わーくすてーしょんのあるくらし ( 335 )

大橋 克洋

2021.01 コロナ転じて社会進化となす

碑文谷の高木神社

◯ コロナ転じて社会の進化となす

私は「転んでもただでは起きない」方なので、昨年の散々なコロナ禍についても一方的にやられっぱなしなのは気に入りません。コロナという大きな制約の中にあって、これをチャンスに生き延びる知恵を開発すべきです。

実際に色々なことが工夫されました。「テレワークによる在宅勤務」「それに伴う住居の郊外移転やオフィス縮小化」「オンライン会議」「オンライン飲み会」「Webinar:Web を使ったセミナー」「zoom 面接」「ネットコマース」「脱ハンコ」「料理のテイクアウト」「フードデリバリー」「オンラインショッピング増加」「無観客・ネットワーク越しのイベントやスポーツ観戦」などなど。お金の受け渡しによる接触をさけるためもあって、キャッシュレス化・電子化へのプッシュもあったのではないでしょうか。

一方、コロナによる収入激減の世の中にあって、少数ながら売上激増の企業もありました。 Amazon などのネット販売は膨大な利益を上げたと思われますし、席と席を隔てる透明なアクリル板や厚手の透明シートなどの需要もダントツだったと思われます。宅配急増で宅配業の方達は、嬉しいよりかなりきつい思いをしたのではないでしょうか。

コロナによる制約のもと、生き延びるため苦し紛れに行われたものも少なくないと思いますが、これらの多くはコロナが去った後も有用で、更なる進化を続けて欲しいと思います。

年が明けてもしばらく、世の中の「コロナ慣れ」もあり感染拡大は止まりそうもありません。何とか国民全体が意識を変え、じっと我慢しながら「この状況を良い方向へ活かす」ための知恵を働かしていかねばなりません。あくまで前向きに、、

◯ 今月のコロナ

年明けとともに、東京の1日感染者数は1500名を越えました。昨年の GoTo キャンペーンの停止同様、菅首相は世論に押され、ようやく重い腰を上げ2度めの緊急事態宣言を出すことになりましたが、とりあえず1都3県に限定したもので飲食店の時間短縮を主体にしたもの、昨年4月のように厳しいものではありません。これは遅くとも昨年11月始めには発出しておくべきだったもの。一方で日本医師会の中川会長の会見では「医療現場はすでに医療崩壊の状態にある」との厳しい状況説明と更なる自粛要請がありました。

政府のコロナ対応は常に腰の引けたもの。感染症を止めるには「早い時期に、素早く厳しい条件で感染を閉じ込め、状況に応じ規制を緩めてゆく」べきですが、今回の政府の対応はその真逆「さんざん逡巡したあげく世論に押され嫌々重い腰を上げ、ひとまず限定的な規制を行い、状況が厳しくなったところで、再びやむを得ず規制条件を上げる」。

火災を例にとれば解りやすい。「燃える様子をしばらく眺めた挙げ句、ひとまず限定的な対応をし、更に燃え広がるようなら対応範囲を広げる」こんなことをやっていたら建物は丸焼け、多くの死者を出すに決まっています。戦争なら悲惨な状況になること間違いない。

街頭インタビューを見ていると「この状況では緊急事態宣言もやむを得ない」「政府の対応は遅すぎる」との意見とともに、「自分たち若者はコロナに感染してもたいしたことはないので気にしてない」「4月の自粛では我慢した。そう我慢はしてられないので、ストレス発散のために遊びに来た」「営業の時間短縮で苦しくなる。どうしてくれるんだ」的な意見も。「保証金にせよ何にせよ、すべて行政がやってくれないと」。何か他人任せの人達が多いのが、とても気になります。

その前に「自分は何をすべきか」が最も重要なこと。そうでないと、感染拡大は絶対に止められない。基本的にコロナは台風や地震などと同様に自然災害であって、誰かの責任によるものではない(色々と責任転嫁の理屈を述べることはできるでしょうが)。われわれ国民が力をあわせ皆で対応すべきもの。

外国のような罰則や規制は人権侵害にあたるとの意見もありますが、これはおかしい。このような感染爆発の状況では「個人を守る」のではなく「社会を守るべき」ですから、個人の行動が規制されるのは当然のこと。そうでなければ、菅首相が金科玉条にしている、そして飲食店・観光業などが切に願っている「経済復興」は達成できない。

戦災など本当に悲惨な思いをしたことのない現代の日本人の考えは、安全のぬるま湯の中で弛みきり甘えきっていると思います。今この時でも、戦乱の中近東や中国ウイグル自治区、北朝鮮、はては難民キャンプなど、どれだけの人々が我慢を強いられ、苦しさに耐えているかに思いを馳せて欲しい。それに比べれば Stay Home なんて天国みたいなこと、、

◯ 今月の歩術

1月初旬は強い寒波がやってきて、東京も朝の気温0度台の日もあるなど結構寒い日々で始まりました。日本海側は記録的降雪量を記録し、屋根の雪下ろしや落雪などで亡くなるお年寄りの数も多く、事前に「強い吹雪を含む記録的大雪になるので、車などで不要不急の外出は避けるよう」アナウンスされたにもかかわらず、北陸その他で昨年暮れのように国道などで1000台以上の車が雪の中に閉じ込められ、自衛隊の災害派遣が行われました。

例年、東京では暮れから正月にかけ北風がびゅうびゅう吹き付け玄関ドアをガタガタ言わせているのですが、今のところ朝の散歩に北風が吹き付けることはほとんどなく、そういう点では楽なのかな。

早朝散歩は気温3度以下のことも多かったのですが、ニット帽にダウンジャケット、コロナ対策のマスクで防寒は完璧。モンベル製ダウンジャケットはとても軽いのに防寒性が高く、歩きはじめは首元までジッパーを上げているのですが2キロも行くと暑くなり、すこしずつジッパーを下げます。その頃になると東の空が白み始めてきます。

外気温が低いのに身体が暑くなるのは、朝風呂で身体が芯まで温まっていることもあると思います。前夜家族が入った後の冷めた湯にそのまま入り、追い焚きで少しずつ温めていきます。いきなり熱い湯に入るより、この方式の方が身体を湯とともに徐々に温めてゆくので、健康的にも良いのではないかと思っています。身体もゆっくり芯まで良く温まります。子供の頃よく母から「お風呂上がりそのままでいると湯冷めしますよ」と言われましたが、防寒対策しておけば大丈夫、、

歩法としては「軸足をベタッと地面に着け腰を少し落とす感覚、反対足を前方に浮かせ進める感じ」です。この歩法ですと疲労感少なく距離を歩けますし、最近苦手になってきた登り坂もだいぶ楽です。体重を腰と大腿に受けて歩いているのが、疲れてくるとはっきりわかります。速筋でなく遅筋を使うので疲れにくいのですね。

お陰で、今月上旬は平均1日8キロ以上歩いており月250キロ以上になりそうですが、恐らく後半気が緩んで200キロちょっとというところですかね、、と思っていたのですが、最終日頑張って12キロ歩き、今月トータル251キロ。私としては新記録かな。

◯ カップ・ウオーマー

午後になると熱いコーヒーを座右に少しずつ飲むのを楽しみにしています。冬場になると少しずつ冷め最後の一口が冷たくなっているのは残念。昨年まで小型の魔法瓶を使っていました。ワンタッチで蓋が開き直接口をつけ飲める構造になっていて、これはこれで便利なのですが、熱いコーヒーが入っていると火傷しそう。恐る恐る口をつけねばなりません。

飲み物が冷めないようなマグカップでもあると便利かなと Amazon で「冷めないマグカップ」をキーに検索してみました。魔法瓶と同じ二重構造のマグカップなどありますが、同様のステンレス製のものを持っており、できれば現在気に入っている陶製マグカップのようなものが良い。Amazon の検索結果を見ていくうち、カップ・ウオーマーというのがあるのを見つけました。最近のものはなかなか良くできていて、カップの重量でスイッチが ON/OFF したり、温度設定できるものもあります。

その中から写真のようなものをみつけ、早速注文しました。価格3599円。使ってみました。温度は1から5までの段階で設定できます。上の写真では赤い LED で5が表示されていますが、カップを載せこの LED 部分に触れると温度設定を段階的に設定できます。最高の5ですとかなり熱くなり、紅茶の入ったカップを長時間置いておいたらカップの底に紅茶が焼き付いてしまいました。最初は5でもよいですが温度維持は3前後で良さそう。安全のため、8時間そのままにしておくと自動的にスイッチ・オフになるようです。

カップ底の糸尻が高いと温度が伝わりにくく、糸尻なし底の平らなカップが最も相性が良い。数日使っていますが、なかなか使い心地良く気に入ってます。

◯ Mac mini (M1) はとても省電力

昨年 Mac mini を M1 チップを載せたマシーンにリプレースしました。導入初期の頃、スクリーンセーバーで真っ暗になっている画面を叩き起こそうと何度キーを叩いても目が覚めず、やむなく電源オフという荒業を行ったことがありました。これは M1 に伴う OS のバグだったようです。すぐ Apple の方で対応したようで、この症状は2度経験したきりでした。

その他にトラブルはまったく経験していません。人間は贅沢なもので CPU の反応の速さにはすぐ慣れてしまったのか、特に速いとも感じなくなりました。でも、モタモタする印象を受けることはまったくないので、実際は速いのだと思います。

そして、今までのマシーンと画期的に違うところがひとつあります。まったくと言ってよいほど筐体が熱を持たない。今までの Mac mini は何もしていないときでも結構熱を持つので、マシーンを置いたデスクの表面が熱くなるのが常。近くに置いたものも、かなり熱を持っていました。しかし今度の M1 Mac mini は筐体に手を当ててみても、冷たいと言ったほうがよいほど熱を持ちません。これだけ従来と差があるのは凄いこと。ノートブック型では、かなりバッテリーの保ちがよくなっているはずと思います。

◯ 暴徒をけしかけた退任間際のトランプ大統領

あと2週間ほど今月20日で大統領交代の時期、新大統領決定の最終的裁定を行う議会が開かれている会場近くで、トランプ大統領が大勢の支持者を集め「今回の選挙では多くの票が盗まれた。これに抗議するため連邦議会議事堂に向かって歩こう」と演説をしました。これに勢いを得た大勢の群衆が連邦議会議事堂に向かい、壁をよじ登ったり窓ガラスを破壊したりして大勢が議事堂内に乱入。警官だけでは阻止しきれず州兵まで動員する騒ぎに。この結果、暴徒4名警官1名の死亡が発表されました。

「民衆を煽ってテロ行為を促した」とするこの状況に多くの批判が殺到、民主党だけでなく共和党議員からも批判の声。英仏独の首相からも「民主主義を危うくする米国にあるまじき行為」と怒りの声。議事堂乱入のニュースに「やばい」と思ったであろうトランプ大統領は、デモ隊に帰宅を促す動画を流しましたが時すでに遅し。これはデモでなく、反乱かテロという声もうなづけます。大統領としての任を全うできないという理由で即時解任、あるいは議会での弾劾決議をもって任期数日しかないトランプ大統領を解任する意見も高まっています。トランプ氏が大統領就任前から多用してきた SNS ですが、今回のことから Twitter, Facebook, Instagram がトランプ氏のアカウントを永久停止としました。

選挙での敗北を頑として認めようとしてこなかったトランプ大統領、この後、選挙での不正は主張しつつも敗北を認め、切れ目なき政権移行を行う声明を出しました。

「米国をグレートにする」と宣言してきたトランプ大統領、その行ってきたことは「米国を貶め、国民に深刻な分断を遺した」というもの。今後これを回復するには大変な努力と時間を要すること間違いない。ただでさえ、コロナや中国問題など頭の痛い問題を沢山かかえるところにこの状況とあって、次期バイデン大統領の苦労が思いやられます。大丈夫か?

世界の手本となるべき米国大統領が、色々な局面で民主主義に反する行為を行ってきたことは、米国だけでなく世界中の品位を落としめる引き金になったと思います。この余韻を世界から消し去るのは容易なことではない。共和党員アーノルド・シュワルツェネッガー氏をして「歴史に残る最悪の大統領」と言わしめています。

◯ いきもの達と人類

以前にも触れた「ホモ・デウス」という本、電子書籍で手に入れ少しずつ読んでいます。

ホモ・デウスはホモ・サピエンスに対する著者の造語。神になろうとしている人類を表しています。この本かなりボリュームがあり、ちょっと一気には読み切れません。ここで心にとまったエピソードが幾つもありますが、今月はその中のひとつから、、

狩猟社会の頃までの人類は、森に暮らす動物たちも我々と同じ心を持つものとして話しかけてきました。木や草に対しても同じ。以前はおとなしかった象が荒々しくなり、人間を襲うこともあるようになった時、人々は「あの象には仲の良いツガイのメス象がいたのだが人間に殺されてしまった。それから、あんなに荒んでしまったんだ」と同情した。この頃、神は森の精霊や動物の姿をしており色々なところにいて、人間はそれを敬っていた。自然に対する恐れや敬いがあった。

しかし人類が耕作を覚え定着して農耕社会になると、生き物に対する考えや態度は大きく変貌した。馬や牛、羊たちは家畜として人間の労役の道具や食料でしかなくなった。かつては敬意を受けて然るべきだった生き物たちは単なる資産となり、人間と同じレベルから一段も二段も低いものとして扱われるようになった。そうして現在、地球上の生き物の殆どが家畜やペットとなってしまった。まだ野生生物も残ってはいるが、その数は家畜とは比較にならないほど微々たるものでしかない。この時代になると、森の木や動物たちに神はいなくなり、別次元の神が存在するようになって、これが人間を支配することになる。

こうして、人間が動植物と対話するアニミズムの壮大なオペラはなくなり、人類と神との対話劇に変わってしまった。そして科学革命のはて、人類は神をも黙らせようとしている。

意識しませんでしたが、そう言われてみると確かに。最近でもペットブームなどで動物を自分の家族のように扱っている例は少なくありませんが、森に精霊がいた頃の接し方とはまったく違う。上から目線なのに気がついていないだけ。この人間の不遜さが自然を破壊し、やがて人類自身を滅ぼしていくことになるのではないかと心配しています。

◯ サラリーマン川柳

シビアな話題が続いたので、ホッコリした話題を。今年のサラリーマン川柳100題が発表されました。やはり、コロナがらみの句が圧倒的に多い。中から私が選んだ10題、、

  • 会社へは 来るなと上司 行けと妻

  • 咳き込んで 視線が痛い 電車内

  • 我が部署は 次世代おらず 5爺(ふぁいぶじい)

  • テレワーク 子供の参加で 場が和み

  • 下書きの 送信キーを 猫が押し

  • 寝ているの? 返事がないよ Web会議

  • マイク・オン 部長の悪口 配信中

  • 会社では 偉そうなのねと 妻が言い

  • 「やばいです」 それは良いのか 悪いのか

  • 置き配を 不審物だと 祖母騒ぎ

自衛隊バージョンもありました。

  • 制服で ホレられ私服で 即フラれ

  • 迷彩服 話しかけたら 一般人

  • 「君だけ」と 男にささやく 面接官

  • 名刺みて 「たび団長」って 何するの?

  • 日常も 返事はいつも 「了解です」

  • 報告が 隊より厳しい わが家庭

  • 我が家でも 文民統制 妻強し

  • 家よりも 心落ち着く 演習場

1月31日の早朝気温2度の晴天のもと、頑張って12キロ強歩きました

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です