2017.08 現状維持では後退するばかり

わーくすてーしょんのあるくらし ( 294)

2017-8 大橋 克洋

夏の思い出といえば、小学校の頃の「ラジオ体操」「朝起きると昨夜居間に焚込められた蚊取線香の匂い」「朝顔の花」など。そういうこともあり、8月の表紙は朝顔を載せることが多かったのですが、毎年朝顔というのも芸がない。朝の散歩をしていたら、ちょっと朝顔に似た花を見かけ iPhone でパチリ。

さて、これは何の花? 花芯がハイビスカスにも似てるなあ、とネットで調べてみました。もちろんハイビスカスではなさそうですが、ハイビスカスはフヨウ属とのこと。芙蓉の花ともちょっと違うなあと思いつつ wikipedia で芙蓉の項を見てみると葉がちょっと違うかな。フヨウ属にはムクゲもあるようなので、そちらを見てみました。こちらは葉もそっくりで、この写真はムクゲの花に決まり、、で良いのかな、、

それにしても便利な世の中になりましたなあ。このようなことを手元の iPhone でちょこちょこっと短時間で調べることができてしまう。一昔前には考えられなかったこと、、

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◯ 現状維持では後退するばかり

これはウオルト・ディズニーの言葉だそうです。

6月一杯で大橋産科婦人科を閉院し自由の身になりました。毎日が日曜日の状態になったわけですが「さて、これからが自分の力あるのみだぞ」と思っています。どういうことかと言うと、今までは仕事人の立場で「否応なく働かねばならない」状態、身体も頭も働かさざるを得なかったのですが、そこから解き放された現在いくらでもサボることができる。

しかしそのような状態に身を任せていれば、否応なく身も心も落ちてくることは必定。そこで現状維持しようと努力したとしても、やはりジリジリと落ちてゆくのがこれも自然の摂理。「現状を維持しようと思うなら、少しでも現状より上向きにしようと努力しなければならない」それでやっと現状維持できるというわけ。という理屈まではわかっているのですが、さて現実にどうやって進めるべきか、これから試行錯誤の日々が始まります。

この言葉をちょっと別の角度から考えてみると、、代々伝えられた長い歴史を誇る老舗の商品を守るには、昔ながらの製法や味を守ることも大切ですが、それだけでは駄目。試行錯誤を重ねつつ新しい味を足してゆくことが必要。そのような努力を絶え間なく続けることにより、古い歴史をもつ商品が更に深い味を増してゆく、というようなこと。

古流の中国武術が「何でこんな巧妙なことを思いついたんだろう」というような絶妙の技を持つのも、何百年にもわたり代々の武芸者達の工夫が積み重ねられてきた結果と言えましょう。こうして長い年月にわたる現状維持がなされてきたのだと思います。

◯ 今月の歩術

暑さに向かい感じていた怠さは閉院に向けた大整理で大汗をかいたせいで完全に解消されています。7月半ばに院内の全てのものを処理した後からは毎朝歩いています。通常は4キロ程度ですが、週に1,2回は7キロ前後あるいは10キロ以上。そう飛ばして歩くわけでもないのに、2キロも歩くと顔に大汗をかいているのがわかります。若い頃、顔に大汗をかくということは余りなかったのですが。

最近の歩きは原点に戻り「腰で歩く」。腰から下肢を自然に振り出し、身体が一つになって進んで行く感覚。頭の重量をまっすぐ下の腰で受けながら、身体のどこにも力をいれないよう、全身が腰と一体になり歩くよう心がけます。この春ころからすっかり老化感を感じていたのですが、毎日歩くことにより躯体の調子は元に戻ってきつつあるようです。しかし下肢については、春ころよりは良いようですがまだまだ元に戻らない。具体的にどうかというと、しばらく歩くうち下肢に疲労感がでてくる。腰で歩くことにより大分これをカバーはしているのですが、昨年までのように「いくらでも歩けるぞ」感がない。

もうひとつ年齢とともに身体の変化に気づくことがあります。これも春ころからですが、起床すると大腿や上腕内側、時には脇腹などにも大きな丘疹が沢山現れます。最初に気づいたのは上下口唇の内側、朝風呂に入っている時口唇のあたりに痺れを感じ「やばっ、脳神経から?」と思ったのですが、口唇がいわゆるタラコ唇のように腫れているのに気づきました。幸い口唇の腫れは月に数回程度ですが、大腿や上腕の腫れはほぼ毎日。幸いなことに痒みは強くありません。飲み会で隣の皮膚科の先生に尋ねると「それは蕁麻疹」「原因は不明」と言われました。いつも数時間で自然に消失することからも蕁麻疹の可能性が高いようです。何でこうなるの?

昼間の間は書斎に座っている時間が長いので、ところどころに以前のような中国武術の練功を入れていこうと思いつつ。なかなか、、

そうして8月も下旬となりました。今年の8月前半は梅雨明け宣言も過ぎたと言うのに連日小雨が見られる珍しい夏でした。お陰で水不足の心配はなさそうですが日照が落ちたため、やはり作物にとっては良くなかったのかな。毎日歩くようになったことや、ささやかな懸垂運動などを欠かさなかったことで身体の調子も大分もとへ戻ってきたようです。歩きも8割方戻ってきて10キロ少々は何ということなくこなせるようになりました。それとともに気がつくと毎朝の蕁麻疹も出なくなっています。軽い朝の散歩でも帰ってくると両頬に汗びっしょり、ざぶざぶ顔を洗ってさっぱりするのも気持ちが良い。

◯ 変質してしまった facebook

初期の facebook は知合い同士のコミュニケーション・ツールでしたが、最近はそのコンセプトが大きく変貌してしまったように感じます。昔ながらの知合い同士のコミュニケーションもかろうじて残ってはいますが、それらを凌駕する広告やニュース的記事が本来の用途を覆い隠してしまおうとしています。

広告やニュースの中には有用なものもありますが、それらは facebook 本来の用途とは別のジャンルに分け提示すべきではないでしょうか。お友達ジャンル・広告ジャンル・ニュースジャンルなどに分け閲覧できるようすべき。

facebook が google のように広告収入を稼ぐという目的に大きくシフトしてしまったのだと思います。そこへ行くとそのようなビジネス・モデル本家本元の google では広告がユーザを邪魔しないよう上手に配慮されているように思います。「世の中に役に立つ有用なサービスを提供する」という google の精神が、いまだに大きく貫かれていることは大変素晴らしいことと感動するものです。

◯ 安倍政権をおとしめ得をするのは誰?

民進党の党首が国籍問題などをうやむやにし通し他人の非難ばかりに精力を傾ける中、マスコミや野党も盛んに安倍首相の揚げ足取りに集中しています。北朝鮮の核開発・ミサイル実験のように実際に日本を危うくする問題や中国の海洋進出、韓国の反日問題など、我が国にとって重要な問題が山積しているにも関わらず。かつての原子力空母寄港反対、オスプレイ配備反対などを叫び多くの人材を投入していた輩が動く気配は微塵もありません。

このようなこと、また「安倍政権を貶めることにより利益を得るのは誰?」と考えてみると、それは隣国の中国・韓国あるいはロシアでしょう。このようなことから野党の多くはもちろん、マスコミの奥底にはそのような国々の意向が大きく反映されているのは確実と考えるのは私の穿ち過ぎでしょうか。

最近の若者は新聞やテレビのニュースは余り見ず、ほとんどはネットから情報を得ているため、むしろ若者達の方がこのようなことに気がついているのだそうです。中国ではこれを嫌う中国共産党がネット上の情報拡散に大きく規制をかけているそうですが、幸いなことに我が国ではネット本来の「清濁合わせて呑む」性格は維持されているようです。

◯ シェア自転車の問題

日本にもシェア自転車が上陸するとのニュース。シェア自転車は「スマートフォンなどで自転車のロックをはずして自由に使うことができ、好きなところへ乗り捨ててよい」というようなサービスのようです。一見非常に便利そうであり、一方で業者にとっては「チャリン、チャリン」とチリも積もれば山となるビジネスモデルと思いますが、世の中にとって大きな問題も発生しそうです。

すでに中国ではシェア自転車が以前から普及しており、かなり利用されているようですが、野球場ほどの広さのスペースに隙間なく自転車が置かれている写真がありました。これは色々な所に乗り捨てられ周囲に迷惑をかけた自転車を行政が集積所に集めた写真だそうです。大橋医院は閉院したので今となってはどうでも良いといえば良いのですが、このコラムでも何度か取り上げたように、自転車公害には常に泣かされてきました。大橋医院が商店街の入口かつ向かい側が大きなスーパーとあって、診療時間中にあっても患者さんが入れないくらいビッチリ自転車が駐められてしまうのです。現代の人達には「営業中の入口への駐輪は遠慮する」という最低限のマナーもないどころか、人ひとり通れるスペースがあればシメタとばかり、そのスペースへ自転車を突っ込んで行くのです。

このように最低限のマナーをも持ち合わせない現代人にシェア自転車など与えれば世の中にどんな公害を撒き散らすかは明らかなこと。

◯ 車体を軟化させ事故の衝撃を緩和する技術

私がかなり前から考えていたことがあります「もし、ゴムのように柔らかくスベスベした自動車ボディーを作れれば、混雑した道路でも車の密度を上げ互いの車体を柔軟に擦りつけながらかなりスムースに流れるのではないか」ということ。狭い通路の中を沢山のゴム風船がギッシリ詰まりながら流れていく様子を想像してみてください。

海の向こうでは同じことを考え実現しようとしている人がいました。Google から派生した自動車運転技術企業の Waymo が、乗員を危険にさらすことなく車体を軟化させる技術に関し、米国特許商標庁から特許を取得したそうです。それは「ケーブル材や棒材などで車両の剛性を変化させる仕組み。センサーが車や歩行者など障害物を検知すると、これらの部材が引張り材の切断・開放・弛緩などによりボンネットやバンパー、サイドパネルなど車体の一箇所を軟化させて表面の剛性を低下させ、衝突による被害を抑える」のだそうです。

相手が車なら車体はある程度の張力を保つが、障害物が自転車や歩行者あるいは動物などであれば張力を弱める。これらの判断や衝突予測などはセンサとプロセッサにより衝突の程度などを予測するのだそうです。私が考えていたほど柔軟なものではありませんが、それでももしこのようなものが実現すれば、いずれは私が考えていたような方向に進む可能性があるかも知れません。

◯ 今月の脳トレ

すっかりナマってしまった身体がトレーニングにより次第に回復しつつあるのに勇気を得て、閉院作業に伴いここ数ヶ月まったく離れていた電子カルテ開発にも手を染めてみることにしました。こちらはもっとナマっているのではないかと、恐る恐る。

臨床から離れて時間ができたのを幸い、久しぶりに電子カルテをサラから書き直してみることにしました。すると、予想に反しまだバリバリにいけます。毎日の早朝散歩と同様、こちらも毎日時間を決めて続けてみることにしましょう。

◯ 大橋家のルーツ

大橋家は江戸時代に火消奉行をやっており、屋敷が今の赤坂豊川稲荷のあたりにあったと父から聞いたことがあります。今では少ない東京の現地人ということになりますが、そのため戦災などで昔からの資料などは一切残っておらず、昔のことは亡くなる前の父から聞いたものしかわかりません。私自身ももう75才、私より年上の親類の多くはもうこの世になく、先年、私より年上の従兄に尋ねてみましたが大橋家のルーツについては私同様よくわからないとのこと。

大橋という苗字の統計をみると岐阜県あたりがルーツかななどと思っています。TV で姫路城にまつわる話をやっていました。その画面にちらっと姫路城を囲む武家屋敷の地図があり、そこに「大橋傅一郎」という名前がくっきりありました。ちなみに私の父の名前は「大橋傅六郎」です。もしや、ご先祖様?と思ったのでした。

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暑い夏の夜はビアホールで呑み会