わーくすてーしょんのあるくらし ( 356 )

大橋 克洋

katsuhiro.ohashi@gmail.com

2022.10 死者への最高の手向けは悲しみでなく感謝

安倍元首相の葬儀が終わってなお、マスコミ上には国葬に対する反論その他、安倍氏を揶揄する声。日本のため心を配り身を捧げたご本人はそれなり満足されていると思うのですが、それに対する余りな声、その大きいのには憤りがおさまりません。

安倍さんのたゆまぬ努力に、大いなる尊敬の念と心からの感謝を、、

○ 今月の陽気

先月は連発式の台風襲来で、3回にわたる連休すべてに影響がでました。3年越しのコロナ禍で営業に大きな損失を被った旅行先や久しぶりの旅行を楽しみにしていた人達には何とも気の毒なことでした。今回の台風群、どちらかというと暴風による損害より長引く豪雨による水害の方が大きかったようです。米国でもカリブ海から米国東海岸に向け巨大なハリケーンが襲い、フロリダなどでは風速70米を超える暴風雨による甚大な被害がでています。

9月は中旬まで暑さが続きましたが、10月になると朝晩は爽やかな空気で気持ちがいい、、と思ったのも束の間、突然、朝の気温13度という初冬の気温、それから数日後は再び早朝でも21度の気温と、気温の寒暖差が激しい。体調を崩す人もでるだろうなと、、

この季節、甚大な被害をもたらす台風に襲われる年もあるのですが、今年の10月、日本への台風の襲来はありませんでした。しかし殆どが曇天で断続的な雨が多く、真っ青な青空を拝むところには至っていません。奇跡的に(?)13夜の満月を拝むことはできましたが、15夜の月は雲の中、、

20日を過ぎると大陸から寒気団が関東まで張り出してきて気温は急降下。12月かとも思える気温になりました。いつもならまだまだ暖かい日差しもある頃なのに、北風びゅーびゅーのなか街にはダウン姿も見えるようになっています。コロナやウクライナ侵攻の影響で光熱費も上がるということで、今年はなるべく暖房をぎりぎりまで我慢しようと思っています。薄手のフリースを常用し室内ではその上にベスト、早朝散歩ではパーカー。このパーカー、薄手で軽いのですが、宇宙素材が使われており耐寒性能が高いとの謳い文句。確かに薄いにも関わらず、耐寒性能がありそう。それでも真冬は厚手フリースを下に着込む必要はあるでしょうね。

10月というと空は真っ青、天高く馬肥ゆる季節なのですが、今年は秋らしい陽気もほとんどなく、冬へ移行していくのでしょうか。

○ 今月の歩術

涼しくなってきたので、歩きもやや復調。週に1,2回は7キロ近く歩けるようになりました。マスク下の呼吸、ややもすると深い呼吸を忘れている自分がいますが、意識して規則正しい呼吸をするよう努めているので、以前のように意識が飛ぶ感じも少なくなっています。

以前から長距離を歩いて自宅に戻り、靴を脱ぐと土踏まずより前の一番力を受ける部分の腫れぼったいような感じが強いことがよくありました。数時間で消失していたのですが、今月に入った頃からそれがなかなか収まらないことが多くなりました。朝起きて、ベッドから床に足を下ろすと「イテッ」という程ではありませんが、足底前部の腫れぼったさを感ずることがあります。

手の指で触れたり押したりしても、タコができているでもなく痛みもまったくないのに、足を床に下ろすと違和感。そんなことで、朝の散歩も時々スルーして足を休ませるようになっています。ネットで調べると、どうも足底前部の横方向アーチが衰えてくると出る症状のようです。こんなところにも老化症状かと、、こんなに毎日歩いているのにね。そういう理由であれば、足を休ませるのは逆効果ということか。で、どういうトレーニングすればよいのか、ちょっと考えてみることにしよう、、

くり返される幼児事故におもう

先月下旬、近所の公園にキックスケーターで遊びにでかけた小1の女の子、5分後にお母さんが公園に行くも姿が見えず大捜索になりました。やがて、その公園から大分離れた公園でキックスケーター発見。そこから土手を越えた江戸川べり草むらに警官が運動靴と脱いだ靴下を発見。数日後、その下流取水口近くで彼女の帽子発見。失踪から十数日後、江戸川下流で水死体で発見されました。運動靴や靴下の揃えた脱ぎ方その他から、過失事故とは思われない疑念もありますが、本当に痛ましいことです。この失踪にまつわる色々な事象について、親御さんの悲しみや後悔はいかばかりかと、、

この夏には、自宅で入浴させた妹の髪をお母さんが拭いている間に、お兄ちゃんの姿が見えなくなり大騒ぎ。彼は勝手口のドアから一人で外に出ていったようで、大勢で捜索になりました。近くの用水路や川など大捜索が行われ、数日を経て海に浮いている幼児の水死体が発見されました。

また数年前には、キャンプ場で川遊びにいった友達をひとりで追いかけていった女の子が行方不明。数ヶ月にわたる大捜索が行われましたが発見されず。この春、その近くで人骨とみられる骨片が発見され、それをきっかけに女の子の着衣や靴など断片的に発見、DNA 鑑定で彼女の骨と確定されました。この数年間、お母さんは彼女の生存を信じてビラ配りなどを行ってきましたが、その心痛やいかばかりかと、、

1番目の女の子と3番めの子は写真で見ても姉妹かと思うほど似た容貌で年格好。住所も同じ千葉県など、その他とても多くの共通点があったのは偶然のなさるわざなのか、、

5人の子持ちとして、本当に胸のつまる思い。思い起こせば、私もぞっとした思いはひとつに留まらない「ああ、運が良くて本当に良かったなあ」と。「だから、子供からは一瞬でも目を離しちゃいけないよ」というのは簡単ですが、言うは易く行うは難し、、

最近こんなこと考えてます

若い頃は、あんなことがしたい、こんなことも良いな、と思うことが沢山ありました。しかし、人生過ごしてきた時間より明らかに残る時間の方が少なくなってくると、どんどん手持ちの札も少なくなり、希望することの実現性は無くなってきました。そこで、最近は発想を転換。TV や Web などで楽しいことを眺めながら、自分がそこに没入していると「これで良いじゃん」と思うようになっています。結局それも「体験していること」なんですから。はやりの言葉で言えばバーチャルということですが、ここでその言葉は使いたくありません。もっと心にしみる感覚なんです。

例えば私は元々建築家になりたかった人、理想の家をずっと追い求め、大学に入る前から趣味で設計図やパースを書いたりしてきました。現在はコンピュータ画面で自作の設計アプリを使って設計図を推敲し、アイデアが固まったところで割箸建築で立体的な模型として実現。これを飽かずに眺め楽しんでいます。

また、自然に囲まれた空気の良い場所で澄んだ小鳥の声や虫の音に包まれながら「晴耕雨読の生活」にも憧れます。一時は本気で田舎に移住を考えたこともありますが、家内の希望条件と合わなかったり具体的に検討すると財政的にも無理があるということで没になりました。しかし最近は、そのような生活をしている人達の TV 番組を見ることで満足しています。

高校の頃は鉄棒にハマり、その後も体操競技は大好きでした。大学に入るとともに日本のモータリゼーションの始まり。車が大好きになり、父が買ったレース仕様の初代スカイライン2000GTを乗り回したり、自分で愛車のサスペンションを換えたりエンジン調整をおこなったり。発刊まもない雑誌カーグラフィックの世界ラリーの記事などを熱心に読んだものでした。現在はスポーツ・クライミングの世界大会や WRC:世界ラリー選手権など、毎回とても楽しみに観ています。

青春ものドラマも楽しみですね。連ドラの始まりと思われる「バス通り裏」若き頃の十朱幸代、可愛かったなあ。加山雄三の「若大将シリーズ」、洋画でもそのような映画が数多く作られました。若き頃のエルビス・プレスリーの青春ものも良かったなあ「ラスベガス万歳」「ブルー・ハワイ」など最高。今でもそのようなものが復刻版で観られる時とても楽しみ。

今月の割箸建築

私の住む東京での地価はやたら高く、ともすると設計もチマチマしたものになりがち。しかし考えてみれば、もうこの歳になって実際に自宅を建築できる可能性はありません。どうせ眺めて楽しむだけなら、もうそんな制約はとっぱらい伸びのびとした設計をすることにしました。それでも、まだかなり控え目と言えるかも知れませんが、、

設計コンセプトは、夏場の風通しをなるべく良くすること。南面は全開放できる大きなガラス戸、北面上部全面にも風を抜くための高窓があります。冬の寒さ対策として、外壁は厚めの断熱材でくるみ、ガラスも断熱ガラス。南側の黒い部分は右端の玄関から続く通り土間。ここは蓄熱性の高い石材を使い、大きなガラス戸を通し降り注ぐ太陽熱を溜め込む。暖房として薪ストーブなら一台で全体を賄えそうですが、左側のプライベート領域と右側共有領域に一台ずつガスファンヒーターを考えています。

右側の共有領域:右上は棚で左右に分け、左側は洗濯エリア、右側は冷蔵庫や電子レンジなども収納するパントリー。その手前にL字型キッチンカウンター、手前の黄色い部分は六畳の小上がり、掘り炬燵形式のダイニングテーブルを兼ねる。リビング左端ソファの脇にはロフトへの階段。階段下は来客用トイレ。洗濯エリアの左の細長いエリアは中庭、熊笹などの緑で埋まり夜間はライトアップされる。

左側のプライベート領域:左上エリアは左からトイレ・洗面・脱衣・浴室・デッキ。中庭との間は目隠しの生け垣、葉が密集し花の咲く椿などが良いかなと。廊下を挟んで手前は3つの寝室ブース、収納・ベッド・デスクなどを設置。寝室プース上部はロフト。寝室スペースは寝るだけを目的とした最小限の広さですが、通り土間を介し庭を一望できる開放感をもちます。

住宅構造がシンプルなので建築費は面積の割には少なく済むのではないかと考えていますが、もっとも費用がかかるのは大きな面積を占める断熱ガラスかも。

スポーツクライミング WC

今年の スポーツクライミング・ワールドカップ、世界を巡り盛岡で最終戦となりました。

最近の女子ではスロベニアのヤンヤ・ガンプレットが絶対女王の強さを発揮、昨年の東京五輪でも金に輝きました。今年前半で、ちょっと残念だったのは私期待の森秋彩(もりあい)の姿の見えなかったこと。小学生のように小柄で無表情だが粘り強く壁にへばりつく小さなヤモリのような彼女、野口啓代が引退したあと安心して観ていられる根性の選手です。その森、コペルで開催されたリード種目の大会に出場。大学生になったそうです。そして、何となんと、絶対王者ヤンヤガンブレットを破り優勝。続くエジンバラ大会でもヤンヤを破り優勝を決めました。凄いこと!!

最終戦は日本の盛岡で開催。この大会は来たるパリ・オリンピックと同じルールで行われ、ボルダリングとリードの2種目で争われるコンバインドという種目。この大会にはヤンヤ・ガンブレットは出場しませんでした。森はリードを得意とする選手ですがパリに向けボルダリングも強化してきたようで、その成果かボルダリングでは米国のナタリア・グロスマン(最近は女王ヤンヤ・ガンブレットを脅かす勢い)とともに4完登。そして次のリードでグロスマンに大差をつけ優勝(ボルダリングの最終課題でグロスマンは、かなりトライアル数を重ね完登しましたが、森は各選手が苦闘した課題をすんなり一撃。この時の疲労の差がリードでの大差の原因と思います)。

いつも笑顔を絶やさない美人のグロスマンに比べ、優勝しても殆ど無表情な森。日本選手にはこのような選手が比較的多いのですが、もうちょっと愛嬌があっても良いかな、森ちゃん。そこだけ気になるけど、淡々と着実に成果をあげる姿には敬服。

一方、盛岡大会で男子はというと、1位楢崎智亜、2位緒方良行、3位藤井快と日本選手がワン・ツー・スリーを飾りました。東京五輪で惜しくも4位だった智亜君、優勝して良かったね。奥様の(旧姓)野口啓代さんもさぞ喜んでいることでしょう。

○ 若いアスリート達の活躍にエール

全国女子駅伝で13人ゴボウ抜きの素晴らしい走りを見せた不破聖衣来(せいら)、故障の報とても残念に思っていました。昨日 TV チャンネルを回していると全日本大学女子駅伝すでに最終6区でしたが、なかなか面白く観戦、そして名城大学が6連覇。6連覇って凄いですね。箱根駅伝の青学をも凌ぐんじゃないかな。しかも5区以外の残り全て区間賞または区間タイ記録。で、5区は?と思ったら、これが拓殖大学の不破聖衣来。残念、チャンネルをひねるのが遅く5区を見逃した。で、YouTube を探すとありました。9位でタスキを受けた小柄な不破、蒸気機関車のような規則正しく力強い走りで、淡々と先行者を抜いていきます。上体を起こし大きなストライド、最後まで平然と走り抜く。もうちょっとで位も抜き去るかと思うところで最終区間の選手にバトンタッチ。もしこのまま走れたら、トップまでいけたでしょう。とても感激の走りでした。彼女のめざしているパリ五輪でも活躍してくれると嬉しいなあ、、

感激ついでにもうひとつ。カナダで開催されているフィギュアスケート・グランプリシリーズ2022。

男子フィギュア優勝は昨年の覇者:宇野昌磨、そして2位に三浦佳生(かお)と日本選手がワンツー。新星、三浦の滑りは見事でショートでは宇野を上回る1位でしたが、フリーで宇野に挽回され2位。これからの三浦の成長、とても楽しみですね。私期待の鍵山は今回出場しませんでした。

女子フィギュア、怪我による長い療養期間から復活の紀平梨花、まだ完全な復調まではいかなかったのか頑張ってはいましたが5位。そして GP デビューの新星、渡辺倫花が何といきなりの優勝。倫花ちゃんは以前から好印象のスケーターだったのですが、ジュニアから上がってきてすぐの優勝には嬉しい喜び。

ペアで三浦璃来・木原龍一組が優勝。彼らは五輪でも銀を獲っていますが、GP 優勝は嬉しい。日本はフィギュアで好成績を残した選手は何人も居ますが、男女の競技はまったく脚光を浴びることがありませんでした。これで日本でもペア人口が増えてくるでしょう。アイスダンスの小松原美里・尊組は7位。村元哉中・高橋大輔の滑りを観たかったところですが、残念ながら今回出場はありませんでした。