2017.09 もっと緑ゆたかな東京に

わーくすてーしょんのあるくらし ( 295)

2017-9 大橋 克洋

「もっと緑を」という私の願いに反し、東京には雨後の筍のようにタワーマンションなどの高層ビルが増殖しつつあります。今月の表紙は早朝散歩、港区三田あたりの裏道。このあたりにも高層マンションが多いのですが、道の両側に緑滴る景色「東京にもほんの限定された範囲ではこんな所もある。これをもっともっと広げて欲しい」と強く思ったのでした。暑い夏でも、このようなところに来ると、涼し気な感じでホッとします。本当に癒やされます。

以前も書きましたが、我々から見ると緑が多いと思えるフランス・パリでは、もっと緑を増やす計画と聴きます。高度成長期に比べ文化程度が上がってきたかと思われる東京も、この点についてはまだまだ文化程度が低い。

「森に棲む虎は、自分達の生活に必要なだけの獲物をとって生きてきた。しかし、彼らの棲む森が切り拓かれていった結果、虎はもうじき絶滅するかも知れない。これを防ぐのはあなたです」という広報がテレビで流れていました。東京でも多くの生き物を絶滅させてしまったコンクリート・ジャングル、ささやかでも緑に還したいというのが私の願いです。

◯ 急に秋の空気

8月末まで蒸し暑く寝苦しい夜が続いていたのに、9月に入ると突然スイッチを切り替えたように涼しくなりました。寝る前に動かしていた扇風機も必要なくなり、早朝散歩から返って顔をざぶざぶ洗う楽しみもなくなりました。前夜の残り湯をそのまま使っていた朝風呂も久しぶりに追い焚きの火を入れることになりました。急に肌寒くなって。

歩いていても蝉の声は聴こえなくなり、草叢から秋の虫のすだく声が後を追ってくるようになりました。気温が下がると、とたんに蝉の声が聴こえなくなるんだなあと、、

これからの早朝散歩が楽しみです。夏場の暑さにめげず鍛えたことにより、秋になればさらに本領発揮、ようやく昨年の調子を取り戻せるかも知れません。

◯ シー・シェパードが日本では活動できなくなる

日本の捕鯨やイルカ追込漁などに対し執拗な妨害活動を続けていたシー・シェパードから突然「日本では活動できなくなったため活動を停止する」との宣言があったそうです。その理由は「テロ等準備罪」の成立。シー・シェパードの暴力的活動をどうしても停止させることができなかったのに、直ちに停止させる効果があったということです。

記事によれば、この法律の成立により日本からシー・シェパードに資金提供する人物が資金の提供を停止したためではないかとのこと。え〜、シー・シェパードの活動を援助する人間が日本にいたとは本当なんでしょうか。

国内で「テロ等準備罪」の成立に頑なに反対する声が続いていたことを非常に不思議に思っていました。テロの準備ができなくなりとても困るというのは、某隣国の息のかかった人間や本当のテロリストに違いないと思っていました。先月も似たようなことを書きました。それにしても安倍総理の意志が通り、テロ等準備罪が直ちに目に見える大きな効果を挙げたということですね。

で、この記事はネットで読んだものですが、結構大きなニュースなのに新聞やテレビでは見かけないようです。ここにもマスコミの偏向報道が窺えると思うのは私の偏向?

、、と書いた後、もしかして自分の見逃しだと恥と思ってネット検索してみました。同じニュースは沢山有りましたが、どれもネット上のものだけ。やはり一般マスコミからのものは一つも見つかりませんでした。おかしいと思いません?

ちなみに、今月中旬インドを訪問した安倍首相はインドで熱烈な歓迎を受けていますが、日本のマスコミは一切これを報道していません。日本国民として喜ぶべきことなのに、最近のマスコミの偏向報道は異常で怖いかも、、こういうことこそ国民はしっかり把握するよう努力しないと、本当に戦争に向かう可能性もある。太平洋戦争がそうだったように。

◯ 何だかなあと思うこと

マイナンバーの発効にあたり、行政から「セキュリティの問題があるので、かなり厳重に扱うよう」再々注意がありましたが、当時から「そんなの無理だろう」と思っていました。

実際運用が開始されてみると、案の定。色々なところからマイナンバーを記入して送り返すようにとの文書が届き、中には「個人番号カードのコピーを添付すること」となっているものもあります。これだけあちこちにマイナンバーがばら撒かれれば、セキュリティもへったくれもあったものではありません。

あくまで健康保険証などと同列に考えればよいのであって、あれだけ神経質に「セキュリティ上、取扱は厳重に」との行政の言葉、結局は何かあった時の自分達の保身のためでしかないということ。このためにどれだけ世の中に混乱や不安を煽ることか、、

ただ、印鑑証明や住民票などを近くのコンビニで即座に簡単に取得できるのは、とても便利に思っています。

◯ 再び FAX について思う

これも「何だかなあと思うこと」、FAX について思うことを書いておきます。このコラムを書き始めた1987年1月号に次のように書いています。

一昨年から FAX を入れ大変便利をしている。 当時すでに UNIX を電話回線に接続し uucp とオートダイアルアップで 特定の場所とはメールが行き交っており、 FAX など入れてもいずれコンピュータに置き換わるからと導入を拒んでいたのだが、 途中で考えを変え少しでも早くその恩恵に浴した方がよいとのことで導入した。

このように当時、FAX など入れてもいずれすぐメールに置き換わるからと導入を拒否していたのです。ところがあれから30年を経て、まだ私のところから FAX を排除するわけにはいきません。昨年9月にも書いたように、周囲との連絡に FAX でないと困るところが多々あるのです。そこで、 NeXT コンピュータが出現した1990年当時、コンピュータに接続して FAX の読み書きをして便利していた FAX modem を入れようかと Amazon などを探してみましたが、そのような機器はほとんど見当たりません。それではというので、ネットワーク上の FAX サービスを幾つか使ってみたのですが、いずれも有料サービス。従量制ならまだ良いのですがどれも月払い。FAX の発信頻度はそれほど高くないので、これも経費の無駄。

ふと思いついたのは「もしかして FAX を使っているのは日本だけ?」と、google で検索してみるとズバリその通り。「え?日本ではまだ FAX 使ってるの?」と外人に呆れられているようです。今や e-mail に何でも添付できてしまえる時代ですもんね、外国ではそれが常識。FAX なんてもう10年ほど前に絶滅しているとか。ここでも日本はガラパゴス。

医師会役員をやっていた頃、医師会や医師会員に FAX を普及させようと躍起になったことがありました。そうやって先生方の重い腰をやっと持ち上げて頂き、何年も経ってようやく FAX が普及したのですが、今度は E-mail に移行しようとしない先生方が少なくない。やれやれ、私の生きているうちに FAX は日本から消滅してくれるのでしょうか、、

◯ 今月の歩術

3日の日曜、朝の気温は20度、雲一つない真っ青な秋晴れとあって、清々しい散歩日和。中学・高校の頃通ったコースを歩いてみることにしました。当時はバスと都電を乗り継いで通った道。五反田駅・品川駅・泉岳寺・伊皿子・魚籃坂下・古川橋・天現寺・広尾そして赤十字病院下から坂を登ります。この坂を登るのは高校以来ですから57年ぶり、本村町交差点を過ぎると高校校門前に数人の生徒が待っている。日曜の部活でしょうか。私が校門前を過ぎようとすると、中から誰かやってきて校門を解錠しました。なるほど8時開門か。

復路は仙台坂上から、これも高校以来通ったことのない古川橋へ抜ける住宅地の路を降りてみる。私が中学の頃、家内は幼稚園年長組くらい、この辺りの坂道を三輪車で遊んでいたとのこと、当時すれ違っていたかも知れません。古川橋の小川書店は学校帰りによく立ち寄ったものですが、まだ健在。本を立ち読みしていて、店の人にハタキをかけられた同級生もいたように思います。帰りは比較的直線コースだったので往路よりずっと短い時間で帰宅。往復16キロ少々のコースでした。

◯ 2017グラチャン・バレー女子

楽しみにしている4年に1回のグラチャン・バレーが開催されました。エース、木村沙織と迫田さおりがこの春に引退し、日本チームのメンバーも大分新しくなりました。お馴染みメンバーとしては、荒木絵里香、新鍋理沙、木村に代わりキャプテンとなった岩坂名奈、石井優希、島村春世、鍋谷友理枝、佐藤美弥。新しいメンバーとして、野本梨佳、冨永こよみ、奥村麻依、内瀬戸真実、堀川真理、小幡真子、井上琴絵。長岡望悠と古賀紗理那は、活躍を期待されながら故障で加われなかったのは残念。

監督も久光製薬の監督として赫々たる戦果を挙げた中田久美監督になり、その手腕のほどが期待されます。

野本は長岡や石井と同期ですが、今まで故障で全日本に選ばれなかったのだそうです。しかし長岡や石井同様かなり強力なスパイクを放ち、特に負けたロシア戦や中国戦などではもっと彼女をコートに呼んでよいのではないかとウズウズしました(以前、呼ばれなかった迫田さおりのように)。今となっては古顔でママさん選手の荒木も非常にパワフルなスパイクやブロックを見せました。ウイングスパイカーの中では背の低い内瀬戸、遥かに背の高い外国選手相手にパワフルで巧みなスパイクを何度も叩き込んでいました。背が低いのに鋭いスパイクを打つ様は、かつて私が応援していた高橋みゆきを思わせるものがありましたが、内瀬戸自身、高橋みゆきに憧れているのだそうです。その他に私が買ったのは鍋谷、彼女はサーブ巧者として紹介されていましたが、高校バレーの頃からチーム優勝に貢献してきただけあって、スパイクのヒット率にも卓越したものがありました。野本とともに現在私のイチオシ選手。セッターの富永も良かったですね、時々みせるツー攻撃やブロック、時にはセッター自らスパイクも決めていました。昔はセッターもやっていたそうです。これからはセッターにも、背が高く多彩な攻撃をできるメンバーが必要になってくるのでしょうね。

それから今年の春高でチームを優勝に導き卒業した黒後愛も全日本の候補に入っていたようですが、最終的には選出されていません。彼女は木村沙織の後を継ぎ、強弱使い分けるスパイクよし、ブロックよし、レシーブよしと、場合によっては木村を越えるかもしれないと期待される選手で、活躍を期待していたのですが今回見られなかったのはとても残念。2020年東京オリンピックの隠し玉として出さなかったのか、まだ全日本に加えるには何か足りないところがあったのかは判りませんが、、

日本は初戦で宿敵韓国にストレート勝ち。第2戦ロシア、いきなり1セットを取りかなりよいところまで競いましたが、最後はシーソーを繰り返し僅差で負け。日本以外のどこのチームもそうですが、特にロシアとは背の高さでブロックされることが多かったように思いました。それにしても僅差まで迫ったのに惜しかったです。第3戦、強豪ブラジルにフルセットの末勝利。ここも背の高い選手ばかりですが、いつも高いところからバシッと勢い良く決められるエース、シェーラを欠いたので勝てたのかなとも思いました。シェーラは故障でしょうか、まだ引退には早いと思うのですが。第4戦米国、これもフルセットでかなり良いところまで競ったのですが惜しくも負け。最後は世界ランク1位リオ・オリンピック金メダルの中国、これに勝てば金メダルの可能性もあり、ここでも1セットを奪取かなり食い下がったのですが敗退。ということで最終結果としては5位に終わりました。どの試合も日本は決して劣ってはいなかったのですが、ほんの僅かの差での負けばかり。しかし、これも実力ということになるのでしょう。以前と比べ更に強くしぶとくなっているのですが、世界の壁は更にちょっと高い。

かつて慈恵の馬術部が騎乗姿は上手いのに、いつも僅差で負けることが多かった。こういうのは「ツイていなかった」と見るより「実力が足りなかった」と見るべきなのでしょう。「運も実力のうち」という言葉もありますから。

全体を見た印象として今後改良すべき点としては「ポカッとフェイントを落とされる空間が空いていることが多いが、外国にはこのような穴が少ない」「トスを上げてから打つまでの間が長く相手に読まれやすい、もっとクイックに打つ頻度を上げるべき」「ブロックされ跳ね返ってきたボールのフォローを更にしぶとく」くらいかな。以前よく感じていた「打てば必ず撃ち抜く速射砲を」はかなり達成してきたし、ブロック精度も上がってきています。当分の間、外国勢との平均身長の差は如何ともしがたく、男子のように相手コートに上から叩きつけるスパイクは難しいと思うので、今回の中田監督のめざす「多彩に何でもできる選手の集合体」により、多角的に多彩な攻撃・守備で攻めるチームが日本のあるべき姿と思います。東京五輪までに、それらが達成されるのを楽しみに、、

筋トレ復活後:私の近影

これは日々の生活で感じたことを書きとどめる私の備忘録です