちゃいるけど、なかなかね、、

3月22日は季節外れの寒さ、東京でも小雪がちらつきました(そういえば40年以上前、義父の葬儀はこの時期でしたが東京に大雪が降りしきり白い世界になったのを想い出しました)。これを過ぎると気温は春らしくなり桜が咲き始めましたが、今年の桜の色は冴えないなあ、、

ロシアのウクライナ侵攻で思うこと

思うことは色々ありますが、ひとつはネットワークに関すること。近代戦では、ドローンやロボット、巡航ミサイルなど新しいメカによる恐ろしさもありますが、ネットワーク越しに相手のシステムをハックし重大な損害を与えるという手法が使われつつあります。

ロシアのウクライナ侵攻と時を同じくして、日本でもトヨタ関連の部品供給メーカーがサイバーアタックを受け、トヨタ全工場がストップするという事態が発生しました。サイバーアタックに対しがっちりガードを固めた本社でなく、セキュリティのゆるい関連子会社へのアタックが多いというのが最近の傾向なのだそうです。今回のものは侵入したサーバのデータをロックし人質として金銭を要求するというランサムウェアなので、ロシア国家としての仕業ではないだろうと考えられています。しかし、資金に飢えた北朝鮮あたりなら十分有り得ることでしょうし、うがった見方をすれば元スパイであるプーチンの目くらまし作戦も有り得るかも、、

いずれにせよ、これからは特に国家間紛争ともなれば軍事的実力行使の前に、あるいはそれと並行してサイバーアタックが行われるのが常となりそう。インターネットの曙から関わってきた人間としては「嫌な世界になってきたな」というのが正直な感想。当時、インターネットは性善説前提の人間たちで「より快適な世界を作ろうぜ」とやってきたのに、、

プーチンの戦争

ウクライナに対するロシアの攻撃は熾烈を極めています。プーチンは「あくまで軍事施設だけを狙い攻撃している」と言いながら、高層マンションやショッピングモール、学校、はたまた小児病院や産科病院、避難施設を狙って爆撃や砲撃・ミサイル攻撃が続き、ウクライナの幾つかの都市は瓦礫に包まれた廃墟と化しています。ある都市では3000人以上の子供達が拉致され、ロシアに連れて行かれたというニュースもありました。太平洋戦争終結したにも関わらず、多数の日本兵捕虜をシベリアへ抑留して重労働にこき使ったソ連を思い出します。過酷な極寒の環境で数年過ごし、大勢の捕虜が痩せこけ命を落としました。ウクライナでは一般市民の死者が増え、3万人以上の市民がポーランドなど近隣諸国へ避難していますが、その避難路さえロシアの攻撃にさらされます。

プーチンは「この作戦はほんの数日で終わる」と考えていたようですが、ウクライナ軍は思いの外善戦し、一方でロシア軍の補給路が伸び切って停滞したり演習と言われて連れてこられたロシア軍の新兵も多く、「ロシアのやり口に憤り、祖国を守り抜くため命をかける」ウクライナ軍と、士気の上がらないロシア軍とでプーチンの思惑通りには進んでいないようです。

ロシア国営放送は「ウクライナ国内に住むロシア系市民をウクライナ軍が虐げているので、それを救うため行う特殊軍事作戦」と報じ、ウクライナの悲惨な実情を伝える動画や SNS などインターネット上の情報をロシア国民から遮断しています。

プーチンは「ウクライナで活動するネオナチを成敗するための正義の軍事作戦」と言い張っていますが、ウクライナにネオナチなど居らず、彼のやっていることはまさにヒットラー率いるナチスがポーランドに攻め込んだ姿を彷彿とさせ、毎日のように残虐極まりない結果を生んでいます。東京裁判で死刑となった東条英機などより、プーチンの方が明らかに罪深い戦犯であることは誰の目にも明らかですが、現状では世界の誰も罰することができないのは誠に歯がゆい限り「出過ぎた杭は打たれない」という言葉を思い出します。

このような状況でも米国はじめ NATO 諸国は「軍を派遣すると第3次大戦に発展する」のを懸念し、経済制裁などに頼らざるを得ない状況です。

日本もしっかりしなきゃ

このウクライナの状況に対する日本人の反応を見ていて、思うこと、、

一方的なプーチンのやり口とウクライナの悲惨な状況を見て、同情していた日本の世論ですが、これが3週間もするとウクライナのゼレンスキー大統領の言動に全面的には賛成できないような意見とか、ウクライナにも問題があるような意見も散見されるようになりました。もともと完璧な人間など居ませんが、この状況でそれを口にすべきではないでしょう。

日本がロシアへ経済制裁を行ったことへの報復として、ロシアは北方領土問題を反故にするむね言ってきました。これは想定内のこと。相手に厳しい制裁を課せば、こちらも痛みを我慢しなければならない。こういう時は我慢比べなのですが、今後痛みが増したり長く続いた場合、果たして現代の日本人はどの程度我慢できるのか。平和ボケの中で腑抜けとなってしまった多くの日本人から、きっと自分勝手な不満が湧いてくるに違いないと心配しています。

あるテレビのコメンテータが「これだけ一般市民の犠牲が増えているのに、どうして降伏しないで戦おうとするんだろう」と言っていました。まさに平和ボケの象徴、実際その場になれば相手にひどいことをされればされるほど憎しみは増し「降伏なんてとんでもない。死んでも戦うぞ」と思うもの(少なくとも我々世代は)。だから、戦争はしてはいけない。かと言ってプーチンのような問答無用のヤクザに吹っかけられれば「降りかかる火の粉」は振り払うっきゃない、、

日本が一番心配すべきは隣国の中国。プーチンの兄弟のようなひとが居ますからね、、

世界の中の日本をみてみると

ロシアや中国、北朝鮮のような共産独裁政権では、国民を厳重な管理下に置き、それを仕切る独裁者やその取り巻きだけが豪勢な生活をするというパターン。大きなことをやるにも独裁者が有無を言わさず実行することができます。

これに対し民主主義国家では、国民から選ばれた首長を中心に議会で検討し決定した結果をもとに行政を行う。資本主義のもと、国民は原則としてその努力に応じた生活を得られる。原則は時に少し破られることはあるものの。

後者の世界で暮らす身として、後者の方が自由で幸せな人が多いと思うのですが、時に民主主義も誤った考えに流される危険性もあります。衆愚政治というやつ。なかなか難しいですね。

世界の中の日本を考えたとき、民主主義を素朴に守る日本のような国では、政府の決断が優柔不断になることがあるように感じます。あっちもこっちもと気を回し過ぎ決断が遅れるということなのでしょう。こんなことを反省してか、現在の岸田首相は比較的速やかに決断を下しているように見えます。

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立会道路のみごとな桜を眺め思ったこと:桜の老木のように爽やかな美しさを身に纏って凛とした姿で立ち、そよぐ春風にハラハラと散っていく最後って良いなあと、、