2008.06 Seagaia meeting 2008 in KYOTO あれこれ

わーくすてーしょんのあるくらし ( 184 )

2008-6 大橋克洋

Seagaia meeting 会場となった京大「芝欄会館」前の芝欄

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先月開催された Seagaia meeting in KYOTO は久々に大変充実したミーティングとなりました。 番外編として Seagaia meeting あれこれ を書いてみたいと思います。

○ ちょっと魅力的? EMONSTER

Seagaia ではいつも一緒の鈴木君が、 急遽 家の都合で参加できなくなりました。 今回も小塚先生含め3人分のホテルの手配などしてくれ、 Seagaia meeting をとても楽しみにしていたのに とても残念でした。 そんなことで鈴木君へのレポートの意味も含め、 今回は念入りに書いています。

小塚先生と京都駅に降り立つと、 改札で北原さん達と偶然一緒になりました。 昼食を一緒にということで、タクシーでいつもの「おばんざい屋」へ。 京都市勧業館そばの「おばんざい」と告げ、タクシー到着。 「あれ? いつもの店と違う」ずっと立派な料亭風のお店です。 いつも行く店の本店のようです。 折角なので入ると、立派な店。 お客は誰も居ませんでしたが、食事中にほぼ満席になりました。 われわれの入った時間が12時ちょっと前だったからのようです。

、、で、本題。食事を終え、店から会場の京大まで歩きました。 道すがら北原さんのベルトにつけた携帯の話を聞きました。 emobile で出している EMONSTER という携帯。 下り最大 3.6Mbps のハイスピードでデータ通信もできるよし。 到着したプログラマーズキャンプ会場には LAN 設備がないため、 北原さんの EMONSTER の無線 LAN 機能に 何人かぶらさがって Internet の世界へ出て行きました。 4、5人ではびくともしないようです。

ちょっと魅力的かな、と思い emobile の HP で EMONSTER の仕様を見てみたのですが、無線ルータ機能はどこにも載っていません。 Google で情報を探していると EMONSTER と組み合わせて 携帯型 Wi-Fiルータ PHS300 のレポートがありました。 北原さんもこのようなものを併用していたのかな?

しばらくして WWDC から帰られた北原さんからメールを頂きました。 やはりそのようなものを併用されていたそうです。 WM WifiRouter というものを教えて頂きました。

○ さすがの私も歩き疲れ

この他にも何かエピソードは と考えていたのですが、ゴメン、記事になりそうなものはないようです。

Seagaia の終わった土曜の夕方から家内と合流し、 日曜夕方まで家内の好きな陶器を眺めて清水を歩き回りました。 歩きに自信のある私が途中からちょっとバテたのは何で? その前数日の睡眠不足のため? 通販で手に入れた新しい靴だったから? とも思っていましたが、 家では、疲れた、腰が痛い、などと のたもうている家内の方は大好きな陶器の街とあって、 意気揚々疲れもみせず歩き続けました。

そうか思い出すと子供の頃、 暮れになるとお歳暮の買い物で父や母のお供をして、 長時間デパートの中を歩き回りました。 他人のペースで歩くというのは、異様に疲れるものなんですね。 しかし私も お気に入りの小さな杯を2つもゲット、 歩き回った甲斐があったというものです。

後から日本医師会のニュースを見ると、この日は唐澤会長も関西地区の 協議会があり京都に見えていたようです。家内も顔見知りですので、 ばったりどこかでお会いしていたかも、、 さて、今回のメインテーマだった openEHR や ArcheType については 思うことも色々ありますが、 それは追々書いてゆくことになるでしょう。

○ 今月の筋トレ

たびたび書くように、 ここのところ完全に開発モードになっているので、 トレーニング熱は やや開発にとられ気味ではありますが、 毎日絶えることなくやっております。 身体が春モードから夏モードへ変わるためと思いますが、 ここ数日やたら身体がダルいです。この季節よく書くように、 汗腺が十分開きしっかり汗をかくようになると このダルさも消えて気持ちよくなるのですが、 開発モードとあってまだ十分汗を流せていません。

で、本題です。これも何度も書いてきたことではあるのですが、 「歩きの正体は腰にあり」の感をますます強めています。 いや「すべての動きは腰にあり」「宇宙の中心は腰にあり」 とまで言ってしまってもよいかと。 つまり歩く時は、身体のすべての力を抜いて腰が前に進むようにします。 形態的に腰が前に出るのではありません。 移動ベクトルがすべて腰に乗るようにするというのかな、 腰をエンジンに身体全体が前進するのです。 こう意識すると得てして上体に力が入ってしまいます。 それではぶち壊しです。下肢に力が入ってもいけません。 下肢は前進する腰を自然に支えるだけです。

こうすると意識せず 姿勢も良くなります。 移動する腰の上に脱力した上体が乗るには、 そうせざるを得ないからです。 上体の力を十分抜くことは、突きや打ちの威力とスピードを高めるためにも重要です。 まだ修行途上にありますので、 このように歩いていても気がつくと上体や下肢に力が入っています。 そこで、また力を抜くという繰り返しをやっています。

「腰」は「突き」や「打ち」の中心をも務めます。 鍛錬をしていない人が空手の突きや剣道の打ちをすると、 腕に力が入ってしまい身体も不安定になります。 しかし、腰がしっかりしてくると腰から発した突きや打ちに なりますので、安定度も高まり威力は格段に高くなります。 この辺が少し実感としてわかってきた段階でしょうか。 腕を打ち降ろしても「ビュン!」という風切音が 小気味よく出るようになってきました。

ゲームに蝕まれた人間による無差別殺人が多くなっています。 ことの詳細を報道し、さらなる愚か者を誘発するマスコミの罪も重いと思っています。 先日の秋葉原の事件のように、 タガーナイフを振りかざし襲ってくる暴漢にどう対応するかは、 なかなか興味ある課題と思っています。さて、現実にはどう対応できるのでしょうか。 色々な面で、運もかなり左右すると思います。

○ 今月の脳トレ

Web 版電子カルテ NOA の無理矢理の現場投入から1ヶ月余、 日常診療も かなり快適になってきました。 10年ほど前から「自分の理想とする電子カルテを実現するには、Web 上が最適」 とは思っていたものの、Web の限定された GUI では とても私のやりたいことをできない と思ってきました。しかし Web 技術も進歩し 5年前に WebObjects でトライしたものの挫折。そして Ajax 技術を得て昨年始め頃から、 再挑戦してきました。 それがこの5月の無理矢理の現場投入で実現したという次第です。

長年育ててきた Cocoa 技術によるソフトウエアより、 快適なことがいくつかありました。 まず、何と言ってもインターネットに直結なので、 その広い世界のリソースを即座に使えること (セキュリティーのため、電子カルテはファイアーウオール内部で 動かしており インターネットからは利用できませんが、 内部からインターネットは利用できるわけです)。 ハード・ソフトの飛躍的進歩により、インタープリタ言語である PHP と javascript でも快適な速度で動くこと。 そしてインタープリタ言語ゆえの プログラミングの即時性というか、仕事に使いながら具合の悪いところを チョコチョコッと直せてしまうなど(これは初代電子カルテ WINE の開発環境 Emacs Lisp にも通ずるものがあります)。 Cocoa では実現しなかった 面白い機能などもいくつか実現しました。

とりあえず実用に耐える段階まで来たので、 本来の目的である「ユーザがログインすると、 そのユーザ固有のレイアウト画面が現れ、 ユーザごとに好きな電子カルテで診療ができる」 の実現に取り組むことにしました。 ユーザ毎の画面レイアウトや使い勝手を DB に記録し、 ユーザがログインするとそのレイアウトを即座に構築し提供するものです。 考えてみると、ユーザごとのトップページを作る iGoogle なども同じ流れですね。

そんなことで「NOA DESIGNER」と称する画面エディターを作りました。 これだけでも結構面白いものができました。これでゲームとか何かできそう。 まだテスト版の段階ですが、 「ひとりのユーザが幾つもの画面レイアウトを使えると便利かも」という、 以前まったく思いつかなかった発想も浮かんでいるところです。 疾病によっては特有の取り扱いなどありますので、 専用カルテがあった方が便利なはずです。いずれ、やってみましょう。

○ Google 精神「不可能なことは適度に無視」すること

Seagaia meeting のレポートで Google のシステムの話を書きましたが、 CNET ニュースにも米国での Google 技術者の講演 が載っていました。 Google がデータセンター業務を公開することは滅多にないそうです。 内容は Seagaia meeting で聞いたものと共通するところが多いようです。

共感したのは Google では「不可能なことは適度に無視」 を奨励しているということです。「信頼性の高いハードウエアを1台持つより、 信頼性はさほど高くないハードウエアを2台持ったほうがいいというのが、 Google の考えだ」その場合「信頼性をソフトウエアで提供する必要がある。 1万台のマシンを稼働させれば、毎日何かが故障するだろう」。

ニューヨーク証券取引所、航空機予約システムなどの大規模データセンターでは、 大量のメインストリームサーバが使われているが、 Google の700~1000台のパソコンサーバと Google 製ソフトウエア(おそらく OS も含む)は 一般的な検索クエリに0.5秒で反応している。 Google のサーバは20万台以上と推定され、 かつ日々増え続けている。

大艦巨砲主義から航空機戦への移行が最もよい例ですが、 現代の医療に向けられる社会の考え方も 前者に近いところがあります。 典型的なものが産科です。 医療にパーフェクトを求める社会は産科医療を疲弊させ、 やむなく産科はセンター病院へ医師を集中させる方式でしのごうとしています。

しかし母子死亡率などで世界に冠たる優秀な成績を上げてきた 日本の産科医療の半数は診療所が支えてきました。 しかし診療所での産科にはどうしても限界があり、 社会はそれを許しません。周辺を支えてきた診療所をどんどん失って、 旗艦となるセンター病院自体の機能も麻痺する日は遠くないでしょう。

戦車の周囲は歩兵で支えてきましたし、 戦艦や航空母艦の周囲には おびただしい数の巡洋艦、駆逐艦その他の艦船があって戦力を保つことができました。 孤立した戦車や戦艦は、あっけなく損傷を受けるものなのです。

○ iPhone 発売は予想通りソフトバンクから

今朝の新聞記事にはどこも「iPhone 発売はソフトバンクから」 の記事が踊っています。発売時期その他 それ以上詳しい情報はなく 今更書くほどのこともないのですが、ひとつのマイルストーンでもあり、 私の備忘録として書き留めておくことにします。 昨年の Seagaia meeting でソフトバンク副社長の方とお話して 「iPhone にソフトバンクが最も近いところにいるのは確かでしょうね」 という言葉もあり、期待してきたところです。

昨年 iPhone の発売された時から、日本で手に入れるには一年以上はかかる と覚悟してきました。そんなことで iPod touch を堪能していますが、 やはり発売が待ち遠しいところです。ちょっと心配なのは、 エイヤっと発売された直後 かなりの人数が殺到し、 すぐに手に入らないのではないか ということです。 ま、ちょっと待てば良いだけのことなんですが、そこが心理というもの。

iPhone にはデータ通信機能がないので、 bluetooth とデータ通信機能を持った現在の WILLCOM携帯も 手放せそうもないなのが、ちょっとイヤですね。

さ、来週は Apple の WWDC が始まります。 iPhone 以外のサプライズは余り期待できそうもありませんが、 Jobs のプレゼン楽しみです。

○ 待ちに待った iPhone 日本上陸は7月11日

今月の WWDC で発表になるはずの 3G iPhone はたして 日本での発売はどうなのか、大変気になるところです。 さて明けて10日、朝一で CNET Japan を開いてみると、 Jobs の講演が実況で載っています。

日本での即売は期待していなかったのですが、 それが良かったのか日本でも7月11日から発売とのこと。 これは嬉しいですね。今回の WWDC は iPhone 一色で 他のニュースはなさそうです。Apple の iPhone にかけた リキが感じられます。

とりあえず、今のところは速報まで、、

さて、それから数日経ちました。 今回は AppleStore から発売されず SoftBank からのみのようです。 ネット販売もされないというのは、とても痛いです。 Apple 製品は AppleStore で予約し、 最近は正確に発売日の朝 宅急便で送ってきてくれていました。 新しい OS のリリースなど「そろそろ到着かな、」と思っていると、 ピンポーンと玄関のチャイムが鳴るという 感激の対応です。

ことろが今回の Apple 製品はそうはいきません。 武蔵小山の SoftBank 携帯ショップに予約を尋ねてみると 「まだ何も決まっておらずわかりません」との返事。 それでもあきらめきれず数日後再度訪れ、 先行予約を尋ねてみました。やっていないそうです。 「他のショップではやっていると聞いているけれど、 武蔵小山店はやっていないということね。 いつ頃から予約を受け付ける予定?」と聞いてみました。 「まったくわかりません」「それじゃあ、 毎日来るっきゃないってことね。じあ、毎日来ます」 と店を出ようとすると、店員が急いで寄ってきて 「これはまだ全然確定的なことではないんですけど、 発売3日前には始まるかも知れません」 「えっ、それって殺到してパニックになるんじゃないの、」 仕方が無いので、とりあえずは退散。

その後、たまたま別件で SoftBank 携帯の開発関係の方にお会いしました。 ミーティングが終わってから iPhone について尋ねると「SoftBank は社員に優先というような甘い会社ではないので、 自分たちもいつ手に入るかわからない」「重要な情報に関しては 上層部のごく一部でしかシェアされない」とのことでした。

東京都医師会理事でも iPhone を速攻で買いそうな理事は 確実に3名以上はいますし、他でも iPhone を即買うという人は 何人もいました。 「発売当日は、SoftBank の列にトラックで突っ込むやつ(先週の 秋葉原の無差別事件のパロディー)もいるのではないか」との冗談も。

さあて、iPhone 発売は、どんな展開になるんでしょうかね、、

それから また数日。iPhone 発売16日前になりました。ようやく SoftBank から 新たなアナウンスがありましたが、単に価格の決定だけ。 予約など販売に関する情報はまったくありません。この様子だと、 本当に発売日の7月11日当日にエイやっと始めるのでしょうか。 前夜からはもちろん、当日店の前に並ぶ気もしませんので、 そうなったら1ヶ月待って、 ほとぼりが冷めてから購入ということになるのかも知れませんね。

圧倒的多数の人間の期待に一気に応えるのは、 Apple にとっては手慣れたことでも、SoftBank にとっては初めての経験で、 良好な対応ができないのでしょう。SoftBank 内部にも 結構混乱がありそうに想像されます。

○ 運動会で学校の「気」がわかる?

5月上旬はとんでもない真夏日があったのに、下旬は肌寒い日が続きました。 地球の異常気象を身近に感ずるところです。 昨夜まで冷たい雨がしっかり降っていたのに、 一夜明けてみると朝から久々の晴天、今日から6月、日曜日の朝です。 窓の下で運動会の音が聞こえます、私が卒業した区立平塚小学校です。 ここも区内生徒数の減少で合併され、もうじき無くなってしまいます。

別の方角に中原街道をはさんで見えていた区立平塚中学校は 取り壊しがはじまり、今月末には更地になってしまいました。 2年後には、ここへ平塚小学校・平塚中学校をあわせた 荏原西地区小中一貫校が建つ予定だそうです。 何かしっくりしない名前。平塚の名称は残さないんですかね。

ここは居間の南側 本当に真ん前で、高い建物でも建つと嫌だなと思っています。 高層ビルがにょきにょき際限なく生える砂漠のような東京。 小学校のような広い跡地は貴重です。 今後このようなところには最優先で樹木を植え、 森林公園にすべきと思うのですが、 お役所はそういうことは考えないんでしょうね。

「あれ? いつもと何か雰囲気が違う、」 窓から見おろすと、 最近めっきり児童数が減ったはずなのに 久々に賑やかな人数です。 「どこかと合同かな?」 家内によると近くの小山小学校が改修中のため、校庭を借りての運動会だそうです。 小山小学校も私の母校でして、小学校1年から3年までは戦後すぐで学校が足らず 午前組と午後組に分かれ 小山小学校で2部授業を受けていました。 4年生の頃 平塚小学校が創設され、 リヤカーに机や椅子を載せ 皆で引越した記憶があります。

運動会の音を聞きながら朝食をしていましたが、 何かいつもの運動会と雰囲気が違います。 最近の運動会は やっているのかやっていないのか わからないようなことが多かったのですが、今日は「気」が感じられるのです。 低学年の生徒の歌声も活発です。

どうしてこうも違うのでしょうか、生徒数の問題だけではなさそうです。 教育姿勢なのでしょうか、生徒の質なのでしょうか。 いずれにせよ、久々に元気な歌声を聞いて「こういう生徒は、 きっと良い人間に育つだろうなあ」と確信しました。 武術は「気」を重要視しますが、何事においても「気」は大切ですね、、 と思いました。

○ 目黒線が日吉まで延びる

23日から目黒線ダイヤ改正。毎日、昼食をとりながらNHK の昼ドラを見終わり すぐ家を出るのですが、この時の電車の時刻が微妙なので ダイア改正にもすぐ反応してしまいます。 このタイミングで午後2時からの都医理事会に丁度、 一電車遅いと理事会に遅刻する可能性もあるからです。 理事会は週1回しかありませんが、その他も午後2時からの会議が多いのです。

ダイヤ改正の理由は、今まで武蔵小杉止まりだった目黒線が 日吉まで延長になるからということです。 もうひと頑張りして横浜まで一気に行ってくれるとさらに嬉しいですが、 それにはまだ数年かかるのでしょう。

23日は もうひとつ区切りの日でした。 隣の「みずほ銀行」が2年間の大改築のため、 23日から仮営業所へ移ってしまうのです。 仮営業所は歩いて7、8分の所なのですが、 今までは下駄をつっかけ気軽に行ける距離だったのが、 離れてしまうと結構不便だったりします。

銀行も、やりくりが苦しいのでしょう。今度の建物の2階までは 銀行ですが、その上はすべて賃貸マンションとか。 我が家にとって大問題なのはは その建物はうちより高く、 東京湾を望む(と言っても、もう遠方に林立するビルで海は見えなくなりましたが)、 景観が目と鼻の先のマンションの壁に置き変わってしまうことです。 この Web の正月の表紙を飾ってきた初日の出もまったく見えなくなります。 うーむ、ますます住みにくくなりますね。

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これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です