2013.11 時には現場から離れることも必要

わーくすてーしょんのあるくらし (249)

2013-11 大橋 克洋

左から玉木元都医理事・私・宝住元日医副会長・弓倉元都医理事

元都医理事の仲間2人と「日本医師会優功賞」を頂きました

こういうのを自慢気にだすのは好きじゃないんだが

表紙に適当な写真がなかったので、たまにはいいかと、、

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◯ 時には現場から離れることも必要

電子カルテの開発に入れ込んでいる時、特に泥沼から抜けだそうとする時、あーでもない、こーでもないと苦し紛れに色々と試行錯誤してもなかなかうまくいきません。「なにクソ」と格闘するうち疲労した頭の中・思考はぐちゃぐちゃになるものです。

時間切れで仕方なく作業を中断。会議へ向かう電車の中、あるいは翌日の朝風呂の中で、ふと解決策を思いつくことはよくあります。このような時、むしろ直接の創作現場を離れ、エアー・プログラミング(つまり身の周りに何も無い状況で、頭の中だけでするプログラミング)をした方がうまく行くことがあるようです。目先のことだけに固執していたのが、大雑把ではあるが、もっと大局的に見ることができるからなんでしょうね。

もうひとつ(ある意味では同じだが)別の方法として、マインド・マップのような思考を図示するツールを使って、自分のやりたいことの概念図やフローを描いてみるのも良い方法と思います。

そりゃー、わかっちゃいるんだが、泥沼に入った状況で すっぱり泥沼との格闘を中断し、現場から離れて別の思考作業をするってのは、なかなか出来ないものなんですよね、、ということで自戒のためにメモ、メモ。このコラムは私の備忘録、、

◯ おなじことを言ってる人がいた、、

明和電機って知ってますか? 中小企業の青色の作業服姿で、おかしな楽器で演奏するバンドを以前 TV で見たことありません? 社長、副社長、経理、工員などと互いを呼び合い、作品は「製品」と呼ばれ、ライブは「製品デモンストレーション」と呼ばれます。

私はこのバンド好きなのですが、たまたまチャンネルをひねった時にやっていたのしか見たことが有りません。その明和電機が数年前うちから5分も歩かない場所に引っ越してきました。前に小さなホバークラフトのようなものが置いてあったり、不思議な作業場だなと通り過ぎていたのですが、ある日、家内が「あれ明和電機って知ってた?」と言うのです。TV で顔見知りの社長さんも居たとか。

明和電機の社長のブログをみつけました。社長は毎朝ミックスジュースを作って飲むのだそうですが、最初からリンゴのように堅いものを入れるとミキサーの刃がガッと食い込んで動かなくなります。小松菜、トマト、リンゴの順で入れミキサーを起動。まず緑色の液体が生まれるが、そこからはただ対流が起こばかりで、トマトとリンゴの層まで砕けない。そこで一旦ミキサーの電源を切る。そして一瞬入れる。するとモーター起動の振動とトルクとで、ほんの少しだけ全体が崩れる。これを間をおいて、ぐんぐんと何度か繰り返す。そして最後にスイッチを入れっぱなしにすると、やがて頑丈だったトマトとリンゴの足場は崩れ一気にミックスが始まる。

社長はこれを見るのが好き、なんだか快感なのだそうです。「頭の中でアイデアがひらめく瞬間」に似ているからとか。頭の中に小松菜やトマトやリンゴを詰め込んだだけでは新しいものは生まれない。そこから熟考をはじめる。ああでもないこうでもないと、ミキサーのスイッチを入れる。しかし、ひたすら考えたからといって、良いアイデアが浮かぶとは限らない。考え続けることが、ちょうど小松菜の液体層が安定するように、対流だけの「定常状態」を作ってしまい、そこから前へ進めなくなる。自分では一生懸命頑張っているのに。

そんなときは一旦スイッチを切る。「休息」だ。休息を入れると、別な視点からアイデアを眺めることができる。ふたたび起動するための活力もたまる。そして再びスイッチを入れると、みごとに素材が混ざりはじめ、ミックスジュースが出来上がる。スパークの瞬間。

ほおー、表現は違っても私の感じたのとまったく同じ。アイデアを生み出そうと格闘する人達に共通するものなんですね(当然か)。そうかあ、彼らにとって製品のデモンストレーションは、スイッチを入れ直すようなものなのかも、、

# 明和電機の情報を探していて、うちの前のスクエア荏原でライブをやるのを見つけ、ぜひ聴きに行きたいと思ってよく見たら、今年5月のものでした。うーむ、残念。

◯ 格段にメモリー喰いとなった XCode

MacOSX が Mavericks になる前に Apple の提供するソフトウエア開発ツール Xcode がアップデートになり、早速アップグデートしました。GUI など前と変わったところは見られなかったのですが、そのうち気がついたのはやたら重くなったこと。ちょっと何かするとすぐレインボー・カーソルがクルクルが回り始めます。ちょっと、やってられない感じ。

診察室の iMac より書斎の開発用 iMac の方が症状がやや強い。OS が Mavericks に上がれば直るのかなと思ったのですが、残念ながらそんなことはありません。Mavericks 環境に合わせての変化だったのでしょうが、私の期待とは違ったようです。

今までも Safari でタブを沢山開いたりしておくと、メモリーを喰っている感じはあったのですが、これに併せ XCode は更にメモリー喰いになったのでちょっと困ったなあーと、、昔々、すぐガベージ・コレクションを始める BASIC を想い出しました(メモリー整理のためのゴミ収集)。診察室・書斎の iMac は、共にメモリー 4GB を積んでいます。マシーン購入時これだけあれば余裕だったのですが、最近のソフトウエアのメモリー消費量は格段に増えたようです。開発者としては充分うなづけること。短期間で飛躍的に上がった処理速度や記憶容量などから考えても、メモリーだけが現状維持ってのはなくて当然か。そう思って AppleStore で販売中の iMac のメモリーを見てみると 8GB、なるほどね、今はこれ位積んでいるのが標準か、その半分では力足らずでも仕方ないということですね、、

書斎の iMac は2年前の東日本大震災のおり、帰宅してみるとデスクの上から床へ転落していました。本棚から崩落した書物に埋もれた iMac を掘り出してみると、27 inch ディスプレーのガラスが大きく何箇所もひび割れており「今、修理に出しても同じような依頼が立て込んでいて待たされるかも」と、応急処置として透明ガムテープを貼ってしのぎました。透明テープは明るいディスプレーを邪魔することなく「このまま最後まで使い続けても良いかな」と思うようになりました。しかしメモリー増設だけは避けて通れなくなりそうです。

・・・

書斎の開発マシーンでは余りにもクルクルで待たされることが多くなり、とれもやっていられないということで、ついにメモリーを追加することにしました。4GB 2枚で 8GB に拡張することにしましたが、これでも1万円以下で手に入るのですね。メモリーも随分安くなったもんだなあ。Amazon から1日もせず到着、早速メモリーを交換。iMac はメモリー交換だけはとても簡単な構造になっています。ディスプレーを横倒しにし、底部の細長いパネルを開け交換。うーむ、メモリー周囲は冷却空気が流れるようになっていて、ホコリが凄い。無事交換してリブート。さて、効果のほどはどうかな?

すごく立ち上がりが速い。ブラウザーもサクサク動きます。今までメモリー使用100%近かったのが、半分くらい空きになりました。ところが、、XCode ではやはりクルクルが、、メモリー半分空いているのにねえ、どうしてなんだろ。究さんに聞いたところではそんなことはないと言っていたが、彼の開発している Cocoa と私の javascript で環境が違うからなんだろうか、そんなことはないはずだよなあ、、

ということで XCode では相変わらずちょいちょいガベージ・コレクションが始まって待たされます。Apple さん、早いとこ何とかしてよ、、

◯ Google Chrome ダイアログ・パネルが開かなくなる?

そのようなことで最近の Safari はやたらメモリー大食いとなったので、電子カルテ NOA もGoogle Chrome で使うことが多くなりました。しかしこちらにもまったく問題がないわけではありません。既にレポートしたように画像の drag and drop における挙動の変化の他、知らないとドツボにはまる問題を見つけましたのでレポートしておきます。

それはブラウザー標準搭載のダイアログ・パネルが何かの拍子に開かなくなることのある問題。アラート・パネルだけでなく、簡単な入力を行うダイアログ・パネルも同じです。対処法としてはブラウザーを一旦落とし再立ち上げで回復します。ブラウザーが落ちたところで間髪をいれず再立ち上げすると駄目なことがあるようで、5つほど数えてから再立ち上げする方が確実なようです。ブラウザーが落ちたように見えて、まだ何か メモリー上に残っていて悪さをするようです。理屈上そういうことはなさそうに思えるのですが、、

Chrome は知らない間にどんどん進化するので、いずれこの問題もクリアされることを期待していますが、知らないと Web アプリ開発者を結構困惑させる問題です。

◯ HD は足温器?

3年ほど前に購入した Apple の TimeCapsule(無線LAN基地局に HD を内蔵したもの)のHDが壊れました。オンラインマニュアルを読むと「この HD には通常の修復ソフトを使わないでください」とある。「じゃ、どうやって修復するの?」とさらに情報を探すと、AirMac ユティリティーを使って「HD の内容を消去」で修復されるらしい。

やってみましたが正常を示すグリーン・ランプにならず、オレンジのエラー・ランプのまま。消去には簡易消去から完全な消去まで幾つか選択肢があります。簡易消去はすぐ終わるのですがエラーのまま。そこで完全消去を選んでみました。データをすべてゼロに置換するので時間がかかるとは思っていたのですが、何日経っても終わりません。「こりゃー修理に出さなきゃ駄目だな」と思っています。

とりあえずバックアップなどは他の HD で間に合っているので急ぐことはありません。そのまま消去をやらせていますが、机の上の白い綺麗な TimeCapsule の筐体に腕を乗せると温かい。11月に入ると大分気温も冷えてきました。そこでいつまで経っても消去作業をし続ける TimeCapsule を書斎の机の足元に。足をのせるとすべすべした筐体は程よく温かい「こりゃー、足温器にはいいぞ」ということで消去作業をさせたまま足温器として使っています。電気は喰っているのでしょうが、電熱の足温器よりは良いかも、、

冬場は足温器に使い春になったら修理に出そうかなと、よこしまな考えを、、

◯ iPad mini Retina ゲット

11月下旬に発売と噂されていた iPad mini Retina ディスプレイ・モデル、12日にふと AppleStore の web site を覗くと Web site 更新作業中「しばらくお待ち下さい」の表示。「あ、もしかして」と思ったのですが、翌朝ついに iPad mini 発売のニュース。速攻で AppleStore からポチリました。出荷は5日から15日後とのこと。

19日に AppleStore からご注文状況の確認を見ると「おっ、深セン支店(中国)で海外荷物受付」の表示。その後、何度もクロネコヤマトの配達状況の確認のページをチェック。21日になってようやく海外発送の表示。そして16時過ぎには国内到着。22日になって ADSC 支店に荷物受付そして発送の表示。これが10時47分。当日午後から医療情報連合大会で神戸へ出発予定「さあーて、出発までに間に合うのかなあ。何とか間に合っても iPad をセットアップする時間があるだろうか」とヤキモキ。

しかし遂に神戸出発までに玄関のピンポーンが鳴ることはなく、あきらめて出発しました。Web で調べると ADSC 支店というのは Apple 社のデリバリー・サービスのようで、通常ここに1日留め置かれ翌日発送されるのだそうです。神戸に着いても iPhone から何度も配達状況を確認。23日朝になって「配達完了」の表示「あー、やはり留守宅に着いたか」。

神戸から帰宅してみると小さなダンボール箱が到着していました。先に届いていたスマート・ケースに入れ、セットアップ開始。iCloud だけではダメそうなので iMac にケーブルを繋いで iTunes 経由でバックアップからインストール。購入アプリ類はその上で AppStore からダウンロードが必要なので、結構時間はかかりました。

で、その印象。画面は文句なく素晴らしい。特に速くなったという体感はありませんが、そういう目で見るとやはり多少速くなったような。iPad Air と iPad mini Retina の差はそのサイズのみというニュースには納得ですね。これなら画面が多少小さくても普段使いに iPad mini で十分かも。唯一やはり画面サイズが違うなと思わせるのは産経新聞。精細な画面から文字は十分読めるのですが、やはりもうちょっと大きい方が良いかなと思わせます。

ということで、今回 iPad Air 購入の必要はなさそう、、

◯ 今月の歩き

昨年は3月からはじめ夏まで綺麗な直線を描き1割以上減量できたのですが、秋になると再び体重は増え始め正月休みののんべんだらりが効いて、ほぼ半分ほど元へ戻ってしまいました。「これはいかん」と今年も春から減量に励んだつもりですが、昨年ほど綺麗な直線的下降は達成できず。それでも夏ころにはほぼ目標体重まで減量できたものの、9月も中端を過ぎると再び体重は上昇傾向。冬眠のため熊が身体に脂肪をつけるほどではなくても、冬に向け自然と脂肪の蓄積がされるんでしょうね。

血圧の方もやや高めのところを上下していますが、降圧剤を増やすなどして無理に下げることはせず、歩きや食事などである程度のところを維持しています。

歩きの方ですが、昨年ほど根を詰めての歩きはしなくなりました。それでも機会あるごとに歩くようにしています。歩きが習慣になったため、2駅や3駅歩くのは気軽な範囲で何とも思わなくなりました。日曜の今朝いつもよりちょっと朝寝をしましたが、雨上がりの早朝の歩きもなかなか良いものです。住宅街を歩いていても出会う生き物は道端で毛づくろいをしている三毛猫ぐらい「皆まだ布団の中なのかなあ」と思いつつ。商店街に入ると流石に電車へ急ぐ人など行き交う人も少なくありません。そうそう、日曜の早朝散歩で定番なのはコーチに率いられたちびっ子野球軍団ですね、先日はガール・スカウトらが集合地点に向かうのとすれ違いました。

歩きのうんちくはいつも嫌というほど書いているのでやめておきますが、歩き慣れたため、かなり大股になってきたようです。骨盤周囲の関節や筋肉がほぐれてきたということでもありますね。やや長距離を歩いても疲れも少なくなりました。歩く体力がついたとともに、効率よく歩けるようになったのでしょう。

◯ グラチャンバレー2013

オリンピックの翌年に開催されるバレーボールの世界グランド・チャンピオンを決める大会が始まりました。眞鍋監督、今回は新フォーメーションを引っさげての参戦とのこと、どんな作戦かなと思っていました。他国と同じことをやっていても勝ち目はないということで MB:ミドルブロッカーを2人から1人に減らし WS:ウイング・スパイカーを4人に増やす布陣。今までの MB にとっては非常に悔しい戦術だったようですが、緒戦で効果を発揮。ちょっと難しいかなと思っていたロシアに快勝。その勢いで向かった第2戦、米国には勝ちを譲りましたが、第3戦アジア・チャンピオンのタイをストレートで下しました。第4戦は黒光りのする精悍な選手ばかりのドミニカ共和国、日本チームと平均身長差10cm以上。ちょっと今度は難しいかなと思われたのですが、迫田はじめ全員のチームワークが機能し何とストレートで押し切りました。

これで日本は12年ぶりのメダル確定、あとは最終戦ブラジルに勝てば金メダル。しかしブラジルはロンドン・オリンピック金メダリスト、今回も全勝で来ているので勝つのは難しいと思われますが、どの程度喰い下がれるか。第1セット、序盤ではブラジルに5点差をつけ快調でしたが、そこはブラジル、徐々に追いつかれます。それでも25点で決着がつくところを粘りに粘ってシーソーゲームとなり、最終ブラジルに29点をとられ力つきました。第2、第3セットはなすところなく、ブラジルの圧力を乗り越えられませんでした。日本も、相変わらず迫田のバックアタックが小気味良く決まり、木村、長岡の得点、そして終盤になってようやく投入された江畑の得点も数を重ねたのですが、日本のボールの多くはブラジルにブロックされることが多く、反対にブラジルのボールを日本はほとんどといって良いほどブロックできなかったのが大きかったと感じました。ということで最終結果、日本は銅メダル確定。最近、銅は何回もとっているので、せめて銀が欲しかったのにね、、

日本代表メンバーにも新しい顔が台頭、元バレー選手の父を持つ大竹里歩がロシア戦ではひとり MB として頑張り、ブラジル戦でも良い技が垣間見えました。今回、故障で欠けた江畑幸子の穴を埋めるように新星石井優希の活躍が光りました。参加チーム全体の中でもかなりの得点王。これからは江畑と並んで日本のエースとして活躍しそうです。それにしても今回の試合では、ロシアの巨人ガモアの姿もなく、米国にも目立つ重砲はなかったようです。会場で寂しげに観戦していた江畑ですが、ドミニカ戦ではベンチ入り。最終セット終盤の日本やや窮地の場面でコートに呼ばれました。彼女らしい派手な戦果を上げる前にベンチへ呼び戻されましたが、それでも江畑の登場は試合の流れを変え、最後の巻き返しで日本最終セットを取りました。最終ブラジル戦では形勢良くない第2、第3セット「何故、江畑を出さないのか」といつもの迫田に対し抱いていたと同様の気持ちでやきもきしていました。最後の最後に投入された江畑の活躍を見ても、もっと早く投入していれば勝利までいかなくとも、第2・3セットでもっとブラジルに食い下がれたのではないかと残念です。

今年からキャプテンとなった木村沙織は以前ほど目立ちませんが、それでもタイ戦で彼女のアタックは最高の勝ち点をゲットしました。新鍋理沙や岩坂名奈が前衛で活躍、時々ツー・アタック風の巧妙な技を見せているのは良かったですね。長年にわたり名セッターとして活躍した竹下佳江に変わり、中道瞳がセッターとなりました。見かけは地味に見えますが、彼女も竹下を継承するセッターとして得点を大きく支えました。同様に世界的名リベロ佐野優子に変わり、佐藤あり沙がリベロを引継ぎました。今回の試合では全チームのリベロ中でも優秀な成績を残しているようです。時々コートに呼ばれる近江あかりは初めて見る顔。身長の高い選手ではありませんが、ここぞと云うところでポイントを稼いでいました。長岡望悠の活躍は今後に期待かなと思っていたのですが、ブラジル戦では彼女のサウスポーから打ち出されるアタックが、相手コート端すれすれを狙って小気味良く落ちる場面が何度かありました。

以前は日本の試合を見ていてもポロポロと失点し「負けるなっ、それいけっ」と手に汗握ることが多かったのですが、最近の日本チームは終盤で5点ほどの点差をつけられても余り心配せず見ていられるようになったのは凄いこと。期待通りじわりじわりと競り勝って、追いつき追い越して行きます(さすがに最強ブラジル戦の後半は、これも効きませんでしたが)。ここで輝いてる彼女達の多くは、来たる東京オリンピックまで現役は難しいだろうと思います。残りそうなのは石井優希くらいかな。ここまで磨き上げてきた日本の技術と根性はぜひ若い世代へと継承していって欲しいもの、そしてそれを活かしきる監督の出現も、、

◯ スコーピオン

それにしても久し振りに見た迫田の顔、かなり細く鋭い顔になりました。一瞬「体調でも崩したのかな」と思ったのですが、後から考えてみると過去にも高橋や栗原の丸々とした顔から笑顔が消え、鋭い勝負師の顔に変化したのと同じことなのでしょう。今まで「何で迫田をもっと起用しないのか」とうずうずしていた私ですが、今回のように迫田のバックアタックが余りにも頻繁に炸裂するのを見ると「故障を起こさねばよいが」と心配になってきました。身体能力を極限まで使っての迫田の技を長年持続させることは難しいでしょうから。

いつも書くように「無理な力を使わず、ここぞという瞬間に集中し威力を発揮する」中国武術的身体の使い方ができるようになれば別なのですが、、上の写真の右腕を曲げているフォームは、右腕やそれを支持する躯体に思い切り力が入っていることを示しています。中国武術の場合このように右腕は曲がらず比較的延びた状態で、腕はさらに早いスピードで勁力をもって打ち下ろされるので、ボールはさらに重くなり大きな貫通力を発揮します。

◯ グラチャン男子

続いて男子の競技が始まりました。男子チームは米国コーチをしていた日系サトウ監督に変わったばかりでまだチームがこなれないということもあるのでしょうが、頑張っていることは目に見えるものの、まったく点数を残せず米国戦で1セットをとった以外はストレート敗けの全敗という結果。彼らもさぞ悔しい思いをしたことでしょう。

ど素人の印象ですが、日本チームはほとんどブロックが機能していませんでした。いずれのチームとも身長差はあるのですが、それにしてももう少しブロックがあっても良いかなと。女子では身長の低い竹下でさえたまにブロックがでて驚かせました。やはりテクニックの問題ではないかと思われます。逆に結構鋭い日本のスパイクの多くが相手のブロックにつかまり叩き落とされていました。これにはタイミングの問題もあるように感じました。トスで上がったボールにフェイントで高く跳躍する選手の後ろからスパイクを決める場面が幾つもあったのですが、その頃には完全に相手のブロックにタイミングを合わせられているのです。ときどきはフェイントでなく速攻で撃ちこむ技も必要ではないかと、、

エース清水の鋭いスパイクもこのようなタイミングの問題で撃墜されることが多かったように思われます。同じくエース・アタッカー福沢や越川も小気味良いスパイクを打つのですが、ブロックされたり拾われたりで思うように効果を発揮できませんでした。日本チームでも身長が高いといえない米山裕太の、巧妙なスパイクやブロックが光っていたように思えます。ゴッツ石島が時々緊急の場で投入され、さすがベテランの味を見せていたようです。今後は、清水・福沢・石島のような選手が若い人材として登場することを強く期待します。

外国チームは高い身長を活かして高く跳躍し、頭の上から打ち下ろす強烈なスパイクで確実に得点する場面が多く見られました。日本女子でも石井・迫田・木村・江畑・新鍋などは強烈だったりトリッキーなスパイクで得点を稼いでいましたが、男子ももっと技を身につけて欲しいなあ。女子にも云えることですが身長差の大きい外国選手のブロックへの戦術として、かつての女子の高橋が見せたような、下から打ち上げブロックの指先や腕の側面に当ててブロック・アウトにする技術を磨いても良いのではないかと、、

それにしてもほとんどストレート負けで五戦全敗とは。リオに向けがんばりましょう。

◯ これじゃ勝てないかも?

グラチャン男子の実況を見ていたら「Windows の Surface が日本男子バレーボール・チームの公式タブレットに採用されました」とのこと。サトウ監督や選手が SF を持っている CM がしつこく繰り返されました。日本女子バレーの眞鍋監督が早期から iPad をコートで活用していたことはこのコラムにも数年前に書きました。現在でも眞鍋監督はハンドカバーをつけた iPad を手放さないようです。それに引き換え今回コートでサトウ監督が SF を持っているのを見たことがありません(そんなこと書くとこれからダミーでも持たせる?)。そりゃー、そうでしょう。SF なんて使ってたら返って効率落ちて本末転倒になるもんね。

女子チームの眞鍋監督が iPad を使いこなし、頻繁に TV 画面に登場するのを見た Microsoft 社の対抗意識からと思いますが、いかにも MS 社のやりそうなこと。でも、それって、どうなんだかなあ、、

先日も SF 買ってみたという人から伺ったのですが「SF は単に MS の OS をタブレットに載せてみましたというだけの代物。仮想キーボードも凄く使い難いし、、」という話。わかる、わかる。私がかつて「食わず嫌いで MS の悪口を言うのはフェアではない」と思い、米国で iPhone が発表になっても日本で手に入るのは1年後ということで、その間 Windows phone を使ってみようということで購入しました。しかし液晶は爪の先で慎重に位置合わせして使わねばならないし、キーボードは使い難いということで1年後悲鳴を上げ元の携帯に戻しに行ったところ、携帯ショップでは「そのようなお客さん結構あるんですよね」という話をこのコラムにも書きました。印象としては「Winodows OS を電話機に載せたぜい〜」というだけのもので、電話機としては使い難いことおびただしい。これに対し「Jobs は絶対に電話機としても快適に使えるものを出してくるはず」と思ったのは大アタリでした。

「日本男子は SF を捨てない限り強くなれないなあ、まさか日本が強くならないよう米国 MS 社の陰謀なんてことはないよなあ」と言うのは言い過ぎ?

◯ 数十年ぶり母校で開かれた同期会

私の卒業した麻布学園は中高一貫校、最近は毎年同期会が行われています。私は中高の頃はまったく目立つ方ではなく親友も少なかったので、出席しても親しく話をする同級生が多くありません。数少ない親友は卒業後まもなく名簿の住所が空白で行方不明状態。

「日本にも速射砲が欲しい」が長いこと私の悲願でした。あの迫力ある走り込みから高く跳躍、大きく弓なりになって打ち下ろす迫田の技はかなりの威力を発揮しています。相手が受け損い跳ね返ったボールがこちらのコートを越え後ろの方へ飛んでくるほど。外国選手によく見られる重砲とまでは行きませんが、最新のイージス艦や駆逐艦に積んである速射砲のような威力。

得意のバックアタックはもちろん巧妙なブロックなどを見せ全試合で活躍したのは、私が何年も前からイチオシしてきた迫田さおり。前衛なのに大きく後ろへ下がり前方に思い切り走りこみ跳躍、大きな弓なりから叩きこむバックアタック風の打ち方に「スコーピオン」という命名がされました。

これは非常にうまい命名「しっぽの針を持ち上げ相手を刺す」色々な意味で状況をうまく表しています。このコラムにも何回か書きましたが、日本の形勢が危うい場面で「監督は何で迫田をださないのか」と地団駄踏んだことが今まで何度もありました。今回ようやく彼女の能力が衆目の一致するところとなったのは大変喜ばしいことです。勝つのは難しいかなと思われた第4戦ドミニカ共和国との闘いに日本はストレート勝ちしましたが、迫田のバックアタックが随所に炸裂、この試合の MVP:最優秀選手を獲得しました。

桜に囲まれた中庭だけは昔と変わっていません。校舎の上から銀色の六本木ヒルズがのぞく。

昨年出席したので今年は休もうかなと思っていたのですが、今回は母校で行うということで参加しました。昔は空地だったところに校舎が建ち地面は大分少なくなりましたが、充実した図書室やパソコンの並んだ情報教育の設備などを見せてもらいました。在学中は昼休みになると上がってテニポンをした屋上、その後悪さをした生徒があったため現在は施錠され出られなくなっているそうですが、今回は見学させてもらえました。桜の木に囲まれた中庭とメインの校舎、廊下や階段などを含めこの屋上も五十数年前とまったく変わっていません。ただ、大きく変わったのが屋上から見る風景。北西側は林立する大きなビルの壁になっていますし、北側すぐ近くには銀色に輝く六本木ヒルズ。

夏休みに下駄履きで都電に乗り水泳教室にやってきた想い出。プールの脇の長い塀にそって着衣を脱ぎ六尺褌を締めたあの懐かしい塀もまだありました。私達が中学1年秋の遠足の時、2年生の乗船した遊覧船が定員過剰で沈没、22名が亡くなった有名な「相模湖事件」。それ以来、麻布は生徒の水泳に力を入れたのですが、残念ながら私は中高在学中に泳げるようにはなりませんでした(プールの横断途中で溺れそうになり、フンドシを掴まれ助けられた記憶はあります。フンドシは救助のため)。多少泳げるようになったのは高校卒業後、それも自己流で習得したものです。

同期会に出ていつも思うのですが「やはり麻布の生徒は姿勢が良いなあ」。もう71を過ぎた参加者100名を見回しても猫背は一人もいません。これは体育の名教師、安楽先生のお陰と思っています。アダ名をつけるのが上手い麻布の生徒ですが「安楽」は本名。入学してすぐの体育の時間、集団による「行進」を盛んにやらされました。まだ戦後9年で軍隊の名残もあったと思います。四列縦隊に整列し行進を行い、号令で四列のまま直角に曲がったり、横隊で進んだり。これを嫌というほどやらされた記憶がありますが、これが麻布生の姿勢を良くしたのだと思っています。今の麻布生はどうなんでしょうか、、

◯ いわゆる食品偽装について考える

ここのところマスコミは「食品偽装」なる話題で賑わっています。問題は産地名などを偽っての販売などのようですが、対象は有名デパートにまで広がっています。

確かに有名店が産地などを偽って販売するのは大きく信用を落としますが、そうなると通販の商品なんてどれも信用できないんでしょうね。というか、有名デパートを寄ってたかって吊るしあげている「マスコミ」自体、最近はヤラセ番組や記事偽装などザラのように思われますが、自分自身の業界のことはどうなんでしょうか。「他人のことをとやかく言ったり文句をつける人間に限って、自分は全く作法を守らない」のが鉄則かな、、

みのもんたが息子のことで番組を降板した事件はマスコミを騒がせました。他と横並びで考えれば、あれは TV 局のお偉いさんがひな壇に並んで取材陣に頭を下げてしかるべき問題ではないかい? 昨今、他の業界では、そういう人間を長年にわたり表看板として使用してきた場合、総責任者がマスコミの前で謝罪というのが定番と思ったのですが。

このようなことは有名ブランドのバッグその他、昔からざらにありますね。名画などもそうですが、今まで有難がって大枚はたいたものが贋作とわかった途端、怒り出すというのも私には理解できません。贋作だろうが何だろうが、自分が「美しい」「素晴らしい」と思って気に入っていたのなら、それで良いじゃないかと私は思うのですが。まあ「安全食品」をうたって実際には「毒入り」だったりすれば、それは別ですけどね。

実名を挙げてなにですが、例えばピカソの絵など私は少しも「美」を感じませんし「良い」とも思いません(まあ、私に美的センスがないってことなんでしょうが)。反対に安物と思われている印刷物やポスターに「素晴らしい」と感激することはよくあります。「美」を感じます。こういうものは「自己満足の世界」で良いんじゃないかと思うんですが。

もしかして、世の人は「品物そのものの価値」ではなく「品物から派生する金銭的価値」を見ているのかな。それなら納得できますが「美味しいものを食べたい」「美しいものに感激したい」私には無縁なこと、、

◯ 医療情報連合大会 in 神戸

医療情報連合大会には第3回の頃から参加しています。以前は毎年 電子カルテの演題を出しており、よく座長もやらされましたが最近は聴くだけ。この学会も以前のようにワクワクする演題もなくなり、毎年参加はするものの途中で会場を抜け出し外を散歩したりと気も乗りません。今年は久しぶりの神戸。あの阪神淡路大震災の数カ月前も神戸で開催され「もし参加中に震災に遭ったとしても歩いて駅まで行けば良いか」と思ったりしたものですが、会場のポートアイランドから陸への橋も地震で落ちてしまったとのことでした。

今年はいつものポートアイランドではなく、隣の埋立地にあるファッションマートという会場。ホテルをとろうと検索すると ANA の航空券とホテルつきパックが新幹線往復とホテル代より安いのがわかり、そちらを予約しました。

さて当日、羽田で出発前に空調の不調とかで修理に1時間も待たされました。神戸空港から新神戸駅近くの ANA ホテルまで歩いて行こうと思っていたのですが、7時からの鈴木君との会食に間に合わなくなるためポートライナーで三宮まで。昭和大学から成育医療センターへ移られた小塚先生とも久し振りにお会いできました。老舗らしい店構えの「とけいや」のシャブシャブも美味しく大満足、皆さんとの再会を約し、三宮からホテルまで歩く。ホテル側の都合で部屋がスイートに変更されたのはラッキーでした。豪勢な部屋へ泊まれたのに寝て起きたらチェックアウトというのは誠に残念でした。

翌日は丸一日真面目に学会を聴こうとプログラムをチェック。ランチョンセミナーには申し込んでいませんでしたが、その時間帯に興味のあるセッション。会場近辺に適当な食事所があるかどうかもわからないので「朝飯をしっかり食べ、昼飯抜きで聴くのが正解かな」ということで「食べログ」を検索。三宮の「かっぽうぎ」というところで朝飯が食べられるようです。いつもは早くでるのですが、折角のスイートを少しは楽しまなきゃとゆっくり8時過ぎにチェックアウト。神戸の朝の空気はやはり冷たいですね。Google map を頼りに三宮まで歩き「かっぽうぎ」を見つけました。バイキングスタイル、焼き魚や玉子焼きに野菜の煮付け、白米に生卵をかけ味噌汁という選択。ダイエットのため最近 朝飯抜きなのですが、しっかり米の飯を食べました。お陰で昼抜きでも腹の減ることはなく大正解。三宮から会場までは歩くと2時間以上かかりそう、さすがに時間がもったい無いので電車を利用。

朝一のセッションには間に合わないと思ったのですが「地域ネットワークの新たな取り組み」という最初のセッション後半に間に合いました。途中からだったこともあり、いまいち役に立つ情報なし。2番目「より安全な地域医療連携を目指して」は日医の委員会で一緒の神戸の安達先生が座長ということで拝聴させて頂きました。次がランチョンセミナーの時間帯、昼飯のでない「電子クリニカルパスの標準化に向けて」。これはちょっと面白かったかな。1950年代、米国海軍が作ったクリティカルパスについては当時非常に興味を持っており、開業してから何か役に立てられないか考えたりしたものですが、実際役に立つには至りませんでした。あれから50年以上を経て、これをもじったクリニカルパスの全盛。産婦人科には役立てる場が余りないと思っていたのですが、聴いていると産婦人科でも使われているようです。ふうーん、具体的にはどんなものなんだろう、、

最後の一般演題「電子カルテ」セッションを聴いて終了。このセッションも役立つような話はなかったですね。久しぶり真面目に聴いた学会、やはり最近のは面白くないなあと、、

羽田に着いてから夕食と思っていたものの、神戸空港での待ち時間に食べてしまった方が早く帰宅できると考えなおす。空港屋上の寿司屋がよさそう。高層ビル屋上によくあるバーのように、カウンター後方がすべて素通しガラスで空港や神戸の夜景が見わたせます。神戸の街の明かりがとても綺麗。頼んだ寿司も一緒盛りの皿ででてくると思ったのですが、カウンター向こう側から一貫ずつ握ってくれネタも新鮮。お銚子一本を空け、とても満足して機上の人となりました。飛行機では往復ともイルカの DJ によるフォーク・ソング特集を聴きました。とても懐かしい曲があり帰宅後さっそく2曲ほど iTunes でダウンロード、、

< 2013.10 歩いていればいつか到達する | 2013.12 iPhone で生活が変わった >

医療情報連合大会で宿泊した神戸 ANA クラウン・プラザ・ホテル

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です