2018.12 コンピュータ歴40年目

わーくすてーしょんのあるくらし ( 310 )

2018-12 大橋 克洋

1978年暮、初めて手にしたパーソナルコンピュータ PET2001

キーボードは小さく記憶装置はオーディオ・カセットだった

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◯ 今月でコンピュータ歴40年

わたしが初めてコンピュータを手に入れたのは昭和53年の暮、今月で丁度40年目になります。 当時コンピュータと云えば、ビルの1室を占めるメイン・フレームと呼ばれる大規模なものが主流、初めてのパーソナル・コンピュータと呼ばれるものがその前年に登場したばかりでした。

1978年の暮も押し迫る頃、渋谷西武デパートからパーソナルコンピュータPET2001 が納入されました。当時はパソコンをデパートで売っていたのです。付属してきた雑誌ほどの薄いマニュアル1冊を頼りに初めて触れるコンピュータのプログラミングを始めました。当時はパソコン購入者の目的のほとんどがゲーム作成、私もBASIC でロケットが打ち上げられる様とか迷路などを作ってみるうち次第にプログラミングを飲み込んできたので、本来の購入動機である業務用アプリを作り始めました。最初に作ったのは職員の給与計算か財務管理だったと思います。

やがて NEC などから国産パソコンも色々でてきて、作成したアプリを移植するたび BASIC には方言が強くプログラムを書き直す必要が多いのに手を焼くようになりました。雑誌ASCII で「 UCSD Pascal 言語ではパソコンが異なってもプログラムを書き直す必要がない」という記事を読み、早速使ってみました。私の場合、新しい言語の習得はいつも独学です。Apple II で動いていたアプリを NEC の PC9801 へ移植してみると、コンパイルしなおすだけで即動いてしまったのには感激でした。

そして Pascal から UNIX へ移ったときの感激、モデムと電話回線を介して他の UNIX マシーンと自動交信できるようになったときの感激、それを使って外国から電子メールが届いたときの感激、Steve Jobs が Apple を追い出され創設した NeXT 社の NeXT コンピュータを手にしたときの感激、日本NeXTユーザー会の代表の一人として米国西海岸へ行き Steve Jobs と握手したときの感激、初めての Web でフロリダ大学のページが自分の書斎で見られたときの感激などなど、コンピュータは私に多くの感激とめくるめく素晴らしい世界を与えてくれました。

1989年、まだこの世になかった「電子カルテ」を作り始め、試行錯誤を繰り返し実際の外来診療で使いながら開発を続けてきました。電子カルテがきっかけで、やがて色々な人々との交流や機会を得ることになります。

あれから40年、今は亡き Jobs が世に出した iPhone が先駆けとなり、この間までパーソナルコンピュータの果たしていた役割の多くが胸ポケットに入るスマートフォンに取って代わられた感があります。

自動車もそれに近かったですが、パーソナルコンピュータ発達の歴史をこの目で見て触れながら体験できた世代であったことを本当に幸せと感ずるものです、、

◯ 今年も暮れゆく

今年を振り返ってみましょう。

1月:箱根駅伝で青学4連覇、東京都医師会の元理事仲間と金時山登山

2月:平昌冬季オリンピックでは男子フィギュアの金銀・女子スピードスケートの金銀など

3月:平昌オリンピックでアルペン・スノーボード・距離スキーで金、ホーキング博士没

4月:はじめての孫家拳合宿

5月:Seagaia meeting in MIYAZAKI

6月:ルマンでトヨタが初の総合優勝

7月:大腸ポリープ切除、西日本の集中豪雨

8月:書斎 iMac27インチがダウン、東京医大などで女子などの不正入試問題、池江璃花子アジア大会6冠

9月:北海道の大地震、iPhone XS 発売、テニス全米オープンで大坂なおみ優勝

10月:築地魚河岸が豊洲へ移転

11月:書斎 iMac24インチがダウン、日産ゴーン会長逮捕、WRC でトヨタがマニュファクチャラーズ優勝

12月:フィギュア世界グラプリファイナルで紀平梨花がザギトワを下し優勝、末娘がトリミング・サロン開業

あくまでも個人的な印象として残るものも多く混じっています。毎朝欠かさず歩いているにも関わらず金時山登山では体力の低下を実感、登りがきつかった。平昌五輪では数々の日本選手の金銀獲得の活躍が見られました。初めての孫家拳の合宿、春の季節を全身に感じた合宿でした。1日入院での大腸ポリープ切除はそれなりに初めての印象的経験。長年愛用してきた書斎の27インチiMac ダウンはちょっと悲しかった。水泳の池江璃花子や大橋悠依選手の金メダル、どちらも全く危なげなく頼もしい感動的シーンでした。テニスの大坂なおみ全米オープン優勝も日本を沸かせました。築地の魚河岸が多くの賛否の中で豊洲へ移転。外来で使っていた24インチiMacを27インチiMac の後継としたものの僅か3ヶ月でダウン、やむなく最新の Mac mini 購入しましたが、その直後に新 Mac mini が発表されがっくり。私の愛する WRC:世界ラリー選手権でトヨタがマニュファクチャラーズ・チャンピオンとなりました。ルマン優勝に続くトヨタの快挙。フィギュアのグランプリ・ファイナルでジュニアからシニアに上がったばかりの紀平梨花がザギトワを抑え見事に優勝、かつての浅田真央につづく快挙でした。ボルダリング・リード・スピードの三種類で争われるスポーツ・クライミング競技がオリンピック競技として今年から規定されましたが、日本の男女選手の活躍めざましく、私の好きなスポーツ:バレーボール・体操・フィギュアスケート・WRCに加わるようになりました。iPhone もこの秋 XS になりました。iPhone 登場してしばらくは新機種登場ごとに買い替えていましたが、最近は2年程度は更新せず使い続けています。iPhone XS に魅力は大きく感ずるのですが、iPhone 7 plus で我慢我慢。

とまあ今年はこんな感じでしたが、個人的には今年前半やや衰えたかなと思われた歩き、秋に入ると毎日平均6キロと歩行距離も戻ってきました。仕事を辞め運動不足傾向は否めないので、もっと何とかしないと。今年の天候、それほど酷暑が続く夏ではありませんでしが、世界的にも台風の猛威が強まる傾向があり、北海道の大地震では北海道全域停電という異常事態も。

◯ Marble dog 開業

末娘が小さい頃からの夢だった動物と触れ合う仕事、MARBLE DOG というトリミング・サロンを自宅のすぐ近所で開業しました。

予約第一号は白山、中野と前任地から追っかけで付いて来て頂いたお客さん。開業して3年はなかなかお客も集まらないだろうと思っていたのですが、1ヶ月も経たないうちにボチボチと予約が入ったり、飛び込みのお客さんがあるようです。お店に寄って頂いた方々も「もっと目立つよう宣伝しなきゃだめよ。ビラ配ってあげましょうか」と申し出てくださる女性とか「店内に貼ってあるライセンス、ちゃんと額に入れなきゃ駄目だ」と額縁を持ってきてプレゼントしてくださる年配の男性とか、暖かい応援を頂ける方が多いようで有り難いことです。

開店準備から何から彼女一人でやってきました。消防署・税務署・保健所などなど、関連する役所への届けや認可を得る手続き、店のリフォーム業者とのやりとり等、かなり時間をかけ頑張ってきました。人を雇えるまではまだまだ間があると思われ、それまでは全て一人でやるので大変だろうと思います。暇な私が手伝おうとしても、かえって迷惑なようです。休みは水曜のみ、土日も店を開けるそう。休みの日も改装業者との打ち合わせその他で一日中出勤して帰ってきません。自分の城を持つことができた気持わからないでもありません。勤めをやめてしばらく家にいた娘がいなくなって家内はやや寂しそうですが「嫁にやったと思えばいいんじゃない。それに夜には帰ってくるんだし」と慰めています。

自宅で飼っているトイ・プードルのマイも、数日に1回は娘とともに店の看板犬として出勤しています。開業とともに彼女の友人や親戚、知人から沢山のお祝いのお花を頂き、店の前を通る人から花屋と間違われるほどでした、数件隣に花屋があるのにね。

Instagram で情報を出しているようです。#marble_dog1 で検索してみてください。応援よろしく、、

◯ 今月の歩術

努力の甲斐あって、早朝散歩の歩行距離がようやく以前のように延びはじめ、先月は月間総歩行距離が200キロ、日平均歩行距離6キロを越えるようになりました。今月も月間200キロを達成することができました。ただ歩度(馬術用語で歩行速度のこと)は以前ほど伸びません。こちらは明らかに年齢的な影響によるもので、トレーニングを重ねても以前のようには戻らないのではないかと感じています。

月間200キロの目標達成には毎日6キロ以上歩かねばなりません。昨日と同じコースを歩くのは嫌なので新しいコースを開発しました。早朝散歩は自宅を起点にループを描いて帰ってくるコースなので、早朝散歩を始めて6年、ほとんどのコースを歩き尽くしたと思っていたのですが、案外新しいコースも出てくるもの。

胸ポケットに入れた iPhone で好きな曲をループさせ聴きながら歩いています。やはり音楽をかけながら歩く方が、歩調も整いちょっと楽な気がします。以前は大黒摩季のように元気な曲で威勢をつけ歩いていましたが、今季気に入っているのは中島美嘉の「雪の華」。これ、歌詞はちょっとイマイチなところもあるのですが、何度ループさせて聞いても気にならない。そういう意味で名曲ではないかと思っています。

服装の方も昨年まではスポーツシャツの袖を少しまくりダウンのベストだけでほぼ一冬を過ごしていたのですが、今期は早くも12月からジャンパーを着るようになり、さらには毛糸のキャップも。コンビニで買ったキャップですが、耳まで隠れるので やはり暖かいですね。

「歳とるって、嫌ですねえ」というセリフ、これからも何度も言ってしまいそうですが、それはそれなりの歩度を会得しつつ歩きを楽しむようにしています。人はそれぞれ違うので他人様のことを云々してはいけませんが、80歳や90歳を越えてから若い一流アスリートと同じ体力を要する目標に挑むのは、わたし的にはどうなのかなと思ってしまうんですが、、無理に年齢にあらがうより、それと仲良くやっていくことが大切ではないかと。逆に云えばそれが「若さを保つ秘訣」かも知れません。

◯ 今月の脳トレ

いつも押せ押せになり遅いときは大晦日にやっとポストに入れる年賀状ですが、昨年は余裕を持って出すことができました。今年も家内にお尻を押され12月上旬に年賀状作成に手を付けました。毎年その年の干支の版画を作成することが多いのですが来年の干支は猪、今まで作成した版画の中でも猪は蛇に並び苦手の干支。どうにも格好がつけにくいのです。

pinterest で集めておいた猪の画像を元に原案をスケッチ。クッソー、本当に絵が下手になったなあ。若い頃の版画を見直すととても巧妙な線で美しい版画が彫れていたのに、スケッチが本当に下手。やはり手を動かしていないと駄目なんですね。それでも何とか猪の版画作成。往年に比べあまりにも下手くそな版画ですが、それも味かな、などと自分で慰める。

で、刷り上がった版画の年賀状に宛名を印刷する段になって問題発生。今までは自作の Mac アプリで宛名印刷していたのですが、プリンターをリプレースしたせいで宛名の位置合わせがうまくいきません。位置合わせなど、アプリのソースをちょいといじればすぐ対応できるのですが、このアプリは MacOSX のもの。ここ十年以上 Javascript による Web アプリしか書いていません。それでも試しに昔作成した宛名ソフトのソースを開いてみると、現在の開発ツール Xcode では読み込めない。さて、どうしよう。以前と違い大分枚数を減らしたとは云え90枚近い年賀状の宛名を手書きするのはどうも、、

考えた末、宛名印刷機能を Web アプリで書くことにしました。幸いなことに住所録は既に Web アプリに移植されています。ここから選択した住所リストを CSV 形式のテキストで吐き出し、これを Mac 用宛名アプリに食わせていたのですが、今度は Web 版住所録アプリに宛名印刷機能を追加することにしました。さて Web アプリの方も1年近く余りいじっていません。住所アプリのソースを開き、印刷機能を追加するための基本機能を書きはじめましたが、しばらくいじっていなかったので手探り状態。それでも電子カルテや財務会計アプリのソースにある印刷機能を元に半日ちょっとで印刷機能を追加、何とか宛名プリントすることができました。Web 版では宛名を PDF 形式で表示させ、それを印刷コマンドで印刷するので Mac アプリより一手間多い。プリンターの方も、以前のプリンターのように数枚のハガキを重ねたまま印刷するのがうまくいかず、一枚ずつ手差ししなければならない。それでも手書きするより、ずっとましということですが、、

そんなことで今年も12月中端に年賀状を投函することができました。この機会に Web 版住所録アプリの印刷機能をもうちょっと効率的に動作するよう改良したいと思っています。

◯ IT化により制限され不自由になるガイドライン

日本医師会標準レセプトソフト、いわゆる ORCA の API 協議会に参加してきました。私が十年ほど前から日医総研の上野さんなどに提言してきた ORCA の Web アプリ化、言い換えればクラウド化がようやく本格化しつつあり、電子カルテなどと連携するための API について協議する会合です。

情報提供として、行政による「電子カルテの監査」についての事例報告がありました。九州地区での健康保険診療の監査は特に厳しいようで、行政から度重なる監査を受けた結果、保険医取消処分を受けた事例。これと並行して、「電子カルテに関するガイドライン」の説明がありました。

私は昨年の閉院までに幸いなことに監査を受けたこともありませんでしたし、電子カルテのガイドラインなるものが本格化したのもその後のようです。このガイドラインで定められたことは事細かなガチガチのもの、現場の事情など配慮することなく上から目線で決められたもののようです。

今から30年ほど前に電子カルテを世に先駆け開発してから数年、「これからは必ず電子カルテが普及する。そうなれば必ず行政がこれに規制をかけてくるに違いない。必要な規制はよしとしても行政が作る規制はまったく現場に合わないもの、電子カルテが使いにくくなってはならない。その前にわれわれ医療者で電子カルテに関するルール作りをすべき」と強く考え、当時 宮崎医大外科に在籍した吉原先生にお願いして「電子カルテ研究会」を立ち上げ。タッチの差で、その翌年当時の厚生省で電子カルテに関する研究班が作られることになり、早くから電子カルテに携わってきたわれわれが班員として呼ばれました。

そこで「電子カルテの使いやすさを縛るべきでない」との我々の主張を厚生省が理解してくれ、いわゆる電子カルテの三原則「見読性・真正性・保存性を満たせば電子カルテとして認める」との見解にまとまりました。それ以外の細かいことを規定しなかったことは、電子カルテの発展のためとても良かったと思っています。

しかし現在のガイドラインを見ると、まさに私の恐れていた「現場の事情などかまうことなく、お役人の立場だけから電子カルテの運用をガチガチに縛ってしまう」状況となっているようです。そもそもがカルテを紙で扱っている状態ではまったく無かった細かい規制が山のように決められている。一つには「何でもマニュアル頼り、他人の情報頼り、自分の頭で考えられなくなった現代人」がガイドラインなるものを助長しているのだと思いますが、同時にガイドラインやマニュアルを尊重することこそが「自分の頭で考えられなくなる人間」を作るということがわからないのかなあ、、そもそも、自然界で生きるためには自分の頭で考え臨機応変に判断することこそが生命の危機を救ってきたのになあと、、

私は現場を離れてしまったのでどうでも良いとも言える立場ではありますが、なんだかなあ~と苦い顔、、

◯ 贔屓(ひいき)の引き倒し

アイススケートの紀平梨花選手、ジュニア時代からその活躍を聞いて大いに期待していた選手です。16歳になった彼女は今年からシニアとして世界グランプリに参戦。これは世界各地を転戦した後、上位6名だけが最後のグランプリ・ファイナルに参加できるもの。紀平は日本での NHK 杯ならびにフランス大会で優勝した後、グランプリ・ファイナル進出。ここではロシア3名日本3名に絞られていましたが、紀平は最初のショート・プログラムでオリンピック女王のザギトワに大きく差をつける世界最高点で優勝、続くフリーの演技では冒頭のトリプルアクセルで両手をつくミスがあったものの、後は乱れることなくここでも優勝。最終的にザギトワを抑え見事グランプリ・ファイナル優勝を勝ち取りました。このファイナルにはオリンピック銀メダルのメドベージェワも出場できなかったほど厳しい闘いの結果となりました。メドベージェワの芸術性ある滑り私は好きなんだけどなあ、、

ジュニアからシニア移行直後の優勝は2005年の浅田真央以来ということで、試合を終え日本の空港に降り立った紀平選手を迎えるマスコミやファンの凄かったこと。ニュースによれば「日本のスケート界が紀平選手に期待するところは非常に大きいものがある。かつて浅田真央が活躍していた頃、彼女は日本に莫大な経済的効果をもたらしたが、その後は羽生結弦の故障などもあって思うような経済的効果が得られていなかった。したがって今後は紀平梨花に期待するところが大きい」のだそうです。

これを読んで私としては非常に危惧するものがあります。特にマスコミがそうですが「こうやって英雄に祭り上げられた結果、自分の時間を大きく削り取られ落ちてゆく」パターンが見えるからです。それにもめげない女子レスリングの吉田沙保里のようなタフな人もいますが、そのような人は珍しい。多くの人は絶え間なく続くそのようなストレスに耐えることができなくなっていくのではないでしょうか。浅田真央などもそうかも知れません。何とか紀平選手がその許容範囲を越えるストレスにさらされることなく、浅田真央が達成できなかった次のオリンピックでの金メダルを獲得できるよう願うものです。

◯ 全日本フィギュアスケート選手権

世界グランプリから間を置くことなく全日本フィギュアスケート選手権が開催されました。全日本とあって、世界グランプリに出場できなかった選手も大勢出場しますが、今年はジュニアなど若手を含め大勢の優れた選手が現れ、世界グランプリを凌ぐ面白い大会となりました。

まず女子の初日ショート・プログラム。先日の世界グランプリ・ファイナルで五輪女王のザギトワを下し優勝した紀平梨花選手に注目が集まりましたが、序盤でスケート靴に巻いたテープが硬すぎ転倒、以後はミスもなく見事な演技だったのですが、これが響いてまさかの5位に留まりました。全日本4連覇している宮原知子は正確な演技で1位。坂本花織は2位。

1日置いて女子のフリー。5連覇を期待される宮原、この日も正確な演技でしたが、紀平の点数には届かず。そして最終滑走の坂本がミスなく素晴らしい演技を見せ自己ベストで優勝となりました。紀平2位、宮原3位の最終結果でしたが、フリーだけをとれば紀平の点数は坂本より高く、ショートのミスさえなければ全日本でも紀平の優勝がみられたところ。紀平にとってはちょっと残念でしたが、ジュニアから上がったばかりの彼女にはまだまだこれからいくらでもチャンスがあります。坂本が見事な演技で優勝を決めると、2位になった紀平が笑顔で坂本にハグしに行ったのは微笑ましい光景でした。

5連覇を期待されていた宮原の連覇がならなかったのは残念でしたが、正確無比な宮原もその下にどんどん有望な若手が育ってきているので、やむを得ない結果だったのかも知れません。宮原に より優れた体や容姿が与えられればとも思いますが、逆に現在の状況が彼女の頑張りの元となっているのかも知れません。坂本の演技は今年はじめの五輪の頃より更に円熟味を増し今後が楽しみです。紀平の高得点は人並み以上の練習の賜物と思われ、そういう面で正確無比な宮原の後を継ぐものとなるのでしょう。

一時色々なところで騒がれ期待された本田真凜、米国へ拠点を移し頑張ってきたようですが、ジャンプのミスが相次ぎ15位に留まりました。しかし以前に比べ動作に非常に円熟味が増しており、今後もっと練習に励むなら上位進出も期待されるのでは。総合4位となった三原舞依の演技はいつ見ても優雅で美しい、結果としてはいつも親友の坂本花織の次点ではありますが、私の好きなスケート選手の一人です。6位となった山下真瑚の演技も三原と同じように、いかにも日本人的な優雅さを持ち、今後に期待するところです。

若手の活躍の目立つ今年の全日本でしたが、同時並行で行われていたロシア国内大会では1位から3位までをジュニアの選手が占め、メドベージェワは5位、ザギトワは転倒により7位の結果。昨今のフィギュア界は本当に戦国時代の下剋上の様相。4年後のオリンピックではどんな選手構成になるんでしょうね。

さて男子。選手生活から引退していた高橋大輔 復活の演技を楽しみにしていました。五輪を連覇している羽生結弦は故障のため欠場。宇野昌磨がショートの前の練習で足首を捻挫、演技に不安を抱かせましたが、 圧巻の演技で王者の貫禄を見せ1位。続く高橋大輔がジャンプにちょっとミスもあったものの4回転ジャンプに成功、その後、高橋にしかできない見事なステップで観客を酔わせ2位となりました。

続くフリー。一時は欠場も噂された宇野ですが、足の故障などなかったかのように完璧な演技でぶっちぎりの優勝。そして並み居る若手を下し、さすが高橋が2位となりました。この後、高橋大輔は来春行われる世界選手権の出場権を辞退、出場は羽生結弦・宇野昌磨・田中刑事の3名となりました。辞退の理由は「世界と闘う覚悟が持ちきれなかった」ということですが「若手に少しでも世界大会の経験を積ませたい」という思いもあったのではないかとも報道されています。

それも判りますが、あくまでも実力の順で高橋大輔に世界で闘って欲しいという思いもあるのではないでしょうか。私が大学馬術部の頃、少しでも若手に経験を積ませたいということで選手メンバーに若手を入れることが多かったのですが、なかなか優勝できない。そこで私がキャプテンの頃には方針を少し変え「少なくともメインの試合だけはベスト・メンバーを出す」という方針にしたことがあります。

男子もジュニアなど若手に有望な選手は見られましたが、まだ女子ほど成熟度は見られず、今後に期待というところでしょうか。

◯ ちょっと心配だなあ Apple

亡き Jobs が設計に関わった宇宙船のような未来的キャンパスをこの春オープンしたばかりの Apple ですが、この度テキサス州オースティンに新キャンパスを建設することを発表したそうです。声明によると、その後もシアトル、サンディエゴ、カルバーシティ、ピッツバーグ、ニューヨーク、コロラド州ボルダーへも拡大するとか。これにより膨大な規模の雇用が見込まれるそうです。

これを聞いて Apple 社創設以来 Apple ファンの私としてはとても心配。とうとう Apple もそうなってしまったかと。会社をこのように拡張するようになると会社はどんどんフヤケいずれどうしようもなくなること間違いなし。

Jobs が世の中を感激させるクリエイティブな製品を立て続けに出していた頃、製品開発にかかわる人間はほんの一握りに過ぎなかった。逆に云えば、だからこそ独創的な製品を出せたのだと思います。

「組織はトップが把握できる範囲の大きさにとどめなければならない。もしそれ以上に拡張するなら、それは拡張ではなく分家すべき」というのが私の考え。名前だけの会社というところに携わったことはあっても、本格的な会社経営に関与したことのない私ですが、色々な組織を経験してきて、そう考えるものです。

Jobs なき後の Apple を心配してきましたが、ついに恐れていた Apple 凋落の兆候が見えてしまった。

、、と思っていたら、「Apple が腐りはじめている」という記事を読みました。やはり同じようなことを感じている人がいるんですね。この記事を書いた人も私と同じように「Apple が好きだからこそ、あえて言いたい」と述べています。その主旨は「Apple から、かつてのイノベーションがなくなり、稼ぎの主流が iTunes や AppStore などに代表されるサービス業ばかりになってしまった」「Mac や MacBook はもちろん iPad, iPhone, Apple Watch のどれも、長いこと革新的な新機能が追加されていない」というものです。

私も現在の Apple は iPhone の売れるのをよいことに、価格を常に10万以上に設定するなど iPhone を儲けの種にしているようにしか思えません。Jobs 全盛の頃も NeXT 時代を含め高額な製品は珍しくありませんでしたが、そこには高額を払っても、それを持っていることによる充実した満足感がありました。しかし最近の iPhone などを見ていると、大枚をはたいてまで飛びつく理由はないと感じます「今まで使ってきた iPhone でいいじゃん」と思うような。Jobs の「世の中を変えてやるんだ」というコンセプトが消え去り、会社として単に金儲けに専念するだけの腐った Apple になりつつあると感じます。

同じように感ずる人が増えたのか、最近さすがの iPhone も新製品の売れ行きが思ったほど伸びないことに Apple もやや慌て気味なのではないかという話もあります。Jobs 亡きあとも、世の中に「イノベーション」と「ときめき」を与えてくれる製品をリリースする Apple であることを願うものです。

◯ 武蔵小山駅前タワー・マンション

タワーマンション1棟目が、ついに最高階41階まで建ちあがりました。この手前にもっと低い1棟が隠れており、恐らくこちらにはショッピン・モールなどが入るのではないでしょうか。この後、内装などを行うので出来上がるのは来春くらいかなと思っています。

この他に41階のタワーマンションが少なくともあと2棟は建つそうなので、武蔵小山の位置はかなり遠方からわかるようになるはず。現在でも、洗足駅・大井町駅・五反田駅などからこのタワーマンションを臨むことができます。これらが全て完成すると武蔵小山の人口はかなり増えるので、武蔵小山駅のラッシュが心配。現状でも朝の武蔵小山駅のラッシュはかなりひどく、朝夕の山手線と変わらない。これでタワーマンションができたらどうなるんだろう。特にお年寄りは容易に電車にも乗れなくなる。この沿線の多くは地下駅で、容易に連結数を増やすわけにもいかないし、東急電鉄は恐らく頭を抱えているのでしょう。

写真のタワーマンションの向こう側が大きな更地になっていて、すでに次の棟の基礎工事が始まっています。

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私の書斎、写真に撮ると乱雑さがわかってしまいますね

正月までにもっとシンプル、綺麗にしなきゃ

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です