2002.04 New iMac そして iBook

わーくすてーしょんのあるくらし (52)

2002-04 大橋克洋

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一昨年来、外部ネットワークとの接続で大きな改変やそれに伴う トラブルがたびたびあり、その度に外部との接続が切れる状況が頻 発してきました。インターネット接続技術が文字通り日に日に進歩 している成長期の悩みともいえます。

一昔前はネットワーク仲間と毎月わいわいやっていましたので、 比較的手軽に技術情報を手に入れることができたのですが、最近は これが少ないことも苦労が多い原因かも知れません。やはり持つべ きものは良き仲間ですね。

○ 遅ればせながらブロードバンドへ

私のところは OCN の専用線接続で自前の Web やメールサーバを 挙げてきました。OCN に契約した当初からいずれもっと安く早い回 線がでてきたら、すぐにでも乗り換えようと思っていました。何せ 月3万円以上もするので、経費で落とせるにしても経営を圧迫する 要因になります。

ここ1、2年かなり安くて早い回線サービスが始まったのですが、 自前のサーバを挙げるために必要な固定IPをもらえるサービスがな かなかみつかりません。あっても高額なので、じっと待っていまし た。しかしようやくみつかったので、このたび OCN から乗り換える ことにしました。私が選んだのはSONY系列の bit-drive というプロ バイダーです。

ADSL のサービスで一番安いものを選択しましたので、今となって はそう早い回線ではありませんが、ランニングコストが従来の半額 になるのが魅力です。パソコン通信の sonet などの評判を聞いても SONY の対応はとても良いとのことだったので、そういう面でも安 心して頼めそうです。OCN は3年間解約しないことを条件の割引サ ービスに加入していましたので、3か月分相当の違約金を払うこと になりますがそれでも半年でチャラになります(割引きといいなが ら、たいして安くはなりませんでした。これはNTT の完全な囲い込 み戦略と思います。けしからんですね)。

○ またまたネットワークで悩まされてます

OCN から切り替え工事が終わり勇んで接続作業を行いました。 とりあえず ADSL モデムへノートブックを直結し Web で動画を見 てみました。以前と比べて画期的な早さとはいきませんでしたが、 そこそこの早さではあるようです。

と、ここまでは何の雑作もなかったのですすが、外側のネームサ ーバも新しく取得した IP アドレスに切り替わり、ファイアーウオ ールや内部のネームサーバの設定にとりかかったところで泥沼状態 に陥りました。いつもの経験から、こうなると艱難辛苦を乗り越え る覚悟が必要です。

現在のところ、原因と思われるのは次のようなことです。OCN の 時は内部にルータを置き、その内側にファイアーウオールを置いて いました。ADSL ではブリッジタイプで契約してしまったのですが、 もらった2つの領域のアドレスを私のファイアーウオールではうま く切り分けられないためのようです。

何せ本来そちらの方面にはど素人の人間が独学でやるものですか ら能率は極めて悪いのですが、「他人任せでやったことは一度トラ ブルとお手上げになる」という長年の経験則があるので、何とか自 力でできるところまでやってみたいと思っています。いつも授業料 は結構高くつくのですが、その分身につくことは確かです。

早速ルータタイプへ形式変更の申し込みをしました。下手すると また一か月近く待たされそうです。あー、その間、うちの Web が外 から見えないのはよいとして、また e-mail が届かなくなるので本 当に困りものです。とりあえず内部からインターネットへのアクセ スは問題ないのですが。

○ new iMac

昨年あたりから、液晶の iMac がそろそろ出てくるはずと思って いましたが、ついに出てきたものを見て「あっ」と思いました。ま ったく予想しなかったデザインです。シネマデイスプレイのイメー ジをどこかに残しているだろうという先入観をまったく裏切るもの でした。ここでまた Apple 社(のデザイナーであるジョナサン・ア イブ)のつきることのないアイデアに脱帽です。

このデザインもすぐに Windows の世界へ感染するでしょう。 ある人が「電気スタンドのような」と表現していましたが、まこ とに当を得た表現かも知れません。短編のアニメで、2台の電気ス タンドが首を振ってサッカーのようにボールを蹴りあう(?)ものがあ りましたが、まさにあのイメージです。

発売から数日後、秋葉原で実物を見てきました。台の部分はある 程度の大きさのはずと思いつつ、写真で見るとどうしても小さめの ものをイメージしていましたが、実物で見ると台座部分は結構の量 感のあるものでした。残念ながら展示物として透明なプラスチック のケースに入っており、触ってみることはできませんでしたが、心 配なのはあの自由自在に動く首の部分が永年の間にへたってきて、 うなだれたままになってしまうのではないかということでした。私 が学生の頃から使っていたZライトがそうだったものですから。

しかしこのスペックと値段も、うーんとうならされるものですね 。これならメインマシーンとしても十分な性能です。 昨年の夏頃、外来のデスクで使うには G4 Cube が良いと思ってい たのに Cube は生産中止になってしまい残念、と書きました。iMac はまさに外来のデスクで使うにはピッタリかも知れません。現在は PowerBook G4 に外付けの液晶デイスプレイとキーボードやマウス をつないで使っていますが、いずれは iMac かなと思っています。 きっと女性の患者さんへの受けも良いことでしょう。

○ Apple へ返り咲く優秀な人材

もうひとつ私にとっては嬉しい予想外のニュースがありました。 「バド・トリブル Apple に復帰」というニュースです。バドは Ne XT 社の創設メンバーで大変優れたソフトウエアエンジニアと聞いて います。私の記憶が間違っていなければ、彼は本来医者だったと思 います。このあたりも親近感を抱いていたところですが、NeXT 社が ハードウエア部門から撤退した頃、NeXT 社を辞めてサンマイクロシ ステムズ社へスピンアウトしました。

最初はちょっとがっかりしたのですが、その後 Sun の上でNEXTS TEP OS が動く時代があり、サンへ移ったバドは「トロイの木馬」だ ったのかなとも思わされたものです。

そのバドが Jobs の元へ復帰したということで、これからがとて も楽しみです。このように有り得ないと思われていたことが次々と 実現するとなると、私にとって戻って欲しいのはビルアトキンソン ですね。ビルは昔の Apple 社で HyperCard という極めて優れたソ フトウエアを創った人です。彼は私がもっとも尊敬し親近感を抱く ソフトウエアエンジニアの一人です。当時のハードソフトをもって しても HyperCard はかなりのものでしたが、今のハードソフトの 上で HyperCard が復活すれば素晴らしい環境になるでしょう。

多くの人はプログラムを組むという感覚なしに、いろいろなことを 自由に楽しくできるようになるはずです。私の電子カルテ WINE(現 在の NOA) も HyperCardに大きな影響を受けてきました。

○ 家庭用コンピュータもそろそろ世代替わり

家族が使っている居間の iMac も最近では何かと不都合が多くな り、あれができないの?これができないの?というクレームが多く なってきました。そのほとんどは MacOS X にしてしまえば、何なく 解決できるものなのですが、現在使っている初代 iMac に MacOS X を載せるのはかなり荷が重そうです。

そろそろ新しいものをと思ってきました。新しい iMac はとても 魅力的ですが、あの結構な重さの「電気スタンド」をキーボードや マウスごと移動するのは、たとえ隣の机であってもそう気軽という わけには行きますまい。これからは無線LANで接続したノートブック の方が家族にとっても快適と思います。

折よく iBook の 14インチデイスプレー・タイプが発表になりま した。以前レポートしたように、これまでの iBook は画面が小さい 分文字も小さかったのですが、14 インチ・タイプなら良さそうです 。重量は私の使っている PowerBookG4 より重く、CPU は今だに G3 ですが、ホームユースならこれで十分でしょう。

ということで秋葉原の LAOX コンピュータ館へ行きました。今回 も発売後まだ数日というのに、めでたく iBook 14インチを持ち帰り することができました。

○ iBook 14インチと暮らしてみて

大きさはほぼ PowerBook G4 と同じですが、厚みはもっとありま すし重さもあります。しかし iBook の方が頑丈で安心感があるのは 何よりです。 新製品は標準で MacOS X で立ち上がるようになりました。買って きたiBook をみると一つのパーテイションに MacOS X と Classic 関連がフォルダーを分け混在していました。ただ、バックアップな どを考えるとパーテイションを分けておい方が楽でしょう。

印象として、通常の使用では PowerBook G4 に比べスピードが遅 いと感ずることは余りありません。画面の広さもほとんど同じです し、非常に満足のいくものです。電車で持ち運ぶには重さがちょっ と気になるかも知れませんね。

iBook は蓋をあけた内側も PowerBook に比べさらにシンプルで美 しいと思います。周辺機器用コネクターは背面ではなく、すべて左 側にまともまっています。これはこれで背面より抜き差しが楽でよい のですが、唯一不便かなと思ったのは外部マウスを差す場合です。 MacOS X になると、画面スクロール用のホイール付きマウスが使 えるので Windows 用のものを買ってきて使っていますが、USB のマ ウスケーブルが左側から右側へと取りまわしが気になります。

当然 AirMac card(無線LAN) を載せましたので、住居のどこへ持 っていってもインターネットできます。PowerBookG4 より内蔵アン テナの位置がよいのか、PowerBookG4 では接続が不安定なコンクリ ートブロック壁3層を隔てた部屋でも iBook は比較的安定して繋が ります。バッテリーは公称6時間もちますので、ノートブック単体 で何のひも付きにもならず、どこでもネットワークに接続した状態 で使えるのでとても快適です。 一般的な使用なら iBook 14 インチはとてもお勧めです。

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